奈々の これが私の生きる道!

映画や読書のお話、日々のあれこれを気ままに綴っています

映画「卍」と「制服の処女」

2016-05-19 00:09:05 | 映画・テレビ
 今回は映画版の二つの「卍」のお話をしたいと思います。
 まず、1964年公開の若尾文子さんと岸田今日子さんの作品から。
 
これは、お二人のお色気や妖しい雰囲気が溢れんばかりに出ていて、すっごく驚いちゃ

いました。
 とくに、若尾文子さん。
 私がこの人を初めて知った時、すでにお年を召されてましたので、しっとりと落ち着い

た人だなという印象が強く、お若い頃、こんなお色気ムンムンの演技をされていたのが、

とても意外に感じられてなりませんでした。
 そういえば、相手役の岸田今日子さんにしても、私の子供の頃、テレビアニメの「ムー

ミン」の声をされてましたので、役を色々使い分けられる事に素晴らしい女優さんだった

のだなと、あらためて感服したりもしました。
 そのほか、園子(岸田今日子)の夫を、船越英二さん、光子(若尾文子)の婚約者を川

津祐介さんが演じていて、みな原作の役のイメージにぴったりだと思いました。

 ただ、この映画の難点をあげるとすれば、セリフや場面転換の仕方に工夫をこらし、小

説のストーリーを全部、写しとったのは、原作に忠実で好感が持てましたが、いかんせん

、ダイジェスト版みたく、ストーリー展開が急すぎて、感動に酔いしれる暇がなかったの

が、残念な気がしました。
 ストーリーを全部写しとらなくても、テーマに直結する場面を鋭角に切り取り、じっく

り見せてくれれば、なおよかったのになと惜しまれてなりませんでした。


 そして、1983年公開の樋口可南子さんと高瀬春奈さんのバージョン。
 
 実は、小説を読んだのは、つい最近でしたが、樋口可南子さんと高瀬春奈さんの映画の

方は公開当時、映画館で観ていました。
 しかし、こちらは原作が谷崎潤一郎の「卍」で、登場人物の名前が光子と園子と同じで

はありますが、ストーリーはかなり違ってまして、光子の婚約者、綿貫栄次郎は出てきま

せんし、ラストで死ぬのも光子ではなく園子です。
 
 だけど、原作に忠実な1964年版よりも、私は素直に感動することが出来ました。
 でも、だからと言って、1964年版が劣ってるというのでは、決してありません。
 この作品は谷崎潤一郎が、女性を悪魔的で謎めいた美しい存在と捉えることで、マゾヒ

ストとしての自らの願望を具現化したものだからです。
 しかも、光子を殺すことで、女性はか弱い存在でないといけないと言っているようでも

あります。
 ところが、ノーマルな女性や本物のレズビアンを知っている私にはこの光子がワガママ

で計算高い嫌な女に、どうしても写ってしまうのです。
 まず、最初に真性レズビアンで、園子が真剣に好きだと思わせておいて、その実、婚約

者がいた事です。
 私が懇意にしていたレズビアンの多くは、男性をひどく憎んでいましたから。
 しかも、園子に近づいた理由が、同性に好かれてこそ、女性としての本望だといった虚

栄心を充足させる目的なのが許せない気がしてならないです。
 おまけに、婚約者がいると光子に知られたあと、わざと妊娠を装って、園子を騙そうと

したのも作為が感じられて、嫌な女としか受け取られないです。
 本当に園子が好きなら、そんな演技をしなくても、「隠しておいてごめんなさい。もう

一度、付き合わせて下さい。」と正直に言ったほうが例え怒られたとしても、どれだけい

いか知れません。
 そこへいくと、1983年版の光子は、婚約者はいないし、従って何の作為もなく、園

子との愛欲場面も丁寧に描かれていて、その官能的な部分には私もうっとりしちゃうほど

です。
 とくに、二人きりで海に行き、波に向かって砂を投げながら、二人の愛を誓ったそのあ

とで、二人同時に生理が始まった場面は思わず感動せずにはいられませんでした。(真っ

赤)

 しかも、原作同様、光子は園子の夫とも体の関係になってしまうのですが、この作品で

は夫のほうが率先して、光子に迫った形になっていて、男に無理矢理迫られたら仕方ない

かも?と許せる気がしました。

 そして、原作と1964年版のラストでは、光子の元婚約者綿貫栄次郎の仕業で、新聞

に光子と園子と夫との愛欲の日々が白日の下に晒され、自分たちの人生はこれで終わった

と悲観した光子が、園子とその夫に一緒に死のうと言い出し、園子の夫と光子だけが死ん

で、園子ただ一人が生き残ってしまうのですが、1983年版では園子が自分の夫に心変

わりをした光子に落胆し、園子自身が絶命するところが大きく異なっています。
 しかし、園子の葬儀の最中に、光子と園子の夫がSEXする場面を入れることで、女性の

中に秘められた性の深淵を垣間見させ、原作のマゾヒズムとは、また別の味わいを醸しだ

すのに成功したように思えます。

 まあ、言えば、樋口可南子さんと高瀬春奈さんのバージョンのほうが、よりレズビアン

やノーマルな女性の実態に即していて、女性にはしっくり来るということですね♪


 ところで、レズビアンと来たら、もう一つ、ご紹介させてほしい作品があります。

 それは1936年公開のドイツ映画「制服の処女」です。

 この映画は登場人物がみな女性なら、監督もスタッフもみな女性だけで作られた作品で

、そのストーリーも、女生徒が女教師を好きになるところから、レズビアンを賛美したと

言われている知る人ぞ知る超有名な作品です。
 でも、この作品に描かれていることは女性なら、少女の頃に誰でも一度は経験したに違

いないのです。
 あの「赤毛のアン」のアンの心の友ダイアナしかり、少女は同性を好きになるプロセス

を経て、大人の女性へと成長していくものだからです。
 だから、中学生や高校生の頃、少女はいつも一緒にいる女友達がいて、夢や憧れを綴っ

た交換日記を書いたり、どこに行くのでも手をつなぎたくなったり、或いはこの映画の女

生徒同様、憧れの年上の女性がいるものなのです。

 云うなら、異性を好きになる訓練みたいなもの?

 しかし、それは少女にとって、自らの愛情を育むとても大切な期間であり、また儀式な

のかもしれませんね。   
  

 やはり、女性は、人を愛さずにはいられない生き物なんですね。


   
 
 



 

「魔法使いサリー」よっちゃんと沈丁花

2016-05-02 13:23:08 | 映画・テレビ
 少し前になりますが、ある記事にこんなコメントを頂きました。
 
 「昨日、公園で沈丁花の花が咲いていました。サリーちゃんのよっちゃんが沈丁花の匂い

で亡くなったお母さんを思い出すって話す場面があったのですが覚えていますか?」

 それは、テレビ・アニメの「魔法使いサリー」のエピソードらしかったのですが、残念な

がら私はまったく覚えていませんでした。
 そして、その人は、いつも沈丁花の花を見ると、このシーンを思い出すとのことでした。

 私は、このコメントに、とても嬉しくなりました。
 
 なんて、素敵なコメントでしょう。

 怪獣博士の異名を持つあの人に、こんな素敵な詩心があったとは・・・

 人は見かけによらないって言うけど、こういうことを言うのかしら?

 なんだか、惹かれちゃいそう・・・(真っ赤)


 そういうふうに、しばらくは思っていたのですが、ふとある疑念がわいてきたのです!

 これって、サリーちゃんのエピソードじゃなく、よっちゃんのことですよね?

 あの人、もしかしたら、よっちゃんが好きなんじゃ?
 因みに、これがよっちゃんです。
 

 ふ~ん、そりゃあ、人の好みはいろいろあるから、なかにはサリーちゃんより、よっちゃ

んが好きって人もいるかも?

 だけど、ちょっと待って!

 あの人、私にすごく親切な気がするけど、もしかしたら、私のこと、よっちゃんに似てい

ると思ってるからじゃ?

 私が、よっちゃん?

