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AKILA's えgo

気まぐれに、ドラムや音楽の気になった事上げとります。

時代と呼べるほどの経過

2023-04-07 23:12:42 | 音楽・ライヴ

先月下旬に発売される事は知っていたが、漸く入手。

約24年前に、「HR/HMディスクガイド」というのが同じく出ていたが、当時のはシーンに於ける大物/重鎮を軸にバイオグラフィーを簡潔に展開させながら名盤/必聴盤をピックアップした内容となっていた。

年代が年代なので、1999年までに於けるメタルのカテゴリー内でのサブジャンルの傑作を挙げていた形となっていたので、時系列的な紹介というワケでもなかった。

それでも、当時としては読み応え十分な資料本となったのは間違いない。
純粋に、自分の中で更に多くのバンドを知り得るきっかけになった参考書みたいなモンである(にしても、当時資料をまとめ上げるのは相当慌ただしかったのか、初回出版分に関しては、誤植がかなり目立ったのも記憶に新しい:笑)。

今回のは単純に、HR/HMと大枠で語られるバンドのアルバムをリリース年代毎に紹介している。
それだけであっても10年に亘る枚数は膨大なものであり、紹介数は約2000に上る。

現在は、ネットの発展により特に大物バンドのバイオグラフィーなどは様々な形で確認する事ができるため、今回のディスクガイドが以前の続編と捉えるならば、バイオを綴る必要は無いと、個人的に思ってもいた。

加えて、ライター各人がアルバムに対してのコメントを綴っているので、コレを聴け!みたいな挙げ方をしているものも無いので、妙な偏見を持たないで見る事もできる。

いや懐かしい。
特にテメェの中で熱中度合の強かったのがこの辺りから2011年くらいまでで、様々なメタルバンドが興味を駆り立ててくれた。
年代によっては、見開き1ページの中に最低1枚は手元に在ったりする。

そんな風に見る事が出来るほどに、時代という経過を歩んできたのか、とも思ってしまったね。

現在はこのディスクガイドで紹介している年代から、更に14年の時が経過しているワケだ。
勿論、2012年以降も色々なアルバムが出てきて手にしてきているが、バンドとして「コイツは新しい、自分の音楽観に無かったものを叩き込んでくれている」という、所謂衝撃に思える様な存在は殆ど出て来てないね。

結局のところ、10~20代後半までに自分を彩ってくれたバンドの新譜を追っていく事に終始している様な感じになってきてしまったね、少々残念な気もするが。

ま、
正直オレとしちゃもう、新しいものを追うとか考えてない。
老害発言となるが、いま流行している音楽に対して良い刺激となるものを感じられない。
自分が刺激を受けてきたものよりも薄味に思えてしまう。

ここまで来ると、単純に自分が好きであるものを聴いていく事を選んでいくってので良いと思う。
現に、最近よく聴いているはMOTORHEADだからね(笑)。

背伸びするつもりはないし、お高くとまるつもりもない。
ただ、それなりの奥行きを持っているつもりだ。

最終的に説得力を持たせるならば、ソレは自分の演奏で、ってところだ。

ともあれ、このディスクガイドは紙媒体として出してくれて有難い。
単純に見てて面白い。


新生はどこまで続くか

2023-03-03 00:19:18 | 音楽・ライヴ

先月末に、MEGADETHが来日公演を行っていたのは当然知っている。
特に今回これまでのライヴと大きく違うのは、2月27日に武道館でライヴを行った点だろう。

本来だったら『COUNTDOWN TO EXTINCTION』時にその公演は実現する筈だったのが、あえなくキャンセルとなってしまってここまで実現に至らなかったからね。

まァ、MEGADETHは確かにメタルシーンの中では押しも押されぬ超ビッグネームだが、一般大衆的観点で言えば(日本国内での認知度として)、マイナーバンドであるのは否定できない。
それこそ、METALLICAと比較してしまえば、その差は歴然としている。

そんなメタルバンドが、武道館でライヴを行う事ができたというのは、若手やヴェテランに限らず、大きな出来事だと思う。
いや、ヴェテランであるからこそ、その長く続けてきたが故の強固なファンベースを築き上げてきた信頼性がモノを言っているのだろう。

