奈々の これが私の生きる道!

映画や読書のお話、日々のあれこれを気ままに綴っています

ベルサイユのばらPart5

2009-04-30 04:22:25 | 読書
このお話は、オスカルの登場する場面が多いのですが、運命に翻弄されるマリーアントワネットを軸に進んで行きます。
マリーアントワネットの権勢、財産を我が物にしようと、多くの欲望に駆られた人々が、彼女の周りに群がってきます。
世間知らずで、人のいいマリーは断る事が出来ず、言われるまま、金品を与えているうちに、国家の財政は逼迫していきます。
そこで、それを補おうと民衆から税金の取り立てを厳しくし、生活難に陥った民衆は怒りの拳を振り上げ、ついに革命へと発展するのです。


つづく

ベルサイユのばらPart4

2009-04-28 06:19:35 | 読書
さて、次に登場するのが、このマンガの最重要人物オスカルです。
オスカルは、代々、王家の軍隊を統率してきた由緒あるジャルジェ家の末娘として生まれます。
しかし、父親は男の子が欲しく、彼の願いとはうらはらに彼の子供はすべて女の子ばかりなのです。
そこで、どうしても男の子の欲しかった父親はオスカルを男の子として育てる事にします。
そして、男性の衣服を身にまとい、剣の練習に余念のない日々を送るのです。
男装の麗人オスカルの誕生です。

このオスカルが、カッコイイ!

ベルサイユのばらを読まれた方は、みなオスカルのファンになると思うんですけど、それくらい虜になってしまいます。
私なんか、もうめろめろ・・・
オスカルさまぁ~!

どうして、あなたは女性なのに、そんなにカッコイイの?

だけど、だけど、このオスカル、もしかしたら女性にも興味があるのかなって場面が出てくるのです。
その女性の名はロザリー。
ロザリーは母親を貴族に殺され、復讐をするべく、オスカルに剣の手ほどきを受けます。
その剣の練習中、水に落ち、ずぶ濡れになり、オスカルに抱きかかえられるロザリー。
二人の見つめ合う瞳と瞳の熱い事。
ロザリーも、そんなオスカルが好きになり、オスカルは、私がもし男だったら、お前と一緒になるのにと言うのです。

キャー!私にも言って~!オスカル~!

ごめんなさい。
つい興奮しちゃいました。
だけど、オスカルの魅力はまさにこのバイセクシャルなところにあると言っても過言ではないですね。

あぁ、どうしよう?
また胸がドキドキしてきた・・・


つづく

ベルサイユのばら Part3

2009-04-26 06:25:40 | 読書
まず登場するのは、オーストラリア王室の第9子として生まれた幼いマリー・アントワネットです。
このマリーが、活発で愛嬌があり、とっても可愛らしく描かれています。
私のイメージするマリー・アントワネット以上に愛くるしく描かれていたので、一遍で彼女が好きになりました。
だけど、マリーには悲しい運命が待ち受けていて、周辺諸国に比肩すべき軍事力と、国家体制を維持すべく実の母、女帝マリア・テレジアの深謀遠慮により、フランス王室に嫁ぐ事になります。
時に、マリー・アントワネット14歳でした。
まだまだ遊びたい盛りに、結婚する事になり、この場面は、とてもかわいそうでなりませんでした。

そうして、マリーはフランス王室にふさわしい王妃になるために、家庭教師のもと、語学やマナーなど必要とされるあらゆる教育を受けるのです。

つづく


ベルサイユのばらPart2

2009-04-24 06:37:03 | 読書
私の少女時代?今に語り継がれる名作漫画がいくつも登場しました。
その中でも、ひときわ燦然たる光芒を放って、今なお愛され続けている作品が、「ベルサイユのばら」です。
しかし、実を言うと私は長い間、この作品を敬遠して読んだ事はありませんでした。
理由は、炎を恐れる動物の如く、この作品には触れてはならないような気がしていたからです。

だから、クラスの女子が「ベルばら」の載っている漫画週刊誌「マーガレット」を学校に持って来て回し読みしていても、そんなに読みたいとは思いませんでした。
クラスの女子の熱狂ぶりはすごかったですけど。

