カラスといちごとクロッカスと

身の回りの鳥や小動物、庭の花や畑の野菜など、日々日々、季節季節の情報を、
個人の目をとおしてお届けします。

カナダがアメリカと異なる点

2023年09月08日 08時00分00秒 | カナダ
スイセンノウ(Silene coronaria)のタネのサヤ
黄色い花は、ヒマワリモドキ(Heliopsis helianthoides
2023.08.11撮影

(今日掲載の画像も、記事の内容に全く関係ありません。昨今成っているタネと、その前に咲いていた花をお見せします。)

カナダ人って、一体どんな人たち? というのに答えるのに、「アメリカ人でない北アメリカ人」というのがあります。

が、それは、カナダ人が半ば自嘲的に、あるいは、むしろ、冗談として言っているだけで、実は、かなり、カナダ人は、自分たちはアメリカ人とは違うんだ、という自負があります。

今日は、カナダがアメリカと異なる点をいくつか挙げてみたいと思います。


カナダがアメリカと異なる点1(医療保険)

カナダでは、前回に記事にしました通り(カナダの医療制度 - カラスといちごとクロッカスと)、国民皆保険で、医療費(のほとんど)がタダです。これで、カナダの国民と永住者はいざという時のことを心配しないで、安心して暮らしていけます。カナダ国民が、アメリカ国民より、一般的にのほほんとしているのは、この医療制度のおかげだ、とわたしは思っています。

一方、税金は高いです。でも、経済的にゆとりのある人々が、自分たちができること、すなわち、収入の一部を拠出すること、で社会に貢献するのは、当然のことだ、と、これもわたしは思っています。


スイセンノウ(Silene coronaria)の花
2023.06.07撮影

カナダがアメリカと異なる点2(銃の所持)

カナダの都市部の住民が銃を所持していることは、まずありません。都市部で銃を持っていたら、まずはギャング系と考えていいです。

狩猟をして食料の糧にしている地域では、ライフルを所有している人の方が多いかもしれません。また、山間部では、クマやピューマなどの動物から身を守るためにライフルが必要になります。

アメリカで頻発している銃の乱射事件は、カナダには、ほとんどありません。


カナダがアメリカと異なる点3(マリファナ)

カナダでは、マリファナが2018年10月17日に国のレベルで合法となりました。18歳以上の成人は、30gまでの乾燥マリファナ(あるいは、乾燥マリファナに換算して30gまで)を、公の場所で所持・携行することができます。そのほか、生産、販売、関連商品、などに関しての規制があります。

一方、アメリカでは、現在、すでに、40近い州でマリファナの消費を何らかの形で行うことが合法化されています。しかし、特定の州、および、国のレベルでは、非合法です。2023年現在、合法化への機運が高まっています。


ムスカリ(Muscari armeniacum)のタネ(黒いつぶつぶ)
2023.07.04撮影

カナダがアメリカと異なる点4(同性婚、LGBTQ+)

カナダでは、同性婚が、次のような時間の流れで合法となりました。
・2003年:オンタリオ州とブリティッシュ・コロンビア州
・2004年:ケベック州とほか4州および1準州
・2005年:ニューブランズイック州

そして、ニューブランズイック州で合法化された直後、2005年7月20日に、同性婚が国のレベルで法制化され、全ての州と準州で合法となりました。


一方、アメリカでは、2004年にマサチューセッツ州で同性婚が初めて認められ、2015年には国の最高裁で合法化されたはずなんですが、いまだ同性婚が禁止されている州があるようです。と言っても、州の法律が実際に適用されているわけでもないようで、そうなると、他州で結婚して、結婚証明を発行してもらう、ということでしょうか??? わたしはアメリカに住んでいるのでないから、わからない。


同性婚もそうですが、LGBTQ+の個人、グループ、団体、商業施設、社会、文化、また、「プライド」、に対する差別と攻撃は、アメリカで昨今激しいです。

そんなことは、カナダでは考えられない。個人的には、人種差別と同じように、差別している人はいるはずだし、態度にも現れる人もいる。でも、カナダでは、少なくとも、「異なる者、物」に対して大変寛容です。


