カラスといちごとクロッカスと

身の回りの鳥や小動物、庭の花や畑の野菜など、日々日々、季節季節の情報を、
個人の目をとおしてお届けします。

ムラサキバレンギクが咲いた

2024年07月05日 09時24分43秒 | キク科
2024.06.22撮影
・異なる開花段階の花3つ
・左側に、舌状花の花びらのまだ「立っている」のが見える

ムラサキバレンギク(紫馬簾菊 Echinacea purpureaの花が咲きました。今年、春に、庭に来てもらった株です。懲りずに、お越し願いました。「パナマ・レッド」という園芸種で、ほんとうに赤い!

学名 Echinacea 'Panama Red'
英名 Purple Coneflower「パープル・コーンフラワー」
和名 ムラサキバレンギク(紫馬簾菊)
別名 エキナケア(学名から)、または、エキナセア(学名の英語読みから)
キク科(Asteraceae)ムラサキバレンギク属(Echinacea


わたしがムラサキバレンギクで複数回失敗しているのは、次の記事(2022.08.13付)で白状したとおりです。薬効などについても書いてありますので、ぜひ、読んでください。

今日は、この新しい園芸種「パナマ・レッド」の、花の開いていく様子を画像でお贈りします。写真ごとに、簡単な説明をつけます。

2024.06.19撮影
・舌状花(外周りの花)が花びらを開いていず、まだ棒状
・筒状花(内側の「円盤」)がまだ開かず密集している


2024.06.22撮影
・舌状花の花びらがだいぶん平たくなった
・筒状花の集まりである「円盤」が、外側の方からオシベを伸ばしてくる


2024.07.02撮影
・舌状花の花びらがもっと平たくなった
・筒状花のオシベの「筒」から出てきたメシベに、黄色い花粉がつている


2024.07.01撮影
・舌状花の花びらが垂れ始めた
・黄色い花粉のついたメシベが、「円盤」の上の方(=中央の方)に向かっていく


2024.07.02撮影
・黄色い花粉のついたメシベが、もっと中央へ寄っていく


2024.07.02撮影
・舌状花の花びらの色があせてくる
・黄色い花粉のついたメシベが、「円盤」のほぼ中心にまで至り、「円盤」が盛り上がる


2024.06.10撮影

この真っ赤な「パナマ・レッド」は、今、どんどん咲いています。この冬、極寒にならないことを祈って、今は、今の花を楽しもう、と達観しています。


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タンポポが咲きました

2024年03月25日 08時00分00秒 | キク科
2024.03.21撮影

うちの庭で、今年最初のタンポポが咲きました。ひとつだけ咲いています。

「ひとつ」と言っても、実際には多くの花の集まりです。この個々の小さい花を、「小花」といいます。キク科の花の特徴です。

冒頭画像に見られるように、最初に咲いた、この「ひとつ」の花は、小花が咲いている側と咲いていない側があります。そして、咲いていない(=開いていない)小花が、真ん中に集まって、頭をそろえて平らになっています。

小花が左右前後平均して咲かないことは、タンポポでよくあることですが、この花は、ほぼ半々できれいに咲き分けていて、おもしろい、と思い、写真に撮りました。

次の画像は、花を、90度向きを変えて、咲いている方の側から眺めたものです。

2024.03.21撮影

これを見ると、わたしは、食い気が・・・実は、わたしは、タンポポの花が好きで、よく食べるのです。何十個も集めないと小鉢にもなりませんが、「ガク」の部分もつけたままさっとゆがいて、三杯酢などで和えます。他にも工夫できると思います。

葉っぱも食べられます。若い葉はほんのり苦味がある程度ですが、もっと伸びたのは、わたしは苦味がちょっと苦手です。葉は、他の野菜といっしょに炒め物にしたり、チャーハンの具にしたり、することがあります。

根も食べられます。わたしは自分では食べたことがありませんが、キンピラにできるそうです。じゃあ、かき揚げにも使えるかな? 根から「コーヒー」も作ることができ、市販されています。わたしは、コーヒーはコーヒーを飲みたいので、代替え品は飲みまっせん! 飲んだことはありますが。

うちのタンポポは食料品なので、野菜畑に植えられています。正確には、野菜畑で出てくるのは掘り起こさない、花畑で出てきたのは掘る(なくならないけど)、ということで、タンポポを野菜畑にわざわざ植えたわけではありません。


2024.03.21撮影

直前の画像は、冒頭の画像より、もう少し接近し、角度を下げた眺めです。

咲いている花の右下に、ツボミがあります。なんか、未熟なイチジクみたいな形です。このツボミは、ガクのように見えるものに包まれて、固く閉じられています。このガク様のものは、総苞と呼ばれます。多くの花を「総て(すべて)包む苞」という意味でしょう。

総苞は、次の画像でよく見えます。


2024.03.21撮影

この画像は、太陽が花に当たるようにして(=光線を自分の体でさえぎらないようにして)、角度を下げて撮影してみました。

これで、開いた花の総苞の様子がよく見えます。反りかえっています。日本で、セイヨウタンポポ(外来種)と日本タンポポ(在来種)を区別するのによく目印にされます。今日の画像のタンポポは、セイヨウタンポポです。(カナダに日本タンポポが入ってきているとは思えません。)

2024.03.21撮影

タンポポの花の色って、優しくて暖かいですね。「キクの花」という形も、人に安心感を与えるのかもしれません。

こんなにかわいくて、おまけに、食べられるのに、芝生文化の西洋社会では嫌われ者なんです。ですから、わたしも、道路に面した前庭にはタンポポがはびこらないように気を使っています。と言っても、裏庭の野菜畑で咲いている花からは、種が自由に飛び回るんですけど。

2024.03.21撮影

学名 Taraxacum officinale「薬用の、食用のタンポポ」
英名 Dandelion「ライオンの葉」
和名 セイヨウタンポポ(西洋蒲公英)
キク科(Asteraceae)タンポポ属(Taraxacum