 それは・・・

 ううん、別に不服がある訳じゃないのよ。

 よっちゃんて、気は優しくて、力持ちで、私も、あんな頼もしいお友だちが欲しいと思う

わ。
 でも、それはあくまでもお友だちに欲しいだけで、私はよっちゃんには全然、似てないと

思うの。

 髪型だって、よっちゃんみたいに結んでないし、どちらかと言えばサリーちゃんか、すみ

れちゃんに似てるような気がするし・・・(汗)

 
 だけど、あの人がよっちゃんのこと、そんなに好きだったら、私の知らない良いところが

、ほかにもあるかも知れない。

 それに、沈丁花のエピソードも気になるし・・・

 そこで、レンタル屋さんでDVDを借りて、確認してみることにしました。

 テレビ・アニメの「魔法使いサリー」のDVDは全部で19枚あり、全109話が収録されて

います。

 ついでに、横山光輝さんの原作本も読んでみました。

 これには、噂でしか知らなかった元のタイトルの「魔法使いサニー」のカラーの扉絵も収

録してあり、ちょっと感激しちゃいました。


 また、その本には横山光輝さんが、「魔法使いサリー」を誕生させた経緯も書いてありま

した。
 それによると、横山光輝さんは、女の子の優しさや、思いやりが魔法で叶えられるように

なればいいなと思っていたそうです。
 それと当時のアニメは男の子のものばかりで、女の子の見るアニメもあっていいじゃない

かと考えて、「魔法使いサリー」を創ったとか。
 だから、「魔法使いサリー」は記念すべき、女の子向けの初めてのアニメだったのです。
 しかし、そうは言えウィキペディアによると、男の子も結構、観ていたらしいです。
 つまり、よっちゃんの沈丁花のエピソードが好きだと教えてくれたあの人も、その中の一

人だったようです。

 それで、「魔法使いサリー」をつぶさに観てみたら、よっちゃんは想像以上に素晴らしい

女の子だということが分かってきました。

 よっちゃんの本名は、花村よし子で、自由が丘小学校の5年生、個人タクシーのドライバ

ーをしているお父さんと、小学校に上がる前のトン吉、チン平、カン太の三つ子の弟がいま

す。
 お母さんは数年前に亡くなっていて、弟の面倒を見たり、家事はよっちゃんが主に一人で

こなしています。
 これだけでも偉いのに、このよっちゃん、5年生なのに、「母の友」という母親向けの雑

誌を購読しているのです。
 その訳をサリーちゃんに聞かれ、「弟たちをどこに出しても恥ずかしくない子に育てるた

め」と答え、さらにこう続けるのです。
 「お母さんがいないからお行儀が悪いなんて言われたら悔しいもん。天国にいるお母ちゃ

んにすまないわ。」

 よっちゃんちの収入源はお父さん一人だけで、生活はかなり苦しいみたいです。
 それでも、よっちゃんはそうした境遇に負けないで、幼いながら、天国のお母さんを想い

、けなげに家庭を守っているのでした。

 そんなよっちゃんにも夢があります。
 その夢を書いた作文がありますので、ご紹介しますね。

 「魔女になりたい」
 これが、私の夢であった。
 欲張りのせいか、なりたいものが沢山あったからだ。
 宇宙飛行士になって、火星に一番乗りするとか、世界的に有名な外科医になって、ダメだ

と言われた手術に成功する。
 みんなからは男の子みたいだと言われても仕方がなく・・・
 けれど、私も女の子、有名なピアニストになったり、バレエのプリマになって世界中を踊

りまわる。超満員のお客様からの嵐のような拍手と歓声。お金持ちの娘になって、贅沢な生

活をしてみたいとも思う。

 ところで、私は毎日、学校が終わると、晩ごはんの支度のことで、頭がいっぱいになる。
 母がいないからだ。
 時には弟たちがお腹をすかせて待っている。ご飯の支度をしながら、いつも母のことを思

い出します。
 私は弟たちを叱ってばかりいますが、母は一度も私たちを叱りませんでした。
 母は私たちが悪いことをした時には、いつも私たちを叱らないで、母自身の子供の時のい

たずらの話をして、自分も両親をよく困らせたものだと苦笑するだけでした。
 私はこんな時の母が一番好きでした。
 母であると同時に、何でも話せる友達であるからです。
 母の子供の頃の話を聞いていると、私たちはもう二度と悪いことをして、この母を困らせ

まいと心に誓うのでした。
 そんな母が死んでからというもの、弟たちの乱暴が激しくなりました。
 母がいなくなった淋しさを、どこにぶつけていいのか分からなくなっているのかも知れま

せん。
 私たちが尊敬し、何でも知っていて、素晴らしい人は母です。
 何でも出来るのがそうなら、母は私たちにとって魔女かも知れません。
 大きくなったら、私もきっと母みたいな人になろうと思います。 

 

 ところが、よっちゃんがこんなに頑張っているのに、弟たちの乱暴は絶えず、とうとう警

察に呼び出されてしまいます。
 そこで、弟たちが乱暴をした子供の親に、「結局、こういう乱暴な子供が生まれるという

ことは親の愛情が足りないからです。親がしっかりしていないから、こういうことになるん

です。愛情の問題なんです。」と言われ、よっちゃんはすっかりしょげてしまうのです。
 そのあとで、よっちゃんはサリーちゃんを連れて、家に帰り、古いアルバムを出して、お

母さんの思い出を語るのです。

 「これが、あたしのお母ちゃんよ。すごく優しいお母ちゃんだったわ。
 沈丁花の花が好きだったわ。
 うちのお母ちゃん、いつも編み物していたのよ。
 学校から帰って、家の前に来ると、ザーザーという音がして、ああ、今日もお母ちゃんが

いるなって安心したんだわ。」


 でも、そこまで喋ったよっちゃんは、お母さんが恋しくてたまらなくなり、「お母ちゃん

、どうして死んじゃったのさ・・・」と、その場に泣き崩れてしまうのです。

 それを見ていたサリーちゃんは、よっちゃんが可哀想でならず、魔法で天国のお母さんに

会わせてあげるのです。  

 よっちゃんも、お母さんもともに泣いて、久しぶりの再会を喜びました・・・


 そうして、大好きだったお母さんに会えたよっちゃんは一晩中、お母さんに甘えるのでし

た・・・

 
 次の朝、よっちゃんは沈丁花の匂いで、目が覚めます。
 居間の机の上に綺麗な沈丁花があり、そこからいい匂いがしていたのです。
 
 やがて、家族みな集まり、「お母ちゃんの匂いがする」と言って、沈丁花の匂いをかいで

、お母さんの思い出にひたるのでした・・・

 
 よっちゃん一家のけなげに生きようとするお話に、私も涙がこぼれるのを抑え切れません

でした・・・

 怪獣博士の異名を持つあの人に、こういう素晴らしいお話に感動する優しい一面があった

なんて・・・本当はすごく素敵な人かも・・・(真っ赤)


 ところが、そう思う間もなく、次の瞬間、画面に大きく映し出されたものを見て、びっく

り仰天してしまいました!


 こ、こ、これは、一体???


 そこには、あの人の大好きな怪獣が映っていたのです!!

 よっちゃんのお母さんは、天国では雲で編み物をしていて、怪獣が大好きな三つ子のため

に、怪獣の雲を編んだのでした。


 もし、よっちゃんのお母さんが怪獣の雲を編んでなかったら、怪獣博士の異名を持つあの

人は、それでも感動したのでしょうか?

 それでも感動したと思いたい私・・・


 怪獣博士、本当は一体、どうなの~~~???



 どうして、こんな終わり方になっちゃう訳?(苦笑)



 
 

  



   

映画「炎のランナー」のテーマ曲・熊本地震に寄せて

2016-04-25 19:36:37 | 映画・テレビ

熊本地震、最初の地震が起きてから、10日以上が経ちました。
 この地震で、多数の死傷者が出て、今なお多くの人が避難生活を余儀なくされています


 しかも、まだ余震が続き、被災された方が一刻も早く元の平穏な日々を取り戻せるよう

、祈るばかりです。

 熊本は、私の住んでいる宮崎の隣の県ですから、親しい印象は持っていました。
 プライベートでも、阿蘇や天草に、何度も遊びに行った思い出があります。
 仕事においても、熊本は九州の中心部に位置するところから物流の拠点であり、私の職

場だけでなく、多くの分野の職種に多大な打撃を与えてしまいました。
 しかし、気になるのは、自宅が壊れ、大切な肉親を亡くされた人々のことです。

 もし、私が同じような目にあったらどうしよう。

 生きるための希望や、とてつもないパワーが欲しくなるのではないだろうか。

 「不撓不屈」「起死回生」という言葉が浮かんできました。
 
 そして、映画「炎のランナー」のテーマ曲が頭のなかで鳴り響いて来たのです。


 私は、その曲を聴くと、心の奥底から、パワーが湧いてくる気がして、マイフェイバリ

ット・ソングの一つにしているほどです。

 この映画は、走る事によって栄光を勝ち取り、真のイギリス人になろうとするユダヤ人

のハロルド・エイブラハムズと、神のために走るスコットランド人宣教師エリック・リデ

ルの二人のランナーを描いています。(ウィキペディアより)

