カラスといちごとクロッカスと

身の回りの鳥や小動物、庭の花や畑の野菜など、日々日々、季節季節の情報を、
個人の目をとおしてお届けします。

マゼンタの花、アネモネ

2024年05月17日 08時00分00秒 | キンポウゲ科
2024.04.19撮影

マゼンタの花シリーズを続けます。今日は、アネモネ(Anemone coronaria)です。

学名 Anemone coronaria
英名 Windflower
通称和名 アネモネ
和名 ボタンイチゲ(牡丹一華)、ハナイチゲ(花一華)、ベニバナオキナグサ(紅花翁草)
キンポウゲ科(Ranunculaceae)イチリンソウ属(Anemone

学名で言うところの「アネモネ属Anemone」は、日本語では、「イチリンソウ属」と言います。


2024.05.05撮影

アネモネの花の色は、マゼンタ、赤、紫、白・・・上の画像には、白はありません。画像中右上、アネモネよりも高いところに咲いている花は、黒いチューリップです。

このアネモネは多年草(宿根草)なんですが、バンクーバーの気象条件はこれを育てるのにギリギリで、真冬にマイナス15℃とかが何日か続くと、なくすことになります。ですから、バンクーバーでこのアネモネを育てるには、一年草として育てる覚悟がないと、泣くことになります。わたしは、泣き泣きを数回経験済みで、今回(=来年の春)はどうなるか、今から期待と不安・・・

今日は、同一個体の花の成長を追ってみたいと思います。

 
2024.04.13撮影               2024.04.16撮影

去年新たに植えたアネモネが、今春4月半ばになって、ツボミをふくらませ始めました(左上の画像)。最初は下を向いていたのですが、3日で横向きになりました(右上の画像)。この時点で、花の色は、赤なのかマゼンタなのか、はっきりしませんでした。

ツボミの「下」についている葉は、花の向きの変化に伴い、傘(左上の画像)から屏風(右上の画像)に変わりました。葉っぱは、ぴろぴろ、ギザギザ、しています。そして、これは、後で分かったんですが、葉っぱに赤い縁取りが出るのは、このマゼンタのだけです(うちのアネモネからだけ言えば)。

 
2024.04.18撮影               2024.04.19撮影

数日して、花びらがきれいにマゼンタに発色してきました(左上の画像)。ここでも、葉の縁が赤いのが見えます。そして、すぐに、右上の画像のように、花が上を向いてきました。これが、冒頭画像です。冒頭画像の方で見るとわかりやすいのですが、花びらの外側に結構毛がついているんですよね。「毛」じゃなくて、「産毛(うぶげ)」というべきですか。

このころは、まだムスカリ(Muscari)が咲いていました。左右の画像とも、左後方に見える青いのがムスカリです。アネモネのすぐ後ろに見えるのは、黒いチューリップの葉です。

2024.04.20撮影

そして、花が開きました。真上から覗きこむと、中央に黒っぽく、メシベとオシベが見えます。全開の画像は、たまたまありません。

 
2024.04.22撮影               2024.04.22撮影

アネモネは、他の多くの花のように、夜間つぼみます。上の画像は、陽が陰ってきた時刻のもの。左側は、ほぼ真横から見た姿、右側は、真上から様子です。メシベもオシベも見えません。


2024.04.26撮影

咲いてから5日以上たった花で、花びらがくたびれかけています。花びらの色と質感から、それが見て取れます。この画像は、日中に撮影されたものなのですが、雨が降っていたので、やや薄暗く、このように、花が半開きにしかなっていません。

花の内側の中央の方に、粉状のものが散らばってくっついていますが、それは、花粉のはずです。

オシベとメシベをお見せしたく思いましたが、ちょうどシベのうまく見えるマゼンタの画像がありませんので、他の色の画像を援用します。

 
2024.04.26撮影               2024.05.02撮影

画像中、中央にびっしりと固まっているのが、メシベです。オシベはその周りを取り囲みますが、花が若いときにはオシベの花糸は短く、ヤクの部分が直接メシベにへばりついているように見えます(左上の画像)。時間が経つと、オシベは花糸を伸ばし、先端にあるヤクがふらふら揺れるかと思うぐらいになります(右上の画像)。

赤いアネモネについてつけ加えれば、赤いアネモネには、花びらの根本(=花の中央)が白くなるものが多いようです。そして、その白い部分が、花の日齢に従い広がっていきます。

アネモネ(Anemone coronaria)の種小名 coronaria は、「王冠のような」という意味です。これは、オシベの姿を王冠に見立てたものです。ということは、メシベの詰まった部分は、人の頭、ということになります。