原産はヨーロッパですが、北アメリカには、17世紀中葉に移入されて、現在では野生化し、増殖しています(法律的には指定されていないようですが、「外来特定生物」みたいなものです)。

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キク科2種、花期は長い・・・

2023年10月27日 08時00分00秒 | キク科
2022.10.01撮影

今年は、花の咲き方が例年と異なっていました。春の球根類は、出てこなかったものもあるとはいえ、多くはよく咲いたのですが、夏以降に咲くはずの植物は、花があまり咲きませんでした。花期の長いものでも、元気がなかった。

冒頭画像は、大変かわいらしい、ペラペラヨメナ。なんや、その名前は。ヨメナのような花で、葉が薄い(=ペラペラ)、ということで、こういう名前になったのだそうです。なんかね、もうちょっとかわいい名前はつけられなかったのか・・・

学名 Erigeron karvinskianus
英名 Mexican fleabane(メキシコのノミヨケソウ)
和名 ペラペラヨメナ
別名 ゲンペイコギク(源平小菊)
キク科(Asteraceae)ムカシヨモギ属(Erigeron


英名は、原産地にちなみ、Mexican fleabane(メキシコのノミヨケソウ)なんですが、日本語で「ノミヨケソウ」? ノミを避けるのに使うの? ジョチュウギク(除虫菊)みたいに。

学名 Tanacetum cinerariifolium
英名 Dalmatian chrysanthemum(ダルマチアのキク)
和名 シロバナムシヨケギク(白花虫除菊)
別名 ジョチュウギク(除虫菊)
キク科(Asteraceae)ヨモギギク属(Tanacetum


それと、属名 Erigeron は日本語で「ムカシヨモギ」。それもどういう謂れが? これは、前から疑問に思っていました。

 
2021.05.28撮影               2022.06.06撮影

別名のゲンペイコギク(源平小菊)というのは、わかります。まず、小さい菊だから、「小菊」。花の色が白から赤っぽく変化し、同時に、白い花と赤っぽい花がつくから「源平」。えと〜〜、源氏と平氏は、どっちが白でどっちが赤だったっけ? あ、白から赤に変わるので、源氏(白旗)から平氏(赤旗)という歴史的な流れね。

ところで、この花は、見かけもかわいく、花期も長くて(うちの今年の庭でも、この10月末現在、まだ咲いています)、庭には重宝するのですが、生育条件の適合した場所では、爆発的に山盛りになり、他の植物にかぶさっていき、かつ、茎の土に接したところからまた増えます。管理は要注意の植物です。

2022.10.01撮影

上の画像(去年)は、もう季節の終わりかけているイヌラ・フッケリです。今年は、イヌラ・フッケリは、ゲンペイコギクとは対照的に、9月の早いうちに終わってしまいました。画像中のイヌラ・フッケリは、去年のもので、10月初めの秋の太陽に照らされています。背後のピンクの花は、「秋咲きクロッカス」(コルチクム Colchicum autumnale)です。


上の記事では、和名はないもようである、と書いたのですが、それから後、日本の固有種でミズギク(Inula ciliaris)というのがオグルマ属(Inula)にあることに気づきました。イヌラ・フッケリを「なんとかミズギク」と呼んでいいでしょうか、あるいは、「なんとかオグルマ」という方がいいでしょうか。


学名 Inula hookeri
英名 Hoojer's fleabane(フッカーのノミヨケソウ)
キク科(Asteraceae)オグルマ属(Inula

 
2021.08.03撮影               2021.07.18撮影

上の2枚の画像で、左はまだ若い花、右は咲いてだいぶん経った花。7月、8月の夏のイヌラ・フッケリは、花びらがそよそよとしています。この、そよそよに、わたしは魅惑されたのであります。ツボミのときからも形がかわいらしく、咲いているときは清楚で、花後もそれなりの風情があります。

花期は長いはずのイヌラ・フッケリ、今年は早めに終わってしまいましたが、来年は、元気に帰ってきて、長く咲いてくれる?

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秋の庭から、黄色いキク科の花

2023年10月16日 08時00分00秒 | キク科
2023.09.20撮影

今日からしばらく、(10月ではなく9月の画像ですが)わたしの秋の庭から、いくつかの植物の様子をお届けします。今日は、黄色系統のキク科(Asteraceae)の花、2種。

最初の花は、前にもご紹介したヒマワリモドキ(Heliopsis helianthoides)です。草丈は、1m程度。大きい植物ではありません。


学名 Heliopsis helianthoides 'Summer Nights'
英名 False sunflower(ニセヒマワリ)
和名 ヒマワリモドキ「夏の夜」

うちのヒマワリモドキの園芸種名は「夏の夜」ですが、なぜか、わたしの庭では、真夏ではなく、夏遅くに咲き出して、秋にも咲いている。バンクーバーで秋の雨が降り出しても咲いている、だんだん、花の大きさが小さくなるけれども。

例年、秋には、アスター(Aster)がきれいに咲いてくれます。でも、今年は、ほんのちょっとしか咲いていないので、「夏の夜」がまだ目をぱっちりと開いてくれていて、ありがたいです。


キク科の花と言えば、今年の夏は、ナツシロギク(Tanacetum parthenium)が咲かなかったのでは? 抜かなくてはいけないほど何株も庭中に生えていたのに、消えてしまった? 庭の中央まで分け入って探すだけの足の調子ではないので、分かりません。


2023.09.20撮影

うちのヒマワリモドキ「夏の夜」は、花びらの色がオレンジ色に近いです。軸も、葉っぱも、赤っぽいです。特に、軸は赤い。軸が赤いのは、2番目の画像で見ることができます。

