アニメ「せむしの仔馬」
ちょっと前になりますが、ある日、手塚治虫漫画全集の「ファウスト」のあとがきを読んでいたら、終戦後まもないソ連のアニメ映画「せむしの仔馬」に、手塚先生は大変、感銘を受けて、「ファウスト」と「火の鳥」のインスピレーションを得たという文章を見つけたんです。
「せむしの仔馬」と言えば、私は幼いころに童話で読んでいて、ストーリーはまったく忘れてたのですが、とても面白かった記憶があったのです。
その童話をアニメ化したものを手塚先生は大好きで、50回以上も鑑賞されたそうで、それを知った私はそのアニメがとても観たくなってしまいました。
そこで、地元のレンタル屋さんをあちこち探し回ったのですが、どこにも置いてなく、ネットのオークションでようやく見つけ、今年の二月にわずか600円で落札したんです。
安くで手に入ってよかったと思うでしょう?
ところが、その「せむしの仔馬」はビデオでもなければ、DVDでもなく、今は生産されてないレーザーディスクで、私はプレーヤーまで買う羽目になっちゃったんです。(苦笑)
でも、ソフトは中古ではありますけれど、今でも市場に安くで出回っていますので、欲しいものが安価で手に入るかも知れないなと、思いきって買っちゃった次第なのです。
ところで、レーザーディスクと言えば、私は思い出す歌があります。
それは、演歌歌手の吉幾三さんの「俺ら東京さ行くだ」という迷曲です。(笑)
この歌は、東京に行って、ひとはな咲かせたいと思っている田舎の若者が、田舎の様子を歌っているのですが、二番の歌詞に「レーザーディスクは何者だ」と出てくるんです。
何者って表現してるところが可笑しいですよね。
この歌は、当時、大ヒットして、テレビやラジオでよく聴いたものでした。
そんなコミカルな歌を歌っていた吉幾三さんが、いまや演歌界の大御所だというのですから、人というのはわからないものですよね。
でも、実は私はこの人の昔の歌で気になっているのがあるんです。
勇気を出して書きます!
それは、私が90年代によく聴いていたFMラジオの赤坂泰彦さんの番組「ミリオン・ナイツ」で知った歌で、その番組は70年代、80年代の洋楽や日本の歌をいっぱい聴かせてくれて、大・大・大好きだったんです♪
その番組で紹介された吉幾三さんの歌「と・も・子・・・」に、こんな歌詞が出てくるのです。
♪とも子と二人で暮らしてた頃、ハッピーでナウな日々だった。
買い物に行ってきまーすって、とも子。
行ってらっしゃい、気いつけてねって私。
それっきり、かれこれ一年にもなるべか。
買い物に行ったっきり
一年も帰ってこないオナゴって、どこにいるもんだべか?
恋しくて、とも子のはいてたパンティーいつも頬ずりしてるの。
たまにかぶって歩いたりしてるの・・・
この歌はユーチューブでも聴けるので、気になる人はぜひ聴いてほしいのですが、気づいて下さいました?
そう、パンティーのこと歌ってるんです。
う~ん、私は常日頃、心だけでなく体も愛してほしいと願っているのですが、こんなふうに下着まで愛してくれるとは・・・(真っ赤)
もしかしたら、吉幾三さんて変態さんなの?
でも・・・でも、そんな訳ないですよね。
吉幾三さんは、いまや演歌界の大御所ですし、演歌と言えば日本人の魂と言われるくらいですから、日本を代表する国民的歌手と言っても過言ではないですよね?
そんな多くの日本人に尊敬されて信望を集める人物が、変態さんであるはずがないじゃありませんか。
ということは、私たち女性は知らないですけど、パンティーに頬ずりしたり、かぶって歩いたりしている男性は、案外多くて、そういう男性たちを代表して、国民的歌手の吉幾三さんが歌にしたのかも?
一体、どうなんでしょう?
まあ、この辺で私の吉幾三さんの歌に対する疑問はさておきまして、そろそろこのアニメのお話にいきますね。
ここで言う仔馬は子供の馬ではなく、ポニーという小さい馬を指しているらしいです。
あるところに酒好きで怠け者の二人の兄さんと、正直で優しいイワンという名の弟の兄弟がいたそうです。
この三人兄弟は農業をしていたのですが、畑が何者かに荒らされるようになり、二人の兄さんはイワン一人に畑の見張りを言いつけるのです。
そこでイワンが番をしていると、金色のふさふさした毛並みの馬が現れ、畑のうえを飛び回るのです。
だけど、心優しいイワンは馬を追い回すでもなく、馬と一緒になって飛び跳ねたり、踊ったりして大喜びするのです。
その姿に感激した馬は黒くて素晴らしい馬二頭と、小さなせむしの仔馬をイワンにプレゼントするのです。
黒い馬は売ってもいいけど、仔馬だけは大事にして、決して手放さないでと言って。
そうして、三頭の馬をイワンは貰うのですが、欲の深い兄さん達に黒い馬を横取りされ、市場に売りに出されるのです。
そこに、その国の王様がやって来て、二頭の黒い馬を一目見て気に入るのですが、お城の馬の飼育係の言うことをまったく聞かないので代わりにイワンに飼育係を命じるのです。
そこで黙っていないのが元の飼育係で、あの手この手を使ってイワンをお城から追い出そうと策略をめぐらすのですが、賢い仔馬の知恵と魔法によって助けられ、ハッピーエンドで幕を閉じるというストーリーなんです♪
手塚先生によると、ゲーテの「ファウスト」には、せむしの仔馬はどこにも書かれていないのに、勝手に登場させたくらい気に入っていたそうですよ。
そして、このアニメに手塚先生の名作と同じあの火の鳥が登場しているのです。
このアニメでは不老不死まではうたっていませんが、影響を受けたというだけあって姿かたちは確かに似てるんです!
全体を通して言いますと、原作が童話だけに、単純明快で、ファンタジーと夢にあふれた素敵な作品だなと思いました。
このアニメから、あんなに素晴らしい作品のインスピレーションを得た手塚先生って、とっても素敵!
あらためて手塚治虫先生の偉大さを知った私でした♪