アニメが流行った時も、宝塚で上演していると聞いても、心の扉を固く閉ざし、決して漫画を読もうとしませんでした。
でも、今にして思えばそれで良かったのだと思います。
というのも、早くから「ベルサイユのばら」に出会っていたら、ほかの漫画はとても読む気にはならなかっただろうと思うからです。
それくらい、少女の持っている愛や夢、憧れなど、すべてがぎゅっと詰め込まれている、まるで宝石箱みたいな作品なのです。

はっきり言います。
この作品を読んだら、あなたは、ほかのマンガが陳腐なものに思えて、当分読む気を無くすでしょう。

ベルサイユのばら
時は十九世紀、フランス革命前夜、ベルサイユ宮殿を舞台に、マリーアントワネット、オスカル、アンドレ、フェルゼンを中心に、人々の織り成す欲望、憎悪、そして何ものにも勝る気高く美しい崇高な愛が、この作品には描かれています。

つづく

ベルサイユのばらPart1

2009-04-22 06:27:12 | 読書
私の少女時代?今に語り継がれる名作漫画がいくつも生み出されました。
以前、お伝えした「キャンディキャンディ」、テニスブームを巻き起こした「エースをねらえ」、自分を人間と思い込んでいる猫のお話「綿の国星」、エドガーとアランの、時を旅するヴァンパイアのお話「ポーの一族」・・・
数え上げれば、きりがありません。
その私達、少女の心を魅了した漫画の中でも、ひときわ燦然たる輝きを放ち、今なお世代を越えて、愛され続けている作品があります。
みなさん、もうすでにお分かりですね。

ベルサイユのばら

グスン・・・ごめんなさい。
私、これだけで涙ぐんじゃいました。

あの頃、そして今も、これほど多くの人に愛され、深い感銘を与え続けている作品がほかにあるでしょうか。

そういう訳で、これからしばらく名作「ベルばら」について書いていこうと思います。

つづく



漫画「全て緑になる日まで」 大島弓子

2009-04-20 07:05:58 | 読書
主人公の女の子レージデージは、一年前から付き合い始めたマリオンにプロポーズされます。
だけど、レージデージの父親の経営する石油会社が、折りからの不況の煽りを受けて倒産寸前に追い込まれ、同じ石油会社の社長が、息子と結婚してくれるなら資金援助しようと申し出てきます。
親思いのレージデージはマリオンのプロポーズを断り、政略結婚を受け入れようとするのです。
そのためにはマリオンへの気持ちを諦めなくてはなりません。
そこで、友人にマリオンの悪口を言ってもらいます。