 走ることと言えば、私の親しい人に、フルマラソンをしている人がいます。
  
 私は、その人が42・195キロを完走出来るのが、とても驚異に感じられてなりませ

ん。

 それほどの距離を走るために、日頃から訓練を怠らないのは言うまでもありませんが、

精神面にも気を配っているように見受けられます。

 常に、物事を前向きに捉え、プラス思考で、くよくよ悩んだりしないようにしているよ

うです。
  
 そこで思い出したのですが「長距離走者の孤独」という映画の主人公コリンも長距離の

有能な選手だったのですが、彼はゴールの手前で立ち止まってしまいます。 
 それは、彼に走ることを勧めた感化院の院長や、周りの大人達に対する反発からでした


 コリンは、彼らに利用されていると感じ、ゴールを踏むことを拒絶したのですが、そう

でなくても、コリンには邪念が多すぎたから、どのみち走れなかったのではないでしょう

か?
 そして、コリンには根強い人間不信がありましたから。

 私は、もし、コリンが純粋に走るのに喜びを見出し、優勝していたら、彼の周りの大人

達も変わったかも知れないと思えてならないのです。

 というのも、私はこんな話を知っているからです。
 
 2000年8月に亡くなった総合格闘技の王者アンディ・フグが、生前、あるテレビ番

組に呼ばれたことがありました。


 その訳は、ある19歳の依頼者が、「自己流の格闘術を編み出した。その強さを示すた

め、プロで、トップのファイターと戦いたい。」と番組に申し込んだからでした。
 そこで呼ばれたのが、その依頼者の望み通りのファイターアンディ・フグだったのです


 しかし、いざ、試合を始めてみると、その依頼者は格闘技の経験がまったくなく、アン

ディ・フグにさんざん弄ばれるしまつ。
 そんな依頼者を見て、観客やリポーターら、ほとんどの人が嘲笑しました。 
 ところが、まったく笑わずに真剣な眼差しでいる男が、一人だけいたのです。
 それは、アンディ・フグその人でした。
 そして、こう言ったそうです。
 「私は、子供の頃、世界一になってやると言って、みなに笑われた。誰も私の言うこと

を信じる者はいなかった。だけど、一人倒し、二人倒しと、だんだん勝利を積み重ねるう

ちに笑う者は減っていった。そして、K-1のチャンピオンになった今、私を笑う者は誰も

いない。誰にでもチャンピオンになれる可能性がある。だから、私は手を抜かず真剣に君

の試合の相手を務めた。私は、君を笑わない。」
 
 また、この言葉はテレビ番組を観ていた多くの視聴者の感動を呼び、アンディ・フグが

亡くなった後、再放送の要望が多く寄せられたということです。


 話をマラソンに戻します。

 このように体を張ってするスポーツには、言葉だけでは言い尽くせない説得力や、感動

を覚えずにはいられない何かがあるのは否めない事実でしょう。

 だからこそ、精神面における、物事を前向きに捉えるプラス思考と、くよくよ思い悩ま

ないことはスポーツのみならず、生きる上に於いても重要なのではないでしょうか?

 そこから、あの「炎のランナー」のテーマ曲のようなパワーが、心の奥底から湧いてく

るのではと思うのです。

 この曲が、熊本地震の被災者や、人生に思い悩んでいる人達の心の糧になりますように





炎のランナー テーマ曲 (ヴァンゲリス)  Chariots of Fire - Vangelis

映画「魔人ドラキュラ」宮崎市、OOで京都を制す♪

2016-04-13 18:25:41 | 映画・テレビ
先日、ネットのニュースを読んでいたら、去年のギョーザの購入額ランキングで、宮崎市が第3位に躍り出たと書いてあり、びっくりしてしまいました。
 なんでも、1位と2位は宇都宮と浜松が激しいデッドヒートを、毎年繰り返していて、3位はずっと京都が追随していたそうです。
 それが、突然、宮崎が3位に名乗り出たのです! 

 以下は、それを伝えるニュースです。


ギョーザ購入トップ2猛追する街 PRせず黙々と食す?
朝日新聞デジタル 4月11日 7時53分配信
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ギョーザ購入トップ2猛追する街 PRせず黙々と食す?
宮崎市内には生ギョーザ専門の販売店もあり、多くの客が訪れる=宮崎市花山手東1丁目拡大写真
 総務省の家計調査で、宮崎市が昨年の1世帯あたり(2人以上)のギョーザ購入額で3位になった。宇都宮市と浜松市の首位争いに注目が集まる調査。京都市を抑えてのベスト3入りに、市の担当者も「まさか」と驚きを隠せない。

 調査は県庁所在地と政令指定都市が対象。スーパーなどで売られる生ギョーザや焼ギョーザへの支出額を調べるもので、冷凍品や料理店からの持ち帰り分は含まない。宮崎市の1世帯あたりの年間支出額は2711円で、1位の浜松市(4646円)、2位の宇都宮市(3981円)に続いた。

 自治体を挙げて首位をめざす宇都宮と浜松の両市が1、2位を競い、中華料理チェーン「餃子の王将」発祥の京都市が5年連続で3位だった。今回、一昨年5位の宮崎市が京都市(2542円)を抜いた。

 宮崎市観光協会の高島弘行専務理事は「まさか全国で3位になるとは。びっくりした」と驚く。これまでパンフレットや協会のホームページ内でギョーザをPRしたことはないという。

 総務省の担当者は宮崎市の躍進について「はっきりした原因はわからない」。市内でスーパー9店舗を展開するマックスバリュ九州(福岡市)の広報担当者も、「ギョーザの販売数は他地域と変わらず、宮崎市で特に人気という話は聞いたことがない」と話す。

 市内2カ所で生ギョーザの販売専門店を出す「ぎょうざの丸岡」(都城市)。昨年、計約460万個を販売した同社の丸岡徹也常務は「延岡や高鍋などにも専門店が多い。それらが宮崎市内に進出したことで、ギョーザが身近な存在となったことが要因の一つではないか」と分析する。

 宮崎市のギョーザ専門店「黒兵衛」の黒木賢次さん(67)は「食材は県産のものにこだわり、他の店でも同様の取り組みがされている。食の安全性に値段の安さもあり、より親しみやすくなったのでは」と話す。

 市観光協会の高島専務理事は「しっかり情報を収集し、この結果をPRにつなげることも検討していきたい」と話している。(金山隆之介)
朝日新聞社


  ね?
 びっくりでしょう?

宮崎はギョーザはあまり有名ではないですし、そういう私自身、たまにしか食べませんので

、まさか、あの大都市京都を拔いて、第3位になるとは思ってもみなかったです。
 横浜中華街のレポートを書いてるあの人はあの人で、3位が横浜市でなかったのを、非常

に残念がっているかも知れません。(笑)
 でも、あの人のギョーザを食べた記事は読んだ覚えがありませんので、案外ケロッとして

るかも?
 
 そういえば、私は関西に住んでいた頃、王将のギョーザが好きで、3ヶ月に1回くらい、

みさき公園の近くにあった王将に買いに行くのを楽しみにしていた事がありました。
 私のお気に入りのギョーザの食べ方は出来立てをすぐに食べるのでなく、お店で赤い箱に

入れてもらって、1時間ほど経った柔らかくて、ふやけたものを食べるのが大好きでした。
 だけど、宮崎に帰ってきてからは、王将がなかった事もあり、ギョーザを食べたい気持ち