ムスカリ(Muscari armeniacum)の花
2023.04.19撮影

カナダがアメリカと異なる点5(妊娠中絶)

カナダでは、人工妊娠中絶は、合法であり、医療であるとみなされ、健康保険の適用を受けます。中絶するかどうかは、妊娠中の女性と、その女性のかかっている医師の間で決められることで、胎児の父親の意見は決定を覆すことはできません。


アメリカでは、2022年6月に、連邦最高裁が、妊娠中絶は州の法律に従う、という判決を出し、国のレベルで保護されていた妊娠中絶の権利が覆され、その後、各州が続々と中絶を違法としています。


上のリンク先の最初の地図が、アメリカの州ごとの中絶法の、2023年8月現在における状況です。(Wikipedia運営が、この記事には問題がある、としていますが、内容ではなく、色の使い方、テキストの使い方、についてですので、一応、内容は信用しておきます。)

この地図では、青〜緑が中絶が「許される」州です。中絶に不寛容な州は、主に南部の州(黒に塗られた州)です。

それなら、州外で中絶を受ければいい、となりますが、それは、中絶を必要としている女性たち全てができることではありません。ここでは、詳細には踏み込みませんが、機会があれば、記事にしてみたいと思います。


ゲラニウム・マクロリズム(Geranium macrorrhizum 'Bevan's Variety')のタネのサヤ
2023.07.05撮影

カナダがアメリカと異なる点6(度量衡)

カナダは、1975年に、イギリスを発祥の地とする「帝国単位」を廃止し、メートル法へ正式に移行しました。それ以降に学校へ入った子どもたちは、メートル法で考えられますが、高齢者はまだまだメートル法ではピンとこないようです。

また、身長と体重は、世代に関わらず、ほとんどの人が「帝国単位」の「フット、インチ」「ポンド」で表します。でも、医者に行ったら、「メートル、センチメートル」「キログラム」を使います。患者が「帝国単位」で申告すると、医院、病院側がメートル法に書き換えています。

アメリカは、基本、メートル法を使わず、「米国慣用単位」を用います。「米国慣用単位」は、「帝国単位」とは、似ていて、同じではない。単位の名称はほぼ同じ、でも、それらの単位が示すものが微妙に異なる。

隣の国カナダで「帝国単位」がまだまだ使われている一方、アメリカで「米国慣用単位」が幅広く使われている、というわかりにくい状況になっています。


ゲラニウム・マクロリズム(Geranium macrorrhizum 'Bevan's Variety')の花
2023.05.20撮影

現在のカナダもアメリカも、もともとは、アメリカ原住民が住んでいた土地を、西洋人が「発見」して、移住してきて、主には、イギリスの植民地として出発したのですが、現在に見られるように、歴史的に異なる道を歩いてくることになりました。そのような話題にも、植物や動物の話しの合間に、また触れたいと思います。


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カナダの医療制度

2023年09月06日 08時00分00秒 | カナダ
チャイブ(Allium schoenoprasum)の終わった花とタネ(黒いつぶつぶ)
2023.06.27撮影

(今日掲載の画像も、記事の内容に全く関係ありません。昨今成っているタネと、その前に咲いていた花をお見せします。)

カナダは、国民医療保険制度で、保険でカバーされない医療行為・医療サービス・薬剤もあるとは言え、基本的に医療費はタダです。

ここで「国民」と言いましたが、保険には、カナダ国籍の人とカナダの永住者(=カナダへの移民)は、公的医療保険に加入する義務があります。

学生や、一定の条件を満たしている人も、加入することができますが、どこまで恩恵があるのか、わたしはその身になったことがないので、知りません。

カナダは、アメリカのような自治権の強い州(State)の集まった連邦制ではありませんが、カナダの州(Province)もある程度の自治権があります。医療制度は州の管轄で、国から補助を受けます。その補助以上に必要な資源は、州自体が確保しなくてはなりません。