友人「マリオンは、分裂症」
レージデージ「ううん、そんな事ない」

友人「マリオンは女癖が悪い」
レージデージ「ううん、そんな事ありえない」

友人「う~ん、難しい、それではマリオンは男色家!」
レージデージ「そんな非生産的な事、絶対許さない!」

友人「よし、これで行こう!」

友人は、「トリステスという名前がふさわしいような可愛い男の子とマリオンが付き合ってると思うのよ」とアドバイスします。
その気持ちのまま、プロポーズを断りに、マリオンの家に向かうレージデージ。
ところが、マリオンに会いに行く途中、レージデージがイメージするトリステスそっくりの美少年に会います。
その美少年は不審な男達に絡まれていて、レージデージが大声を上げて男達を追い払い、美少年を助けてあげます。
レージデージはこれ幸い、この美少年こそトリステスで、マリオンの恋人だと思う事にします。
しかし、レージデージが、マリオンの部屋の扉を開けると、先程の美少年の姿が・・・
マリオンは慌てた様子で、自分のいとこだと紹介します。
その美少年は、レージデージが思わず呼んだトリステスという名前が気に入り、「素敵な名前だ!これからはトリステスと呼んで」と言います。
ただの、いとこ?
しかし、ふとしたはずみでマリオンに腕をつかまれ、真っ赤になるトリステス。
これって、もしかして二人は出来てるんじゃない?
レージデージは、そう思わざるを得ず、空想が現実になった事に驚き、プロポーズを断る気持ちを失くしてしまいます。
何とか、二人を引き離さなければ!
この美少年トリステスは、とっても変わっていて、ほんの些細な事でも喜びます。
例えば、
敷石にいきなり突っ伏すトリステス。
「ぼく、晴れた日の敷石に寝てみたかったんだ!」
マリオンに罵声を浴びせられ喜ぶトリステス。
「おお 素敵! すばらしい! すばらしい!」
パンのお焦げに喜ぶトリステス。
「あ!焦げてるよー!」
そんなトリステスに、レージデージは尋ねるのです。
「ねえ あなたの夢って何なの?大地にひれ伏したりする事のほかに、あなたのやりたい事って?」
トリステス「たくさんあるよ!寝巻で過ごせる仕事。花の中で過ごせる仕事。猫をわんさと飼ってる仕事。お風呂でご飯を食べられる仕事。」
レージデージ「頭痛くなってくるわね 男の子なら、もっとどでかい夢持ってもいいんじゃない?大型トラックの運転手とか」
トリステス「わートラックに乗りたい! トラックに乗りたい!」
レージデージ「石油会社の社長とかは?」
トリステス「それは嫌です」
なんだか女の子みたいで、トリステスが可愛く思えてくるレージデージ。 しかし、マリオンとトリステスをくっつける訳にはいきません。
マリオンには、みなに祝福されるような光輝く太陽の下を堂々と歩いてほしいのです。
そのために、心を鬼にしてトリステスの目の前で、マリオンのプロポーズを受け入れるレージデージ。
もちろん、これはレージデージの本心ではなく、あくまでもマリオンとトリステスを引き離すためのお芝居なのですが、トリステスはショックを受け、荒々しく扉を開けて、後も見ずに部屋を飛び出して行きます。
気の毒な事をしたかも。
でも、これでいいんだ。これはあなた達の為なのよ。
そう自分に言い聞かせるレージデージでしたが、結局それは自分の利己主義でしかなかったのではないか?
私はマリオンをトリステスに取られたくなかったから、そうしたのでは?と自己嫌悪にさいなまれるレージデージ。
マリオンに謝らなくては。
レージデージが謝りに、マリオンの家に行き、扉を開けると、彼は一心不乱に絵を描いていました。
それは、トリステスがスカートをはいて、光を浴び、嬉しそうに笑いかけている絵でした。

私はこんなに自由よ!私はこんなに愛されているのよ!

そう、絵の中のトリステスはささやいているかのようでした。

トリステス。
実は彼は、いいえ、彼女は本当は女性だったのです。
トリステスはさる国の王女で、近々結婚が決まっていたのです。
年齢はまだ16歳。
王室というごく限られた狭い空間でしか過ごした事がなく、やりたい事もまだ何も経験していない純粋培養で育てられた少女。
もちろん、結婚も彼女の本意ではありませんでした。
彼女は、普通の年頃の女の子が経験する事がしたくてたまらなかったのです。
だから、王宮を抜け出し、引き戻されるのを覚悟で、マリオンに詳細を話して、かくまってもらっていたのです。

このお話は、最後はトリステスが王宮に戻り、定められた結婚を受け入れる事でエンディングを迎えます。


この作品を読み終わり、ことの真相を知って、私は、トリステスがほんの些細な事でも喜んだ謎が解け、涙があふれてきました。

当たり前の事が、当たり前に出来ない人が、この世の中にはいます。
自分は不幸だ。不幸だと、つい私は思いがちになるのですが、広い世の中を見渡せば、いろんな人がいるのです。
自分の殻の中にばかり閉じこもっていないで、心を広く持たなければいけないなと、この作品を読んで思いました。

漫画「綿の国星 」大島弓子

2009-04-16 05:52:09 | 読書
あなたは、犬と猫、どっちが好きですか?
それとも、両方?
私は、うーんとね、どちらかというと、猫派かな?
小さい頃は猫を飼ってたし。
それに、犬に噛まれた事があるんです。
だけど、犬も決して嫌いでは無く、テレビの名犬ラッシーは大好きで、よく観ていました。

