まず、初めにお伝えしたいことがあります。
私は、5月下旬に腰の骨を折る大怪我をして、入院し、そのあと、ずっと自宅療養を続け
ていたのですが、ようやく、来月から、仕事に復帰することにしました。
それ自体は、私自身、喜んでいるのですが、問題は今までと違って、まったく経験のない
別の部署で働くことになったことです。
実は、そこの部署は時間に大変、厳しいことで有名なんですが、私の体を心配した上司が
、時間以外では今までの部署より、体的には楽かもしれないと私に勧めたのをきっかけに、
思い切って移ることにしたのです。
そういう訳で、今までのように、ほぼ毎週、ブログを更新するのは出来なくなる恐れが出
てきました。
とくに、不慣れな仕事に移るのに加え、12月は忙しい時期ですので、更新する間隔がか
なり延びることが予想されます。
もしかしたら、これが今年最後の更新になるかも知れません。
そこで、今回の記事は、あれこれ、思案した結果、どうしても読みたかった川端康成の「
山の音」にすることにしました。
理由は、川端康成の全著作を読んだ方が、この作品が一番、好きだと私に教えてくれたこ
とがありましたし、昭和の名女優、原節子さんご出演の映画版があると知り、それも観てみ
たかったからでした。
でも、「山の音」は、「伊豆の踊子」や「雪国」ほど、有名ではありませんよね?
だから、初め、私は何でだろうと思っていたのです。
ところが、「山の音」は、戦後の日本文学の最高峰と呼ばれていると知り、驚いてしまっ
たのです。
それほどの作品だったら、読んでみたいですものね。
それで、読み始めた直後はどれほど難解で、頭を抱えるだろうかとドキドキしていたので
すが、予想に反して興味深い内容に、ぐいぐい物語に引き寄せられてしまったのです。
というのも、この物語の一家の主、尾形信吾と、息子の嫁、菊子との関係が禁じられた愛
を謳っているようで、私を捉えて離さなかったからです。
菊子は、夫の修一と、その親である信吾、保子夫婦と一緒に暮らしているのですが、菊子
と修一は結婚して、2年経っているのに、まだ子供に恵まれてなく、夜の生活もまだまだお
盛んなんです。
その証拠に、菊子はSEXする時、声が大きいのか、同居している信吾に、その時の声を、た
びたび聞かれているみたいなのです。
それは、「さざえの壺焼きの夜、信吾が目をさますと、前にはない菊子の声が聞こえた。
」という文章で判るんです。
昔の家なら、今みたいに防音設備がなかったはずですから、SEXする時の声も筒抜けだった
でしょうね。
でも、菊子は夫の父親という関係を超えて、何かしら、信吾に愛情を感じてるらしいので
す。
それは背徳の密かな楽しみもあったかも知れませんが、何より素敵な初老の男性に見えた
からでしょうね。
かく言う私の主人のお父様は、早く他界しているので、私自身は経験はまったくないです
が、素敵なお父様だったら、あの時の声を、菊子みたいに聞かれたいかもと思っちゃいまし
た。(真っ赤)
それに、菊子は夫の修一がよそに女を作っているのを知っていて、夫婦仲は折り合いが悪
いのですが、信吾にはめちゃめちゃ愛情を寄せていて、自分から新宿御苑にデートに誘った
り、修一と別れたあとも、信吾のそばを離れたくないみたいなことを涙をぽろぽろこぼしな
がら訴える場面まで出てくるのです。
いいなあ。
義理のお父様との、そういう関係。
私、憧れちゃう・・・(真っ赤)
でも、それだけで、この「山の音」が、戦後、日本文学の最高峰と呼ばれている訳では、
もちろんありません。
それは、「山の音」というタイトルにあるように、ある晩、信吾が地鳴りにも似た山の音
を聞いて、死の予感を感じたことに始まります。
信吾は六十を過ぎたあたりから、物忘れがひどくなるなど、体中に老いをひしひしと感じ
るようになり、また、何人もの友人の死去を通して、死が身近に忍び寄っているのを否が応
でも認めない訳にはいかない状況にあったのです。
それなのに、二人の息子と娘の結婚生活は思わしくなく、嫁に行った房子は離縁覚悟で、
二人娘を連れて、実家に身を寄せ、息子の修一は美しくて心優しい菊子というよく出来た嫁
がいながら、よそに女を作り、あろうことか、妊娠までさせてしまうのです。
そういう子どもたちを見て、信吾は「親はいつまで子供の面倒を見なければいけないんだ
」と苦々しく思いながらも、親として出来るだけのことをするのです。
そんな信吾の心の慰めは菊子ただ一人で、菊子もまた例え、修一と別れることはあっても
、お父様のそばにいたいと訴える健気な女性なのです。
菊子の女性ならではの気品に満ちた喋り方と優しさには、おそらく多くの男性が好きにな
るのではないでしょうか。
しかし、どう考えても不思議です。
こんな可憐で、心優しいお嫁さんがいるのに、なぜ、修一はよそに女を作って、妊娠まで
させてしまうのでしょう?