チャイブ(Allium schoenoprasum)の花
2023.05.20撮影

医療保険制度は州の経営するものなので、保険料も、受けられるサービスも、州によって異なります。

わたしの住むブリティッシュ・コロンビア州(BC州)では、2020年1月1日をもって、保険料が廃止されました。その前は、月にいくらだったかなあ・・・覚えていない。のんきですけど。

処方箋で薬剤を求める場合、患者は、薬剤師さんの手数料と薬剤の費用を支払います。何らかの病気や怪我で入院中には、その時の治療に必要な薬は、常日頃から飲んでいる薬も加え、タダで出してくれます。

また、多くの人が、州の保険の上に、私設の保険にも入っていて、薬剤費は、そちらから支払われます。よって、お薬を求めても、自費は数ドル、ということになります。

でも、経済的にゆとりのない人は、私設の保険に入れず、薬代が結果的に高くなり、そうすると、処方された薬をそもそも買わない、ということが起こります。すると、必要であるから処方された薬を飲まないで過ごすことになるのです。

この事情を解消するために、もう何年も、薬をタダにすることが議論されています。ただ、現在でも、低所得の人には、生活上の保護だけでなく、医療上の補助も出ます。

カナダでは、所得税は「高い」ですが、その代わりに、かなりの社会保障が約束されているわけです。

シューベルト・アリアム(Allium schubertiii)のまだ青いタネ
2022.08.11撮影(たまたま、今年のがないので、去年の画像です)

それで、わたしの今回の救急病院行きも、タダ(救急病院へ行く - カラスといちごとクロッカスと)。とにかく、何でも、病院へ行くと、タダです。

家庭医に会いに行っても、タダ。カナダでは、特定の家庭医を持つことが奨励されていて、そのような家庭医がいるからこそ、病院との提携ができるわけです。また、専門医は、家庭医の紹介なしでは、受診することができません。

健康保険証は、運転免許証を持っている人は、運転免許カードの裏に合体してもらうことができます。健康保険番号と運転免許番号(それに、納税者番号も)は、全く異なる番号です。合体がイヤな人は、保険証は、別のカードのままです。運転免許を持っていない人は、保険証のカードを持つことになります。

多くの人が、運転免許証も保険証も常に携行していて、写真付きの身分証明書として使えます。

なお、死亡時に献体したい人は、その旨が免許証に書かれています。

シューベルト・アリアム(Allium schubertiii)の花とツボミ
2022.06.18撮影(たまたま、今年のがないので、去年の画像です)

カナダの病院は、完全看護制度。通常は、4人部屋。2人部屋、1人部屋に入るには、料金が発生します。でも、入院の理由が何であれ、即、退院させられます。

わたしが股関節の置換手術を受けたときでも、受付を済ませてから退院するまで、36時間ぐらい(「時間」です、「日」ではなく)。たまたま担当外科医の朝一番の手術が当たり、次の日の夕方にはもう家に帰っていました。その代わり、家でどのように術後を過ごすか、は、手術前にセミナーなどで丁寧に指導されました。

腕を折って(注意散漫だからなあ)、金属のプレートを入れる手術したときも、その日のうちに家に帰った。

出産でも、その日のうちか、次の日ですよ〜〜、よっぽど問題があったときでない限りは。(別の話題ですが、カナダでは、出産前後には、男女とも休暇が取れます。職場によっては、有給です。また、無給の場合は、カナダ政府から補助が受けられます。)

わたしが一番長く入院したのは、肺炎をこじらせたときだ。あれが5日ぐらい??

