奈々の これが私の生きる道!

映画や読書のお話、日々のあれこれを気ままに綴っています

桜の日

2013-03-27 17:33:54 | Weblog
今日は桜の日です。

そういえば、昔、あの人と、岡崎城でお花見したことあったっけ。

きっと、あの人は今年も春の陽気に誘われ、ご自慢のバイクで、桜を求めて、あちこち出掛けてるんだろうな…

漫画「白いトロイカ」水野英子

2013-03-10 09:27:54 | 読書
私は北海道が好きなのですが、その主な理由は雪と氷に閉ざされて、神秘的で、ロマンチックなものを感じるからなんです。
では世界に目を向けたら、私がどの国にそれと似たようなものを感じるかと言いますと、一番近いのはロシアなんです。
私にそう思わせたのは子供の頃に音楽の授業で習ったロシア民謡が大きく関係しているのは間違いないと思います。
「カリンカ」「カチューシャ」「一週間」「トロイカ」「ステンカ・ラージン」など、これらの歌を聴くと、厳しい冬の寒さに耐えながら、静かに情熱をふつふつと燃やしているイメージが湧いてくるのです。
しかし、その頃ロシアは共産主義国のソ連と呼ばれ、アメリカ合衆国と核による軍備拡張路線を敷いており、冷戦の真っ只中にあったのです。
おまけに、日本とは北方領土の問題もあり、一概に好きとは言えなかったのも事実です。

北方領土で生まれ育った人の無念を思うと、一日でも早く返してほしいです。

大切な故郷を否応なく奪われた人の悲しみが、ロシアの人々にはわからないのでしょうか?

私たち日本人はもうこれ以上は待てません。

北方領土を一日でも早く返還し、長年待たせたお詫びについでにロシアの国土の半分をよこしなさい!

え?
私、どこかおかしいですか???

ともかく、そういう訳で、私のロシアのイメージは、ロシア民謡を歌う善良な人々とは別に、人々の苦しみや悲しみをまるで理解出来ない横暴で自分勝手な人も多く住んでいるように思われてならないのです。

そんな私のロシアのイメージにぴったりなのが、今回ご紹介させていただく水野英子さんの名作「白いトロイカ」なのです。

まず、作品にふれる前に、水野英子さんについて、ぜひ説明させて下さいね。

水野英子さんは小学三年生の時に、手塚治虫先生の漫画に衝撃を受けて漫画家を志され、あの有名なトキワ荘の住人のお一人でもあります。

水野英子さんのすごいところはそれまでの少女漫画にはなかった新機軸を次々に持ち込んだ点にあるそうです。

そのひとつが、瞳の中に星を初めて入れた人が、水野英子さんなのです!

夢見るロマンチストを表現するのに、あれ以上の表現はありませんよね?

もし、水野英子さんが、瞳に星が入れるのを考案されていなかったら、山口百恵さんの名曲「乙女座宮」で「♪少女漫画の恋人同士ね  二人の瞳に星が光る…」と歌われる事はなかったでしょう。

でも、それ以上に水野英子さんが起こした革命で素晴らしいのは少女漫画に初めて恋愛の要素を取り入れた事です!
それまでは親子の生き別れだとか友情ものがほとんどで、恋愛をテーマにした漫画はまったくなかったとか。

あと、「白いトロイカ」もそうですが、少女漫画に初めて実際の歴史を取り入れたのも水野英子さんだそうです。

つまり、水野英子さんがいなかったら、今の少女漫画はあり得ない。
そう言って過言ではないのです。
では、どうして水野英子さんにそこまで出来たのでしょうか?
手塚治虫先生やトキワ荘時代の漫画家仲間の影響が大きかったのでしょうか?

それも、もちろんあると思います。
だけど、それより水野英子さんが山口県の出身者なのが大きく関わっているように私には思えて仕方ないのです。
なぜなら、山口県と言えば、明治時代から換算すると、伊藤博文、岸信介、佐藤栄作、現総理安倍晋三さんら、総理大臣経験者が日本一多いからです。


つまり、天下を取ろうという気概にあふれ、かつまた才能に恵まれた人が山口県には多いのです。

あの名優松田優作さんも、山口県のご出身で、お亡くなりになる直前、ハリウッドに進出して、世界を目指していました。

そんな素晴らしい人材を数多く輩出している山口県なのですが、なんと嬉しい事に、山口県は九州の一部なのです♪
地理的には中国地方と考えられがちですが、九州の人間は皆さん山口県は九州のものだと信じています。
と言いますのも、九州には九州一周駅伝と言って、九州各県を走破する駅伝があるのですが、山口県も毎年参加しているからです。
つまり、山口県が参加するのは九州だからに決まってますから~♪
でも、不思議なのはそれほど優秀な山口県が沖縄県とともに最下位を長年に渡って、分かち合っている事実です。
これは、とても興味深いです。
沖縄県と言えば、長年長寿を誇ってきた県であり、かたや山口県は天下を取ろうという気概にあふれた頼もしい人が多い県のはずなのに、どちらも体力はまったく関係ないと言うのですから。(笑)


ずいぶん、横道にそれてしまいましたが、水野英子さんが優秀な漫画家なのは、ひとえに山口県のご出身だからというのは、これでよくお分かりいただけたかと思います♪

それでは、いよいよ「白いトロイカ」の感想にまいります。

この漫画の主人公の少女は、高貴な身分だったのですが、生後間もなく両親が国王に反逆したかどで銃殺されてしまい、貧しい農家の老夫婦に、その身を委ねられて、歌が上手で、美しい娘に成長していきます。

そんなある日、世話になっている資産家の家庭に来た音楽の先生に、音楽の才能を見いだされ、ペテルブルグで本格的に音楽の勉強をして、音楽家の道を歩み出そうとするのですが、革命を起こそうとする貴族の男性と知り合い、少女の運命は思わぬ方向に導かれていくのです…


この漫画は少女の夢や憧れが至るところにあふれているなと思いました。

自分はもしかしたら高貴な身分で、何らかの理由で、今の家庭のお父さんお母様に育てられているのではないかしら?
そして、ある日素敵な白馬に乗った王子様がお迎えに来て下さるのでは?

そう思わない少女は一人もいませんから。

そして、私がいじめられるのは絶世の美少女で、類い稀な才能をねたまれているからに違いないの。(笑)

「宇宙戦艦ヤマト」が、少年のロマンだとすれば、「白いトロイカ」は、まさしく少女のロマンそのものなんです。


あと、これを読んで気づいたのは「ベルサイユのばら」に、どこかしら似ている点です。

でも、「ベルサイユのばら」より「白いトロイカ」の方が、ずっと以前に描かれてますので、「ベルばら」の作者池田理代子さんは何らかの形で、影響を受けたのでしょうね。

「ベルばら」のファンは多いです。
だけど、「ベルばら」で、アブノーマルな世界に導かれ、困った事になった方もいらっしゃるかも知れません。

そんな人にも、水野英子さんの名作「白いトロイカ」は正統派の少女漫画として、ぜひオススメしたい一冊です♪