あと、今回はマーティ・フリードマンが飛び入り参加する事も事前に報道されていた点も大きいだろうね。

まァ、ここもビジネス面で色々と動いているところだろうね。
デイヴ・ムステインやMEGADETHの音楽を貶す事こそしてこなかったが、バンドとは決別したと言っていたマーティが今更になってこの場で合流というのは、滑稽だなと思ってしまったわ。

幾つかのライヴを動画で確認させてもらったが、まァこんなモンだろうと思ってしまった。
今のオレには、取り立ててMEGADETHのライヴに惹きつけられる事は無いな。

 

と、
冒頭で話が盛大に逸れてしまった。

別にMEGADETHの事どうこう語ろうと思っていたワケじゃないんだよな(笑)。

今回書きたかったのは、
FEAR FACTORYの事。

以前にも触れたが、バンドはいよいよツアーを行っている。
それに当たって、バンド側も新ヴォーカリストの紹介を行っている。

新たなヴォーカルはマイロ・シルヴェストロ。
『DIELECTRIC』のヴォーカルパフォーマンスを披露する動画をチェックした際には、怒号ヴォイスは前任のバートン・C・ベルとかなり似ているが、クリーンヴォイスは若々しいというか、ちょっと軽い感じかな?という印象を受けた(多分、年齢的にも30前半くらいかと思う)。

その後に上がっていたライヴ動画を見た時は、かなり期待感を抱けた。

目下最新作となる『AGGRESSION CONTINUUM』の一曲目「RECODE」から披露されるが、マイロのヴォーカルに違和感を特に感じなかった。

勿論、バートンではないので端々で違いというのは見受けられるが、ソレは後任の持つ個性として受け止められる範囲。
近い音楽性をやっていた(というか、FEAR FACTORYが根源となっている)THREAT SIGNALのジョン・ハワードだったら、相当違和感あっただろうが、その点で言えばマイロはファンに充分受け入れられる唄いっぷり。

というか、全体のパフォーマンスが、バートンにマジで似ているんだよな。
その辺はディーノ・カザレスも一緒になってプロデュースしているとは思うが、恐らくマイロ自身がFEAR FACTORYのファンだったという事もあるだろう。
でなきゃここまでバートンに似ていると思わせる事もできんと思う。

ま、その辺りを真似事と捉えるかどうかはこれから答えが出てくるだろうが、これまでバンドのライヴを確認していた身としては、このマイロという新参者をすんなりと受け入れられるに足る要素であったのは間違いない。

酷な事を言うと、晩年のバートンは特にクリーンヴォイスの衰えが隠し切れなかった(弱々しく聴こえた)が、年齢的にもキャリア的にもまだエナジーが余りあるマイロは、その弱点も余裕で克服できているのは明らかにプラスとなっている。

ただ、
問題はこの後だ、というのは前にも言った通り。

このままツアーが順調に行くようであれば、マイロはFEAR FACTORYの過去・現在を引き上げられる存在となる。
しかし、その後に現メンバーによって作り出される楽曲こそが、バンドの未来を占う事となる。

マイロのヴォーカルは、ただバートンに似せたいちシンガーに過ぎないのか?
それとも、バートンに追随・匹敵するほどのシンガーとして確立できるのか?

次のアルバムが、FEAR FACTORYとしての本当の新章となる。

楽しみにはしているよ。


続けていく事の強み

2023-02-20 01:53:30 | 音楽・ライヴ

暦の上では昨日、MEISTERとしてのライヴをやってきた。

実は去年、9月に同じ場所でライヴをする予定になっていたが、予期せぬ出来事で断念せざるを得なかった。

今回のライヴは、ある意味リヴェンジという意味を含めて臨むライヴでもあった。
ただ、蓋を開けてみると、今回も何だかんだで知っている面子が集まった出演バンドとなっていた。

が、
一つ例外だったのは、バンドの一つが外国人で寄せ集まったバンドで、ここが相当な人数を集客させていた。
その所為で、ライヴ会場が海外のライヴに紛れ込んだ様な情景になっていた(笑)。