なお、わたしは、股関節の置換手術を受けて、よみがえりました。子どものころから痛みがあって、日本で整形外科を、数度、受診しましたが、「問題ない」ということで何の治療も受けられず、大人になりました。

でも、痛みで歩けない、というところまで急激に悪化し、カナダで家庭医に相談したところ、外科医にすぐに紹介され、受診ができ、手術を受けることになりました。専門医は、普通は、何ヶ月も待たないといけないのですが、わたしの場合は痛みが激しかったので、救急に準じる、という扱いだったのでしょう。

診断は、年齢のせいでもない、過度な運動によるものでもない、怪我のせいでもない、よって、遺伝ではないのだがたまたまそのような形の骨で生まれてきたのだろう、とのことでした。ずう〜っと痛かったでしょう、と言ってくれて、ほっとしました。

ほんと、あの先生は、神様でした。


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BC州、非常事態宣言

2023年08月21日 08時00分00秒 | カナダ


これは、CBC(日本のNHKに当たる)のインターネット版ニュース(8月18日付)からです。

著作権のついている記事ですが、多くの人が危険にさらされている天災に関するニュースだということで、許可を取らずに転載(「天災」とゴロってるわけじゃない、たまたまそうなった)いたします。

現在、BC州に非常事態宣言が出ています。上の記事の中の英語の表現では、under state of emergency「非常事態下にある」がそれを示します。

山火事は(毎年のことながら)もう数ヶ月ずっと続いていたのですが、先週半ば、いよいよ、オカナガン地方の中心地、ケロウナ(Kelowna)に迫っていました。
ケロウナは、観光地として知られ、夏には、オカナガン湖とその湖畔で湖水浴やウォータースポーツが楽しまれます。また、ブドウが多く栽培されていて、ワイナリーが点在します。アイスワインも作られます。

上の画像では、高層ビルは画像中央に見えるだけで、基本的には、観光地、住宅地、農業地、の広がった街です。

この画像に写っているのは、川ではなく湖です。この湖の向こう側がウエスト・ケロウナ、こちら側がケロウナです。

以下の地図では、湖が細長い形であるのが見えます。そして、その左側(西側)がウエスト・ケロウナ、右側(東側)がケロウナです。地図中右下の地図は、BC州のどこにケロウナとウエスト・ケロウナが位置するか、示されています。

赤く塗られているのは、8月20日現在で、今後ここまで火事は広がるであろう、と推測される地域。



8月16日にはすでにウエスト・ケロウナ住民に避難命令が出ていました。そして、わたしは、オカナガン湖畔近くのケロウナ側に住む友だちに、大丈夫なのか聞いたのですが、「いや、対岸の火事だよ」なんて呑気なことを言っておりました。

ところが、火が西岸から東岸へ飛び火し、同日の夜のうちにケロウナ側にも避難命令が出て、わたしの友だち家族も避難しました。彼女たちは、たまたま、火の手の届かないところに親戚のうちがあるからよかったけど、他の人々はどうしているのか。

3万人がすでに避難しており、そのうちの数千人は、東隣の州のアルバータまで至っているとか、そして、そのうちの3千人は、さらにその東隣のマニトバまで至る模様、と報道されています。

また、早くに避難命令に従った人たちは、車で高速道路まで出られたが、出遅れた人たちは、湖をボートで逃げたとか。でも、両岸が燃えているんですよね? 

さらに、3万6千人に、避難勧告が出ており、それが、避難命令にいつ変わってもおかしくない状況。

現在、避難民を受け入れるように、と、メディアが要請を流しています。こういうの、カナダ人って、全体的に寛容で親切なのね。

海外からの難民でも、自宅に招き入れたりします。基本的には、地下室が独立して使える建て方になっている、というのも、他家族を受け入れるのがやりやすくなっている理由でしょうが。


上の地図は、8月19日現在のBC州山火事の状況です。異なる印の意味は:

