ベンチの試作です ↓
お客様より、テーブルセットのご注文を頂きました。
テーブルとチェアーの形はほぼ決まっているのですが、ベンチのデザインはどうしようか?
板一枚の形ではちょっと面白味に欠けるということで、
この度は、ベンチの数が4台とまとまっていることもあり、新しく設計することに・・・。
さてさて、
新しいモノの形を生み出すのはいつも苦労するもの。
時々、思い悩んで喘ぎ、頭がショートして投げ出してしまうこともしばしば。
あまり深刻になってくると、作り出される形もそれに応じて何か重苦しいデザインになってくる。
そのようなものを世に出すのは作り手として恥ずかしい。
頭の中に、設計部屋のようなものがある。
今まで形にしてきたものからアイデア段階のものが色々な引き出しに入っている。
その中に、数ヶ月前からちょくちょく更新している引き出しがある。
その名は、「椅子の座面の形と構造」。
ベンチのデザインを考えた時、この引き出しと繋がった!
こうなると設計するのが面白くなる。
寝食を忘れてとまでいわないが、ぐんぐんと設計にのめりこんでいくのが楽しい。
パソコンのCADソフト使って設計図面を描いて行く。
数日後、図面完成。
そしてプリントアウトした図面をひたすら眺める眺める。
頭の中で立体にして、出来上がりと使い勝手を想像する。
メジャーを取り出して、シュミレーションしてみる。
必要に応じて図面を修正。
よしこれでいこう!
となったら製作開始。
いざ、製作が始まり、少しずつパーツができ、全体の形が見えてくると、
図面上では想像できなかった、気づかなかった部分を修正変更しながら作業を続ける。
最終段階の仕上げになると、現物に合わせながら細部を決めていく。
とまあ、設計から製作工程をこのように言葉で書いてみると、
きちきちで堅苦しい感じなのですが、実際は直感的、思いつきで進んでいます。
ついに、試作品が完成!
二次元から三次元の世界に誕生。
ちょっと大袈裟ですが、モノに命を吹き込んだような感じ。
この瞬間、この上ない歓喜に包まれる。
早速、見て触って座ってみる。
全身で出来た作品を確かめる。
思い通りのところ、それ以上のところ、それ以下のところ。
五感を駆使して、差異をひとつひとつ明らかにしていく。
これで完璧というのはないので、これからが本番。
先程までの歓喜も束の間、見れば見るほど粗がよーく見えてくるもので、
こなるとその不自然さが目に付くようになり、あれこれ直したい衝動に駆られる。
良くも悪くもこれが試作の醍醐味なんですねー。