2024.05.02撮影

5月に入り、ここまで観察してきたマゼンタの個体の花が、終わりに近づいてきました。これは、上から眺めたものです。花びらがひらひらしています。


2024.05.05撮影

上の画像では、右側で一番背の高いマゼンタの花が、今回見た個体です。もう花びらが落ちる直前です。画像左側奥は、ムスカリがタネになっています。これだけでも、季節の推移が感じられます。

終わろうとしているマゼンタの花と、その下方に見える、これもマゼンタの花は、花びらがぴらぴらしています。それに対し、画像左下に写るマゼンタのアネモネの花びらは、丸い形をしています。同じアネモネの「1袋」を買ったにしても、形質がやや異なるんですね。

以下の画像は、その丸い花びらのアネモネです。まだ開ききっていません。若いお肌は、ぴちぴちしていますね、うん。それでも、産毛が見ますことよ。


2024.05.03撮影


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花むしろ

2024年04月03日 08時00分00秒 | キンポウゲ科
2024.03.17撮影

これは、キンポウゲ科のアネモネ・ブランダ(Anemonoides blanda)です。前回、取り上げました(アネモネ・ブランダ - カラスといちごとクロッカスと)。色は、白〜ピンク〜紫〜青と幅がありますが、この画像のような藤色(と言う?)が一般的です。

花むしろになって咲くと、次のように見えます。すべて、今年の3月17日の撮影です。



今年は、ピンク系・赤み系が見当たらないような気がする・・・ピンク系・赤み系、というのは、次のような色です。こういう色は、元々、多いわけではありませんけど

 
2006.03.27撮影               2023.04.04撮影

次の画像に写っているピンクの花は、アネモネ・ブランダではありません。ツルボ属(Scilla)の
ひとつで、通称はチオノドクサ、学名は Scilla forbesii「フォーブズのシラー」です。チオノドクサの花の色は、通常、青〜紫色ですが、これは、ピンクの園芸種で、通常のチオノドクサより大きいです。その名も「ピンク・ジャイアント」。

2024.03.17撮影

丈の低い花が畳のように広がって咲いているのを「花むしろ」といいますが、「むしろ」は漢字で「筵」です。でも、このような漢字を日常使うことはないので、「むしろ」とひらがなにしました。

でも、なぜ、「むしろ」になったのでしょう。わたしなら、「花ござ」と言いたいです。でも、「花ござ」というのは、模様を織り込んだござのことをいうので、避けられたのでしょうか。「花ござ」の方が、「花むしろ」より、美しく響きません?

 
2024.03.17撮影               2024.03.17撮影

うちには、アネモネ・ブランダの花むしろが2ヶ所にありました。でも、今年は1ヶ所だけのようです。例年よりずっと早く咲き出したし、今年は植物は不思議なことばかり。

去年(2023年)は、観測史上、世界的に見て最も気温が高かったそうです。今年(2024年)は、去年を上回ることが、もうすでに見越されているそうです。

アネモネ・ブランダは、明るい時には、上の画像のように、花びらを大きく広げます。でも、暗い時には、花を閉じ気味にして、「眠り」ます。明るくなると、また開きます。(中にはね〜〜、下の画像で見られるように眠りたがらない花もいるのよ、幼稚園のお昼寝の時間みたいだ。)

 
2024.03.20撮影               2024.03.20撮影

それでは、花の開いているところをもう一度ご覧ください。


2024.03.15撮影

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アネモネ・ブランダ

2024年04月01日 08時00分00秒 | キンポウゲ科
2024.03.17撮影

この花は、アネモネ・ブランダです。古い学名 Anemone blanda から取られた名前です。

学名 Anemonoides blanda
旧名 Anemone blanda
英名 Balcan anemone「バルカンのアネモネ」
和名 アネモネ・ブランダ
キンポウゲ科(Ranunculaceae)アネモノイーデス属(Anemonoides

アネモネ・ブランダは、現在、学名で Anemonoides blanda と呼ばれます。Anemonoides の語尾の -ides というのは「〜のような」という意味なので、Anemonoides(アネモノイーデス)というのは、Anemone に -ides がついて「アネモネのような」という意味になります。

アネモノイーデス属Anemonoidesに含まれる多くの種(しゅ)は、以前、アネモネ属Anemone)に入れられていました。

アネモネ・ブランダは、日本の固有種キクザキイチゲ(Anemonoides pseudoaltaica)にそっくりですね。「キクザキイチゲ」の「キクザキ」というのは、「菊咲き」キクザキイチゲ - Wikipedia

 2022.10.01撮影(エリゲロン)        2021.05.05撮影(アネモネ・ブランダ

アネモネ・ブランダが、そして、キクザキイチゲも、キクの花みたいなので、キク類の一例として、上に Erigeron karvinskianus(エリゲロン・カルヴィンスキアヌス)を、アネモネ・ブランダといっしょに並べてみました(上の画像2枚)。