・炎の形:危険地域
・赤:拡大中
・黄色:現条件下ではこれ以上拡大しないであろう
・黄緑:これ以上拡大しないであろう
・灰色:消火

この地図からわかるように、山火事は、オカナガン地方に限られているわけでもないのです。

また、500kmは離れているバンクーバーにも、煙がやってきます。そのせいで、昨日あたりから、空が妙に明るくどんよりとしています。「明るい」と「どんより」をいっしょに使うのはおかしいかもしれませんが、他になんと形容したらいいのか・・・空から地上までそんな空気が続いているのです。車を運転したら、辺りがピカピカします。

バンクーバーも雨は一滴も降らずカラカラで、植物も動物もホームレスの人々も苦しんでいるが、それはもう少し我慢しますので(家の中に住んでいる人間は我慢できるよな〜)、どうか、どうか、火事が荒れ狂っている地域に雨を降らせてくださいまし。


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シーモア山に冬がやってきた

2022年12月17日 08時00分00秒 | カナダ
2006.02.08撮影

この画像は、ちゃんと記録には取っていないのですが、多分、シーモア山(Mount Seymour)の、スキー場入り口の駐車場から、やや登った辺りで、北に見える山を撮影したものだと思います。この頂の見える山が、シーモア山の一部かどうかは、知りません。

シーモア山についてのご紹介は、コトバンクの説明と、バンクーバーの地元日系新聞である「バンクーバー新報」の記事に任せることにします。


マウントシーモア
バンクーバー新報

バンクーバーも、他の北米の都市と同じく、道が、大体、東西、南北、に走っています。と言っても、あるはずの道が途中で途切れていたり、時々斜めに走っている道があったり、特に住宅地では曲線の道もあります。そうすると迷うわけですが(こら、迷う常習犯は、だれだ)、その時バンクーバーで言われていること。

山を探しなさい、その山のある方角が北。これ、絶対間違いなし。

これ、ホントなんですよ。西方向は、上がり下がりはあっても、太平洋に向かってなだらかに上がっていって絶壁になるか、下りていって浜辺になるのみ。南方向は、南接しているリッチモンド市(Richmond)に向かって、ひたすらなだらかに下りていくのみ。東方向へは、大陸の内部に向かってなだらかに上がっていくのみ。山があるのは、北方向だけ。

そのバンクーバーの北方向にある山は、バンクーバー市とフィヨルドのバラード入り江(Burrard Inlet)を挟んで北側にある、ノースバンクーバー、ウエストバンクーバーに立つ山々。町に近い方の山は、夏はハイキング場、冬はスキー場として知られます。


バンクーバーでは、この北の山が雪化粧した、というのが、冬がこれからやってくる、という第一報になります。そして、雪の線がだんだん下りてくるのを見るわけです。(冒頭画像は、2月の撮影です。)

画像に写っている木は、種類が何かは、具体的にはわたしにはよくわかりませんが、モミ(Abies)やヒマラヤスギ(Cedrus)やツガ(Tsuga)が多く自生しています。

ツガ(Tsuga)は、日本語の「ツガ」が学名に使われているんですよね! 画像真ん中から左2本ほどが、ツガ(Tsuga)でも、特に、アメリカツガ(Tsuga heterophylla)だと思います。

ブリティッシュ・コロンビア州(BC州)に原産する木は、40種以上あるそうです。BC州は、そして、針葉樹から取る木材生産高では、北米第一位です。

BC’s tree species「BC州の木の種」

シーモア山では、冬場、スキー、スノーボード、スノーチュービング、の他に、スノーシューズ(カンジキ)を履いての雪上歩きも楽しむことができます。ガイドさんがついて、木について教えてくれるコースもあります。わたしも参加したことがあります。

スノーシューズって、歩きにくいんですよね。ガニ股で歩くんです。

以下のスノーシューズは、わたしの持っているのより物が良さそうだ・・・

パブリックドメイン

夏にシーモア山に行けば、野生のブルーベリーを見ることができます。わたしは、野生のクマさんのために置いておくべき野生のブルーベリーを摘んで、食べちゃって、恥ずかしいことをしてしまったことがあります。

