風 雑記

建築とその周辺で感じたこと、思ったこと

軽井沢

2009-06-15 13:52:18 | インポート

Photo_6 6月12日は半年監理した多摩の家の完成引渡しでした。13日に時間が取れたので軽井沢へ行きました。大学時代スキー合宿で何度も通ったのに下りた事は一度も無く、それと軽井沢銀座と言われる避暑地と人混みのイメージに気後れしたこともあって初めて訪れました。

駅前でレンタサイクルを借り散策を始めると、さすが軽井沢と感心せずにはいられません。どこも数百年を経た大きな木々に囲まれ、地面には木漏れ日が差し込む程度の鬱蒼とした森の中に別荘が点在しています。日本得意のミニ開発的別荘はほとんど無く感心すると共に嬉しくなりました。

01_3 Photo_11 最初に脇田美術館と並存する吉村順三設計の脇田別荘に、湿気対策のピロティや地形に合せた弓方の自由な平面、別荘ならではの楽しい仕掛けや工夫が随所にあり、建物のスケールやバランスも素晴らしく期待以上でした。(残念ながら中の見学は出来ず、年一度のシンポジュウムの時だけ見れるとの事) 脇田和さんの作品は様々な色を基調にしながら、どれも色の個性があり魅力的で色彩的センスの良さを感じました。

01_4 02 次にA・レーモンド設計の聖パウロ教会へ、軽井沢の中心に近く人通りも多い一角にあり、丁度結婚式の最中で、残念ながら中は見れませんでしたが、外から見た入母屋のような下屋の高さやと素朴な材料の使い方、そして何より全体的なスケールが良くこれまで写真で感じていたイメージと比べ物にならないほど実物は素晴らしく、大変好感を持ちました。

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そこから勘を頼りに吉村順三の別荘を探しました。見たいとの思いが通じたのでしょうか、しばらく行くと写真で何度も見たアプローチの風景が目に止り、行って見るとやはりそこが「小さな森の家」でした。入口は鎖で閉じられているので、少し離れた林の中から眺め、新緑に遮られ全容を見ることは出来ませんでしたが、木々に埋もれた森の家の雰囲気は充分感じられました。

Photo_10 最後に「ペイネ美術館」として移築再利用されているA・レーモンド設計の「夏の家」へ、中心部からはかなり離れていて自転車で息を切らし20分程走ると軽井沢タリアセンと言う園内にあります。入場料金900円(ペイネ美術館入館料込)、ペイネ美術館に入ると女性がほとんど、そう言えばメルヘンチックな恋人達の絵と添えられた言葉が若い女性に人気の絵です。

建物はすこし華奢に見える磨き丸太で組まれ、コルビジェからエラズリス邸の模倣だと抗議されたデザインや空間も、(エラズリス邸に触発された作品と注釈付きであった為、コルビジェと和解)絵の展示の為窓が閉じられていて、肝心の空間の広がりがいま一つ感じ難く、施工のラフさや雨漏りし易そうなディテールにチョット?、しかし70年以上も使い続けてる訳でそのことに敬意を感じます。

以前から一度見たいと思っていた建築はすべて見ました。時間があればもっと沢山あるのでしょうが、仕事の途中の寄り道です。レンタサイクル(軽井沢はレンタサイクル店がすごく多い)を返却し東京へUターン、羽田から帰熊しました。約7時間の軽井沢への旅でした。


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