両者の大きな違いは、
キク類
・「花」ひとつに見えるものは、花の集合体
・「花びら」1枚に見えるものが花
・中心は花びらのない花
アネモネ・ブランダ
・これでひとつの花
・中央にメシベ、その周りにオシベ

では、アネモネ・ブランダのふくらんだツボミをご覧ください。以下の画像は、今年2月から3月にかけてのものです。

 
2024.02.23撮影               2024.03.09撮影

 
2024.02.19撮影               2024.03.04撮影

アネモネ・ブランダも、他の植物同様、今年は早く咲き出しました。1月末に最初のツボミが現れました。

上の画像は、ツボミが色づいて、開く前の段階です。花柄の上部が曲がって、ツボミが頭を垂れています。細かいところを見てみると、花びらが花柄についている部分は、黒っぽいリングになっています。

2024.03.04撮影

上の画像は、花がもう少し開いてからですが、まだ頭を垂れています。葉の方は、葉っぱが1本の葉柄に「3枚」ついているのが見えます。そして、その葉柄は、軸から3本出ます。

次の画像は、花を上から撮影したものです。花びらがより開き加減になり、花柄の曲がり方も90度ほどに持ち上がってきています。

2024.03.20撮影

以下の画像では、後ろ姿を捉えてみました。両方とも雨に濡れています。

 
2024.03.09撮影               2024.03.09撮影

アネモネ・ブランダは、
・白
・薄い水色
・薄い藤色
・藤色
・薄いピンク
・薄い紫
・赤っぽい紫
・青っぽい紫
・濃い紫
というような色の幅で咲きます。以下は例です。

 
2024.03.21撮影               2024.03.21撮影

 
2024.03.14撮影(花びらの根本が赤っぽい)  2024.03.21撮影

 
2024.03.21撮影               2024.03.21撮影(花びらの根本が白っぽい)

 
2024.03.21撮影               2024.03.09撮影

2024.03.21撮影

次は、アネモネ・ブランダの花が、一部(右下4分の1)、陽に照らされた様子です。

2023.03.14撮影

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キバナセツブンソウ

2024年03月22日 08時00分00秒 | キンポウゲ科
2022.03.22撮影

これは、雨に濡れたキバナセツブンソウ(Eranthis hyemalis)です。バンクーバーではよく雨が降るので、こうなります。

学名 Eranthis hyemalis
英名 Winter aconite「冬のトリカブト」
和名 キバナセツブンソウ(黄花節分草)
キンポウゲ科(Ranunculaceae)セツブンソウ属(Eranthis

学名 Eranthis hyemalis の意味は、「春の花で、冬に咲くもの」、つまり、「晩冬から早春に咲く花」という意味です。今年、バンクーバーでは、2月の半ばに咲きだし
ました。温暖化のために、咲くのが例年より早まっているようです。

以下に、花の咲く過程を、なるべく順番になるように並べてみました。2番目と3番目の個体群は同一のものですが、最初のは別個体です。花の周りに見えている葉は、他の植物のものです。


2023.02.18撮影(去年)
上の花:ほころび出したところ
真ん中の花:花びらが見え出した
下の花:全体がまだ小さく、苞も固く閉じたまま


2024.02.13撮影(今年)
上の花:大きくふくらんで、花びらの先が開きかけている
真ん中の花:ふくらんできている
下の花:まだ花びらを出しておらず、苞が熊手のように見える


2024.02.16撮影(今年)
上の花:大きくふくらんで、花びらの内側が見える、苞も開き、襟飾りのように見える
真ん中の花:花びらが開きかけている
下の花:熊手のように見える苞に包まれたままだが、苞のすき間が開きかけている

2006.03.27撮影

開いた花を見ると、蜜線が見えますね〜〜、ぷつぷつと見えるオシベの周りに(ぷつぷつなしで、オシベよりやや飛び出しているのが、メシベです)。蜜線、かわいい〜〜。

実は、花びらに見えるものは、ガク。そして、蜜腺は、花弁が変化したものです。花の下に出ている葉っぱのようなぴろぴろは、ガクではなく、苞。

わたしのたくさん育てているヘレボルス(Helleborus)も、ガクが花弁様に、また、花弁が蜜腺に、変化しました。ヘレボルスもセツブンソウも、キンポウゲ科(Ranunculaceae)です。

上の画像は、次の画像からトリミングしました。

2006.03.27撮影

次の2枚の画像は、花が終わってからのものです。


2023.03.30撮影(去年)
花が終わり、残っている花びらの中にすでにタネが形成されつつある
・苞が大きく見えるのは、花びらが縮んだから? 苞自体が伸びたから?


