『子供たちにとっての本当の教科書とは何か』 ★学習探偵団の挑戦★

生きているとは学んでいること、環覚と学体力を育てることの大切さ、「今様寺子屋」を実践、フォアグラ受験塾の弊害

コラム・立体授業の報告③

2013年08月10日 | 学ぶ

「雀チュン吉」その後

 先々週、古材でつくった子どもたちの巣箱に雀が営巣しはじめたことをお知らせしました。しばらくは小枝を運び込む二羽の姿が見られましたが、やがて出入りがなくなり、少し心配していました。
 来年に期待しようと思い始めたころ、ほとんど聞き取れないくらいの、か細いなき声。子雀です!

 そばに行って覗けないのが何とも歯がゆく、せめて協力できることが何かないかと考えた末、表札をつくることにしました。家を構えて子どももつくったのだから、表札くらい無いと、おかしいでしょ?(笑い)

 子雀の鳴き声は日を追うにつれ大きくなり、親鳥がエサを運ぶ回数も増えましたが、相変わらず声は一羽分です。そのうち、もう一つ小さい鳴き声が聞こえてきたような気がしましたが、二・三日で聞こえなくなり、先の大きな声だけになりました。
 巣立ちの時期が来て、一羽の子雀は近くの駐輪場の屋根や隣の建物の窓枠で、二・三日親鳥にエサをねだっていましたが、その後、三人(三羽)とも姿を消しました。元気に育って、また戻って来てくれると嬉しいのですが。
 さて、孵化したのがほんとうに一羽だったのかという疑問です。

 研究をしたことがないのでわかりませんが、子どものころ近所の屋根に上り(!)巣を探った経験からすると、三羽くらいいるのがふつうでした。巣をかける時期が遅かった(6月末)ので、卵を一個しか産まなかったのか、それとももっと産んだのに、一羽しか孵れなかったのか。 気になるので来年のために(部屋)をきれいにしてあげようと巣箱を開けました。
 心配は杞憂でした。一個しか生まれず、それをたいせつに育てていたようです。
 巣のなかも写真のようにきちんと(?)片付いており、来年すぐ使えそうです。ひとまず、子どもたちとほっと一息です。

クマゼミの異変・大地震は来るのか?
 立体授業、今回の最後の報告はクマゼミの羽化です。すぐ近く(歩いて二・三分)に神社が二社あり、夏期講習がはじまると、休憩時間を利用してセミの幼虫採集に行きます。教室で羽化させ脱皮のようすを観察させるのです。
 子どもたちは毎回、その色の美しさや自然の摂理の不思議さ・一生懸命ぶりに気持ちを高ぶらせています。こうした感激が、子どもたちの学習に向かう態度を育て、学習姿勢の強固な礎になることをぼくは確信しています。

 さて観察を始めて、もう十年以上になりますが、一昨年頃から、幼虫やセミの「おかしな様子」が見られるようになりました。写真をご覧ください。これは昨年の七月末、やはり神社で採集したセミの幼虫です。
 左側は正常な大きさの幼虫ですが、右側の小さい方も同じときに捕まえました。ところが、こちらの方は出てきた穴のすぐ近くで既に死んでいました。こんな不思議な姿の幼虫は見たことがありません
 クマゼミとすれば、どう見ても正常に羽化の時期を迎えたのではないようです。何らかの異変で、羽化の準備が整う前に地上に出てきたのではないでしょうか。一回だけなら、まあこういうこともあるかと見逃すのですが、実は前年も同じことがあったのです。「今まで一度もなかったことが二年つづけて」となると、やはり何かの異常を疑わざるを得ません。

 昨年はさらに、観察に行ったもうひとつの神社で不気味な光景に出くわしました。クマゼミの奇形を見た同じ日、午後八時頃です。
 外灯の暗い明かりのなか、何百匹というセミが「鳴きながら」乱舞し、ものすごい勢いで地面にぶつかっています。居着いている野良猫たちがそれを追いかけ夢中で食べているのです。
 長い間セミは見てきましたが、こんな光景に遭遇したことはありません。まるで、ヒッチコックの「鳥」の「セミ」版です。

 動物行動の異変はよく大地震と結びつけられますが、他にも全国でクジラやイルカ、深海魚などの異常行動が、ここ二・三年はよく報道されているような気もします。何か異変の前兆ではないかと危惧します。
 そして今年です。七月の末、いつものように観察に行くと、正常な抜け殻と比べると、例年とは比較にならない数で、脱皮途中で地面に落ちているセミが転がっています。一匹連れて帰ってきたセミの幼虫も、脱皮途中で命尽きました。やはりふつうではありません。注意が必要です。
 さて、野外での活動は、毎回こうしたイレギュラーなできごとやハプニングがともないます。それと関わるテーマや学習と関連づける話をすると、自らと学習と環境に対して、子どもたちのアンテナがしっかり立ち上がってくるのがわかります。「環覚」です
 プレートテクニクスと地震の話など、身近な環境の観察から地球までイメージが及びます。子どもたちは、こうして暗記に終わらない学習内容と、その後の広がりを手に入れていきます。


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