2021.01.19撮影
今日は、スノードロップをご覧ください。
学名 Galanthus nivalis
英名 Snowdrop
和名 マツユキソウ(待雪草)
別名 スノードロップ
ヒガンバナ科(Amaryllidaceae)マツユキソウ属(Galanthus)
スノードロップは、「マツユキソウ」なんて素敵な名前を持っているんですね。こんな和語の美しい名前を「スノードロップ」なんてカタカナに置き換えるのは忍びない・・・でも、もう「スノードロップ」で通っちゃっているし・・・ジレンマ(泣)
冒頭の画像は、ツボミは固く閉じてはいるものの、「花びら」の白さが見える状態です。これが見えると、冬が終わりに近いづいたか、とうれしくなってきます。落ち葉をかき分けると、こんなに大きくなっていました。
2023.02.08撮影
スノードロップの花の部分を形成するのは、花弁(かべん:petal)でなく、花被片(かひへん:tepal)です。花被片とは、花弁(花びら)とも萼(がく:sepal)ともはっきりしないものを、指します。
花被片
萼
花冠(「花弁」より転送)
スノードロップのツボミは、形成されてすぐは、上を向いています。花が開く直前になってくると、頭を垂らします。
ツボミが上を向いている時には、花被片は苞(苞葉)によって包まれています。その苞は、緑色で、2片に分かれていて、その2片は、紙のような薄い膜でつながっています。どうか上の画像でお確かめください。
スイセン(Narcissus)のツボミも苞に包まれていますね。ちなみに、スノードロップもスイセンも、ヒガンバナ科(Amaryllidaceae)です。
2021.02.08撮影
スノードロップの学名は、マツユキソウ属(Galanthus)で、Galanthus の gala というのはギリシャ語で「乳(ミルク)」という意味です。anthus は「花」。Galanthus で「乳のような色(=白)の花」ということでしょうか。もう少し想像を逞しくすると、花の根本についている膨らんだ緑色の部分(子房)を、乳首に例えたのかもしれません。(ほんまかいな)
マツユキソウ属(=スノードロップ属)のうち、よく広まっているのは、今日取り上げている Galanthus nivalis です。「スノードロップ」と言えば、だいたいこの Galanthus nivalis のことが考えられている、と言ってもいいのではないでしょうか。
種小名の nivalis は、「雪の」という意味です。雪の色のような花、ということか、あるいは、まだ雪のあるような早春に咲く花、ということかもしれません。
2021.02.16撮影
上の画像では、花が開いています。うつむいているので、咲いている、と実感しにくいかもしれません。
スノードロップの現在使われる英語名 Snowdrop の語源は確かではないのですが、1600年代にイギリスで出版された植物図鑑に Snowdrop の名称があるそうです。そして、当時(イギリスで?)人気のあったイアリングのドイツ語でつけられた名称 Schneetropfen から来ているのかもしれない、ということです。Schneetropfen は、文字通り、Snowdrop です。
2021.02.16撮影
花を下から見上げて写すと、このようになります。
「花びら(花被片)」は、合計6枚。外側が3枚、内側が3枚。外側の「花びら」の方が大きく、内側の「花びら」には、その外部にも内部にも緑色の模様がつきます。外部の模様は、多くは、「V」あるいは「U」のひっくり返った形、と形容されますが、内部の模様は、ハートの形の、これもひっくり返った形のようにも見えます。どうか、画像でお確かめください。
咲いた花の上に飛びでたように見えるものは、花がツボミであった時にツボミを覆っていた苞です。苞の緑の2片がこのようになっています。(最後の画像では、もっとはっきりとこの2片の苞が見えます。)
2021.02.26撮影
スノードロップは、一般的には、ひとつの球根から2枚の葉と1本の花柄を出します。そして、花柄の先にひとつの花をつけます。ですから、上の画像のように花が群れて咲いていても、花の数を数えれば、成熟した球根がいくつあるかわかります。
子房は3室に分かれ、そのそれぞれに小さい種ができ、その種のそれぞれに「エライオソーム(elaiosome)」、日本語で「種枕(しゅちん)」、がくっついて、アリさんを呼びます。アリさんたちは、「タネ+タネの枕」を巣に持ち帰り、「枕」だけ食料にし、種子は巣の外に廃棄し、これでタネの拡散が起こります。
2006.03.27撮影
今日の記事は、以下の記事等を参照して知っていたことを確かめ、新たに知ったことはさらに他の文献で確認して、書きました。
Galanthus nivalis(英文+画像)