1番目の画像では、赤茶色の花粉が花びらの上に落ちているのが、見えます。そして、花びらが平面ではなく、折り目がついているのも見えます。

画像2枚(特に、2番目の画像)から、わたしの庭が、9月の後半で、すでに秋枯れである様子がうかがえるでしょうか。現在、当たり前のことながら、10月半ばでは、もっと進んでいます。

薄茶色で飛び出ている軸は、ヤブカンゾウ(Hemerocallis fulva)です。ヤブカンゾウの花軸です。花は、ずいぶん前に終わりました。わたしの足が本調子でないので、枯れたものを取り除いて庭を整えられていないのです。

2番目の画像中、奥に見える赤い花は、クサキョウチクトウ(Phlox paniculata)です。クサキョウチクトウは花期が長いので、これもありがたい存在です。

2023.09.20撮影

足の怪我の後、なんとか庭に出られるようになって、この黄色い花が見えたときには、びっくりしました。え? まだ咲いている? 怪我の前にも咲いていたのに。今年はな〜んにも世話しなかったのに。もうこんな季節なのに、、、。切り戻したら、もっと咲いてくれる? この足でそんなことができるわけがない、、、

学名 Coreopsis grandiflora 'Sunburst'
英名 Large-flowered tickseed
和名 コレオプシス「太陽のほとばしり」

この花も、ややオレンジ色がかっていますね。

2023.09.20撮影

わたしは、白や青や紫の花が好きなので、努力しないと、庭中そういう色になってしまいます。あるとき、バンクーバーを訪れていた母が、「flowerconnectionちゃんのお庭は、花はきれいだけど、色がさびしいね」と言ったのです。母は、わたしが少女時代に、赤やピンクのものを着せたかったのに、わたしが着たがらなくて、苦労したのです。

母がそうつぶやいてから、わたしは、努力して赤やピンクの花を庭に導入しました。そして、気づいてみると、赤やピンクはあるが、黄色やオレンジ色の花が全然ない。それで、そこから、黄色やオレンジ色の花を増やしていきました。それが、このヒマワリモドキやコレオプシスなんです。最初は、自分で植えたのを忘れて、なぜ庭のあんなところに黄色いものが? と戸惑いがありましたが、確かに庭は活気づいた、と思いました。

今年は、庭作りの転機であろう、ということを、先週、書きました。



これからは、このような、「自立」して花を咲かせる植物を多く庭に取り入れていかなくてはならない、と思います。

またもや、足の怪我のぐちぐちで、失礼をいたしました。でも、ここ数日で、メキメキよくなってきたんですよ〜〜。自然治癒の力はすごい。

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ヒマワリとラウンドアバウト4

2023年08月30日 08時00分00秒 | キク科
2023.08.18撮影

「ヒマワリとラウンドアバウト」については、今日で終わりです。

いろいろな国のラウンドアバウトの写真を見ていると、「島」の部分が「ピンからキリ」で、へ〜〜、と笑ってしまいます。なんの変哲もないコンクリートであったり、芝生がはられているだけだったり、なんらかの植栽があったり、また、見事な噴水があったり、彫刻があったり、、、

バンクーバーの住宅街に設置されているラウンドアバウトの「島」は、多くの場合、花が植えられていて、目を和ませてくれます。虫たちの集まる場所でもあります。

でも、中には、大きな岩石をどか〜っとおいてあるだけのラウンドアバウトもあります。そういうあたりは、大通りから車両が侵入するのを本当に防ぎたい場所なのだろうなあ、と思います。目の前に石が迫ってくると、視界がまったく遮られて、怖いですもん。ですから、近寄りたくない。

その大きい岩石は、石舞台古墳の一番上にある、あの大きい石ぐらいではないか、と感じるほどです。(話しが大きくなってきたので、石の話しは、ここで終わり。)

イギリス、レッチワース田園都市(Letchworth Garden City)にあるブロードウェー(The Broadway)に設置された、イギリス初のラウンドアバウト(1909)
撮影者:Jack1956
撮影日:2014
パブリックドメイン

上の画像は、イギリス初のラウンドアバウトで、レッチワースという田園都市にあります。このラウンドアバウトでは、イギリスなので標識(青地に白の矢印)が左向きになっています。左側通行では、ラウンドアバウトでは時計回りをします。

下の画像は、わたしがヒマワリの写真を撮った、うちから一番近くにあるラウンドアバウトで、カナダは右側通行なので、標識(白地に黒の矢印)の示すように、反時計回りをします。

このラウンドアバウトは、大きさとしては、上の画像のレッチワースの4分の1くらいかな、と思います。ラウンドアバウトの大きさは、当然ながら、交差点の大きさ(=道の幅)に左右されます。

2023.08.18撮影

レッチワースのラウンドアバウトの「島」には木や草本の植物の植栽があり、外縁部には芝生が植えられています。うちのあたりのラウンドアバウトは、植物がもっと密に植えられていますが、木は植えられていません。外縁部は、芝生ではなく、コンクリートです。

コンクリートの部分は、直前の画像では、右下、標識の下(陰になっている)に、次の画像では、右上(陽があたっている)に、あります。

2023.08.18撮影

では、このラウンドアバウトに植えられている花々、だれが植え、だれが管理しているのでしょうか。それは、直前の画像に出ている標識に説明されています。以下に、その部分が大きく写った画像を載せます。

2023.08.18撮影

つまり、バンクーバー市(the City of Vancouver)の音頭取りで、近所の住民が管理している、と言っています。それで、咲き乱れたラウンドアバウトもあれば、あまり植っていないのもある、また、最初から、前述のように、石が置かれているのもある(アパート街など)、んですね。

そこに書いてあるリンク先へ行ってきました。そこには、管理者になればいくつかの恩典がある、というのがわかりました。

でも、これだけの大きさの土地を、自宅の敷地内にあるわけでもないのに、庭として管理するの、大変ですよ。恩典では割りが合わず、これ、勤労奉仕よ(うわ、出た、古い言葉)。

話がそれますが、わたしの母が、女子高校生たちが何やら労働をしていたので、「勤労奉仕ですか」と聞いたそうな。すると、女子高校生たちは「ボランティアです」って答えたんですって。この話し、母から何回も聞かされるのよ、表現は変わっていくもんだ、という例として。

え〜〜と、そうそう、その勤労奉仕、確か、わたしのうちの隣のおばさんがこのラウンドアバウトの面倒を見ている、みたいなことを、何年も前に言っていたなあ、それに加え、もうやっていない、みたいなことも。

ということは、うちの近くですごくお花を咲かせているおうちがあるので、そこのおばさんがやっているのかな?