2023.03.28撮影(去年)
花びらがさらに萎縮し、代わりに、タネのサヤが成長してくる
・苞の緑が鮮やかさを失ってきた

現在、うちのキバナセツブンソウは、次のような姿です。苞の中央に見えるのが、形成中のタネのサヤです。

2024.03.19撮影(今年)

今日は、簡単に、うちのキバナセツブンソウの「1年」(実は、1ヶ月ちょっと)を画像でお送りしました。

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秋の庭から、白〜ピンク〜赤の花

2023年10月18日 08時00分00秒 | キンポウゲ科

2023.09.20撮影

今日の写真も、わたしがなんとか歩けるようになって、庭にそろりそろりと出て行けるようになったときに撮影したものです。ほぼ1ヶ月前の写真ですが、これが、バンクーバーで秋の雨が降り出してからでも咲いている花です。

まず、シュウメイギク(Eriocapitella hupehensis)から。


シュウメイギクなんてどこが「キク」よ、と言いたいですが、シュウメイギクは英語で Japanese anemone(日本のアネモネ)と呼びます。

わたしは、アネモネというのは、春先に咲くものだという固定観念があったので、この英語の名称は馴染めませんでした。

でも、シュウメイギクって、本当にアネモネの類なんですよね。花を見りゃあ、わかるだろ、って? すみません。実際、学名は、以前ですが、Anemone(イチリンソウ属)でした。現在では、新設された Eriocapitella(エリオカピテルラ属)に分類されています。

学名 Eriocapitella hupehensis
別名 Anemone hupehensis var. japonica
英名 Japanese anemone「日本のアネモネ」
和名 シュウメイギク(秋明菊)
キンポウゲ科(Ranunculaceae)エリオカピテルラ属(Eriocapitella


2023.09.20撮影

うちには、シュウメイギクが数株ありますが、やはり、南の庭にある株の方が元気です。花期が長く、美しいので、これからも増やしていこうと思います。簡単に株分けで増やしていけます。

色は、白〜ピンク、花びらは、一重〜二重〜八重。うちにはありませんが、濃いピンクの花びらのも、シュウメイギクにはあります。

2023.09.20撮影

これは、セダム(Sedum)です。園芸種で、'Sunsparkler Plum Dazzled' といいます。

学名 Sedum rupestre 'Sunsparkler Plum Dazzled'
英名 Stonecrop
和名 セダム
ベンケイソウ科(Crassulaceae)マンネングサ属(Sedum

'Sunsparkler' というシリーズがあって、これは、そのうちの 'Plum Dazzled' です。命名の意味はしっかりとはわかりませんが、英語から推察すると、'Sunsparkler' は「太陽の光を受けてキラキラと輝くもの」で、「輝くもの」が花の中央の子房を形容しているようです。'Plum Dazzled' は「眩しがっているプラム」で、葉の形容でしょう。

花の拡大をご覧ください。次の画像は、他の画像のトリミングからの拡大で画質はよくありませんが、花弁5枚で星型にぱっちりと開いた花の中央に、ツノのように先の5本に分かれた子房〜メシべ、そして、その周りに、葯がツンツンと頭についたオシベ10本、が見えます。この子房の部分が、「太陽の光を受けてキラキラと輝いて」います。宝石みたい。この画像では、それが伝えきれませんが。


2023.09.20撮影

葉の方は、果物の、英語で prune plum「プルーン・プラム」と呼ばれるプラムに、色と形がそっくりです。日本語では「プルーン」でしょうか。


プルーン(Prune plums)
撮影者:Maciarka
撮影日:2012.07.29
オリジナルからの改変、なし


2023.09.20撮影

このセダムは、バンクーバーのわたしの庭では、春から夏の盛りにかけて、葉っぱが横に広がっていきます。そのときは、葉だけなんですが、大変きれいです。色が、緑っぽいのからプルーンの色に変わっていきます。夏の終わりになると、無数の花が咲き出します。そして、花期も長いです。

セダムなどを多肉植物とはいいますけど、これがわたしにはちょっと意味がよくわからない。「肉が多い」ってなあ・・・肉厚「肉が厚い」の方が合っていると思うのだが・・・こういういちゃもんつけるのは、わたしだけ?

庭の作り方の転機を迎え、セダムは各種、草丈の違うものがあるので、それらを取り入れればいいと思いました。


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咲かなかった、デルフィニウム、バーベナ

2023年09月20日 08時00分00秒 | キンポウゲ科
2022.07.05撮影

今年咲かなかった花、は今日で終わりです。と言っても、他にも今年咲かなかった花はあるのですが・・・

今日は、まず、美しい色のデルフィニウム(Delphinium)から。

これは、原種ではなく、園芸種です。デルフィニウムの園芸種は各種あります。次のリンク先で、そのいくつかをご覧ください。


わたしは、庭に導入するのに、なるべく、地元のもの、原種に近いもの、花があっさりしているもの、を選ぶ傾向にあるのですが、デルフィニウムの美しさには負けました。

そして、数年前に、次の画像に見られる園芸種デルフィニウムを、買ってしまいました。その色の美しさに、めためたになりました。植えてから、確実に毎年株が大きくなってきました。

