先日、お話しましたように、最近、私は吉永小百合さんに多大な関心を寄せていて、ご出演された映画をいくつも観ております。
そこで、今回は私が選んだ吉永小百合さんの青春映画のベストを発表させていただきます。
それでは、私がどんな映画を観たのか、タイトルを列挙してみますね。
(製作年代順)
朝を呼ぶ口笛(1959年)
霧笛が俺を呼んでいる(1960年)
ガラスの中の少女(1960年)
上を向いて歩こう(1962年)
キューポラのある街(1962年)
赤い蕾と白い花(1962年)
青い山脈(1963年)
いつでも夢を(1963年)
泥だらけの純情(1963年)
伊豆の踊子(1963年)
美しい暦(1963年)
光る海(1963年)
こんにちは赤ちゃん(1964年)
潮騒(1964年)
風と樹と空と(1964年)
愛と死をみつめて(1964年)
若草物語(1964年)
未成年 続・キューポラのある街(1965年)
風車のある街(1966年)
愛と死の記録(1966年)
あゝひめゆりの塔(1968年)
風の慕情(1970年)
青春大全集(1970年)
戦争と人間(1971年)
男はつらいよ 柴又慕情(1972年)
計25作品
すべてレンタル屋さんで借りて観ました。
これって、すごい数でしょう?
これだけでも、吉永小百合さんがご出演された映画が、いかに多いかがわかるようですよね?
それでは、せっかくですから、この中から、いくつか感想を書き出してみますね。
これを書くにあたって、吉永小百合さんの映画にまつわる思い出を綴った自伝的著書「夢一途」と、ウィキペディアも参考にさせていただきました。
「朝を呼ぶ口笛」
これは吉永小百合さんの映画デビュー作で、まだ13歳の中学生だったそうです。
この映画は、先日、ご紹介した「まぼろし探偵」主演の加藤弘さんが、新聞配達の中学三年生を主演していて、とても好感が持てる少年を演じています。
吉永小百合さんのお母さまも、加藤弘さんが気に入ったらしく、そのお母さまの勧めで、「まぼろし探偵」のオーディションを受け、その後も何かとお世話をされたという事です。
吉永小百合さんは、その少年を陰ながら励ます少女の役を演じていて、セーラー服がとってもお似合いだと思いました。
「霧笛が俺を呼んでいる」
これは、和製ジェームズ・ディーンと言われた赤木圭一郎さん主演のアクション映画で、吉永小百合さんは犯人の妹役を演じています。
赤木圭一郎とは、「電光石火の男」以来、二度目の共演で、雲の上のスターに緊張して、何度やってもガタガタ震え、NGを連発したエピソードがあるそうです。
「ガラスの中の少女」
この映画は、吉永小百合さんの初主演作品であり、相手役の浜田光夫さんと初めて共演した作品でもあるそうです。
それまで、吉永小百合さんが在籍していた日活はアクション映画が主流で、別の路線を開拓する意味で、純愛路線を初めて模索した作品だったようです。
二人はのちにゴールデンコンビと呼ばれ、計44本の映画で共演したとか。
「上を向いて歩こう」
言わずと知れた名曲の映画化作品で、坂本九さんもご出演されているのですが、なぜかすごい三枚目の役で、映画の出来はイマイチかな?と思いました。(笑)
「いつでも夢を」
この映画は吉永小百合さんと橋幸夫さんのデュエット曲の映画化で、浜田光夫さんと橋幸夫さんの二人で、吉永小百合さんを奪いあうところが面白いなと思いました。
ちなみに、私は吉永小百合さんの歌では「いつでも夢を」が一番好きで、二番目が「寒い朝」です。
「光る海」
これは、石坂洋次郎さんの原作で、浜田光夫さんも出演してるのですが、なんと吉永小百合さんとは結ばれず、十朱幸代さんとゴールインしちゃうストーリーで、とっても驚いてしまいました。(苦笑)
あと、特筆すべきは田中絹代さんと高峰三枝子さんが出ていて、大女優の威厳といいますか、貫禄を二人だけでまざまざと見せる場面があり、単に青春映画の範疇を越えて、すごい作品だなと思いました。
「こんにちは赤ちゃん」
これは、当然、梓みちよさんもご出演されてるのかな?と思って観たのですが、とうとう最後まで出てこられず、ちょっと物足りませんでした。
その訳は、「こんにちは赤ちゃん」は東宝と日活と両方で作られたらしく、梓みちよさんは吉永小百合さんの出ていない東宝版にしかご出演されなかったそうです。
「潮騒」
これは、言わずと知れた三島由紀夫の小説を映画化した作品です。
この映画は文芸作品にも関わらず、ドラマチックで、ハラハラする場面が至る所にあり、実に映画に適した作品だなと思いました。
とくに、二人が炎を跳び越える場面や、横恋慕しようとする女性の存在など。
「愛と死の記録」
この映画の吉永小百合さんの相手役は当初、浜田光夫さんだったそうですが、右目を負傷し、急遽、渡哲也さんに代わったそうです。
渡哲也さんは原爆症に苦しむ青年役で、吉永小百合さんは結婚を誓った恋人役を演じています。
「あゝひめゆりの塔」
これは、沖縄で、ひめゆり部隊と呼ばれた少女達の悲劇を描いていて、戦争の悲惨さが余すところなく表現され、戦争の恐ろしさを思い知らされた作品でした。
「戦争と人間」
これは、山本薩夫監督の三部作で、合わせて9時間23分あり、日本で2番目に長い映画だそうです。
内容としては、1928年の張作霖爆殺事件前夜から、1939年のノモンハン事件を背景に、日本人が戦争とどう関わったのかが重厚かつダイナミックに描かれてあり、かなりの力作だと思いました。
さあ、それではお待ちかね、私が選んだ吉永小百合さんの青春映画のベスト・フォーを発表させていただきます!