でも、散水制限の厳しいこの夏、水やりはどうしているんだろう。水道栓が「島」のどこかに設置されているのかしら。そして、ランドアバウトだったら、散水制限を無視して、自由に水やりしていいのかな?

水やりが行われているところを、実は、わたしは一度も見たことはありません。ですから、水やりがあまり行われていない可能性があります。それでも植物は元気に咲いているのです。ということは、ラウンドアバウトに植えられている植物を庭に取り入れれば、庭を水不足に強い庭に変えていくことができるでしょうか。

一考して良いと思いました。

以下は、そのラウンドアバウトで、今咲いている花の一部です。

2023.08.11撮影(アマランス)

 
2023.08.11撮影(コスモス)         2023.08.11撮影(コスモス)

 
2023.08.11撮影(チドリソウ)        2023.08.11撮影(チドリソウ)

 
2023.08.11撮影(クサキョウチクトウ)    2023.08.11撮影(クサキョウチクトウ)

2023.08.11撮影(ムシトリナデシコ)


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ヒマワリとラウンドアバウト3

2023年08月28日 08時00分00秒 | キク科
2023.08.17撮影

ヒマワリの頭花は、まず、一番外側の花びら様の舌状花が開きます。そして、次に、内側の管状花・筒状花が、舌状花に接した方から順番に、中央に向かって咲いていきます。1,000個を超える(のだそうです)小花が秩序正しく咲いていくのは、見事なものです。


管状花・筒状花を、以下、わたしの好みで、独断で、筒状花、とだけ呼びます。

ヒマワリの小花を、今度は、中央から外側へ向かって、見てみると、ヒマワリの頭花は、
1.ツボミの筒状花
2.オシベの出た筒状花
3.メシベの開いた筒状花
4.メシベのしぼんだ筒状花
5.舌状花
という構成です。もっと段階を細かく区切ることもできますが、この辺りで妥当だと思います。

中央のツボミの筒状花は、若いのほどより黄緑色、外へ向かうにつれオレンジ色が増していきます(上の画像)。

次の画像で見えるのは、異なる段階の筒状花の帯です。

2023.08.17撮影

この画像中、下側が頭花の中央に近いツボミの部分で、上側が花びらの大きい舌状花に近づく部分です。

画像真ん中を帯状に横切るものは、オシベの出ている筒状花です。黒っぽいものがオシベの葯(やく)、その先端に黄色っぽい花粉。

オシベの中央からつき出ている黄色いものは、メシベ。そして、メシベは、先端が割れてきて、「Y字型」となります。メシベは、オシベの間から出てくるときには、オシベの花粉に触れながら出てきます。でも、そのころのメシベはまだ成熟していないので、自家受粉はしません。

黒っぽいオシベの見える筒状花のさらに外側には、もっと発達したメシベが見えます。黄色のぴろぴろとしたのがメシベです。画像では判別しにくかと思いますが、「Y字型」が進み、頭の方が反りかえって、「M字型」のようになっています。

まあ、これは、アンテナを出しているようなものなので(こら、それ以上、想像するな!)、この形のおかげで、他所から花粉を受けることができるようになります。

「M字型」の形が見やすいように、画質は不鮮明になりますが、画像を拡大してみます(上の画像からではなく、他の画像から)。

2023.08.17撮影

次は、冒頭の画像の花より古い頭花です。画像の左下と右下に、舌状花が見えます。筒状花は、この頭花では、ほぼ全部咲ききっているようです。中央部にあるメシベは、「Y字型」も混じっていますが、多くは「M字型」でしょうか。

ヒマワリでは、中央部の筒状花が咲かないままのこともよくあるようです。その場合は、咲いている筒状花と咲いた筒状花だけが、ドーナツ状に盛り上がったままになります(冒頭の画像)。

でも、下の画像のようにほぼ全部が咲くと、筒状花の部分がドーム状になります。

2023.08.11撮影

ぴろぴろしたメシベが見えない筒状花では、メシベはもうしぼんでいます。メシベは、小さく薄茶色になっているので、目立ちません。その代わりに、筒状花の「花弁」がはっきり見えます。

その部分だけを写したものがあるので、それをご覧ください。

2023.08.11撮影

これは、舌状花に一番近い、つまり、外縁にある筒状花です。画像右上に、舌状花の花びらが数枚見えています。

メシベは、薄茶色のフィラメントみたいな形状のもので、すでにしぼんでいます。しぼんでいないのは、「M字型」の薄黄色です。筒状花の中に見える黒っぽいものは、オシベ。筒状の花の先が5裂しているのが、この段階になるとよく観察できます。「5裂」とは言いましたが、これは、花弁5枚の根本が合弁しているのです。

2023.08.11撮影

うちの近くのラウンドアバウトには、こんなかわいい花も植っているんですよ。ヒマワリの太い茎とゴワゴワした葉っぱに半ば埋もれて咲いています。他の色のも咲いています。

学名 Linaria maroccana「モロッコのウンラン」
英名 Moroccan toadflax「モロッコのウンラン」
別名 Annual toadflax「1年草ウンラン」
和名 ヒメキンギョソウ(姫金魚草)
オオバコ科(Plantaginaceae)ウンラン属(Linaria)
原産 モロッコ


