東日本大震災から9年の今年。
今まで考えたこともない事態に日本は直面しています。いや、日本だけでなく全世界が直面しはじめている危機的な状況。まだ出口の見えない状況。新型コロナウイルスという見えない存在に呼応するかのように、これまた見えない不安が言葉に乗って伝播してしまっている。
今何が起きているのでしょうか。我々は東日本大震災という大災害に直面し、原発事故という今だに収束していない状況にあります。それ以降も熊本地震、そして昨年の秋の台風による水害。今まで築いた文明的なものをあざ笑うかのように、自然の猛威により簡単に壊れされてしまう現実。
こういう状況はそれまでの存在するもの全てに、その存在を問うてきます。どう生きているかが如実に露わにされ、生きていける者とそうでない者とに分かれてしまう。どういう街を作ってきたかもはっきりしてしまう。困窮している人に対してどのような支援をするかという、社会システム的なことも露わになります。
結局、残念ながら、この国は人が生きていけるシステムになっていないようです。この3月を過ぎても新型コロナウイルスが収束していなければ、おそらく今までに経験したことのない経済的な問題が起きてくるかもしれません。最悪の事態は想定しておいた方がいいのかもしれません。少なくともそういうことを考えておくことが、直面した時に落ち着いていられる要因になるはずです。
全世界が同じ状況に直面するはずです。資本主義という体制そのものが問われはじめています。しかし、今までどうにもならない、硬直しているかのような構造が壊れていくことは、はたして一概に悪いといえるでしょうか。具体的に言えば、働き方そのものが誰もこれで良いとは思っていないのに、続けざるを得ないからといって、ただ続けていたことが、揺さぶられているのです。誰もが見直さなくてはいけないことに直面している。ここから別の道を見つけれれば、ピンチはチャンスになるはずです。
これから本当にあらゆる場面でその人、その国、その会社、その組織の存在がそのまま露わになっていくはずです。見たくもない現実に直面するかもしれません。しかし、哲学の存在論的にはこれは真理の現れであり、真っ当になることにおいて、大変重要なことなのです。ギリシャ語で真理を表すアレーテイアという言葉。アが否定形で、レーテイアは隠されたモノ、覆われたモノのこと。つまり隠された・覆われたモノを否定すること、隠れたモノが露わになるということの状態が真理というのです。
今の今、最も必要なことは当然ウイルスの正体を露わにし、ワクチンへの道をみつけること。全世界の免疫学者が日夜、取り組まれていることであり、1日も早く見つけてほしいです。また日本の原発事故の解決の道もまだ見えていないことです。
何かとてつもない大きなことが起こりつつある今、”真理”という視点に立って、より大きく捉えていくことが何よりも重要です。モノ・カネ中心に作ってきた世界の思想の根本はデカルトによる”我思う故に我在り”にあり、その世界が壊れ始めているのです。本来は”我在り故に我思う”。存在が先にあって、思惟するはそのあとのことであり、それが逆になっていることが全ておかしくしてしまっていると指摘したのはあの20世紀最大の哲学者と言われたハイデガーです。今こそその本意を汲む時かもしれません。この理解があるか無しかで、この先全く違う様相を呈するかもしれません。
東日本大震災から9年目の今、本当に様々なことを深く考えることが必要になってきました。生き方も問われています。大事な大事な今の時です。
※この文章は玄音オフィシャルブログ”玄論”に書いた記事と同じです
今まで考えたこともない事態に日本は直面しています。いや、日本だけでなく全世界が直面しはじめている危機的な状況。まだ出口の見えない状況。新型コロナウイルスという見えない存在に呼応するかのように、これまた見えない不安が言葉に乗って伝播してしまっている。
今何が起きているのでしょうか。我々は東日本大震災という大災害に直面し、原発事故という今だに収束していない状況にあります。それ以降も熊本地震、そして昨年の秋の台風による水害。今まで築いた文明的なものをあざ笑うかのように、自然の猛威により簡単に壊れされてしまう現実。
こういう状況はそれまでの存在するもの全てに、その存在を問うてきます。どう生きているかが如実に露わにされ、生きていける者とそうでない者とに分かれてしまう。どういう街を作ってきたかもはっきりしてしまう。困窮している人に対してどのような支援をするかという、社会システム的なことも露わになります。
結局、残念ながら、この国は人が生きていけるシステムになっていないようです。この3月を過ぎても新型コロナウイルスが収束していなければ、おそらく今までに経験したことのない経済的な問題が起きてくるかもしれません。最悪の事態は想定しておいた方がいいのかもしれません。少なくともそういうことを考えておくことが、直面した時に落ち着いていられる要因になるはずです。
全世界が同じ状況に直面するはずです。資本主義という体制そのものが問われはじめています。しかし、今までどうにもならない、硬直しているかのような構造が壊れていくことは、はたして一概に悪いといえるでしょうか。具体的に言えば、働き方そのものが誰もこれで良いとは思っていないのに、続けざるを得ないからといって、ただ続けていたことが、揺さぶられているのです。誰もが見直さなくてはいけないことに直面している。ここから別の道を見つけれれば、ピンチはチャンスになるはずです。
これから本当にあらゆる場面でその人、その国、その会社、その組織の存在がそのまま露わになっていくはずです。見たくもない現実に直面するかもしれません。しかし、哲学の存在論的にはこれは真理の現れであり、真っ当になることにおいて、大変重要なことなのです。ギリシャ語で真理を表すアレーテイアという言葉。アが否定形で、レーテイアは隠されたモノ、覆われたモノのこと。つまり隠された・覆われたモノを否定すること、隠れたモノが露わになるということの状態が真理というのです。
今の今、最も必要なことは当然ウイルスの正体を露わにし、ワクチンへの道をみつけること。全世界の免疫学者が日夜、取り組まれていることであり、1日も早く見つけてほしいです。また日本の原発事故の解決の道もまだ見えていないことです。
何かとてつもない大きなことが起こりつつある今、”真理”という視点に立って、より大きく捉えていくことが何よりも重要です。モノ・カネ中心に作ってきた世界の思想の根本はデカルトによる”我思う故に我在り”にあり、その世界が壊れ始めているのです。本来は”我在り故に我思う”。存在が先にあって、思惟するはそのあとのことであり、それが逆になっていることが全ておかしくしてしまっていると指摘したのはあの20世紀最大の哲学者と言われたハイデガーです。今こそその本意を汲む時かもしれません。この理解があるか無しかで、この先全く違う様相を呈するかもしれません。
東日本大震災から9年目の今、本当に様々なことを深く考えることが必要になってきました。生き方も問われています。大事な大事な今の時です。
※この文章は玄音オフィシャルブログ”玄論”に書いた記事と同じです