風 雑記

建築とその周辺で感じたこと、思ったこと

11月8日浜松

2012-11-14 15:34:28 | インポート

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仕事の関係で見学した場所の近くに藤森照信氏設計の「秋野不矩美術館」があったので、見学しました。坂道を登っていくと二つの寄せ棟と壁の独特な姿が見え、近づくにつれ骨太い木と天然スレートの屋根、荒めの塗り壁がまさにヨーロッパの雰囲気です。デザインもフォルムも素晴らしく、設計力の高さもありますが、藤森さんがこれまで見た世界中の建物から受けた記憶のようなものを感じます。見られた建物の数は半端じゃなかったと思いますし、設計者にとって一番大切なものかもしれません。

内部は黒々とした荒い木組が塗り壁の空間に映えています。展示室は撮影不可でしたが、内部空間も建具や金物まで気配りが行き届いていて、藤森さんと組まれた設計者の力量も高かったように感じました。

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夕方近くなってしまいましたがOMソーラー㈱の「地球のたまご」を初めて見学しました。広い敷地に緩やかな傾斜地を利用した建物は中央にガラス屋根のコリドールが貫き、両サイドに事務室や資料室、セミナー室がウイングのように張り出しています。シンプルさと洗練されたディテールはOM研究所らしくとても好感をもちました。コリドールのガラス屋根は夏場に水を流して日射や熱を和らげる仕組みですが、どの程度の効果があるのでしょうか。是非真夏に体験してみたい! コリドール部分はOMソーラーの暖房範囲外で冬はコールドドラフトでとても寒いとの事でした。

我が家は築25年で内外コンクリート打ち放しです。完成当初は2階建てで真夏コンクリートスラブが熱を持ち、夜間までその放熱で立ち上がると天井面からの熱気で暑く蒸風呂のようでした。、そこで屋上に水を溜めたり、スレートで二重にしたり対策していました。現在は3階を増築し、隣に5階建ての病院が建ったお陰で夏はそれほど暑くなくなりました。自宅は冷房をまったく使っていません。(扇風機は活躍してますが) 逆に冬はコンクリートに冷熱が溜まり壁に近づくと凍えるようでした。当初床暖房(電気式)を備えていましたが、ランニングコストの高さに驚き一冬だけ利用しその後二十数年休眠状態です。ブルーヒーター、コタツ、ホットカーペットなどを試しましたが、現在は床下のファンコンベクター(ガス式)による床暖房に落ち着いています。そんな状況の中竣工時から暖炉が活躍し続けていて冬の生活の楽しみ一つです。

設計者なのに何やってんだろうと思われるかも知れません。しかしこの経験はとても設計に役立っています。設計者は快適な環境で過すより、厳しい環境に居る方が良いように思います。(負け惜しみではないですよ) パッシブデザインには四季や天候の変化にどう対応するかを想像する力が一番大切です。その意味では我が家は反面教師になってくれています 。


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