まず、4位は「青い山脈」です。
これは、石坂洋次郎原作の映画化で、吉永小百合さんは主人公の寺沢新子を演じ、とある高校の男女の恋愛を爽やかに描いていて、コメディ的要素が満載で、思わず、何度も笑ってしまいました。
ラブレターで、(恋しい恋しい私の恋人)と書くところを、(変しい変しい私の変人)と書いてあるのは誰でもご存知ではないでしょうか。
ついでに、私は1949年製作の原節子さん出演のものも観たのですが、そちらは文芸の香気あふれる上質な作りになっていて、これとは別の味わいを感じました。
続く3位は「伊豆の踊子」
これは、川端康成原作の映画化で、相手役の大学生を高橋英樹さんが演じています。
吉永小百合さんは、大学生に淡い恋心を寄せる無垢で可憐な踊り子を演じていて、可愛らしさが画面全体ににじみ出ているように感じました。
2位は、「キューポラのある街」です。
この映画は浦山桐郎監督の処女作で、吉永小百合さんは埼玉県川口市の鋳物職人の娘ジュンを演じています。
吉永小百合さんは、浦山桐郎監督に「貧乏について、よく考えてごらん」と言われ、この映画で初めて、役作りの大切さを学んだそうです。
この映画は、貧しいながらも懸命に生きようとするジュンの姿と、ヤンチャな弟達の姿が生き生きと描かれ、希望を持ち、前向きに生きる事の大切さを教えてくれる、とても素晴らしい作品だと思いました。
では、いよいよ1位の発表です。
栄えある1位は「愛と死をみつめて」です。
実は、1位は「キューポラのある街」とどちらにしようか迷ったのですが、「愛と死をみつめて」の吉永小百合さんの、死を前にした悲しみの表現力と、この世の人とは思えないほどの美しさで、1位に選ばせていただきました。
この作品は大学生の河野實さんと、軟肉腫に冒され21歳で生涯を閉じた大島みち子さんの文通を元に映画化され、空前の大ヒットを記録したそうです。
吉永小百合さんの著書「夢一途」によると、「愛と死をみつめて」のあとの、「うず潮」の撮影の途中で、大島みち子さんの実家のある兵庫県西脇市に立ち寄った時、お父さん、お母さん、妹さんが歓待してくれた事があったそうです。
そして、その時、お母さんに「今日一日、みち子になって下さい」と言われ、みち子さんの赤い絣の着物を着たり、一緒にすき焼きを食べたり、妹さんと手をつないで、コスモスの咲く小道を歩いたりして、たいそう喜ばれたそうです。
それでは、結論です。
私が、吉永小百合さんの青春映画を観て感じたのは、今は作られなくなった文芸ものがいくつもあるという事でした。
どうして、今、作られなくなってしまったのでしょう?
そして、もう一つ気づいたのは、吉永小百合さんのセリフです。
吉永小百合さんのセリフは、ちょっと不自然かな?と思えなくもないのですが、ほかのどの俳優さんの自然なセリフよりも、心の奥まで届くように感じられるのです。
それは、おそらく、吉永小百合さんが言葉一つ一つを大切にしているのが、私達に否応なしに伝わるからなのでしょうね。
でも、考えてみたら、不自然さが、自然さを凌駕するって、すごい事ですよね?