つづく(次回は、「ヒマワリとラウンドアバウト」の最終回)


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ヒマワリとラウンドアバウト2

2023年08月25日 08時00分00秒 | キク科
2023.08.17撮影

これは、うちの近くのラウンドアバウトに植えられているヒマワリを、上から見て撮影したものです。矮性なので、上から写せます。また、横に向いて咲いているので、上から写すと、このように見えます。

舌状花の花びらの根本に、総苞があります。総苞とは、多くの花を一度に包み込んだ萼(がく)のようなものです。ヒマワリは大型の花(頭花)なので、総苞も大きいです。

ヒマワリの頭花がツボミの時には、総苞は、以下の画像のように重なり合っています。鎧(よろい)みたいですね。指で先を触ってみると、ちょっと痛いです。やってみなかったけど、縁に沿って指を滑らせると、(指が)切れると思う。

2023.08.17撮影

ラウンドアバウトは、本来、車両の流れをなめらかにするために交通量の多い大きな交差点に設置されます。でも、バンクーバー市の場合は、目的が異なります。

バンクーバー市では、ラウンドアバウトは、住宅街の小さい交差点に設置されます。これは、車両の交通量を減らすためです。

小さい円形の「島」の周りを走るには、かなりスピードを落とさなくてはなりません。つまり、突っ走れないのです。突っ走れないなら、ラウンドアバウトのある道は避けよう、という心理が働きます。

ラウンドアバウトが普及する前は、大通りが渋滞すると、迂回車両が住宅街に侵入していたものですが、ラウンドアバウトの設置に伴い、それが随分軽減されました。

それでも、道の交差のし具合によったら、滞ってイライラするより、ラウンドアバウトのある住宅街に侵入して遅いスピードで走る方がマシ、ということはあります。

わたしは、自分自身が大通りに近い住宅街に住んでいることもあり、そんなことは、住民のことを考えてなるべくしないようにしていますが、時々、ええい、あっち行っちゃおか、と思うことはあります。実際に行くことは、滅多にないけど。

左側通行の場合のラウンドアバウトの車両の動き
作成者:Mintguy
改変者:Fredrik
改変作アップロード日:2004.06.12
オリジナルからの改変、なし

上の動画は、左側通行の場合のラウンドアバウトの車両の動きです。(カナダは右側通行です。)

片側3車線なので、全ての車両を一度に見ると目が回るかもしれませんので、一度にひとつの車に注目してください。そうすれば、どう走ることになっているかわかります。

1.右側を見て(この時点で、方向指示器を *右* に出す方法もある)
2.安全なら、ラウンドアバウトに進入し、
3.必ず左へ向かい、時計回りをし、
4.ラウンドアバウトから出る前に *左* に方向指示器を出して、
5.ラウンドアバウトから出る

これ、慣れれば、大変簡単です。1の段階で方向指示器を *右* に出すのは、わかりにくい・・・そこにいたらランドアバウトに進入する意思があるのは他の運転者にはわかっているので、出さなくていいのだ、うん・・・そして、安全なら、一時停止しなくていいです。

以上がラウンドアバウトの走行法ですが、バンクーバーの住宅街に設置されているラウンドアバウトは、大変小さいです。それで、トラフィックサークル(traffic circle)とも呼びます。

以下の画像は、そんなトラフィックサークルの例です。バンクーバー市(The City of Vancouver)のサイトからですが、わたしの見た限りでは著作権の表示がどこにもなかったので、勝手に借りてきました。

How traffic circles work
オリジナルからの改変、なし

ラウンドアバウトの使い方は難しくないのですが、バンクーバーの人間は、どう使えばいいか知らない人が結構いて、とんでもない運転の仕方をする人がいます。

上の画像の右手の方に、交通標識が見えます(実は、これが全部で4つある、四つ辻なので)。この交通標識には、白地を背景に、黒い盾のような形の図形と黒い矢印が描かれています。これの意味は、何がなんでも「島」に沿って右側へ行きなさい、反時計回りをしなさい、というです。

が・・・左折したいから、と、これを無視して左側に向けて進入する人がいるんです。左折したくても、まず右側に向かって走らないといけないのに。こういう逆走をする人に出会うと、こちらは自己防衛で止まるしかありません。

これは、先の左側通行の動画で言えば、動画左手から入ってくる黄色の車両が、時計回りをせずに、そのまま、「流れに逆らって」右折してしまうことになります。

2023.08.17撮影

この虫さんは、だあれ? もちろん、ツボミではなく、咲いている小花にへばりついています。

次は、主に小花について見てくださいね。

つづく


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ヒマワリとラウンドアバウト1

2023年08月23日 08時00分00秒 | キク科
2023.08.11撮影

先週は、バンクーバーでも、25℃を上回る日が何日かあり、その程度なのに、「高温注意報」が出ました。2階の南側の寝室は寝るには暑くなったので、わたしは、ひんやりしている1階で寝ました。

ところが、週末には、最高気温が25℃を割る気温。そんなときには、夜間の気温は、10℃台半ば。そうすると、1階で寝るのは寒すぎて、朝方、寒さで目が覚めました。次の日からは2階に帰って、「ぬくぬく」と寝ました。

バンクーバーは、ブリティッシュ・コロンビア州のほぼ南端にあるにもかかわらず、州の中では涼しい方なんです。なぜ涼しいか、と言うと、それは、バンクーバーが、海、入江、フィヨルド、川、に囲まれていて、風が吹き、空気が停滞しないからです。(風が吹くので、花の写真を撮るのは、風が吹き止む一瞬をねらうしかありません。)

日本人であるわたしの気持ちとしては、バンクーバーで30℃も超えないときに、「暑い、暑い、と文句を垂れるな」です。それに、たとえ30℃を出ても、湿気が比較的低いので、なんとかなるんです。(と言いながら、暑いときは1階で寝ていますけど。)

