カラスといちごとクロッカスと

身の回りの鳥や小動物、庭の花や畑の野菜など、日々日々、季節季節の情報を、
個人の目をとおしてお届けします。

ヘレボルス・ニゲル

2023年02月05日 08時00分00秒 | キンポウゲ科、ヘレボルス
2006.02.05撮影

この画像の花は、学名をカタカナにするだけなら、ヘレボルス・ニゲルです。この画像中では、この花は咲き出したばかりの花ではなく、もうすでにオシベが半分ぐらいは落ち、メシベがややふくらみかけています。

学名 Helleborus niger「黒いヘレボルス」
英名 Christmas rose「クリスマスのバラ」
別名 Black hellebore「黒いヘリボー」
和名 ヘレボルス・ニゲル
別名 クリスマスローズ
キンポウゲ科(Ranunculaceae)ヘレボルス属(Helleborus
原産 ヨーロッパ南部、ヨーロッパ中央部

ヘレボルス・ニゲルは、日本では、英語名の Christmas rose「クリスマスのバラ」から取られた、クリスマスローズという名称で親しまれていると思います。「クリスマスごろに咲くローズ(=美しいバラのような5弁の花)」という意味ですが、実際には、クリスマスのような早い時期に咲くのは、暖かい地方でだけです。

ヨーロッパ南部、および、中央部が原産地ですから、その暖かいところ、というのはヨーロッパ南部の、主には、イタリアのことだと思われます。

学名の意味は、次のようになります。

古いギリシャ語から helle-「傷つける、害を及ぼす」
古いギリシャ語から borus「食べ物」
合わせて、helleborus「食べたら、毒になる物」

ラテン語から niger「黒い」
合わせて、helleborus niger「食べたら、毒になる黒い物」

Hellebore(英文+画像)

は?「黒い物」? 花は白いが・・・。なんと、根が黒いんだそうです。ああ、アカネ(Rubia argyi)みたいなもんね。なお、アカネ属(Rubia)の学名 Rubia も「赤い」という意味です。「ルビー」の赤ですね。

アカネ

Hellebore (three stages of the flower)
撮影者: p.gibellini
撮影日:2020.02.23
オリジナルからの改変、なし

ヘレボルス属の花は、一般的に、咲いてからの日数により色が変わったりします。ニゲルも、色を変えます。うちのは、ほとんど色を変えませんでしたが、黄緑の模様を「花びら」の根本にくっきりと出しました。(「でした」「ました」と過去形)。

上の画像には、少なくとも3種の色が。
・咲きたての白い花
・オシベも蜜腺もほぼ落ちたかなり時間の経った赤く色づいた花
・タネのサヤをふくらませた緑っぽい花

2006.03.12撮影

上の画像は、うちのニゲルの花を裏側から撮影したものです。このニゲルは、うちにはもうありません。冒頭の画像とこの画像の、2枚の写真にだけ姿を留めることになりました。

わたしが初めて育てたヘレボルスは、このニゲルです。バンクーバーでヘレボルスが大々的に流行り出す前のことです。このニゲルを買おうとしている時、植物屋の店員さんに、これを育てるのは難しいよ、なくすかもしれないよ、と念押しされました。

でも、花の美しさに惹かれ、購入しました。そして、このニゲルは、数年しか持ちませんでした。

でも、その間にも、わたしは、他のヘレボルスを何種類か庭に導入し、ニゲルのように長持ちしなかったのもあります。でも、そのうち、アルグティフォリウスが大成功。オリエンタリスもそれに続きました。

それで考えたんです。なぜ、うちの北側の庭では、ヘレボルスがよく育つ? 初期は数種なくしてしまったのに。育てるのが簡単なのだけが生き残ったのだろうか、それにしても、どんどん増えている・・・

でも、理由がわかったんです。少なくとも、理由は推測できるんです。

最初のころは、うちの木々がまだ大きくなかった。つまり、陽が当たりすぎていた。そして、木が大きくなかったので、落とす落ち葉の量が多くなかった。つまり、腐葉土が十分に堆積されていなかった。

バンクーバーは、全域で、酸性土です。ヘレボルスはアルカリ性の土を必要とするので、バンクーバーでは、土を作らないと、育てるのが難しいよ、ということだったんです。

Schneerosen am Wilden Kaiser(カイザー山のクリスマスローズ)
撮影者: Robert Hundsdorfer
撮影日:2008.05.277
オリジナルからの改変、なし

ヘレボルスは、葉柄、花柄がどこから出るか、という形態から、ふたつ、あるいは、みっつに分けられます。

1.地上から直接葉柄、花柄を出すもの【無茎種】
2.地上から茎を出して、その茎から葉柄、花柄を出すもの【有茎種】
3.その中間種【中間種】

この中間種、というのがよくわかりません。ニゲルがその中間種の代表種なのだそうですが、??? 上の画像では、直接土から花柄が出ています、つまり、無茎種。

大学の運営する植物関係のサイトや、信頼できそうな園芸関係のサイトでは、ニゲルは土から直接出てくる、と書いてあります。例えば、以下は、ノースキャロライナ州の州立大学ふたつが共同で経営するサイト。

Helleborus niger (英文+画像)

明日は、オリエンタリス系について。

コメント