そして、そのお陰で、全てのバンドのライヴの盛り上げにも貢献してくれたのは間違いなかった。

久々に大人数の前でライヴを演奏する事になったので、オレも必然的に熱量が上がった。
オーディエンスの人数でやる気を決める、何てことをするつもりは毛頭無いのだが、それでも、数多いオーディエンスが盛り上がっている様を目にすれば、こちらだって駆り立てられるのは当然だと思う。

こーいうのは、求めてもそう簡単には得られない報酬の一つ。
実は今回、その外国人バンドをこのライヴに紹介した人物(ここも知り合い:笑)とじっくり話しする機会があったので、出演バンドの人らも含め楽屋で談話していた。

言ってみれば、彼はこのライヴ全体の盛り上がりの立役者の一人だと言って良い存在なので、そーいった話をしていたんだが、「こーいうのは、当然ながらバンド側の演奏が素晴らしいというのも条件」と答えていた。

そして、「それもやっぱり、ここまで続けて積み重ねてきた人達だからこそだと思う」と。

彼と知り合ってから早10年以上か。
お互いに活動してきたバンドは知っているし、勿論その間紆余曲折してきた。

それでも、自分を曲げずに今までやってきたのも事実。

その間に淘汰されたものはホント多く、そんな中であるから、最近また顔を合わせる事も増えてきた様に思える。

但し、続けるにしても、単にだらだらとして自分達のステップアップを図らない様な活動を指すものではない。
自分達にそれなりのものを課して続けていく。
そこで続けていけるだけの核がテメェに備わっているかどうか。

正直、しんどくなる事もある。
活動中に、「何でオレはここまでしてこんな事やらなきゃならないんだ」と思う事だってある。

止めるって、簡単なんだよ。
今のオレのやっている状況なら、直ぐに投げ捨てる事だって出来る。

でも、止められない。
諦めきれない、っていうのが本音かもな。

プロになる事とか、もうそーいうのじゃないんだよね。
ここまでやってきて自分が作り出したものを、あっさり捨てれるかよ、という意地だね。
ソレがずーっとここまで続いている感じ。

そして、バンドで音を出したら、モヤモヤした感情が吹っ飛ぶんだよね。
「これだよ、これが大事なんだよなァ」と、いとも容易く気が晴れてしまう(笑)。

そーいう意味では単純な野郎なんだろうな。
でも、ソレを感じられるほどの面子に巡り合えたどうかでもある、というのもここまで続けてきたからこそ解っているつもりだ。

そんな中で、自分の中で「ここまで到達したい」と思うものがあったら、その先へと進めていける自信になる。
続けていくには、ソレも必要。

千差万別、諸条件が交差するワケだから、明確な答えなんて出せないんだケドね。

継続は力なり。
音楽に限らず、自らを高めていきたい場所で、その言葉は何よりも強みになると思う。

 

2023.2/19 ~INSA awakening~

ーMEISTER Set Listー
1.SURVIVE
2.PRIVATE RIDER
3.Guitar Solo & Drum Solo~ESCAPE
4.NORTH WIND
5.DARKNESS OF LIGHT


その時期による聴感の良し悪し

2023-02-15 18:43:51 | 音楽・ライヴ

前作『I,THE MASK』リリースから4年が経過。
その間に、元IN FLAMESのメンバーによるバンド、THE HALO EFFECTが期待するイエテボリ産メロディック・デスメタルを提供した事で話題になったりもしていた。

そして、満を持して本家の新作がリリース。

先行MVで「STATE OF SLOW DECAY」が配信された時に、あまりにもイエテボリスタイルのメロデス然としているギターリフが聴こえてきたのはちょっとした驚きだった。

その後にも「MEET YOUR MAKER」といったアグレッシヴなヘヴィナンバーが配信されたりと、「もしかしてIN FLAMESも初期の頃へ戻ろうとしてるんじゃないか?」などという過度な期待感を方々では持っていたかもしれないね。 

ただ、個人的にはソレ一辺倒な状態になってもらいたくはなかったし、当然ながら現在の中心メンバーであるアンダース・フリーデンとビヨーン・イエロッテはそんな事にならないように意識を向けていた。