2023.05.22撮影

この画像は、わたしが日本に帰国する前に撮影したものです。そして、花が満開になった、と、つれあいが写真を、わたしが帰省中に、撮って送ってくれました。この、明るいけれども濃い紫の花が、冒頭の写真の薄めの色の個体のように、花軸にびっしりと咲いているのが、その写真に見えました。

冒頭の、八重で、ピンクがかった薄い空色のデルフィニウムも、この、一重で、明るい紫色のデルフィニウムも、園芸種名まではわかりません。大体、鉢に刺されているラベルにも書いてありません。わたしの推測するところは、交雑が激しく、形質が固定されない、よって、命名することができない、のだと思います。

園芸種作成は、19世紀には西ヨーロッパで盛んに行われたそうです。20世紀には、アメリカ、日本、ニュージーランドでも行われました。

和名は、ヒエンソウ(飛燕草)とか チドリソウ(千鳥草)という、風情のある名前です。どうしてカタカナの名称が、昔からある和名を駆逐してしまうのか・・・悲しいことです。

学名 Delphinium cultivar
英名 Garden delphinium「庭のデルフィニウム」「デルフィニウム園芸種」
和名 デルフィニウム
別名 ヒエンソウ(飛燕草)
別名 チドリソウ(千鳥草)
キンポウゲ科(Ranunculaceae)デルフィニウム属(Delphinium

わたしの庭では、今年は、濃い紫のデルフィニウムしか花が咲きませんでした。数年前に植えて成長していた株です。去年植えたばかりの、空色のデルフィニウムともう1種のデルフィニウムは、咲かなかった模様です。とにかく、日本と行き来しているので、庭のことはよく把握しきれていません。

2022.08.04撮影

直前の画像に写る小さい花の集まり、バーベナ、は、雑草みたいなものです。どこからでも出てくる。塀とコンクリートの間からも出てくる。南米の熱帯地域に生える植物なので、バンクーバーでは本来寒すぎたが、昨今の温暖化で居着いているようです。


ところが、うちの庭には、今年はどこにも見当たらない。今夏のバンクーバーが寒すぎた?? でも、よく考えてみると、越冬自体をしなかったようだ。

学名 Verbena bonariensis
和名 ヤナギハナガサ(柳花笠)
別名 サンジャクバーベナ(三尺バーベナ)
クマツヅラ科(Verbenaceae)クマツヅラ属(Verbena


この花って、白状しますが、写真撮影するの難しいんですよね、もちろん、わたしの使っているコンパクトデジタルカメラの性能とわたしの技術との組み合わせでは、ですが。いや〜〜、苦労する。

この花の小ささが、左側に写っているヤブカンゾウ(Hemerocallis fulva)の花の大きさと比べると、際立つと思います。真後ろは、ヤブカンゾウのツボミです。

このヤブカンゾウ入りの画像は、真昼間に撮影したもので、花が太陽光線を真上から受けています。そのため、花びらの色がピンクっぽく写っています。

次の画像は、太陽がほとんど沈んでから、フラッシュなしで写したもの。これで、色合いがしっとりと現れてきます。

2021.06.17撮影

この花が庭に出現したときには、わたしは大喜びしたものです。今年は、なし。そのうちにまた自然発生してくれるかしら?

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うちのイチリンソウ、色変化

2023年04月09日 08時00分00秒 | キンポウゲ科
2022.03.29撮影

今日も昨日に続き、うちで咲いているイチリンソウ属のアネモネ・ブランダ(Anemonoides blanda)について。現在、わたしの庭で花筵状態で咲いています。


上の画像では、ほとんどがアネモネ・ブランダですが、ほぼ中心に写っている、花びらが6枚の花とその後ろのツボミは、ツルボ属のチオノドクサ(Scilla forbesii)です。それよりももっと後ろにぼやけて写っているのは、チオノドクサの園芸種で ‘Pink Giant’。名称通り、ピンク色で、草丈が高いです。 


画像中のそれ以外の青系統の花は、みんなアネモネ・ブランダ。色は主に青、そして、薄い色の花もあります。以下のように、赤紫っぽいピンクの花もあります。



日本のキクザキイチゲ(Anemonoides pseudoaltaica)は、反対に、花の色は、主に白で、青い花もある。次の日本語版Wikipediaで、その色のバリエーションを見ることができます(ページ左下)。


わたしの庭からそんないろいろな色の花を拾い出してみます。中型の画像を横に3枚並べたかったのですが、編集上できないみたいなので、小型の画像で3枚並べてみます。

     

     

     

   