が、いつの間にか薄らいでしまいました。
 今は地元にも、大阪王将がありますが。
 
ところで、京都の人は宮崎市に追い抜かれた事を、どう思っているのでしょう?
 私が親しくさせていただいている京都在住の横山光輝ファンのSさんに聞いてみたい気もし

ます。
   
 それはともかく、ギョーザで、宮崎市が第3位になったのなら、それを記念する記事を書

きたくなりました。
 そこで、ギョーザにニンニクは欠かせないという事で、それに関するお話がしてみたくな

ったのです。

 あの手塚治虫先生の強力なライバル横山光輝先生は、行者ニンニクが大好きで、「時の行

者ニンニク」という漫画を描いたとか描かなかったとか♪

 
 冗談はさておき、淀川長治さんが、「クラシック名画100選」に入れている「魔人ドラ

キュラ」が観たくなっっちゃいました。


 ドラキュラといえば、陽の光と十字架とともに、ニンニク嫌いで有名ですから♪
 
 そのドラキュラ役で、真っ先に思い浮かぶのは、クリストファー・リーが多いと思うので

すが、淀川長治さんによると、最高のドラキュラ役は「魔人ドラキュラ」のベラ・ルゴシだ

と云うのです。
 その訳も、実際に見て確かめたくなりました。  
 まず、この映画を観て驚いたのは製作されたのが、1931年、日本の年号では昭和6年

だったことです。
 そんな昔だったら、サイレント映画かな?と思ったのですが、ちゃんと声や音や音楽が入

っているトーキー映画なんです。 
 因みに、世界初のトーキーによる長編映画は、1928年制作の「ジャズ・シンガー」だ

とか。
 それで、どれほど恐い映画かと恐る恐る観てみたのですが、確かに恐くはあったのですが

、それよりベラ・ルゴシ演じるドラキュラ伯爵の優雅な立ち居振る舞いに風格と気品が感じ

られ、ついウットリせずにはいられませんでした。
 この映画はスローなテンポで荘厳なゴシック・ホラーの世界を映像で表現し、世界的にヒ

ットして、ホラー映画のブームを巻き起こした画期的な作品だったようです。
 テーマ曲に、チャイコフスキーの「白鳥の湖」を使っているところからも、ただの恐怖映

画でないのが窺われ、優れた芸術作品と言っても過言ではないと思います。
 しかし、嫌いなのはニンニクではなく、トリカブトの臭いだったのが、意外でした。

 そこで、せっかくなので、クリストファー・リー主演の「吸血鬼ドラキュラ」も観てみま

した。

 クリストファー・リーのドラキュラは、ベラ・ルゴシの重々しい演技と違って、駆け足で

動きまわる場面があり、若々しい雰囲気があちこちに感じられました。
 そして、かなりの美形で、こちらも素敵なドラキュラだと思いました♪
 この映画では、ドラキュラが嫌いなのは、はっきりニンニクだと明言していました。
 やっぱり、臭いが苦手のようでした。
 
 だったら、無臭ニンニクなら平気なのかも知れませんね?

 その無臭ニンニクを使った美味しいギョーザなら、なおさらヘッチャラかも?


 という事で、お後がよろしいようですので、これにて終わりです♪



 

映画「キングコング」♪

2016-03-01 20:42:47 | 映画・テレビ

 今年の干支に因んだ記事は、今回が最終回になります。
 そこで、それに相応しいものは何かと考えたら、これしかない!という結論に達しまし

た。
 それは、ジャジャン!映画の「キングコング」です!!
 
キングコングは、巨大なゴリラの怪獣で、知らない人はない超有名な怪獣です。

え?
 「だったら、今年の干支の猿とは関係ないじゃん。」
 と思いました?

 でも、これでいいんです。
 前回、「宇宙猿人ゴリ」を書いた時、良しとしましょうと言って下さった方がいらした

んです。
 だから、きっと、これもいいはずなんです。

 だって、そう言って下さったのは、あの怪獣博士ですから~♪


 じゃあ、はりきって参ります!

 この映画が作られたのは、1933年で、銀幕狭しと大暴れするキングコングに、当時

の人は大変、驚き、空前の大ヒットを記録したそうです。
 
 しかも、この映画は怪獣が大暴れするだけのお子様向けのただの映画と違って、映画史

上に怪獣映画という一つのジャンルを築き上げた記念すべき名作映画なのであります。

 そう、「キングコング」は、怪獣映画の元祖なんです!

 この映画を観たレイ・ハリーハウゼンは、ストップモーションアニメを志し、1953

年に、「原始怪獣現わる」を作り、それが「ゴジラ」誕生の大きなきっかけになったそう

です。
 また、「キングコング」は特撮の神様、円谷英二にも多大な影響を与えたことで知られ

ているとか。
 そして、驚いたことにキングコングは、あのゴジラと戦ったこともあるんです!
 それの何がすごいって、タイトルが、ゴジラより、先になってるんです。 

 「キングコング対ゴジラ」

 
 ゴジラは、キングギドラや、モスラをはじめ、何匹もの怪獣と戦ってますが、ゴジラよ

り先に対戦相手の名前があるのは、「キングコング対ゴジラ」と「モスラ対ゴジラ」の2つだけなんです!!

 それに、この作品は1255万人を動員し、ゴジラ映画史上最高のヒット作となって、東宝がゴジラ映画を作り続ける大きな原動力になったとか。

 キングコング、すごい!!

 おまけに、この映画で、キングコングは日本に上陸し、ある美女を好きになっちゃいま

す。
  
 それが、誰あろう、映画「007は二度死ぬ」で、日本のボンド・ガールとして、勇名

を馳せたあの浜美枝さんではありませんか!

 ジェームズ・ボンドに好かれたばかりか、キングコングにまで!!

 この浜美枝さんの演技がすごいのです。
 元祖「キングコング」の美女フェイ・レイは絶叫で、有名になり、以後、絶叫女優とし

て、数多くの映画で、絶叫しまくったそうですが、浜美枝さんも負けてはいません。
 ていうか、「助けて~」という叫び声を何度も連発してるのですが、とても美女が発し

てるとは思えない凄まじい叫び声なんです。(苦笑)
 でも、それだけに真に迫っていると言えなくもないです♪

 でも、ワタシ的には、「キングコングの逆襲」での某国の女スパイの、男をたぶらかす

悪女っぷりも素敵だなと思います♪ 


 ところで、「キングコング」は、あの「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」で、有名な淀

川長治さんも、ご自身が推薦するクラシック名画ベスト100で、名作映画の一つに挙げ

ておられます。
 淀川長治さんによると、「キングコング」が、日本で封切られた時、キングコングの迫

力ある素晴らしい特撮映像に、実在してるのでは?と、勘違いした人が大勢いたそうなの

です。


 では、「キングコング」のどこが素晴らしいのでしょう?
 
 「それは、キングコングが恐竜と戦ったり、エンパイア・ステート・ビルに登って、飛

行機を叩き落としたり、大暴れするところに決まってるじゃないか!あれこそ、怪獣映画

の醍醐味さ!あの場面、最高♪」という声が聞こえてきそうです。
  
 でも、淀川長治さんは、もっと詳しく、分析されています。
 
 キングコングが、ただ大暴れするだけでは、あれほど多くの人の心を捉えることは出来

なかったに違いない。
 キングコングは、美女を好きになり、優しい気持ちが芽生えてくる。

 戦うだけでは、心は次第にすさんでいくばかり・・・

  誰にとっても、愛は大切なものなの・・・

 キングコングは、その愛を人間の女性に見つけ、安らぎを得ようとする。
 
 だけど、それは許されない愛だった。
 
 そして、エンパイア・ステート・ビルでの場面のあと、悲劇的な運命がキングコングを

待ち受けている。

 微動だにせず、冷たくなった巨大なキングコングに、ある男がそうなった理由を言って

、この映画は幕を閉じるのです。


 「美が野獣を射止めたのだ」

 

 かくして、「キングコング」は不朽の名作になったのです・・・

 
 ところで、キングコングを主役にした映画はほかにもいくつかあって、私はこの記事を

書くにあたり、観られるだけ観ました。


 それも、せっかくですから、ご紹介しますね。

 「コングの逆襲」1933年制作
 これは、「キングコング」の大ヒットを受けて作られた後日談で、キングコングの息子

が主役として登場します。
 「キングコング」の半分の制作費で作られただけあって、あまり見せ場はないですが、

子供のコングが可愛いので、女性向けと言っていいでしょう。


 「キングコング」1976年制作
 この作品の白眉は何と言っても、キングコングに愛される美女をジェシカ・ラングが演

じていることでしょう。 
 この作品が、ジェシカ・ラングのデビュー作になるらしく、のちに「郵便配達は二度ベ

ルを鳴らす」で演じたお色気の萌芽を、これでもか!というほど、セクシー衣装で堪能出

来ちゃいます♪

 
 「クイーンコング」1976年
 なんでも、ジョン・ギラーミン監督の「キングコング」の公開を当て込んで制作された

そうで、特筆すべきは、キングコングをはじめ、登場人物の性別をみな入れ替えてあるこ

とです。
 でも、それ以外は原作にわりと忠実に作られてるのですが、メスのキングコングを見世

物にする際、興行主が、ブラジャーをさせる事に、女性達が猛反発して、大騒ぎになっち

ゃうのです。
 この作品はそうすることで、女性の自由と権利を訴える方向に展開していくのですが、

主人公のオカマと思しき主人公の吹き替えをした広川太一郎さんのセリフがとにかく可笑

しくて、ついつい笑わずにはいられない、とっても素敵な迷作だと思います♪


 「キングコング」2005年

 この作品は、1933年制作の「キングコング」の忠実なリメイク版ですが、実に丁寧

に作られていて、監督の並々ならぬ才能に敬服せずにはいられませんでした。
 監督は、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズを撮り、数々の賞を受賞し、一流監督