大島弓子さんのマンガに、「綿の国星」という可愛い猫ちゃんのお話があります。
でも、この猫ちゃん、なぜか人間の形をしているのです。

この作品は、大人になると人間に変身すると思っているメスのチビ猫のお話です。
チビ猫の説によると、人間には二つのルートがあって、一つは人間の形をした普通の赤ん坊から大人の人間に成長するルート、もう一つは猫がある時点から変身して人間になるルートです。
そしてチビ猫も、やがて人間になれると思い込んでいます。
チビ猫はもともと飼い猫だったのですが、家庭の事情で捨てられていたところを、予備校に通う須和野時夫に拾われます。
だけど、時夫のお母さんは大の猫アレルギー。
そこで、一悶着あるのですが、時夫のために我慢し、何とかチビ猫に慣れようとします。
やがて、チビ猫は、猫達みんなの憧れの的銀猫ラフィエルに、猫は人間にはなれない事を教えられ、がっかりします。
ところが、それで諦めるチビ猫ではなく、人間と同じ事をしていれば自然の成り行きで人間になれると信じ、人間そっくりの事をするのです。

そうして、さまざまなエピソードが築かれていくのですが、月一回、満月の夜に空き地で猫の集会を開いたり、いろいろな猫が登場して、猫好きには堪らないお話なんですよ。

絵も、息を飲むほど綺麗で、猫のお話と言っても、みな人間のように描かれているので、なんだかそれだけでとても不思議な気持ちになります。

猫は犬と違って人になかなか馴れないと言って、敬遠する人がいるかも知れませんが、そんな人にこそぜひ読んでほしい私オススメの詩情あふれる愛らしい猫ちゃん達のマンガです。

漫画「 黄色い海賊船」美内すずえ

2009-04-14 06:08:35 | 読書
今回は、私が小学生の頃に読んだ懐かしいマンガをご紹介したいと思います。
「黄色い海賊船」
この作品は、「ガラスの仮面」で有名な美内すずえさんの作品で、白泉社文庫の美内すずえ傑作選の中に収録されています。

主人公アンは転地療養のため、カリブ海に浮かぶジャマイカに、母の弟である義理の叔父ジェムおじさんに連れられてイギリスからやって来ました。
しかし、頼りにしていたジェムおじさんの友人ブラウン氏は迎えに現れず、召し使いのエドガーが代わりに来ます。ブラウン氏の来ない訳を聞いても、なぜかエドガーは口を閉ざして教えてくれません。
ふと、町の様子を見ると、皆疑り深い暗い目をしています。
そこへ、その町の町長モーガン氏が現れ、ブラウン氏が不慮の事故で亡くなった事を教えます。
そして、未亡人となったブラウン夫人が悲しみのあまり発狂している姿を目にします。
行き先を失ったアンに、町長モーガンはわが家に来るようにと声を掛け、お近づきのしるしに酒場へ連れて行きます。
アンとジェムおじさんが後をついて行くと、ぼろいお店にも係わらず、純金で出来た天使の置物があったり、いかにも貧しそうな老婦人がダイヤの指輪を持っていたり、何だか、とても不自然な事ばかりです。
その後、モーガンの家に帰ったアンは、モーガンと誰かがひそひそ話するのを聞いてしまいます。
その会話を不審に思うアンでしたが、あまり深く考える事もなく、その場を離れます。
翌日、ジャマイカ島を出て、キングストン島へ遊びに行くアンとジェムおじさん。
観光遊覧船に乗って島巡りをします。
キングストンはかつてカリブ海を荒らし回っていた海賊達の最大の都でした。
この島に古くからある伝説に、大津波で島が飲み込まれそうになった時、一隻の黄色い海賊船が現れて、心正しい者達を救ったというお話があり興味を引かれる二人。
キングストンの帰り、船に乗ったアンとジェムおじさんはシケに遭い、アンはふとしたはずみで、船から振り落とされてしまいます。
ようやく命を取り止め、陸にたどり着いたアンが見たものは、殺人者が転覆した船から逃れた人達を虐殺し金品を強奪する場面でした。
その殺人者達の顔を見て、アンは驚きます。
それはジャマイカの島民とモーガンだったのです。
やがて、ジェムおじさんに助けられたアンは殺人者達を訴えるべく、その証拠となる金品を隠した場所を探そうとします。
だけど、島の住民にばれないように探す必要があります。
そこで、偶然見つけた壊れかけの海賊船の補修を名目にして、その船を伝説の黄色い海賊船に仕立て上げる事にします。
ところが、そんな折り、アンのパパから手紙が届きます。
その手紙には、アンに養女に行くように書かれてありました。
パパに見捨てられたと思い、悲しみに暮れるアン。
そんなアンに、「君は精一杯生きたことがあるかい?力の限り生きてみたことがあるかい?そんな時生きるってことが、どんなに素晴らしいかわかるよ」とジェムおじさんは優しく教えさとすのです。
その後、発狂したはずのブラウン夫人が尋ねて来て、実は狂ったふりをして、モーガンの隠した金品の場所を探っていた事をアンに打ち明けます。
金品の隠された場所を示す小島の地図をブラウン夫人から託され、翌々日のカーニバルの夜、皆の目をかい潜って、小島に行くことに決めたアンとジェムおじさん。
そうして首尾よく金品を見つけたのですが、敵もさるものモーガンと仲間達に見つかり、大木に二人とも縛り付けられてしまいます。
ところが、その時、不思議な現象が起き、海の水が物凄い速さで、沖へ沖へと引いて行きます。
それは津波の前触れでした。
それに皆、避難しようと、騒ぎ立てますが、モーガン達はアンを人質にして、奪った金品を取りに行こうとします。
そして、金品を掘り起こしたモーガン達は、アンとエドガーを残し、島を後に。
どうしよう?このままでは津波に飲み込まれ死んでしまう。
不安に駆られたアンは、島に隠した黄色い海賊船を思い出します。
いつも、ジェムおじさんの操縦を横で見ていたから動かせるのでは?
果たして、海に漕ぎ出すことは出来たものの、津波で船は揺れ、うまく舵を取る事が出来ません。
もう駄目だと弱気になるアンでしたが、「アン、本当の勇気というのはね、生きることなんだよ」というジェムおじさんの言葉を思い出し、必死に船を漕ぎ出すのでした。