バンドが考えているのは、アルバムの流れを考えたバラエティ。
「10曲中全部がスピード曲であるのは避けたいし、全部スローでメロディックな曲であるのも避けたい。それらが素晴らしいものであっても」と確かに過去に語っている。
このバンドは明らかに、アルバム単位としての曲配置、選択を考えて音楽を作っている節がある。

アルバムというフィジカル媒体を、アートして掲げていると言っても良いだろう。
最近では、サブスクが主流になりつつあり、言ってみればそのバンドに於けるヒット曲を単体配信するという形式が、アナログではなくいよいよデジタル化されてきている。

早いうちではもう20年以上前から、そんな時代がくるだろうと囁かれていた。
だが、それによりフィジカルという媒体が失われていく事も明らかになったと言える。
ソレは所謂レコード盤という音源であるのもそうだし、そこにまつわるアートワークも、手に取る事ができなければ価値観は薄れる。

何よりも、
音楽の作り手である演奏者達に関しても、リアリティの喪失へと繋がる。
この十数年での音楽に於ける手法であれば、生身の人間が演奏した録音物であるか判らない、乱暴な言い方すれば編集されまくった悪い意味での「作られた音」として仕上げる事は容易。

ライヴでは、音楽を演奏しているフリになっているなんていうパフォーマンスが、この先増えてくる可能性だってあり得る。

その時代のその流れに触れて生きてきた世代だから、という意見であるのは承知だケドね。
ライヴでは、修正されて完璧と思い込んでいる滑らかなキレイ事以上に、予期せぬハプニングを含めたゴツゴツした感覚で進む様にこそ、生身である故の迫真が漂う。
音楽をやっていると自負する人間なら、そこを通過して然るべき、と個人的に思う。

 

・・・・・・と、少しばかり最近の音楽の在り方について思うことろがあった為、書いている内容にちと関連していたモンだから、脱線してしまった。

まァ、簡単に言ってしまえば、
今のIN FLAMESは、❝当時の様なものだって作ろうと思えば作れるが、同じ様なものは作りたくはない。アルバム単位でなんてもっての外だ❞という意識が根底にあるんだろう。
そうであるからこその、アルバムトータリティとしてのバランスの良さが聴き通して感じられる。

今回も揺るがずそこは同じ。
だが、前作と比べて良いかどうかは・・・というのは、また個人的問題だな。

オレにとって前作『I,THE MASK』が名作と呼んで良いと思えるのは、このバンドに対する興味の空白があった為とも言えなくは無い。
実際、IN FLAMESも初期のアルバム全部持っているかと言われればそうではないし、『REROUTE TO REMAIN』以降は、『COME CLARITY』以降から興味の対象より外れてしまった。

公言してるんだが、オレは初期メロデスの頃より、アンダースが幅広い歌唱を身に着ける様になった今のスタイルの方が、音楽的に好ましく思える。
ただ、ソレはあの初期を通過してきた積み重ねによる自然な変化だからこそであり、じゃあ他のバンドで似た様なスタイルであればそれでも良いのか?と言われればソレは違うと断言できる(というか、現在のIN FLAMESスタイルのバンドはそれこそ腐る程出てきているが、一つとしてIN FLAMESと同格に並べる様なバンドが居ると思えないんだが)。

IN FLAMESの最重要人物はイェスパー・ストロムブラドと言われてきているが、ソレはソレで一つの明確な答えであると思う。
でも、当のイェスパーは『A SENSE OF PURPOSE』から離脱であり、その時にはバンドは既に現在のスタイルへと移行していた。
その中にあって、❝イェスパーのあのイエテボリサウンドと言えるギターフレーズが入っていたからこそのIN FLAMES❞とまで言うのなら、そこに拘るファンは今のIN FLAMESに大きな期待を寄せれないという意見になるのも解る。

でも、個人的意見で言えば、以降のアンダース/ビョーンのチームによる現行スタイルも、紛うことなきIN FLAMESである。
この辺りは、STRATOVARIUSにも通じるところがある。