の仲間入りを果たしたピーター・ジャクソンです。
 彼は、1933年の「キングコング」を観て、映画監督を志したらしく、その作品でキ

ングコングに愛された美女役フェイ・レイを、ラストで使うプランがあり、本人の了解も

取ってたそうですが、突然の急死で実現しなかったそうです。 

 まず、この作品、冒頭に登場するキングコングのいる南の島に行こうとする映画監督カ

ール・デナムが可笑しいです。
 原作の監督役は理知的なイメージですが、この作品のジャック・ブラック演じるカール

・デナムは映画を作る情熱が人一倍あるのは分かるものの、でっぷり太ってるうえに、直

情径行で、とても才能があるとは思えないのです。
 つまり、私のタイプでは全然ないって訳。
 だけど、この男がナオミ・ワッツ演じるアン・ダロウ(キングコングに愛される役)や

、映画のスタッフや、キングコングのいる南の島に向かう船の船乗り達、つまり全員の運

命を握ってるんです。
 
 だから、私のタイプではないけど、応援しない訳にはいかないのです。
 なんとか、頑張ってよと。
 ところが、キングコングや恐竜など、映画を撮ることばかりに一心で、一緒に行った人

を、何度も危ない目にあわせちゃうのです。(苦笑)

 でも、何と言っても、この作品で素晴らしいのは、CGを使った演出に尽きるのではない

でしょうか?
 もちろん、キングコングもCGなら、戦う恐竜もみなCGです。
 CGはどうも好きになれないという人、多いと思うのですが、この作品のCGの使い方に

は、度肝を抜いたというか、いいえ、はっきり言って、可笑しくて可笑しくて、ついつい

笑わずにはいられませんでした♪

 大勢で押し寄せる恐竜の下を踏み潰されないで、逃げ惑う人達や、キングコングが戦う

時、アン・ダロウを、何度も右手から左手に、空中高く放り上げて、ヒョイヒョイ移す場

面など、絶対有り得ない演出を、そこまでやる?って思いたくなるほど、ハチャメチャに

CGでやってるのです。
 それを見てると、「どうせ、観客はCGだと分かってるに違いないのだから、それだった

ら、思いっきり遊んじゃおうぜ」と思ってやってるような気がして、CGの使い方が実に秀

逸でした。


 


 以上、私が観たすべての「キングコング」の映画の感想でした。

 3月になって、ようやく今年の干支に因んだ記事を終わらせることが出来ました。
 
 こんなに、沢山、おサルさんのお話をしたので、今年はいい年になるのは間違いなしで

すよね?


 それでは、今年の私の成り行き、どうぞ温かく見守って下さいませ♪
  
  
 
 

特撮番組「宇宙猿人ゴリ」「快傑ライオン丸」

2016-02-21 22:22:21 | 映画・テレビ


今年の干支に因んだお話、今回はテレビの特撮番組「宇宙猿人ゴリ」です。

 「え?その番組、猿は登場しないんじゃないの?」

 もしかしたら、そういう方もいらっしゃるかも知れません。
 前回、ターザンを書いた時、「チンパンジーは猿ではなく、類人猿だ」と教育的指導を受

けたばかりですから。(苦笑)
 しかも、この作品に登場するゴリとラーは、猿でもなければ、類人猿でもなく、いいえ、

そればかりか、地球の生物とはまったく関係のない宇宙人なんですから!

 でも、そんなに厳密に言われたら、私、何書いていいか、困っちゃう・・・

 なので、寛大なお心で、どうぞお付き合い下さいませね♪

 そういう訳で、この作品のお話を始めるわけですが、実は、私、「♪スペ~クトルマ~ン

 スペ~クトルマ~ン・ゴーゴーゴーゴー・ゴゴー」という主題歌は好きで、よく聴いてい

た記憶はあるのですが、肝心要の本編を観た覚えはあまりないんです。

 おそらく、何か観たくない理由があったのだろうと思います。

 私は、幼い頃、不思議大好き少女で、特撮にも一応、興味を持っていたのです。
 とくに、「ウルトラマン」シリーズは、巨大なウルトラマンや怪獣と、小さな人間が、一

緒に写ってる場面が、とっても不思議で、ワクワクしながら観てました。
 この「宇宙猿人ゴリ」も、巨大なヒーローのスペクトルマンや怪獣が登場するので、その

点はクリアしてたはずなのです。


 歌の部分しか観てなかったと言えば、去年、お話したテレビ・アニメの「タイガーマスク

」もそうですが、あれは流血場面がいくつもあったのが、主な理由でした。
 

 
 そこで、なぜ私がこの番組を観なかったという謎に迫ることにしました!

 ところが、そうは決めたものの、これ、レンタル屋さんに置いてなくて、DVD探偵団という

名の8センチDVDで、第一話分だけ、しかも、それを更に9分弱に縮めたものを、ネットで見

つけ、それを鑑賞してみることにしました。
 その時、ついでに、「快傑ライオン丸」も見つけたので、合わせて観てみました。
 

 宇宙猿人ゴリは、ガイシテス太陽系・惑星Eの天才科学者だったが、その優秀な頭脳ゆえに

、惑星の独裁者になる野心を起こしたが、あえなく発覚し、精神改造刑を受けそうになる。
 それを救ったのが、腹心の部下であるラーであった。
 ゴリとラーは空飛ぶ円盤に乗って、逃亡の旅を続けるうち、地球を発見し、これを征服せ

んと企て、怪獣を使って、人類の味方スペクトルマンと死闘を繰り広げるのであった。

 これが概略ですが、タイトルが「宇宙猿人ゴリ」とあるように、最初はゴリとラーが主役

で、出番が非常に多かったみたいです。

 ところが、放送局側から、悪役が主役なのは、おかしいとクレームがつき、「宇宙猿人ゴ

リ対スペクトルマン」を経て、「スペクトルマン」に変化し、内容も公害問題がテーマだっ

たのが、正統派の怪獣バトル路線への変更を余儀なくされたとか。

 最初は、悪役が主役だった?

 それで、ハッと気づいた事がありました。
 
 私は、息子たちが小さかった頃、CDで、特撮ヒーローの歌を、よく聴かせていたのです。
 それは、特撮ヒーローみたいに強くてたくましくなってほしいという願いを込めてでした



 そのなかに、「宇宙猿人ゴリ」もあったのですが、別バージョンの歌にゴリとラーの「ラ

ーよ 攻撃の時は来た」、「ウォーッ」というセリフが入っていて、その部分に差し掛かる

と、息子たちは決まって「恐いよ~」と言っていたのです。


 もしかしたら、最初はゴリとラーが主役で、出番が多かったので、私はそれが恐くて観な

かったのかもしれません。

 でも、どうして、ゴリとラーが恐かったのでしょうか?

 それを解くヒントは、次に観た「快傑ライオン丸」にありました!

 この番組は、「宇宙猿人ゴリ」の後番組で、同じピープロの制作だそうです。
 これには、主人公ライオン丸が乗る天馬が登場し、私はこの天馬が空を飛ぶシーンが好き

で、そこだけよく観ていた記憶があるのです。


 実は、ゴリとラーと、天馬には、ある共通点があるのです。

 ゴリとラーは猿によく似ています。

 一方、天馬も翼がなければ、普通の馬ですよね?

 つまり、どちらも実在のモデルがいるんです。

 だから、ゴリとラーも、天馬も、本当にいるかもしれないと、幼い私は思っていた?

 本当にいるかもしれないと思ったからこそ、ゴリとラーが恐くなり、番組を観なくなった

のでは?

 きっと、そうに違いありません!

 
 ところで、「宇宙猿人ゴリ」を調べて分かったのですが、この作品の裏番組は「巨人の星

」で、当初は視聴率で、大苦戦をしいられていたのが、やがて人気がうなぎ登りになり、第

15話で、ついに追い抜いたという記録があるそうです。

 すごい!

 そんな名作とは露知らず、私としたことが・・・(苦笑)

 ついでに、「快傑ライオン丸」について書きますと、この番組はアメリカでも放送され、

大人気を博したとか。

 時代劇は、海外で、とくに人気が高いようですが、天翔ける天馬もそれに一役買ったのか

も知れません。


 最後に、幼い頃、「宇宙猿人ゴリ」の歌のゴリとラーのセリフが恐いと言っていた私の息

子たちについて書かせていただきますね。

 私たち夫婦は息子たちを特撮ヒーローみたいに、強くてたくましく育ってほしいとの願い

を込めて、特撮ヒーローものの主題歌を聴かせたり、番組を見せていたのですが、忘れもし

ません。それは、特撮ヒーローのキャラクタショーに連れてった時のこと。
 なんとステージから、怪獣が観客席に降りてきて、私の長男を捕まえちゃったのです!
 その時、「恐い~」と、二人の息子の泣きわめく事と言ったらありませんでした。
 
 「宇宙猿人ゴリ」の歌や、怪獣を恐がった私の息子たち。

 お願いだから、強くたくましくなって!


