カラスといちごとクロッカスと

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上から咲く? 下から咲く?

2022年09月17日 07時39分45秒 | スイカズラ科
2021.07.19撮影

この花が何か、よりも何よりも、疑問が。この花は、咲きかけなのか、咲き終わりなのか、それとも、花が咲くのはこの部分だけなのか。

わたしが何年か前にこの植物に初めてお目にかかったのは、うちの庭に自由訪問して、居着いてくださった時のことです。最初は、ロゼットが出てきて、あまりにも丈夫そうなので、なんだ、これは、と思いながら観察していたのです。

ロゼット

そのロゼットから、これまた丈夫そうな太い茎が出てきて、次の画像のようになりました。

真ん中に何本も立っている苞(と呼ぶ?)の隙間の下部から見えるものがありますが、これが、成長初期のツボミのコーン状の集まりです。トゲが全草におどろおどろしく出ています。葉っぱは、大きいのは30センチ近くなります。葉の裏にもトゲがあります。草丈は、成長しきると1.5メートル以上に。

2021.06.17撮影

次の画像でも、正面と左奥に、冒頭の画像と同じように、コーンの「腹」の部分にハチマキでもしたように花が開いているのをご確認ください。正面のコーンのすぐ左後ろには、花の全く開いていない(あるいは、花の全く散ってしまった?)コーンも見えます。

2021.07.19撮影

この植物は、スイカズラ科(忍冬科 Caprifoliaceae)ナベナ属(鍋菜 Dipsacus)のオニナベナ(鬼鍋菜 Dipsacus fullonum)です。大きいですから「オニ」なんですよね。日本に生息する近縁種は、ナベナ(Dipsacus japonicus)です。


花がどこから咲き始めるか、が大きな疑問なんですが、花は次のようになることもあります。あらら、コーンの上の方と下の方が咲いていて、真ん中は何もない? 後ろに写っているコーンも。

2022.08.04撮影

別のコーンを見てみると、真ん中あたりの花が落ちかけているのが見えます。ということは、花は、コーンの「腹」周りから咲き始め、上へ上へ、また、下へ下へ、と咲く?

2022.08.04撮影

真ん中から咲き始めて上と下へ進む、ということがわかるまで、わたしは数年かかりました。ウソみたいなんですけど。毎年、毎年、??? で過ごしていたんです。

花が散ると、以下のようになります。コーンの上に、散り切っていない花が残っています。

2021.07.19撮影

完全に散って、季節が進むと、次のようなカラカラになります。昔は、このコーンを使って、布地の表面を毛羽立たせていたそうです。このカラカラコーンは、ドライフラワーとして活用する人もいます。

2022.09.16撮影

ここまで来ると、茎や葉も次のようになります。改めて、トゲをお確かめください。

2022.09.16撮影

上の画像で、緑っぽく見えるのは、花の脇芽です、さあ、これから咲くんでしょうか。3週間ほど前には、この脇芽は以下のような感じだったんです。その時点で、もう葉っぱが黄色くなり始めています。

2022.08.26撮影

もう一度、花の咲き始めをご覧ください。冒頭の画像とほぼ同じですが、撮影の角度がわずかに違います。

2021.07.19撮影

この頑丈な植物は、わたしは好きなんですけど、各地で厄介者扱いされているようです。でも、このコーンは、冬場に鳥たちに食料を提供するんですよね。人間の都合だけで侵略植物だ、としていいのでしょうか。

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