まァそんなところもあってか、久方ぶりにまともにアルバムとして聴いたのが『I,THE MASK』であり、アルバムしても、曲単体としても非常に好感触だった事で、聴き始めてからこの4年間ずっと聴いている始末(2019年は、これとOVERKILLの『WINGS OF WAR』が私的ベストアルバム)。

その前の『BATTLES』も、近年のバンドの中では良作だと言われていたようだが、『I,THE MASK』はそこから確実な飛躍を感じるクオリティという評価をそこここで耳にしているんで、オレがIN FLAMESに向き直ったタイミングも良い時期だったんだろうと思う。

因みに、今作『FOREGONE』からメンバーチェンジもしている。
ギターがニクラス・エングリンから、元MEGADETHのクリス・ブロデリックに代わっている。

この加入事実を知る前に、
当時SNSでブロデリックの投稿を見かけては「何でコイツはIN FLAMESをプッシュしてんのかね」と、内容も良く見てないままスルーしていた(苦笑)。
が、「STAY WITH ME」のMVを見た時に、ブロデリックが思いっきり映り込んでるの見て漸く「あ、加入したのか!」と腑に落ちた。

ブロデリックに関しては、MEGADETHもそうなんだがオレの中では元NEVERMOREとしての存在が大きい。
あの時はツアーメンバーとしてのみの行動だったそうだが、当時ライヴで観た際に、「ジェフ・ルーミスと肩並べて弾いてるコイツ一体何者なんだ?」と思ったものだ(当時は片割れのギタリスト、スティーヴ・スマイスが離脱した状態でのツアー)。
そうしたら、あれよあれよという間にMEGADETHのギタリストに抜擢だからね。
ま、厳密に言えばそこら辺も、当時のNEVERMOREの勢いがどれだけのものであったかが、間違いなく影響してた話。

正直なところ、ブロデリックがこのバンドに何かを齎すという期待とか何も思わないケドね。
テクニックは十二分にあるが、ソングライティングセンスに於いてギラつく個性を放っているかと言われれば、そうではないんだよなァ。

そういった経緯で考えると、ジェフ・ルーミスもARCH ENEMYでは・・・・・・

できたら、ジェフとブロデリックとでも組んで、NEVERMOREに次ぐべきバンドでも動かしてもらいたいと思ってしまう(その時ドラマーは勿論ヴァン・ウィリアムスで)。

と、これ以上は完全脱線しちまうんで、この辺で打ち切っておこう。

なんだかんだで、『FOREGONE』は今年一年は聴き通しそうなアルバムだ。


MEGADETHしか勝たん

2022-12-31 01:32:59 | 音楽・ライヴ

大晦日という事なので、
テメェが今年入手した音楽アルバムを振り返ってみようと思う。
つったところで、結局HR/HM系に限るワケだが(笑)。

今年最初の方では、SCORPIONSだったね。

アルバムタイトル:『ROCK BELIEVER』
個人的には、ドラマーがミッキー・ディー加入後初のアルバムという点に注目していたが、アルバム内容としても、『BLACKOUT』以降のキャッチーさを活かしたハード・ロックンロールが息を吹き返した様な印象。
クラウス・マイネ、ルドルフ・シェンカーのオリジナルメンバーは70代に差し掛かっているが、少なくともアルバムでの演奏を聴く限りでは、老いさばらえた感じは皆無。
「ロックは若者の音楽」などという文句が謳われて久しいが、今や「ロックはおじさんの音楽」と化しつつある、とオレは感じている(苦笑)。
音がその生き方とリンクしている時代の象徴が、ある意味往年のHR/HMだった。
その象徴的バンドの一つが、「ロックしてるか?」と直球で問いかけてくる事の素晴らしさよ。

去年、『A VIEW FROM THE TOP OF THE WORLD』という傑作をリリースしたDREAM THEATERだが、ヴォーカルのジェイムズ・ラブリエも久方ぶりにソロ・アルバムをリリース。