 そう願った私たち夫婦は息子たちが小学生の時、野球部に入れ、それ以来、心身ともに強

くなっていったような気がします。

 しかも、小学生の時に、二人して競うように「学校の怪談」とか、「トイレの花子さん」

とか、やたらとホラー系の本を読んでいました。

 私には、分かっていました。

 ホラーを読んで、度胸をつけようとしてるのだなと。(笑)

 
 息子たちよ、スペクトルマンやライオン丸みたいになって、地球の平和のために悪と戦っ

てくれとは言いません。
 
 強くたくましくなってほしい。

 私が望むのはそれだけ。

 それは、ある程度、叶ったようで、私はそれが嬉しくてならないのです・・・(涙)
  
 
  
     
 
   


 

 
 


映画「ターザン」ジョニー・ワイズミュラー

2016-02-10 22:31:03 | 映画・テレビ
 今年の干支に因んだお話、今回、ご紹介するのは、映画の「ターザン」です。
 理由は、ターザンの相棒に、チータという名前のチンパンジーがいるんです♪


 なぜ、「ターザン」にしたかと言いますと、私のブロ友さんで、時々、古いマンガの記事を書いてる方がいらっしゃるのですが、その人によると、昭和30年代までは、ジャングルを舞台にしたヒーローの作品がいくつもあったそうなのです。
 今でも有名なのは、山川惣治先生の「少年ケニヤ」ですが、ほかにも色々あったそうです。
 そこで、私が気がついたのは、私の子供の頃は、ジャングルを舞台にしたマンガはなかったという事です。
 一体、昭和30年代と、それ以降で、子供の世界にどんな変化があったのでしょう?
 それを、考えてみたくなっちゃったのです。
 まず、考えられるのは、昭和30年代までの日本は、高度経済成期の前ということで、あまり豊かではなかったので、子供のヒーローはたくましく強ければ、それでよかったのかも知れません。
 昭和30年代にも、テレビや車や冷蔵庫はあったものの、まだ一般には普及していなかったので、何もないジャングルを舞台にしたヒーローでも、ヒーロー足り得たのではないでしょうか?
 ところが、昭和40年代になると、殆どの家庭にテレビや、車や、冷蔵庫や、掃除機など、電気製品があって当たり前になってしまった。
 しかも、子供の欲しがるおもちゃや、お菓子も豊富になり、ただジャングルで、猛獣より強いヒーローというだけでは受けなくなってしまったのではないでしょうか?

 
 それと、私は1969年に人類が月面着陸したのも、大いに関係してる気がしてならないのです。

 というのは、怪獣映画「ゴジラ」の生みの親の一人で、幻想小説の大家・香山滋が、晩年、筆を折った理由を尋ねられて、「人工衛星で、地球上の隅々まで観測出来るようになり、未知の土地がなくなってしまったから」と答えたというのです。


 そんな理由で、書く意欲がなくなったなんて、いかにも幻想小説家らしいと思いませんか?

 それ以前は、ジャングルのあるアフリカや、南の島は現実味はあるけれど、行けそうでいけないところに夢とロマンがあり、怪獣映画の「キングコング」や「モスラ」を南の島から来たという設定にしたり、小説の「ロビンソン・クルーソー」や「十五少年漂流記」や戦前のマンガ「冒険ダン吉」が受けてたそうです。

 ところが、人類が宇宙に飛び出した途端、宇宙はそれまでの夢物語から、にわかに現実味を帯び、少年達の関心が、アフリカや南の島から、宇宙へと変わってしまった。
 
 それに、「2001年宇宙の旅」を皮切りに「スター・ウォーズ」や「ET」など、宇宙を舞台にしたSF映画の名作がいくつも作られたのも、宇宙へのロマンをかき立てるのに一役買ったように思うのです。

  そこで、かつて少年達の胸を踊らせた過ぎ去りし日のヒーロー、ターザンに興味が湧いてきた訳なんです。
 その中でも、私がとくに観たいと思ったのは、ジョニー・ワイズミュラーがターザンをした映画でした。
 ジョニー・ワイズミュラーは、ターザンをした俳優として、とっても有名ですが、私は今までただの一本も観たことがなかったのです。
 そんな私のジョニー・ワイズミュラーの思い出は、亡くなる前、精神病院に入れられて、現実と空想の区別がつかなくなり、時おり、ターザンの「ア~アア~!」という雄叫びをしていたというエピソードです。


 たぶん、ジョニー・ワイズミュラーにとって、ターザンは一生の誇りだったのでしょうね?
 私は、このエピソードで、ヒーローの哀れな末路というより、人間にとって、生きる糧とは何だろうと、何度も考えさせられたものでした。

 では、ジョニー・ワイズミュラー主演の「ターザン」は、私の目にどう映るのでしょう?
 それを鑑賞するにあたり、初のターザン役エルモ・リンカーンのサイレント映画と、ディズニーのアニメも、一応、比較のために観てみました。
 すると、段違いに、ジョニー・ワイズミュラーのターザンが、かっこよかったのです。
 エルモ・リンカーンは、砲丸投げの選手のようながっちりした体格をしていて、ジャングルの王者としてのリアル感はあったのですが、動きが機敏とは言えず、なんかオッサンぽくて、イマイチかっこいいとは思えなかったの。(苦笑)

 それでは、気になるジョニー・ワイズミュラーのターザンは?

 いや、本当にもう、笑顔が素敵な甘いマスクで、木から木へ飛び移る動作の身のこなしも軽く、かっこいいのって何のって♪
 正直、こんなにかっこいいとは思わなかったです。
 なんでも、ジョニー・ワイズミュラーは、元オリンピックの水泳選手で、金メダルを5個も取っていて、スポーツ万能で、甘いマスクにスタイル抜群なんです♪

 
 つまり、ジョニー・ワイズミュラーのターザンの魅力は、ジャングルで、猿に育てられたはずなのに、なぜか都会的な顔立ちで、雰囲気もとってもスマートで、全然、リアルではないのですけど、いい男なら、どうでもいいって言う感じかしら♪ 
   
 ジョニー・ワイズミュラーは、17年間で、11本のターザン映画に出て、その間、ほかの俳優によるターザン映画も作られたそうですが、ジョニー・ワイズミュラーのターザンの魅力には遠く及ばなかったそうです。

 
 ターザンが、再び、子供達のヒーローとして、復活する時が来るかは分かりませんが、ジョニー・ワイズミュラーのターザンはヒーローのもっとも原初的な魅力があり、今一度見直してもいいのではと強く思った私でした♪



  
 
  
 
 

「サスケ」白土三平

2016-02-03 18:46:32 | 映画・テレビ
 今年の干支に因んだお話、今回は、テレビ・アニメの「サスケ」のお話をしますね。


 このアニメ、まず冒頭のナレーションが素晴らしいですよね。


 光あるところに、影がある

 まこと栄光の影に、数知れぬ忍者の姿があった

 命をかけて、歴史をつくった影の男たち

 だが、人よ、名を問うなかれ

 闇に生まれ 闇に消える

 それが、忍者の定めなのだ

 サスケ!

 お前を斬る!! 



 うう~ん、かっこいい♪

 このアニメ、どこがお猿さんと関係あるかと言いますと、サスケの苗字が猿飛なんです♪
 そもそも、私がこのアニメのお話をしようと思ったのは、横山光輝ファンのSさんが、マンガの「サスケ」を記事にしていたからです。
 このSさんも、今年の干支に因んだ記事をいろいろ書かれているのです。
 というか、私が今年の干支に因んだ記事を書いてるのは、Sさんの影響が大きいのです。
 Sさんは毎年、新年が明けると、その年の干支に因んだ記事を書いていらっしゃるのです。
 ただ、去年のひつじ年は思いつかなかったのか、一つも書かれませんでした。
 それで、私も何となく、干支に因んだ記事を書きませんでした。
 よく考えたら、テレビ・アニメの「アルプスの乙女ハイジ」とか、映画の「羊たちの沈黙」とかあったのですけど。


 ところで、この「サスケ」に、私は悲しい思い出があるのです。
 サスケは、少年忍者なのですが、第一話めで早くも美しくて優しいお母さんが、敵の罠にかかって殺されてしまうのです。
 
 サスケ、何て可哀想なんでしょう・・・

 私、サスケを見守ってあげる。

 サスケ、強くたくましく生きるのよ。

 当時、私はサスケよりも、幼かったのですが、こうしてサスケは、私の心をがっちり掴んだのでした。

 時代は徳川幕府が始まった頃で、サスケは、小学生くらいの男の子で、忍術で、敵と戦うのです。

 その繰り出す忍術の鮮やかなこと。

 一例をあげると、こういうのがあります。

 猿飛の術

 微塵がくれ

 分身の術

 八方つぶての術

 こだま返しの術

 風移し

 移し身

 炎がくれの術

 火遁ほうせん花の術

 竜神の術

 蛍火の術

 霧がくれの術

 空蝉の術

 
 術を使ってるサスケが、これまたかっこいいんです♪

    
 これらの忍術を駆使して、サスケは敵と戦う訳ですが、敵のどこが卑怯って、サスケがまだ年端の行かない男の子なのに対し、敵は百戦錬磨の大人である事です。

 大の大人が、小学生相手に手加減なく戦うなんて、よくそんなことが出来るわね!