次回、吉永小百合さんのお話を書く時は、ご結婚後の映画と、知られざるエピソードを書こうと思います。
そこで、今回は私が選んだ吉永小百合さんの青春映画のベストを発表させていただきます。
それでは、私がどんな映画を観たのか、タイトルを列挙してみますね。
(製作年代順)
朝を呼ぶ口笛(1959年)
霧笛が俺を呼んでいる(1960年)
ガラスの中の少女(1960年)
上を向いて歩こう(1962年)
キューポラのある街(1962年)
赤い蕾と白い花(1962年)
青い山脈(1963年)
いつでも夢を(1963年)
泥だらけの純情(1963年)
伊豆の踊子(1963年)
美しい暦(1963年)
光る海(1963年)
こんにちは赤ちゃん(1964年)
潮騒(1964年)
風と樹と空と(1964年)
愛と死をみつめて(1964年)
若草物語(1964年)
未成年 続・キューポラのある街(1965年)
風車のある街(1966年)
愛と死の記録(1966年)
あゝひめゆりの塔(1968年)
風の慕情(1970年)
青春大全集(1970年)
戦争と人間(1971年)
男はつらいよ 柴又慕情(1972年)
計25作品
すべてレンタル屋さんで借りて観ました。
これって、すごい数でしょう?
これだけでも、吉永小百合さんがご出演された映画が、いかに多いかがわかるようですよね?
それでは、せっかくですから、この中から、いくつか感想を書き出してみますね。
これを書くにあたって、吉永小百合さんの映画にまつわる思い出を綴った自伝的著書「夢一途」と、ウィキペディアも参考にさせていただきました。
「朝を呼ぶ口笛」
これは吉永小百合さんの映画デビュー作で、まだ13歳の中学生だったそうです。
この映画は、先日、ご紹介した「まぼろし探偵」主演の加藤弘さんが、新聞配達の中学三年生を主演していて、とても好感が持てる少年を演じています。
吉永小百合さんのお母さまも、加藤弘さんが気に入ったらしく、そのお母さまの勧めで、「まぼろし探偵」のオーディションを受け、その後も何かとお世話をされたという事です。
吉永小百合さんは、その少年を陰ながら励ます少女の役を演じていて、セーラー服がとってもお似合いだと思いました。
「霧笛が俺を呼んでいる」
これは、和製ジェームズ・ディーンと言われた赤木圭一郎さん主演のアクション映画で、吉永小百合さんは犯人の妹役を演じています。
赤木圭一郎とは、「電光石火の男」以来、二度目の共演で、雲の上のスターに緊張して、何度やってもガタガタ震え、NGを連発したエピソードがあるそうです。
「ガラスの中の少女」
この映画は、吉永小百合さんの初主演作品であり、相手役の浜田光夫さんと初めて共演した作品でもあるそうです。
それまで、吉永小百合さんが在籍していた日活はアクション映画が主流で、別の路線を開拓する意味で、純愛路線を初めて模索した作品だったようです。
二人はのちにゴールデンコンビと呼ばれ、計44本の映画で共演したとか。
「上を向いて歩こう」
言わずと知れた名曲の映画化作品で、坂本九さんもご出演されているのですが、なぜかすごい三枚目の役で、映画の出来はイマイチかな?と思いました。(笑)
「いつでも夢を」
この映画は吉永小百合さんと橋幸夫さんのデュエット曲の映画化で、浜田光夫さんと橋幸夫さんの二人で、吉永小百合さんを奪いあうところが面白いなと思いました。
ちなみに、私は吉永小百合さんの歌では「いつでも夢を」が一番好きで、二番目が「寒い朝」です。
「光る海」
これは、石坂洋次郎さんの原作で、浜田光夫さんも出演してるのですが、なんと吉永小百合さんとは結ばれず、十朱幸代さんとゴールインしちゃうストーリーで、とっても驚いてしまいました。(苦笑)
あと、特筆すべきは田中絹代さんと高峰三枝子さんが出ていて、大女優の威厳といいますか、貫禄を二人だけでまざまざと見せる場面があり、単に青春映画の範疇を越えて、すごい作品だなと思いました。
「こんにちは赤ちゃん」
これは、当然、梓みちよさんもご出演されてるのかな?と思って観たのですが、とうとう最後まで出てこられず、ちょっと物足りませんでした。
その訳は、「こんにちは赤ちゃん」は東宝と日活と両方で作られたらしく、梓みちよさんは吉永小百合さんの出ていない東宝版にしかご出演されなかったそうです。
「潮騒」
これは、言わずと知れた三島由紀夫の小説を映画化した作品です。
この映画は文芸作品にも関わらず、ドラマチックで、ハラハラする場面が至る所にあり、実に映画に適した作品だなと思いました。
とくに、二人が炎を跳び越える場面や、横恋慕しようとする女性の存在など。
「愛と死の記録」
この映画の吉永小百合さんの相手役は当初、浜田光夫さんだったそうですが、右目を負傷し、急遽、渡哲也さんに代わったそうです。
渡哲也さんは原爆症に苦しむ青年役で、吉永小百合さんは結婚を誓った恋人役を演じています。
「あゝひめゆりの塔」
これは、沖縄で、ひめゆり部隊と呼ばれた少女達の悲劇を描いていて、戦争の悲惨さが余すところなく表現され、戦争の恐ろしさを思い知らされた作品でした。
「戦争と人間」
これは、山本薩夫監督の三部作で、合わせて9時間23分あり、日本で2番目に長い映画だそうです。
内容としては、1928年の張作霖爆殺事件前夜から、1939年のノモンハン事件を背景に、日本人が戦争とどう関わったのかが重厚かつダイナミックに描かれてあり、かなりの力作だと思いました。
さあ、それではお待ちかね、私が選んだ吉永小百合さんの青春映画のベスト・フォーを発表させていただきます!