アルバムタイトル:『BEAUTIFUL SHADE OF GREY』
今回のアルバムはアコースティカルなサウンドを主軸とした楽曲が特色で、先行MVを見た時に、落ち着いていながらも刺激的なフレーズを放っていたのが魅力に感じた。
オレはジェイムズ・ラブリエの歌唱が好きなので、彼のソロ・アルバムは軒並みお気に入りだが、今回のアルバムも相当聴いた。
歌唱でそのスタイルを確立している人物なので、様々な音楽形態に寄り添いながらも、絶対に埋もれない個性を見せてくれるヴォーカリスト。今回のアルバムの様な、これまでと違った様相でも、「アリだな」と思わせてくれた。

SYMPHONY Xのマイケル・ロメオも、自身としては初だと公言するソロ・アルバムをリリース。

アルバムタイトル:『WAR OF THE WORLDS Pt.2』
タイトルの通り、実はパート1が存在していたんだが、国内盤は残念ながらリリース見送られた。
なので、オレも今回のアルバムしか聴いてないんだが、このアルバムだけでも充分に楽しめる内容だった。
先行MVをチェックした時に、ロメオらしいテクニカリティを披露しながらも、SYMPHONY Xとは一味違った雰囲気の楽曲に惹かれ、アルバムを手にした次第。
コンセプトアルバムの様な流れを汲んだ内容なので、インストゥルメンタルも含め、コンポーザーとしてのマイケル・ロメオここにあり、といった充実した一枚。

気分がモヤモヤしていた時に、新生MACHINE HEADが自分に喝を入れてくれた。

アルバムタイトル:『OF KINGDOM AND CROWN』
発売日には入手していたんだが、何か聴くタイミングを逃していた。
で、色々とあってやりきれん気分になっていた時に、このアルバムを聴く頃合いとなった。
個人的には、色々と重要なアルバム。
先ず、テメェに喝を入れてくれたという意味では、相変わらずの強靭なリフを主体とした、スラッシーな感覚を携えたこのバンドならではのメタリックサウンドを放ちまくっている点に震えた。
その時のオレにとっては、そんな刺激的なギターサウンドを心底欲していた。
そして、今回のアルバムでは、新メンバー加入後初のアルバムでもある。
その中でも、ギターにDECAPITATEDのヴォッグが加入した事は、個人的に重要となっている。
正直、当初加入のニュースを見た時は信じられなかった。ヴォッグにとってMACHINE HEADは影響を受けたバンドの一つだというのは知っているが、それでもお互いのバンドで直接的な接点が感じられなかったし、DECAPITATEDの中心人物として率いている人物がまさかMACHINE HEADに加入とは・・・と。
ココで大事なのは、ヴォッグが単に「過去の曲を上手く演奏できるギタリスト」ではない点。ちゃんとバンドメンバーとして、彼ならではのギターのカラーを聴かせているし、何よりも、今回のアルバムにヴォッグ主体で作られた曲が収録されている事が、ロブ・フリンが単なるツアー要員として見ていない事の顕われ。
時に変な方向に行ったりもするが、良いと思えば採用するという寛容/柔軟性を持つロブ、流石だと思う。

MACHINE HEADを出したからには、当然ながらDECAPITATEDを無視するワケにはいかない。

アルバムタイトル:『CANCER CULTURE』
前作の『ANTICULT』から6年以上も経過した中には、バンドが下らないスキャンダルに巻き込まれた事もあるが、その内にはコロナ禍も原因の一つ。
メンバーチェンジも起こったが、そこは良い方向に進んだと思う。
ドラマーに、元VADERのジェイムズ・スチュアートが加入したのはバンドにとって大きなプラス。元々、サポートとして叩いていたが、その時点で「コイツ、DECAPITATEDにぴったりだな」とは思っていた。
VADERでもその実力を振るっていたが、正直、ジェイムズはDECAPITATEDの様なある程度のマシナリーなテクニカリティを擁したドラミングの方が、叩きだす音として向いている。
そう、あのヴィテックを彷彿とさせるんだよな。
アルバムの内容は、これまでのバンド史上最もバラエティに富んでいると言える。
このバンドは再始動以降、同じ様な感触のアルバムを作り出した事が無いんだが、それでも今回はよりヨーロピアンなテイストを強め、バンド初のゲストミュージシャンが参加している曲も2曲ある(うち一曲は、同僚と言えるMACHINE HEADのロブが一部ヴォーカルで参加)。
ヴォッグの真骨頂は、やはりDECAPITATEDにあり。色々なものを背負ってしまう宿命を持ってしまったが、このバンドだけは、腐ることなく有終の美を飾ってほしい。