 大人として恥ずかしいとは思わないの?

  
 だけど、サスケは文句ひとつ言わず戦うのです。 

 ところが、サスケを応援している私に大事件が起こりました。

 しばらく観ていたら、サスケと同い年くらいのキクという女の子(鬼姫)が、敵として現れたのです!

 私は、どうなるだろうと思い、固唾を飲んで見守っていたのですが、キクはサスケの命を狙ってるにも関わらず、サスケはキクをやっつけようとしないのです。
 いいえ、そればかりか、二人の関係はどんどん接近していくのです。


 サスケ、あなたどうなっちゃったの?

 まさか、キク(鬼姫)を好きになったんじゃ?

 そんな・・・

 私がここにいるじゃない。

 どうして、私のこの気持ちに気づかないの?

 私はとうとうこらえきれなくなって、番組を観るのをやめちゃったのです・・・


 それから、数年後、その記憶も覚めやらぬうちに、ある年の夏休みに再放送が始まりました。
 
 あれ以来、番組を観なくなったとはいえ、その後のサスケとキクの関係が、ずっと気になっていました。

 また、少し成長した私は、冷静に考える余裕も出来、あの二人が恋人になるはずがないと、確信のようなものが芽生えていました。

 そこで、再放送で、その後、サスケがどうなったのか、チェックすることにしました。

 そう言いながら、キク(鬼姫)が登場する場面では、緊張せずにはいられませんでした。

 すると、案の定、二人は恋人になることなく別れたのでした。

 キクはサスケより、絵に夢中になったのです。

 つまり、芸術に目覚めたのでした。



 私は、安堵の表情を浮かべずにはいられませんでした。

 やっぱり、サスケは、私のもの♪ 
 
 これで、最終回まで安心して観られる。


 ところが!
   
 最終回間際になって、今度はイトちゃんという女の子が現れたのです!

 このイトちゃんは、キクと違って、敵ではなく、白鹿を大切にし、性格も優しくて、とても可愛らしい女の子だったのです。

 文句をつけるところなど、どこにもありません。

 しかも、サスケは、イトちゃんにデレデレして、どう考えても好きとしか考えられないのです。(涙)


 それで、私はこらえきれなくなり、再び、「サスケ」を観るのをやめちゃったのです。


 そんな記憶が、最近、蘇ってきたのです。
 
 
 あの二人、あの後どうなっちゃったんだろう?
 
 私は、このまま最終回を知らずしていいのだろうか?
 
 そして、いろいろ考えた挙句、最終回まで観る必要を感じたのです。

 あの時は、私も子供だったからヤキモチ焼いたかも知れないけど、今ではサスケより大きな息子が二人もいるんです。

 あのままのストーリーの流れだと、サスケは、やがて一国一城の主となり、イトちゃんと結ばれ、みんなに祝福されて、結婚式を挙げ、末永く二人は幸せに暮らしましたとさ♪と感動的なラストを迎えるに違いありません。

 そのサスケとイトちゃんの幸せを心から祝福出来た時、私は初めて一人前の母親になれるのではないか? 


 きっと、そうです!


 そこで、大きな胸を決意に、じゃなかった!大きな決意を胸に、テレビ・アニメ「サスケ」を観てみることにしました。


 ついでに、原作のマンガも読んでみました。
 実は、マンガ版は、うちの息子が小学生の頃、サスケのようなかっこいい男の子になるようにと買い与えていたのです。
 その時、息子は読んだのですが、私はまだページを開いたことさえなかったのです。
 

 
 それではテレビ・アニメ「サスケ」の最終回はどうなっていたでしょう?

 あ、その前に、今度、私がこのアニメを記事にすると書いたら、「あの作品って、女性キャラが結構、エロチックに描かれてましたよね」とコメントされた方がいらしたのですが、こういうシーンを言ってたのでしょうか?


 では、最終回はどうなっていたかと言いますと・・・

 
 あら?
 イトちゃんとは結ばれず、ほかの女性とも?

 ていうか、サスケのお父さんの大猿が、ワカナという娘のいる未亡人と結婚して、それがラストになっているではありませんか!

 それじゃ、サスケの結婚を祝福して、一人前の母親になりたいと思った私の気持ちはどうなるの?

 
 うう~ん、しかし、まあいいか・・・


 サスケ一家が幸せになったのだから、それでよしとするしかないですね・・・


 だけど、先程、書きましたように、私はマンガ版もついでに読んだのですが、そちらは更に続きが描かれていて、とんでもないラストが待ち受けていました。

 それを知った私は、息子に小学生当時読ませて、とても悪いことをした気がしてなりませんでした。

 小学生の男の子に、希望を失くすような、こんなラストはないのでは?
 
 でも、もしかしたら、作者はこんな悲劇的なラストにすることで、安易に人生や社会を考えないで、物事の真理を見極める目を養ってほしいという狙いがあったのかも知れませんね?


 
  

  
  
  
 




   
 

「西遊記」夏目雅子

2016-01-27 11:48:36 | 映画・テレビ


 今回は1978年から2年間、放送されたテレビ番組「西遊記」のお話です。
 この番組は私がさる年に因んだお話をしようと思った時、映画「猿の惑星」とともに、

まっ先に浮かびました。
 そして、なんと宮崎では1月4日から、この番組を放送してるのです。
 放送局も縁起を担ぎたかったのでしょうか?

 ところで、「西遊記」にもいろいろありますが、私がこの番組に決めたのは、夏目雅子

さんの三蔵法師が見るのが、一番の目的でした。
 夏目雅子さんの演じた男役はどうだったのでしょう?
 私も、当時、観てはいたのですが、すっかり忘れていて、興味がわいてきたのです。
 それで、久しぶりに観てみたら、男でも女でもない、美しくて上品な雰囲気に、何とも

いえない中性的な魅力を感じて、ぞっこん参ってしまいました。(苦笑)


 そして、この番組を懐かしいと思うと同時に意外な発見があり、素晴らしい作品だった

事がわかってきました。
 まず、私が最初にはっとしたのは、この番組のメイン監督の福田純という名前です。
 どこかで聞いたことがあるなと思ったら、去年の秋に観た「ゴジラ」シリーズの「ゴジ

ラ エビラ モスラ 南海の大決闘」「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」「地球攻撃命令 

ゴジラ対ガイガン」「ゴジラ対メガロ」「ゴジラ対メカゴジラ」の監督をした人だったの

です。
 また、この番組には特撮シーンがいくつも出てくるのですが、それを担当したのが、や

はり「ゴジラ」の特撮で有名な円谷プロだったのです。
 しかも、「ゴジラ」第一作で、芹沢博士を演じた平田昭彦さんもご出演されていたので

す。 

 芹沢博士はオキシジェン・デストロイヤーで、ゴジラとともに、海のもずくと消えたと

思っていたのに、タイムスリップして、「西遊記」に出ていたとは、これを世紀の大発見

と言わずして何と言うでしょう!!

