今年の干支に因んだお話、今回はテレビの特撮番組「宇宙猿人ゴリ」です。
「え?その番組、猿は登場しないんじゃないの?」
もしかしたら、そういう方もいらっしゃるかも知れません。
前回、ターザンを書いた時、「チンパンジーは猿ではなく、類人猿だ」と教育的指導を受
けたばかりですから。(苦笑)
しかも、この作品に登場するゴリとラーは、猿でもなければ、類人猿でもなく、いいえ、
そればかりか、地球の生物とはまったく関係のない宇宙人なんですから!
でも、そんなに厳密に言われたら、私、何書いていいか、困っちゃう・・・
なので、寛大なお心で、どうぞお付き合い下さいませね♪
そういう訳で、この作品のお話を始めるわけですが、実は、私、「♪スペ~クトルマ~ン
スペ~クトルマ~ン・ゴーゴーゴーゴー・ゴゴー」という主題歌は好きで、よく聴いてい
た記憶はあるのですが、肝心要の本編を観た覚えはあまりないんです。
おそらく、何か観たくない理由があったのだろうと思います。
私は、幼い頃、不思議大好き少女で、特撮にも一応、興味を持っていたのです。
とくに、「ウルトラマン」シリーズは、巨大なウルトラマンや怪獣と、小さな人間が、一
緒に写ってる場面が、とっても不思議で、ワクワクしながら観てました。
この「宇宙猿人ゴリ」も、巨大なヒーローのスペクトルマンや怪獣が登場するので、その
点はクリアしてたはずなのです。
歌の部分しか観てなかったと言えば、去年、お話したテレビ・アニメの「タイガーマスク
」もそうですが、あれは流血場面がいくつもあったのが、主な理由でした。
そこで、なぜ私がこの番組を観なかったという謎に迫ることにしました!
ところが、そうは決めたものの、これ、レンタル屋さんに置いてなくて、DVD探偵団という
名の8センチDVDで、第一話分だけ、しかも、それを更に9分弱に縮めたものを、ネットで見
つけ、それを鑑賞してみることにしました。
その時、ついでに、「快傑ライオン丸」も見つけたので、合わせて観てみました。
宇宙猿人ゴリは、ガイシテス太陽系・惑星Eの天才科学者だったが、その優秀な頭脳ゆえに
、惑星の独裁者になる野心を起こしたが、あえなく発覚し、精神改造刑を受けそうになる。
それを救ったのが、腹心の部下であるラーであった。
ゴリとラーは空飛ぶ円盤に乗って、逃亡の旅を続けるうち、地球を発見し、これを征服せ
んと企て、怪獣を使って、人類の味方スペクトルマンと死闘を繰り広げるのであった。
これが概略ですが、タイトルが「宇宙猿人ゴリ」とあるように、最初はゴリとラーが主役
で、出番が非常に多かったみたいです。
ところが、放送局側から、悪役が主役なのは、おかしいとクレームがつき、「宇宙猿人ゴ
リ対スペクトルマン」を経て、「スペクトルマン」に変化し、内容も公害問題がテーマだっ
たのが、正統派の怪獣バトル路線への変更を余儀なくされたとか。
最初は、悪役が主役だった?
それで、ハッと気づいた事がありました。
私は、息子たちが小さかった頃、CDで、特撮ヒーローの歌を、よく聴かせていたのです。
それは、特撮ヒーローみたいに強くてたくましくなってほしいという願いを込めてでした
。
そのなかに、「宇宙猿人ゴリ」もあったのですが、別バージョンの歌にゴリとラーの「ラ
ーよ 攻撃の時は来た」、「ウォーッ」というセリフが入っていて、その部分に差し掛かる
と、息子たちは決まって「恐いよ~」と言っていたのです。
もしかしたら、最初はゴリとラーが主役で、出番が多かったので、私はそれが恐くて観な
かったのかもしれません。
でも、どうして、ゴリとラーが恐かったのでしょうか?
それを解くヒントは、次に観た「快傑ライオン丸」にありました!
この番組は、「宇宙猿人ゴリ」の後番組で、同じピープロの制作だそうです。
これには、主人公ライオン丸が乗る天馬が登場し、私はこの天馬が空を飛ぶシーンが好き
で、そこだけよく観ていた記憶があるのです。
実は、ゴリとラーと、天馬には、ある共通点があるのです。
ゴリとラーは猿によく似ています。
一方、天馬も翼がなければ、普通の馬ですよね?
つまり、どちらも実在のモデルがいるんです。
だから、ゴリとラーも、天馬も、本当にいるかもしれないと、幼い私は思っていた?
本当にいるかもしれないと思ったからこそ、ゴリとラーが恐くなり、番組を観なくなった
のでは?
きっと、そうに違いありません!
ところで、「宇宙猿人ゴリ」を調べて分かったのですが、この作品の裏番組は「巨人の星
」で、当初は視聴率で、大苦戦をしいられていたのが、やがて人気がうなぎ登りになり、第
15話で、ついに追い抜いたという記録があるそうです。
すごい!
そんな名作とは露知らず、私としたことが・・・(苦笑)
ついでに、「快傑ライオン丸」について書きますと、この番組はアメリカでも放送され、
大人気を博したとか。
時代劇は、海外で、とくに人気が高いようですが、天翔ける天馬もそれに一役買ったのか
も知れません。
最後に、幼い頃、「宇宙猿人ゴリ」の歌のゴリとラーのセリフが恐いと言っていた私の息
子たちについて書かせていただきますね。
私たち夫婦は息子たちを特撮ヒーローみたいに、強くてたくましく育ってほしいとの願い
を込めて、特撮ヒーローものの主題歌を聴かせたり、番組を見せていたのですが、忘れもし
ません。それは、特撮ヒーローのキャラクタショーに連れてった時のこと。
なんとステージから、怪獣が観客席に降りてきて、私の長男を捕まえちゃったのです!
その時、「恐い~」と、二人の息子の泣きわめく事と言ったらありませんでした。
「宇宙猿人ゴリ」の歌や、怪獣を恐がった私の息子たち。
お願いだから、強くたくましくなって!
そう願った私たち夫婦は息子たちが小学生の時、野球部に入れ、それ以来、心身ともに強
くなっていったような気がします。
しかも、小学生の時に、二人して競うように「学校の怪談」とか、「トイレの花子さん」
とか、やたらとホラー系の本を読んでいました。
私には、分かっていました。
ホラーを読んで、度胸をつけようとしてるのだなと。(笑)
息子たちよ、スペクトルマンやライオン丸みたいになって、地球の平和のために悪と戦っ
てくれとは言いません。
強くたくましくなってほしい。
私が望むのはそれだけ。
それは、ある程度、叶ったようで、私はそれが嬉しくてならないのです・・・(涙)