それより、ブリティッシュ・コロンビア州では、南部内陸部が高温になります。そして、それらの地域では、現在、山火事が続いて、多くの住民に避難命令が出ています。これについては、もう書きました。


最高気温の記録に関しては、次のリンク先の表をご覧ください。先週のこと(8月14日)ですけど、リットン(Lytton)では、41.4℃を記録しました。その右側の39.4℃というのは、それより以前の記録(リットンの場合は、2008年)です。

Heat wave topples temperature records in southern B.C., as conditions raise wildfire fears「熱波、南部BC州の高温記録を書き換える、気象状況が山火事の心配を上げる中で」
(英文+画像+表)

2023.08.11撮影

今日は、そんな「涼しい」バンクーバーでも、真夏の花、ヒマワリがきれいに咲くことを、他の話題ともからめ、お見せしたいと思います。

学名 Helianthus annuus
英名 Sunflower「太陽の花」
和名 ヒマワリ(向日葵)
キク科(Asteraceae)ヒマワリ属(Helianthus
原産 北アメリカ西部

なんと、ヒマワリの原産地は北アメリカ西部!!! それなら、ヒマワリがバンクーバーで元気に咲いて、なんの不思議もありません。

冒頭の画像は、花びらがぱっちりと開ききったばかりのところです。直前の画像は、それより少し前、次の画像は、それよりもまだ前の花びらが半ば閉じている時のものです。

2023.08.11撮影

ヒマワリも、他のキク科の花と同様、ひとつの花のように見えるものは、多くの花の集合です。ひとつの花のように見えるものを「頭花」、それぞれの花を「小花」と言います。

ヒマワリの場合、外側の小花は、花びらが発達していて、この花びらが「舌」のように見えるので、この種類の小花を「舌状花」と呼びます。内側の小花は、花びらが目立たず、よって「管」あるいは「筒」のように見えるので、「管状花」あるいは「筒状花」と呼びます。

外側の花びらが開ききっていない時、また、開いてしばらくは、内側の管状花・筒状花は、ツボミのまま硬く固まっていて、「毛並み」が中央に向かっています。そのため、表面が、すべすべに見えます。以下の画像をご覧ください。

なでなでしたら、いい気持ちですよ。もちろん「毛並み」に沿ってなでてください。

2023.08.11撮影

今日お見せしているヒマワリは、実は、うちの庭で育てているものではありません。

わたしの家の位置する住宅街、および、他の住宅街でも、10年ほど前に一斉に市によってラウンドアバウトが設置されました。そのラウンドアバウトの中央には「島」があり、それが「分離帯」として働きます。「島」には、植物が植えられたり、大きい「島」では噴水が設置されたり、します。

うちのあたりのラウンドアバウトの「島」には、植物が植えられました。その植物のひとつが、今年の場合は、このヒマワリなのです。矮性だけれども、頭花は、普通の草丈の頭花と変わらない大きさです。ですから、花を間近に撮れました。

ラウンドアバウト(Roundabout)は、日本語では「環状交差点」と言うようです。車両は、交差点中央の「島」の周りを回る仕組みになっています。

ロータリー交差点と似ていますが、ロータリー交差点には一時停止線や信号機があり、ラウンドアバウトには、それらがないこと。

と言っても、現実には、ある程度以上の大きさのラウンドアバウトでは、「一時停止線」が破線などで路上に描かれます。強制的な一時停止ではなく、安全なら一時停止せずに進めます。

ラウンドアバウト

Small modern roundabout in the United States, where vehicles are driven on the right
(右側通行のアメリカにおける、小さいラウンドアバウト)
撮影者:Andrew Bossi
撮影日:2008.03.16
オリジナルからの改変、なし

上の画像は、右側通行の場合の例ですけど、破線のような一時停止線が引かれています。その手前にあるのは横断歩道で、もちろん、必要に応じ、その手前での停止が求められます。

このラウンドアバウトの「島」にも植物が植えられていますが、バンクーバーの住宅街のラウンドアバウトの植物は、こんなんじゃありません、庭みたいなものです。

つづく


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エリゲロン

2023年07月17日 08時00分00秒 | キク科
2013.06.12撮影

これは、うちのエリゲロン(だった)。

「だった」というのは、悲しい物語があるのです。その悲しい物語というのは、いつもの、樹木が大きくなって日陰ができて、植物がおなくなりになった、だと思うでしょ。違うんです。

わたしのエリゲロンに起こった、このあまりにも悲しい出来事は、今思い返しても、なぜこんなことに?? とよく理解ができない。

このお話をする前に、バンクーバーの宅地がどのようになっているか、一般的なところを説明します。住宅地は、次のようになっています。車道から家屋に向かって、

1.車道
2.(芝生+)歩道
3.市の所有地で、住宅の所有者が管理を任されている土地(半〜数m)
4.住宅の前庭
5.家屋
6.住宅の裏庭
7.車庫
8.市の所有地で、住宅の所有者が管理を任されている土地(半mぐらい)
9.路地

わたしがこのエリゲロンを植えたのは、うちの南側の庭(=裏庭)が、まだ芝生と野菜畑で、花壇のなかったときです。太陽の当たるところを求めて、わたしは、このエリゲロンを8の市の所有地に植えました。うちが管理を任されている土地です。

8は、車庫と路地の間の部分であるので、大抵のうちではその土地をコンクリートで固めてあります。そして、うちもそうしてあります。ところが、お隣に接した部分に、わずかに土がむき出しになった所があります。

その土がむき出しの部分の向こうには、お隣が、自分の裏庭の延長として花壇にしている、市の所有地がつづいています。

(うちのあたりの住宅地では、法律で、車が最低2台は止められる車庫、あるいは、カーポートを作ることになっているのですが、この家は、法律違反をして、車を止める施設を作っていないのです。だからね、お庭が広いのよ。)