でも、そういう夫婦って、結構、いるみたいですよね。
数年前、離婚した芸能人夫婦も、素敵な奥さんがいながら、下品そうな女を作って、離婚
し、世間を賑わせたことがありましたが、男心はちょっと不可解ですねえ?
それはともかく、そうした家族関係を通して、死を主調低音にし、(日本古来の悲しみ)
や(あはれな日本の美しさ)を、この作品は描いたものだそうです。
そして、この「山の音」は成瀬巳喜男監督の手により、映画化もされてますので、そちら
も合わせて観てみることにしました。
この映画版、実は永遠の処女と謳われた原節子さんが、菊子の役でご出演されてるのです
が、まさに菊子のイメージにピッタリでした。
夫の修一の役は、意外にも加山雄三さんのお父様の上原謙さんで、もっと若い俳優がよか
ったのではと最初のうちこそ思っていたのですが、修一の性格を見事に演じていて、やはり
この人でよかったと思うようになりました。
父親の信吾の役は山村聡さんで、なかなか渋い演技を見せ、私もこの人なら、一緒に00
0したいと思うほど素敵でした♪
だけど、何と言っても、菊子役の原節子さんが、一番、すごかったです!
そして、私は原節子さんは終生、独身を通しましたけれど、もし、誰かと結婚していたな
ら、この「山の音」の夫の修一みたいに、原節子さんの美しい一途な愛に耐えきれずに、よ
そに女を作るか、逃げ出したかもなと思わないでもありませんでした。
それでは、この記事をもちまして、しばらく、お休みさせていただきます。
また逢う日まで、ごきげんよう♪
私は、5月下旬に腰の骨を折る大怪我をして、入院し、そのあと、ずっと自宅療養を続け
ていたのですが、ようやく、来月から、仕事に復帰することにしました。
それ自体は、私自身、喜んでいるのですが、問題は今までと違って、まったく経験のない
別の部署で働くことになったことです。
実は、そこの部署は時間に大変、厳しいことで有名なんですが、私の体を心配した上司が
、時間以外では今までの部署より、体的には楽かもしれないと私に勧めたのをきっかけに、
思い切って移ることにしたのです。
そういう訳で、今までのように、ほぼ毎週、ブログを更新するのは出来なくなる恐れが出
てきました。
とくに、不慣れな仕事に移るのに加え、12月は忙しい時期ですので、更新する間隔がか
なり延びることが予想されます。
もしかしたら、これが今年最後の更新になるかも知れません。
そこで、今回の記事は、あれこれ、思案した結果、どうしても読みたかった川端康成の「
山の音」にすることにしました。
理由は、川端康成の全著作を読んだ方が、この作品が一番、好きだと私に教えてくれたこ
とがありましたし、昭和の名女優、原節子さんご出演の映画版があると知り、それも観てみ
たかったからでした。
でも、「山の音」は、「伊豆の踊子」や「雪国」ほど、有名ではありませんよね?