 

 つまり、「ゴジラ」に深く関わった人たちで、この番組は作られていたのです。
 もしかしたら、この「西遊記」は、怪獣の出ない怪獣番組と言っていいのかも知れませ

ん♪
 
そして、その三蔵法師演じる夏目雅子さんの脇を固めるのは、孫悟空役の堺正章さん、

猪八戒役の西田敏行さん、沙悟浄役の岸部シローさんです。
 みなさん、今や言わずと知れた芸能界の重鎮、大御所さん達であります♪

 だけど、この人達、若かったというのもあるのでしょうか?
 撮影現場では三人して、我勝ちに夏目雅子さんとお食事しようと図ったり、二人きりに

なるよう、あれこれ画策して、常に出し抜こうとしていたとか。

 まあね、堺正章さんや岸部シローさんなら、そういう事、やりかねないかな?と思いま

すが、私としてはあの西田敏行さんまで一緒にやってたのが、ちょっとショックでした。
 
 現在、西田敏行さんは、テレビ番組「探偵ナイトスクープ」で局長をされてますが、こ

んなことで泣くの?というくらい涙もろくて、私の中ではとってもいい人というイメージ

なんです。

 その人が堺正章さんや岸部シローさんと、夏目雅子さんを奪いあってたとは・・・

 でも、それより許せないのは、撮影当時、お酒の席で偶然、知り合った女性の家に行き

、お風呂に入ってるところを、その女性の夫に見つかり、裸同然の姿で、街なかへ追い出

された事です。
 
 なんで、お風呂に入ってたのでしょう?

 そのあと、女性と何かやるつもりだったの?

 
 そういえば、漫画界随一の良心と慕うちばてつや先生も、若かりし頃、女流漫画家牧美

也子さんのヌードを見たくて、松本零士先生と女湯を覗いたというエピソードを打ち明け

ておられましたが、その時も私は相当なショックを受けたんです。

 「もう、あんた達なんか知らない!!」(笑) 



しかし、そういう事はあったものの、番組自体はとっても素晴らしい出来栄えだと思わ

ずにはいられませんでした。

 そして、この番組をもう一度、観た事で、このお話の持つ重要な意味がわかってきたの

です。
 
 今までは、孫悟空と仲間たちが、不思議な妖術を使う妖怪と戦い、冒険の旅を続けるお

話くらいにしか考えてなかったのですが、この物語は仏教の教えを説きながら、それと同

時に相反する現実と、どう向き合えばよいのか、我々に、疑問を呈しているのです。

 まず、悟空は初め、誰の言う事も聞かぬ暴れん坊という設定になっています。
 そこで、お釈迦様が身の程を知らせるために、悟空に世界の果てまで行ってご覧と言い

、きんとん雲に乗って、世界の果てまで行ったと思っていたら、お釈迦様の手のひらから

一歩も出ていなかったり、500年も岩の中に閉じ込め、それを助けるのが、三蔵法師と

いう天竺にお経を取りに行くお坊さんなのです。
 悟空を天下一の暴れん坊にしたのは、仏教の教えによって、一人前の大人に成長させる

ためだったのです。
 しかも、仲間の猪八戒や沙悟浄は、その昔、悟空のせいで、天界を追われ、それぞれが

憎みあう者同士で、どうしたら彼らと協力して上手くやっていけるのか、それとなく考え

させてくれます。
 そして、旅の途中で不思議な妖術を使う妖怪と戦う訳ですが、妖怪が襲ってくる理由に

、三蔵法師を食べたいからというのが、結構あるのです。
 それは、三蔵法師のような徳の高いお坊さんを食べると、不老不死の体になれると言わ

れてるからなのです。
 
 不老不死と言えば、中国を、武力で初めて統一した始皇帝が望み、臣下の徐福が、その

霊薬を日本に探し求めに来たという伝説が残っていますが、不老不死は古代中国の人が望

んだ究極の願望だったのではないでしょうか?
 
 つまり、煩悩の最たるものが妖怪という訳では?

 
 宗教は、人生にかなり悩んだ人が熱心な気がしますが、人生を生き抜くうえでの知恵が

沢山、含まれているのも、これまた真なりなのでしょうね?

 
 そういう私も、お正月には神社に初詣に行き、クリスマスにははしゃぎまわって、宗教

をただのイベントとしか捉えてない面も多々あり、もっと真摯に宗教と向き合わなければ

いけないなと、この「西遊記」で考えさせられちゃった次第です。


 ところで、怪獣の出てないこの怪獣番組、怪獣博士はどう思ったのかしら♪



  


映画「スター・ウォーズ フォースの覚醒」シリーズ初、女性が主人公♪

2016-01-15 20:52:30 | 映画・テレビ


前回、ちょっとだけ触れました「スター・ウォーズ」の新作、今日、お休みが取れたので、

観に行ってきました!
 もうやってないかと思って、半ば諦めていたのですが、幸運にも観ることが出来ました♪
 私が、この映画を観たかったのは、さる年に因んで、チューバッカを見て、福を呼びこむ

ためでした。(笑)

 ちゃんと、出てました~♪

 仲間のR2-D2やC3-POよりも、断然、登場シーンが多かったですし、それどころか、大活

躍してましたもんね♪

 だけど、そのほかにも「スター・ウォーズ」を観たかった理由はあったんです。
 1番目は、3Dで迫力ある映像を観たかったことで、二番目は女性を主人公にして、女性の

ファンの拡大を狙って作られた事です。
 この映画の生みの親ジョージ・ルーカスは、今まで女性を重要視した作品は撮ってなかっ

たんです。
 それが、今頃になって、何でだろうと不思議でしようがなかったのですが、その訳は「ス

ター・ウォーズ」の権利が、ルーカス・フィルムごとウォルトディズニー・カンパニーに買

収された事が大きく関係してるのだそうです。
 そう、ルーカス・フィルムは、2012年10月にウォルト・ディズニー・カンパニーに

買収され、新作はルーカス・フィルムが作ってはいるものの、肝心のジョージ・ルーカスは

制作現場から離れてしまったのです。

 なんでもウォルトディズニー・カンパニーは映画の「スター・ウォーズ」や、それによる

映像ソフトやキャラクターグッズなどの莫大な収入に目をつけて買収したそうですが、さら

なる利益を目論み、女性を主人公にする事で、女性のファンの獲得を図る手段に出たという

のです!

 その目論見は達成出来たのか?

 私が観ても、なるほどと納得出来る仕上がりになっているのか?

 まあ、私に言わせれば、別に女性を主人公にしなくても、カッコいい男性とか、C3-POの

ような可愛らしいキャラクターが出てれば、女性はそれだけでも観るとは思うのですが。

 だけど、どんなタイプの女性が主人公なのか気になっちゃいます。

 素敵な男性とのラブロマンスがあったら嬉しいかも♪ 
 
 それでね、3Dという事もあって、ワクワクドキドキしながら鑑賞に臨んだの。

 3D作品を、映画館で観るのは2009年公開の「アバター」以来、超久しぶりです。(苦

笑)
 すると、やっぱり、3Dって、臨場感があって、すごい迫力だなとあらためて思いました。

 驚きの連続で、息をつく間もないです!
 
 それで気になる女性の主人公ですが、戦闘機は難なく乗りこなすわ、敵とは対等に戦うわ

で、男顔負けの若い女性で、私にはとても感情移入しにくいタイプで、めちゃめちゃびっく

りしちゃいました!

 だって、私、こう見えてもおしとやかで、恥ずかしがり屋さんなんです~。(苦笑)

 今どきの若い女性は、こういう男顔負けの女性に憧れるものなのでしょうか?

 それとも、男性の好みが大きく反映してるのでしょうか?
  
 それはともかく、映画自体はすごく面白かったです。

 映画評論家のウケもすごくいいみたいですね。

 舞台も鬱蒼と茂った森や、崖っぷちや、中世のヨーロッパの建造物を思わせるものなど、

神話っぽくて、荘厳なイメージがどことなく湧いてきました。

 それに、ハリソン・フォード演じるハン・ソロや、キャリー・フィッシャー演じるレイア

将軍、マーク・ハミル演じるルーク・スカイウォーカーが久しぶりに登場し、同窓会にでも

来たようなとても懐かしい気持ちになっちゃいました♪

 しかし、驚きましたね~

 あのハン・ソロとレイア姫が結ばれて、その息子がああなってたなんて!!

 そういえば、初期三部作のルーク・スカイウォーカーとダース・ベイダーも親子同士で争

っていましたし、いがみ合う父親と息子の関係を二度も描いているとは?

 男性にとって父親を乗り越えることは、男として生まれてきた使命であるとでも言ってい

るような?



 この作品は、新たな三部作の幕開けになるそうで、ジョージ・ルーカスはルーカス・フィ

ルムを売却する時、この作品のあらましをディズニー社会長に提出し、過去35年間にわた

って、続編のヒントをこう述べていたそうです。

 「メインテーマは倫理的・哲学的問題になるだろう。倫理的な選択、善悪を判断する知恵

、正義、葛藤、学んだことを超えること」(ウィキペディアより)

 
 「スター・ウォーズ」は、ただの娯楽作品じゃなく、とっても深いテーマを扱っていたの

ですね。

 何はともあれ、今後の展開を楽しみに数年間は過ごせるなと、新作を観て感じた私であり

ました♪