長く待たされたという点では、STRATOVARIUSもソレに見合った傑作を引っ提げてシーンに帰還した。

アルバムタイトル:『SURVIVE』
前作から7年以上。
現ギタリストのマティアス・クピアイネンが加入してから、このバンドは2年に一度のペースでアルバムをリリースし、そうする事でティモ・トルキ=STRATOVARIUSというイメージを払拭、更には新しいファン層を獲得に至った。
前作『ETERNAL』以降、バンドは一通りライヴ活動を行ってから沈黙。その中でティモ・コティペルトは単独で音楽活動に勤しんでいるのを確認していたが、STRATOVARIUSとしての活動が一向に見えてこないのはちと不信感を抱いた。
だが、ソレはメンバーによる意見が反映された上での意図した沈黙だった事が判ったし、先行MVであるタイトル曲を聴いた時には、アルバムへの期待感が俄然高まった。
そして、その期待感は裏切られるどころか、期待以上のものを提示してきた。
今のこのバンドって、トルキ在籍時と比べると、よりプログレッシヴな感触が強まった印象なのだが、今回のアルバムはそこを踏まえつつも、一曲一曲に対しての印象を与える為の品質の高さの凝縮度合が段違いと感じる。
これだけ長く待たされた分だけ新鮮に聴こえるってのもあるのかもしれないが、「自分達にとって本当に良いと思える曲を作る為に期間を設ける」という信条の下で生み出されたこれらの曲が、全てを物語っている様に思う。
メロディック・パワーメタルの王者の帰還を堂々と知らしめる、現編成に於ける最高傑作と断言できる。

世界的に注目を浴びたのは、「元IN FLAMESの肩書を持つメンバーによるメロディック・デスメタルバンド」であるTHE HALO EFFECT。

アルバムタイトル:『DAYS OF THE LOST』
その触れ込みがやはり強烈で、皆が期待するのは、1~5枚目までの“メロデスなIN FLAMES”だったのは間違いないだろう。
そりゃ当然だ。イェスパー・ストロムブラッドを中心に、初期IN FLAMESに関わっていたメンバーが固まっているんだから。
ただ、MVで曲単体で聴いていた時は、好感が持てるのと微妙と感じるものがあったりとしたが、やはりアルバムとして通して聴く事が、今回は正解だと思った。
いやまァ、オレとしちゃあアルバム単位として聴く事が大事だと思ってるから、MVは間口としては意義があるが、バンドの素性を知るには、当然アルバムで聴くべきなんだよね。
ミカエル・スタンネの様に、ちゃんと自分のバンドを持っていたりするメンバーや、音楽活動から半ばリタイアしてるメンバーも居たりするので、続くのは難しい気もするが、良いアルバムを作ってくれた。

そして、最終的にはこのバンドがハイライトだよ、MEGADETH(笑)。

アルバムタイトル:『THE SICK,THE DYING...AND THE DEAD!』
入手して聴き始めた時は、MACHINE HEADと近い時期だったんだが、今回のアルバム耳にした時、「ああ、ヤベェの作り出してきたな」と改めて思った。
過去にもMEGADETHの下りは書いたんで繰り返しにするつもりはないが、最初に聴いたMVが「SOLDIER ON!」で、まあまあかな・・・の印象だったが、アルバム全体を聴いていった時の強烈至極なMEGADETHワールドは、このバンドが何故好きなのか?という問いの答えが全て詰まっている様にすら感じた。
前作『DYSTOPIA』も当然ながら傑作だったが、今回もここまでの期間を待たされただけの甲斐がある傑作となった。

以上が、個人的に印象的だったアルバム。
年末は聴いてみようかなと欲求に駆られる様なものが出てこなかったのが残念だったが、2023年には、往年のスラッシュメタルバンド勢が動きを見せそうな気配があるので、そこを楽しみにしたいね。

それじゃ、良いお年を。