アネモネ・ブランダは、夜になってくるとお休みします。曇りや雨の暗い日にも、花は閉じたようになります。

以下の写真で花の開き具合をお比べください。なるべく同じ場所を同じ角度で撮ったのを選んであります。

撮影時間をつけておきます。「夏時間」というのが「夏の間」使われている「時の呼称」で、「標準時間」というのが実際の太陽の高さを示す時間です。カナダ(サスカチュワン州以外)では、もう「夏時間」になっています。夜の時間まで明るい、というだけのことです。

 
2021.03.30撮影(夏時間3:24pm = 標準時間2:24pm)晴天下

2023.04.04撮影(夏時間4:05pm = 標準時間3:05pm)

2023.04.04撮影(夏時間7:11pm = 標準時間6:11pm)

2023.04.04撮影(夏時間7:48pm = 標準時間6:48pm)フラッシュなし

時差がありますので、花だけでなく、わたしも、お休みなさいませ。

明日も、青い花!

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うちのイチリンソウ、花筵

2023年04月08日 09時20分00秒 | キンポウゲ科
2023.04.03撮影

うちで、今、イチゲ(一華、一花)、というか、イチリンソウ(一輪草)というか、が花筵(はなむしろ、かえん)の状態で咲いています。色は、主に青で、白〜ピンク〜紫、もあります。

学名 Anemonoides blanda
英名 Balkan anemone「バルカン半島のアネモネ」
別名 Anemone blanda「アネモネ・ブランダ」
和名 ないもよう
キンポウゲ科(Ranunculaceae)イチリンソウ属(Anemonoides

英語圏では、このイチリンソウの類は、「アネモネ・ブランダ」と言い慣らわされています。それで、わたしは、学名は Anemone blanda だと思っていたんですが、調べてみると、Anemone ではなく、Anemonoides が最新の呼び方のようです。

Anemonoides blanda には和名がないもようなので、ここでは、便宜上、学名の種小名から「ブランダ」と呼んでおきます。

また、属名の AnemoneAnemonoides の訳し分けもわかりませんので、一律「イチリンソウ属」としておきます。

2021.03.30撮影

この Anemonoides ですが、この属名は、日本のキクザキイチゲなどにも当てはまるようです。

Wikipediaグループ、と言いましょうか、各種あるWikipediaのうち、Wikispeciesという部門があります。そこでは、生物の分類を専門に扱うので、同じ項目でも、一般のWikipediaの記事よりも専門性が高く、名称にはより信頼がもてます。

そこでは、日本のキクザキイチゲは、Anemonoides pseudoaltaica となっていて、その別名として、Anemone pseudoaltaica が挙がっています。Anemone pseudoaltaica という呼称が間違っているのではなく、Anemonoides pseudoaltaica と現在並行して使われている、ということです。


キクザキイチゲについては、最近、他のブロガーの方の美しい画像での投稿がありました。よろしければ、ご覧になってください。(リンクの許可をいただいています。)



2023.04.04撮影

この属名 Anemonoides の最後についている -oides というのは、「〜のような」という意味です。つまり、Anemone は「アネモネ」、Anemonoides は「アネモネのような(植物)」。

アネモネ類の学名については、
・花びらの大きいいわゆるアネモネ
・キク(デイジー)のようなイチリンソウの類
・キクとは言ってもキクには見えないシュウメイギク
が、同じ属ってことはないだろ、ということで、もう少し勉強してからご報告します。


2021.03.07撮影

ブランダは、上の画像のようにツボミをもたげてきます。バンクーバーの気候で3月初旬です。

これが、3週間後には、次のような花筵になっています。

2021.03.30撮影

明日は、ブランダの色についてと、ブランダがおネムをする様子をご覧にいれます。

今日の最後に、ブランダのピンクの花をどうぞ。


2006.03.27撮影

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フクジュソウ? セツブンソウ?

2023年02月18日 08時00分00秒 | キンポウゲ科
Adonis ramosa(フクジュソウ)
パブリックドメイン

子どもの時、どなたかがわたしの両親に鉢植えのフクジュソウをお正月前にくださったことがあります。わたしがフクジュソウを目にするのは、その時が初めてでした。そして、その花の美しさにいたく感心しました。

両親がそのフクジュソウを庭に植え直した、という記憶もないし、その後、庭でフクジュソウが咲いた、という記憶もないので、その鉢植えのフクジュソウはそのままになってしまったのだと思います。

和名 フクジュソウ(福寿草)
別名 エダウチフクジュソウ(枝打ち?)
キンポウゲ科(Ranunculaceae)フクジュソウ属(Adonis
学名 Adonis ramosa
英名 Forked-stem adonis

フクジュソウがキンポウゲ科(Ranunculaceae)であるのは、キンポウゲ(Ranunculus)の花を見ればわかります。次のキンポウゲは、キンポウゲのうちでも、ハイキンポウゲ(Ranunculus repens)です。はあ、でも、花びらように見えるものの数が圧倒的に違うわ・・・

ハイキンポウゲ、ハイ?