わたしは、このピンクのエリゲロンを植えて、何年もきれいに元気に咲いてくれて、大満足でした。

2013.06.12撮影

上の画像をご覧ください。石畳というか、コンクリートの部分が見えますね? これは、うちの敷地内のものです。お隣との境界線は、画像で右上から斜めに降りてくる石畳の端より向こうにあります。

ですから、このピンクのエリゲロンがきれいに咲いている土地は、うちが市に委託されている土地なんです。つまりは、常識の範囲内であれば、うちがこの部分の土地をどうしようが勝手、、、

ある日、エリゲロンを目で楽しもうと路地の方へ出ていったら、ない、ない、ない、エリゲロンがどこにもない、ないだけでなく、掘り起こした形跡がある、まさか、お隣が??? そんなことないだろ、だって、そこを掘り起こすなら、ついでに、他の植物も掘り起こしただろうから、それに、植物好きの隣のおばさんがあんなにきれいに咲いていた植物を引き抜くわけがない、どこ? どこ? どこへ行った? 一体、だれがこんなことを?

と思いながら、周りを見てみると、ははあ、シャベルが立てかけてあるじゃないか、ということは、人が意図的に掘ったということである。だれよ、こんなところにシャベルを忘れているのは・・・よそからわざわざ出かけてきた人が道具を忘れていく、とは考えにくい。

そのあたりで、これは隣だろう、と思ったが、腹立ち紛れに怒鳴り込んでも仕方がないので、お涙頂戴作戦に出ることにした。

掘り起こされた周辺に木の枝を刺して、ヒモをめぐらせ、そのヒモに嘆願書をくくりつけた。その嘆願書、曰く

2013.06.12撮影

ここには、わたしが大好きな花を植えてありました。たいへんきれいな花です。そして、昨日までここできれいに咲いていました。でも、今、ありません。どこへ行ったんでしょう。だれかが掘ったんでしょうか。掘った方、あるいは、ゆくへをご存知の方、わたしの花がどこにあるか、教えてくださいませんか。早く返してください。大急ぎで植えて、救いたいですから。

すると、1時間もしないうちに、隣のおばさんがすっ飛んできました。あの花、あなたが植えたのだと知らなかった、って。申し訳ない、申し訳ない、って。

わたしは、心の中で、あんな花がだれも植えないのに咲くわけないだろ? 植えるとしたら、お宅じゃなければ、うちだろ? と思ったが、口に出したのは、じゃあ、抜いたのを植えてくださいよ。すると、もう捨てた、と言うわけです。(え? なんであんなきれいな花を捨てる? 第一、抜く?)

この辺でわたしは面倒くさくなって、じゃあ、あそこの土地、お宅の路地沿いの花壇の延長にあるから、今後は、お宅が管理してくれない? 

と言うことで、今は、あちらは、なんか、触っていいのかな、いけないのかな、という感じで世話しているみたいです。でも、きれいな花は植えてくれないのよ。

いや、別にお隣とは喧嘩していませんよ。それぞれ別人格だから考えることも違うのだろう、と思っていますから。悪意はなかったはずなんです、、、でも、なんできれいに咲き乱れている花を、わざわざ抜いて捨てる? そのへんがもう10年経った今でも不思議に思うんです。

2013.06.12撮影

あの事件以来、これと同じエリゲロンを手に入れたいと思っているんです。特に、南側に花壇を作ったので、そこに植えたい。なんなら、路地側の、例の同じところにもう一度植えてもいい。でも、なぜか、植物屋さんで見つからない。大きいお店へ行っているんですけどね。

学名 Erigeron glaucus
英名 Seaside fleabane「浜辺のキク」
別名 Beach aster「海岸のアスター」
別名 Seaside daisy「浜辺のデイジー」
和名 ないもよう
キク科(Asteraceae)ムカシヨモギ属(Erigeron
原産 アメリカ合衆国西海岸(オレゴン州〜カリフォルニア州)

このエリゲロンの学名の種小名 glaucus は、「灰色っぽい、灰緑の」という意味です。上の画像内の葉をご覧ください。灰色がかっていますね。

このラテン語 glaucus は、Rosa glauca「ロサ・グラウカ」のところですでにご紹介しました。

花より団子、ヒップより花

Erigeron glaucus「エリゲロン・グラウクス」は、ムカシヨモギ属(Erigeron)ですから、ヒメジョオン(Erigeron annuus)の親戚です。「エリゲロン・グラウクス」英名は、 Seaside daisy「浜辺のデイジー」などで、これは、自生地が海岸線であることを表します。

分布は、アメリカ合衆国西海岸ですが、カリフォルニア州から北にたどってオレゴン州までで、その北のワシントン州、そして、国境を超えてさらに北のブリティッシュ・コロンビア州には自生しません。つまり、このエリゲロンは、ブリティッシュ・コロンビア州では、庭の花であることになります。


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マーガレット、って?