まず、4位は「青い山脈」です。
これは、石坂洋次郎原作の映画化で、吉永小百合さんは主人公の寺沢新子を演じ、とある高校の男女の恋愛を爽やかに描いていて、コメディ的要素が満載で、思わず、何度も笑ってしまいました。
ラブレターで、(恋しい恋しい私の恋人)と書くところを、(変しい変しい私の変人)と書いてあるのは誰でもご存知ではないでしょうか。
ついでに、私は1949年製作の原節子さん出演のものも観たのですが、そちらは文芸の香気あふれる上質な作りになっていて、これとは別の味わいを感じました。
続く3位は「伊豆の踊子」
これは、川端康成原作の映画化で、相手役の大学生を高橋英樹さんが演じています。
吉永小百合さんは、大学生に淡い恋心を寄せる無垢で可憐な踊り子を演じていて、可愛らしさが画面全体ににじみ出ているように感じました。
2位は、「キューポラのある街」です。
この映画は浦山桐郎監督の処女作で、吉永小百合さんは埼玉県川口市の鋳物職人の娘ジュンを演じています。
吉永小百合さんは、浦山桐郎監督に「貧乏について、よく考えてごらん」と言われ、この映画で初めて、役作りの大切さを学んだそうです。
この映画は、貧しいながらも懸命に生きようとするジュンの姿と、ヤンチャな弟達の姿が生き生きと描かれ、希望を持ち、前向きに生きる事の大切さを教えてくれる、とても素晴らしい作品だと思いました。
では、いよいよ1位の発表です。
栄えある1位は「愛と死をみつめて」です。
実は、1位は「キューポラのある街」とどちらにしようか迷ったのですが、「愛と死をみつめて」の吉永小百合さんの、死を前にした悲しみの表現力と、この世の人とは思えないほどの美しさで、1位に選ばせていただきました。
この作品は大学生の河野實さんと、軟肉腫に冒され21歳で生涯を閉じた大島みち子さんの文通を元に映画化され、空前の大ヒットを記録したそうです。
吉永小百合さんの著書「夢一途」によると、「愛と死をみつめて」のあとの、「うず潮」の撮影の途中で、大島みち子さんの実家のある兵庫県西脇市に立ち寄った時、お父さん、お母さん、妹さんが歓待してくれた事があったそうです。
そして、その時、お母さんに「今日一日、みち子になって下さい」と言われ、みち子さんの赤い絣の着物を着たり、一緒にすき焼きを食べたり、妹さんと手をつないで、コスモスの咲く小道を歩いたりして、たいそう喜ばれたそうです。
それでは、結論です。
私が、吉永小百合さんの青春映画を観て感じたのは、今は作られなくなった文芸ものがいくつもあるという事でした。
どうして、今、作られなくなってしまったのでしょう?
そして、もう一つ気づいたのは、吉永小百合さんのセリフです。
吉永小百合さんのセリフは、ちょっと不自然かな?と思えなくもないのですが、ほかのどの俳優さんの自然なセリフよりも、心の奥まで届くように感じられるのです。
それは、おそらく、吉永小百合さんが言葉一つ一つを大切にしているのが、私達に否応なしに伝わるからなのでしょうね。
でも、考えてみたら、不自然さが、自然さを凌駕するって、すごい事ですよね?
次回、吉永小百合さんのお話を書く時は、ご結婚後の映画と、知られざるエピソードを書こうと思います。