2021.06.21撮影(Ranunculus repens

フクジュソウの属名 Adonis(アドーニス、あるいは、長母音を省略して、アドニス)は、ギリシャ神話に出てくる美少年、うふっ。おまけに、愛の神、アプロディーテーに愛されます。フクジュソウという美しい花の属名が「アドーニス」というのは、これでいいわよね?

アドーニス

ところが、この美少年アドーニス君は、アプロディーテーに愛されたために、若くして死にます。アプロディーテーの恋人(あれ? 別に恋人がいた?)アレースに殺されるのです。神話は、恋愛、嫉妬、殺傷事件、が多くて困ります。

アプロディーテーは悲しんだんだそうですが、ここではそれはどうでもよくて、このアドーニスの流した血から、美しい花が咲いたんですって。フクジュソウだと思うでしょ? 違うんです、アネモネの花が咲いたんです。同じくキンポウゲ科ではありますが・・・

和名 アネモネ
キンポウゲ科(Ranunculaceae)イチリンソウ属(Anemone
学名 Anemone coronaria

アネモネ

カラフルなアネモネの花
撮影者:Zachi Evenor
撮影日:2013.11.26
オリジナルからの改変、なし

では、フクジュソウ(Adonis)のうちでも、日本では北海道、東北、関東に自生するという、エダウチフクジュソウ(Adonis ramosa)の種小名 ramosa は、どうでしょう。これは、「枝分かれした」という意味です。フクジュソウに「枝分かれ」するほど草丈があるのか???

英名も、Forked-stem「フォークのような枝の、ジグザグした枝の」となっている。ふうん。

フクジュソウを間近で観察するなんて栄誉に恵まれたことはないので、わたしには分かんない。

それで調べてみると、「ときに枝分かれする」と書かれた記事に出会いました。信頼できるサイトだと思うので、リンクします。

フクジュソウ
EVERGREEN 植物図鑑
> 花茎はときに枝分かれして数個の花をつけることがあります。

2006.03.27撮影(Eranthis hyemalis

前置き(え? ここまでが前置き?)が長くなったんですが、実は、今日の植物は、フクジュソウ(Adonis)でも、キンポウゲ(RanunculusAnemone)でも、ありません。

上の画像に見える、わたしがカナダにいて日本を恋しく思って、フクジュソウか! と飛びついて手に入れた植物です。フクジュソウではなく、セツブンソウ(Eranthis)の1種なんですが。その時は、そんなこと知らなかったもん。

和名 キバナセツブンソウ(黄花節分草)
キンポウゲ科(Ranunculaceae)セツブンソウ属(Eranthis
学名 Eranthis hyemalis
英名 Winter aconite「冬のトリカブト」

学名 Eranthis hyemalis の意味は、「春の花で、冬に咲くもの」、つまり、「早春に咲く花」という意味です。

実際、うちに最初に来た初期の初期の球根は、1月には咲いていました。ところが、例の、樹木の成長に伴う太陽光線量の低下により(と推測される)、咲く時期が3月まで遅れだし、そのうち全滅。

新しく買ったのは別のところに植えたんですが、それらは、3月に咲きます。どうなってんの? 太陽が当たるところなのに。同じ種でも、園芸種の違いがあるのかな?(花の周りのぴろぴろしたものの形が、2006年のと、最後の画像の2022年のとでは、やや異なるようです。)


2006.03.27撮影(Eranthis hyemalis

今まで見過ごしていたんですが、この記事を書きながら写真(上の画像)をよくよく見てみると、キバナセツブンソウには、蜜腺があるじゃないですか、オシベの周りに。花びら様に見えるものがガクで、花弁が蜜腺となっているので、花の下に出ている葉っぱのようなぴろぴろは、苞ということになるんでしょう。

それなら、この花の作りは、ほぼ、ヘレボルス(Helleborus)と同じであることになります。ヘレボルスも、キンポウゲ科です。


2022.03.22撮影(Eranthis hyemalis

今日の記事は、この黄色い花がフクジュソウではなかった、というだけのお話です。大体、苞の部分が全然違いますもんね。
 

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日本のアネモネは、キク

2022年09月20日 11時44分17秒 | キンポウゲ科
2021.08.18撮影

秋の代表的な花のひとつに、この花、シュウメイギクも数えられるでしょうか。わたしの住むバンクーバーでは8月半ばには花盛りになり始めます。花期が長く、9月半ば過ぎた現在でも、まだまだたくさん咲いています。

学名 Eriocapitella hupehensis
別名 Anemone hupehensis var. japonica
英名 Japanese anemone「日本のアネモネ」
和名 シュウメイギク(秋明菊)
キンポウゲ科(Ranunculaceae)

