玄語

玄音の弟玄です。日々感じている事、考えている事を語っていきます。そんな弟玄が語る”玄語”です。よろしく。

内村鑑三-サムライ

2024-04-28 15:29:00 | Weblog





『代表的日本人』。

言わずと知れた内村鑑三の代表的著作です。とある古本屋で、いきなり胸に飛び込んできて、早速購入。いつか買おう買おうと思っていた本で、かなりお手頃な値段で買えました。

ちゃんと読み込んで改めて感じた事を書きたいと思いますが、この本で紹介する代表的日本人とは、

西郷隆盛-新日本の創設者
上杉鷹山-封建領主
二宮尊徳-農民聖者
中江藤樹-村の先生
日蓮上人-仏僧

の五人。
なぜこの五人の日本人を代表的日本人として世界に知らしめたいと思ったのでしょうか。

この本は元は英文で書かれたもの。キリスト者でもある内村鑑三はそのあとがきで、キリスト者でありながらもサムライの血をひくものとしての(正に日本人としての)矜持を持っていかのように述べます。

私は、サムライの子のなかでもっとも卑小なる者、イエスキリストに従う者のなかでもっとも卑小なる者であります。

いずれの関係においても、もっとも卑小なる者でありますが、それにもかかわらず、現在の自分のうちにあるサムライに由来するものを、無視したり等閑に付したりすることはできません。

まさに一人のサムライの子として、私にふさわしい精神は自尊と独立であり、狡猾な駆け引き、表裏のある不誠実は憎悪すべきものであります。

キリスト者の律法に比し、勝るとも劣らぬサムライの定めでは、「金銭に対する執着は諸悪の根源なり」であります。そのため、近代のキリスト教が公言してはばからないもう一つの律法「金銭は力なり」に対して、サムライの子であるからには毅然として異議を唱えるのは、私の当然の務めであります。

まことに、たとえこの世の全キリスト者が反対側に立ち「バール・マモンこれぞわが神」と唱えようと、神の恩恵により真のサムライの子である私は、こちら側に立ち言い張るでありましょう。「いな、主なる神のみわが神なり」と。」(『代表的日本人』内村鑑三著 岩波文庫)

世界を知り、その世界が「金銭は力なり」で動いてることに愕然とした内村鑑三は、自身、日本人キリスト者でありながら、この世界に対して、いや、それは違うであろうと、平然として異議を唱えます。その姿に明治日本人の矜持、強さを感じます。

世界はその後、今に至るまで「金銭は力なり」でずっときていることを知る我々は、その流れに飲み込まれてさらに自己を見失ってる日本人の今を改めて反省し、本来の魂を取り戻す時と感じています。

明治日本人から学ぶ事は多いように感じています。その明治日本人が何に注目し、世界に堂々と日本人を語ったのか、そのことにいま改めて関心を惹かれてます。

世界に冠たる日本人になれるのか。今取り戻すべき事は何なのか。今一度考え直してみたいことです。
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