風に乗って♪

自然観察が趣味の主婦です。おもしろそうな事は何でもやってみたくて、好奇心のおもむくまま暮らしています。

キイロスズメ飼育観察、今年の羽化率は・・・

2022年10月01日 | キイロスズメ
今年は庭で虫の観察をしていても、何だか変な年でした。

去年の今頃に100匹ちかくいたキアゲハの幼虫が、今年は春に2匹いたきりで
ナミアゲハも2匹のみ、クロアゲハやナガサキアゲハの幼虫は見つけることができませんでした。
その代わり、蛾の幼虫、特にオオスカシバとアケビコノハはたくさん見つけたりして・・・
気候変動のせいなのか、それとも単に果実などにある成り年と似た「表、裏年」なのか?
これからも注意して観察をしていきたいと思います。

でも、今年は庭に「キイロスズメの幼虫」がいない!と思っていたのは
完全に私の目が節穴でした(^^ゞ
あーあ、どうしていないんだろう、キイロスズメに会いたかったな~
食草にするため、垣根に絡ませ放題にしたヤマイモにぶら下がったムカゴを収穫しようと手を伸ばしたとき


えっ!うそっ!


丸々と太った幼虫がヤマイモの葉を食べていました。
毎日庭を見張って(笑)いたのに!こんなに大きくなるまで、なぜ気付かなかったのか
スズメガの幼虫に限ったことではありませんが、擬態しているように見えない幼虫でも
屋外で葉の中にいると、そこの色合いに溶け込んで、姿がみえなくなるのです(言い訳)


1匹見つけると、あとは次々に見えてくるのも不思議なもので(^m^)
あっという間に6匹の幼虫を見つけて、部屋に連れ帰っていました。





スズメガの中でもキイロスズメの幼虫は、巨大でムチムチになる種類です。
初めに身体測定しました。
小さい子は約5cmです。


中くらいの子は、約7cm。


大きい子は、約8cmです。
幼虫の成長はとても早くて、2日くらいで体長が1cm伸びます。


イモムシハンドブックによると、キイロスズメの幼虫の特徴に
お腹の節に楕円形の「白色紋」があると書いてありました。
実際の白色紋はこれなのですが、これって寄生バエの卵にそっくりなのです。
最初見たとき、卵と間違えたほど似ています。
産み付けられる場所も、幼虫が取り除きにくいとされている背中の前方です。
これは、この幼虫にはすでに卵が産み付けられているのでここに産まないで!という
寄生バエに対する防衛手段なのかもしれないと思いました。


いきなり大きい幼虫を飼育することになったので、エサの確保が大変です(^^ゞ
ヤマイモは他の木に絡まっているので、葉を落とさないように解きほぐして1本のツルにして採ってくるのが
他の食草採りより手間がかかります。


ひたすら葉を食べるキイロスズメの幼虫。
みているだけで、癒されます(笑)



キイロスズメは土に潜らず、葉を荒く綴ってサナギになります。
庭から部屋に来て4日目から、みんな順番にサナギになっていきました。




その間にも、庭で見つけた幼虫をこうなった、らもう何匹でも!と思って連れてきて(^m^)
今年のキイロスズメは全部で8匹で、ぜんぶサナギになりました。


9月初旬、葉に包まったサナギを1匹ずつに分けて、羽化の準備をしました。
毎年飼育していて分かったのですが、蝶も蛾もサナギになった1週間後くらいに
寄生された幼虫からハエの幼虫が這い出てくるので、この間が生死の境目です。


サナギを刺激したとき、寄生されていないとお尻の辺りがピクピク動くらしくて・・・
今回1匹ずつ確認して、ラベルを貼り羽化を待ちました。


**
結果は・・・
サナギになった8匹中、無事に羽化したのは4匹でした。
3匹から寄生バエの幼虫が出て、1匹は寄生されていないけど羽化せず
残りの4匹が羽化して、空へ飛んでいきました。
羽化率は50%、厳しい世界です。

サナギを手で持ったとき、すごい勢いで元気に動いていた2匹ですが・・・


10日後、そのうちの1匹からハエの幼虫が出てきました。
あの動きは何だったんだろう?


寄生バエも一生懸命生きている生きものなので、飼育観察します(^-^)ゝ


動くサナギのうち、寄生されていなかった1匹が羽化。
ピクリとも動かなかった小さなサナギからも、1匹が羽化しました(^^ゞ
一番初めにサナギになった子は、寄生されていなかったのに羽化しませんでした。


初めて羽化した子(#^.^#)大きくて立派な翅です!
蛹化から17日後の夜中でした。


翌朝、ベランダから庭へ放しました。


ケースの中には大量の液体が排出された跡がありました。


2匹目の羽化は翌日の午後11時頃。


雨が降っていたので、ケースの中で待ってもらい翌朝ベランダへ。


すぐに飛び立つと思ったのですが、なかなか指から離れなくて
写真をたくさん撮らせてくれました(#^.^#)
夜行性なので、飛んでいる姿を見るのは難しいと思いますが
かなりカッコイイです。


翅は表側からは1枚に見えますが、裏から見ると小さな後ろ翅が見られます。




3匹目、この子もケースの中で待機後、台風が過ぎた昼間に放しましたが・・・
夜行性だからか飛んで行かず、夜までベランダで過ごして翌朝に居なくっていました。


4匹目、最後に羽化した子は、とても大きな体格をしていました。
エサをたくさん食べたからかな。


初めて晴れた日にお別れ会ができました。


お日さまの光に照らされて、身体が輝いて見えます。
夜行性の子だから眩しいかな。


サナギのときの顔と・・・


面影があるように見えますね(#^.^#)
顔の半分が目なんて、まるで少女漫画の女の子のようです。


今年もキイロスズメの観察ができて良かったです。
キイロスズメの羽化率は50%でしたが
また来年もうちの庭で卵を産んで、変わらない姿を見せて欲しいです(^^)/
コメント (6)
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