わたしは、実は、シュウメイギクには、カナダに来て初めて出会ったんです。姿の大きい植物が花びらの大きなきれいな花を一度にたくさん咲かせているので、これは何だ、と周りに聞くと、Japanese anemone「日本のアネモネ」だよ、日本人のあんたがそんなことも知らないのか? と言われました。

この花、季節には、バンクーバー中でどこにでも咲いているんですよ〜〜。でも、いくら、わたしの子ども時代(日本)の心象風景を思い浮かべてみても、シュウメイギクは出てこない。

USDA(アメリカ合衆国農務省)の植物耐寒区域分けによると、シュウメイギクは「4〜8」(数字の高い方が暖かい)となっています。地球温暖化してバンクーバーがやっと「8」になったところですから、シュウメイギクは、バンクーバーよりも寒いところでよく育つ植物だ、ということです。

NHKの「みんなの趣味の園芸」の記事に
> 耐寒性が強く耐暑性もあり、全国で栽培できますが、どちらかというと
> 夏は冷涼な地域のほうが成長が活発で、株もよくふえます。
というのがありました。


シュウメイギクには、ご存知と思いますが、ピンクのものもあります。次の画像は、うちのお隣さんのシュウメイギクが花の部分だけ頭をのぞかせて越境してきたもの。

2022.09.09撮影

白にしても、ピンクにしても、この花が、Japanese anemone「日本のアネモネ」と英語で呼ばれ、その和名は「シュウメイギク」である(他の名前も多くありますが)、と知ってから、「アネモネ」と「キク」を脳内一致させるのに、わたしはしばらく時間がかかりました。「キク」ってことはないでしょう、と。

植物の科学的分類と、それぞれの言語で歴史的につけられた名前とが、一致しないことは、普通にあることです。それに、植物は、人間の生活の中の実用度や、他の植物に「似ている」と知覚される程度や、また、審美感覚により、名前がつけられたりします。商業用になら、「好ましい名前」が意図的に選べれたりもします。

日本語だと、「〜きく」「〜さくら」「〜ぼたん」などがよく植物の名前につけられるでしょうか。英語だと、Rose がやたら出てきます。

シュウメイギク(秋明菊)
ダンギク(段菊)
マツバギク(松葉菊)
マツバボタン(松葉牡丹)
ハボタン(葉牡丹)
シバザクラ(芝桜)

Rose of Sharon(ムクゲ)
Christmas rose(クリスマスローズ、ヘレボレス)
Primrose(サクラソウ)
Evening primrose(マツヨイクサ、ツキミソウ)
Guelder-rose(テマリカンボク)

次の画像は、八重のシュウメイギクです。これなら、「キク」と呼んでもまだいいかな? それでも、「キク」にしては、花びらの幅が広いなあ、キク科(Asteraceae)の一重の幅広花弁のダリア(Dahlia)みたいだと思えばいい?

2022.09.08撮影

シュウメイギクの学名はシノニム(同名、つまり、別名)がかなりあり、古い属名、イチリンソウ属(Anemone)、現在の属名、エリオカピテルラ属(Eriocapitella)に続き、種小名が次のようになっています。

hupehensis(湖北原産)
hupehensis var. japonica(湖北原産、日本変種)
japonica var. hupehensis(日本原産、湖北変種)
japonica(日本原産)

だからあ、一体どっちなの?「湖北原産」なの、「日本原産」なの? つまるところは、シュウメイギクの原産地は中国湖北で、「日本原産」という名づけは命名間違いだそうです。

hupehensis var. japonica(湖北原産、日本変種)
が最も事実に基づいているようです。

中国語の名前がおもしろいんですよ。シュウメイギクを「打破椀花花」と呼びます、「割れお椀の花」。と言うことは、一重ではなく、八重でもなく、万重?

と、いぶかんで中国語版Wikipediaを見てみると、記事冒頭の画像は一重でしたが、もうひとつの画像の「秋牡丹」と呼ばれる「变种(変種体)」は、キクの花、そっくりでした。「変種」ということは、人工的に作り出された園芸種ではない、と言うことです。画像をクリックして、拡大して、ご覧になってください。これなら、「秋に明るく咲くキク」でもいいよね、と思いました。でも、中国語では、この八重のシュウメイキクを「ボタン」と呼ぶんですね。


以下のサイトに、17種類のシュウメイギクが出ています。画像をお楽しみください。一重引用符「‘ ’」の中に園芸種名が書かれています。


次の画像では、ツボミと、花の開いたのと、花びらとオシベが落ちた後の球形のメシベと、が見えます。この一重の白いシュウメイギクは、わたしが頼んだのでなく、自由意志で、お隣から引っ越してきたものです。塀のこちら側に出てきました〜〜、だから、わたしのもの〜〜

2021.09.10撮影

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