だから、初め、私は何でだろうと思っていたのです。
ところが、「山の音」は、戦後の日本文学の最高峰と呼ばれていると知り、驚いてしまっ
たのです。
それほどの作品だったら、読んでみたいですものね。
それで、読み始めた直後はどれほど難解で、頭を抱えるだろうかとドキドキしていたので
すが、予想に反して興味深い内容に、ぐいぐい物語に引き寄せられてしまったのです。
というのも、この物語の一家の主、尾形信吾と、息子の嫁、菊子との関係が禁じられた愛
を謳っているようで、私を捉えて離さなかったからです。
菊子は、夫の修一と、その親である信吾、保子夫婦と一緒に暮らしているのですが、菊子
と修一は結婚して、2年経っているのに、まだ子供に恵まれてなく、夜の生活もまだまだお
盛んなんです。
その証拠に、菊子はSEXする時、声が大きいのか、同居している信吾に、その時の声を、た
びたび聞かれているみたいなのです。
それは、「さざえの壺焼きの夜、信吾が目をさますと、前にはない菊子の声が聞こえた。
」という文章で判るんです。
昔の家なら、今みたいに防音設備がなかったはずですから、SEXする時の声も筒抜けだった
でしょうね。
でも、菊子は夫の父親という関係を超えて、何かしら、信吾に愛情を感じてるらしいので
す。
それは背徳の密かな楽しみもあったかも知れませんが、何より素敵な初老の男性に見えた
からでしょうね。
かく言う私の主人のお父様は、早く他界しているので、私自身は経験はまったくないです
が、素敵なお父様だったら、あの時の声を、菊子みたいに聞かれたいかもと思っちゃいまし
た。(真っ赤)
それに、菊子は夫の修一がよそに女を作っているのを知っていて、夫婦仲は折り合いが悪
いのですが、信吾にはめちゃめちゃ愛情を寄せていて、自分から新宿御苑にデートに誘った
り、修一と別れたあとも、信吾のそばを離れたくないみたいなことを涙をぽろぽろこぼしな
がら訴える場面まで出てくるのです。
いいなあ。
義理のお父様との、そういう関係。
私、憧れちゃう・・・(真っ赤)
でも、それだけで、この「山の音」が、戦後、日本文学の最高峰と呼ばれている訳では、
もちろんありません。
それは、「山の音」というタイトルにあるように、ある晩、信吾が地鳴りにも似た山の音
を聞いて、死の予感を感じたことに始まります。
信吾は六十を過ぎたあたりから、物忘れがひどくなるなど、体中に老いをひしひしと感じ
るようになり、また、何人もの友人の死去を通して、死が身近に忍び寄っているのを否が応
でも認めない訳にはいかない状況にあったのです。
それなのに、二人の息子と娘の結婚生活は思わしくなく、嫁に行った房子は離縁覚悟で、
二人娘を連れて、実家に身を寄せ、息子の修一は美しくて心優しい菊子というよく出来た嫁
がいながら、よそに女を作り、あろうことか、妊娠までさせてしまうのです。
そういう子どもたちを見て、信吾は「親はいつまで子供の面倒を見なければいけないんだ
」と苦々しく思いながらも、親として出来るだけのことをするのです。
そんな信吾の心の慰めは菊子ただ一人で、菊子もまた例え、修一と別れることはあっても
、お父様のそばにいたいと訴える健気な女性なのです。
菊子の女性ならではの気品に満ちた喋り方と優しさには、おそらく多くの男性が好きにな
るのではないでしょうか。
しかし、どう考えても不思議です。
こんな可憐で、心優しいお嫁さんがいるのに、なぜ、修一はよそに女を作って、妊娠まで
させてしまうのでしょう?
でも、そういう夫婦って、結構、いるみたいですよね。
数年前、離婚した芸能人夫婦も、素敵な奥さんがいながら、下品そうな女を作って、離婚
し、世間を賑わせたことがありましたが、男心はちょっと不可解ですねえ?
それはともかく、そうした家族関係を通して、死を主調低音にし、(日本古来の悲しみ)
や(あはれな日本の美しさ)を、この作品は描いたものだそうです。
そして、この「山の音」は成瀬巳喜男監督の手により、映画化もされてますので、そちら
も合わせて観てみることにしました。
この映画版、実は永遠の処女と謳われた原節子さんが、菊子の役でご出演されてるのです
が、まさに菊子のイメージにピッタリでした。
夫の修一の役は、意外にも加山雄三さんのお父様の上原謙さんで、もっと若い俳優がよか
ったのではと最初のうちこそ思っていたのですが、修一の性格を見事に演じていて、やはり
この人でよかったと思うようになりました。
父親の信吾の役は山村聡さんで、なかなか渋い演技を見せ、私もこの人なら、一緒に00
0したいと思うほど素敵でした♪
だけど、何と言っても、菊子役の原節子さんが、一番、すごかったです!
そして、私は原節子さんは終生、独身を通しましたけれど、もし、誰かと結婚していたな
ら、この「山の音」の夫の修一みたいに、原節子さんの美しい一途な愛に耐えきれずに、よ
そに女を作るか、逃げ出したかもなと思わないでもありませんでした。
それでは、この記事をもちまして、しばらく、お休みさせていただきます。
また逢う日まで、ごきげんよう♪