その後、このお話はめでたくハッピーエンドを迎えるのですが、私はこの作品を小学生時分、リアルタイムで読んでいて、とても懐かしい思いで読み返しました。
美内すずえさんの作品は物語性に富んでいて、小学生にも充分楽しめるお話が多かったように思います。
だけど、私はこの白泉社の文庫で、子供の頃に好きだったマンガが美内すずえさんの作品だと初めて分かり、びっくりしました。
私はこの他に、ナポレオンのようになりたかった少年のお話も好きだったのですが、残念ながら、この傑作選には収録されていませんでした。
これを機に美内すずえのほかの作品達、例えば「ガラスの仮面」も読みたいと思います。

読者「えー!あの名作をまだ読んでいなかったのー!!」

キスへの憧れ

2009-04-10 02:04:39 | 読書
誰でも、恋に恋する季節があると思います。
たとえば、学校の行き帰りの電車の中で、よく一緒になる素敵な男性。
毎日、顔を合わせるたびに、どんな人なんだろう?この人とお付き合いしたいな、と一人空想をふくらませる。

思春期の頃は、キスについても、いろいろな夢や空想を描いたりするものです。
私の好きな漫画家の大島弓子さんに、「アポストロフィS」という作品があって、キスへの憧れを綴った素敵な詩があります。


あなたと接吻いたしましょう
桜草が咲いたなら
李の花が咲いたなら
梨の花も待ちましょう
グミの花もそえましょう

薔薇が咲いては遅すぎる
トゲが二人をさすでしょう
香りがあなたを殺すでしょう
薔薇の花が咲くまえに
椿の一枝髪にそえ
あなたと接吻いたしましょう


この詩は、二人の愛が熟するのを桜草や李の花に例え、不安な気持ちに揺れる乙女心を薔薇の花で表しています。
そうして、髪にさした椿の花びらを落とさないように、優しく私にキスしてと訴えています。


私はお花畑で、たくさんの花に囲まれて、くちづけしたかったな・・・