2023年07月16日 08時00分00秒 | キク科
Leucanthemum vulgare(フランスギク)
撮影者:AnRo0002 
撮影日:2017.05.25
オリジナルからの改変、なし

今日は、シャスタ・デイジーに見かけのよく似ている「マーガレット」についてお送りしたいと思います。

シャスタ・デイジーの第一の親種は、冒頭の画像に見える、フランスギク(Leucanthemum vulgare)です。

シャスタ・デイジー、出生物語

学名 Leucanthemum vulgare 
英名 Ox-eye daisy「牛の目のデイジー」
別名 Marguerite(フランス語から)「マーガリート」
フランス語名 Marguerite commune
和名 フランスギク
キク科(Asteraceae)フランスギク属(Leucanthemum
原産 ヨーロッパ、温帯アジア
移入 北アメリア、オーストラリア、ニュージーランド

原産は、ヨーロッパと温帯アジアですが、この花が特にフランスに多く産したのかどうかは、調べた限りでは、わかりませんでした。ですから、なぜ和名が「フランスギク」なのかは、想像の域を出ません。

基本的には、野草です。北アメリカなどに移入されていて、うちのあたりでも、道端などで見られます。きれいなので欲しいのですが、車の往来する通りまで行って、盗掘できないし・・・植えたものでないのはわかっているのですが。

このキク科の植物の学名 Leucanthemum vulgare は、「俗な、白い、黄色い花」、つまり、「どこにでもある、白い花びらの、真ん中が黄色い花」、つまり、「どこにでもあるデイジー」です。

Leucanthemum vulgare(フランスギク)
撮影者:Andrés Nieto Porras
撮影日:2011.04.01
オリジナルからの改変、なし

フランスギクは、フランス語での名称が、Marguerite commune「マルガリート・コミュン」、それは、英語で、Common marguerite「コモン・マーガリート」、つまり、「普通の、普通にある、マーガリート」、それを略して、Marguerite「マーガリート」。そして、フランス語形 Marguerite「マーガリート」の英語形は、Margaret「マーガレット」。

なので、、、フランスギク(Leucanthemum vulgare)は、日本語的には英語形を使って「マーガレット」でいいんじゃ?

と言いたいですよね。でも、日本ではそうではない。

Argyranthemum frutescens(モクシュンギク)
撮影者:Houss 2020 
撮影日:2021.01.23
オリジナルからの改変、なし

日本語で現在「マーガレット」と呼ばれる植物は、モクシュンギクです。フランスギクとは、属が異なります。

学名 Argyranthemum frutescens
英名 Paris daisy「パリのデイジー」
別名 Marguerite「マーガリート」
別名 Marguerite daisy「マーガリート・デイジー」
和名 モクシュンギク(木春菊)
別名 マーガレット
キク科(Asteraceae)モクシュンギク属(Argyranthemum
原産 カナリア諸島

なぜこんなことが? 英名が、「パリのデイジー」だの、「マーガリート」だの、「マーガリート・デイジー」だの、なら、日本語でも「マーガレット」と呼びたくなりますよね。

そして、実際、このモクシュンギク(Argyranthemum frutescens)が、現在、園芸では「マーガレット」と呼ばれています。

Argyranthemum frutescens(モクシュンギク)
撮影者:Dinkum 
撮影日:2011.09.18
オリジナルからの改変、なし

つまりは、フランスギク(Leucanthemum vulgare)もモクシュンギク(Argyranthemum frutescens)も、Marguerite と呼ばれる。ついでに、フランスギクの園芸種であるシャスタ・デイジー(Leucanthemum × superbum)も、Marguerite と呼ばれたりする。

カタカナの和名をつけるとき、フランスギクとモクシュンギクのどちらに「マーガリート」あるいは「マーガレット」という名称をつけるべきか。

フランスギクの方が元々「マーガレット」と呼ばれ、モクシュンギクは「モクシュンギク」だった、というような説明をあちこちで見ましたが、どちらが先だったかは、わたしにはわかりません。

言えることは、現在、フランスギクが「フランスギク」で、モクシュンギクが「マーガレット」、と呼ばれることです。

なぜこんなことが起こったか。

それは、憶測ではありますが、業界の仕業では? と思います。

「モクシュンギク」という名前では、植物が売れにくい、だから、「マーガレット」と呼ぼうよ。「マーガレット」って、少女趣味よね? 女性の購買意欲をかき立てません? お花も小ぶりでかわいいし。

じゃあ、「マーガレット」という名前を奪われたフランスギクはどうする? 「フランスギク」なんて「おフランスな」名前で気分いいじゃありませんか。でも、大体、なぜ「フランスギク」が「フランスギク」と呼ばれるの?

Argyranthemum frutescens(モクシュンギク)
撮影者:lxitixel 
撮影日:2008.03.21
オリジナルからの改変、なし

モクシュンギクは、漢字で書けば、「木春菊」。「木立」の「春菊」ということです。

株が大きくなってくると、茎が木質化します(上の画像)。そして、その性質を利用して、1本立てに作ることができます(下の画像)。このように作られているモクシュンギク(マーガレット)は、バンクーバーでも売られていますが、耐寒性が低いので一夏のパティオの花になります。あるいは、温室に入れる。

フランスギク属の茎は木化しないはず、わたしの知っている範囲内では。

Argyranthemum frutescens(モクシュンギク)
撮影者:G.castelain
撮影日:2016.03.22
オリジナルからの改変、なし

モクシュンギクの「春菊」の部分は、わたしたちが野菜として食べる「シュンギク」(Glebionis coronaria)の「春菊」です。以下の画像のシュンギクの葉と、3枚前の画像に写るモクシュンギクの葉をお比べください。

フランスギクの葉は、一般に、平たい細長のヘラ状で、縁がギザギザしていることが多いです。青空の写った上の方の画像で葉が見えますか。

2021.09.19撮影(シュンギク)

モクシュンギクも、フランスギクと同じように、白い花びらのものが多いですが、園芸種にはいろいろな色のがあります。

以下のリンク先などでご覧ください。画像が左右に並んでいる右上に、< > があります。そこをクリックすれば、異なる画像が出てきます。

Argyranthemum(英文+画像)
Garden Center Marketing 
https://www.gardencentermarketing.com/plantName/Argyranthemum-frutescens-Multiple-Varieties

また、そこに「Zone:9-11」と書いてありますが、それは、栽培可能な温度の範囲を示すもので、ゾーン8のバンクーバーでは寒すぎる、ということになります。

Argyranthemum frutescens(モクシュンギク)
撮影者:阿橋 HQ
撮影日:2004.02.22
オリジナルからの改変、なし


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