そのことについては、以下の記事で書きました。クマさんたち、反省していますので、許してください。


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カナダのカエデ、カナダの国旗

2022年12月01日 07時00分00秒 | カナダ
2022.11.26撮影

この画像の葉は、わたしが自宅の庭から拾ってきた、カエデの園芸種 Pacific Sunset Maple「太平洋の日没のカエデ」の黄葉です。昨日、「カエデの葉の形(その2)」でご紹介したカエデです。

カナダでは、カエデの葉が各分野で象徴になっているのですが、カナダで人々が「カナダのカエデの葉の形」と言って思い浮かべる形は、ほぼ、この上のような形です。

世界には100種以上のカエデがあります。そのうちの10種がカナダ原産(「カナダ *だけ* に産する」という意味ではなく)です。

Canada’s Arboreal Emblems(英文+画像)

カナダには、10の州と3つの準州がありますが、そのうち、ユーコン準州とヌナブット準州以外のすべての州と準州に、これらのカナダ原産のカエデが産します。


著作権のついていないカナダの行政区分地図の画像
英語版Wikipediaの記事 Provinces and territories of Canada から

原典は、以下のURL。


カナダのカエデ、と言えば、メープルシロップでしょうか。(と、ここで、わたしはパンケーキを思い浮かべ、思わず舌なめずり)。

メープルシロップは、サトウカエデ(Acer Saccharum)などから取ります。カナダのアメリカに近い東南部と、アメリカのかなり南部までの東北部で収穫、生産されます。カナダの収穫量の方が多く、その90%はケベック州からです。

学名:Acer Saccharum
英名:Sugar maple「砂糖のカエデ」
和名:サトウカエデ(砂糖楓)
ムクロジ科(Sapindaceae)カエデ属(Acer)

Maple syrup(英文+画像)

サトウカエデの学名 Acer Saccharum の saccharum は、人工甘味料の「サッカリン saccharine」と同根の言葉です。つまりは、「甘い」。

【2022年版】サッカリン メーカー6社一覧

サトウカエデの葉の形は、以下のWikipediaの記事の画像でお確かめください。冒頭に掲載しました葉の形とよく似ています。

Acer saccharum(英文+画像)


次は、カナダの国旗をご覧ください。

この、真ん中に赤いカエデの葉が意匠化されたカナダの国旗は、お馴染みの方も多いと思います。(日本の国旗と同じように、白地に赤で美しいですね。)

そして、この国旗のカエデの葉は、サトウカエデの葉がモデルだ、と一般に思われがちなのですが・・・実は、そうではありません。


著作権のついていないカナダ国旗の画像
英語版Wikipediaの記事 Flag of Canada から

原典は、以下のURL。


この赤いカエデの形を叙述するとしたら、
・葉が5裂する
・左右の1裂目と5裂目が小さい
・2裂目と3裂目と4裂目が大きい
・大きい2裂目と3裂目と4裂目には、それぞれ左右に突起が出る

そして、サトウカエデの葉の形も、そのように叙述することができます。

が、国旗のカエデのデザインには、サトウカエデの葉のみがデザインの元になっているのではなく、次の2点が考慮されているそうです。

カナダの10種のカエデのどれひとつを取り上げているのではなく、一般的な形にすること。

その上で、旗が風の中ではためいても、中央のカエデの形がなるべく整った形で見えるようにすること。そして、それは、実験を重ねた結果に至ったデザインなのだそうです。

Flag of Canada(英文+画像)

最後に、カナダの国旗のデザインの詳しい数値をどうぞ。日本の国旗(縦2に対して横3)に比べ、カナダの国旗(縦1に対し横2)は横長であることになります。


著作権のついていないカナダ国旗のデザインの数値の画像
英語版Wikipediaの記事 Flag of Canada から

原典は、以下のURL。

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バンクーバーの散水制限

2022年10月22日 06時27分56秒 | カナダ
2022.09.10撮影

ああ、今朝(バンクーバー時間の金曜日の朝)、やっと雨が少し降りました。何日降らなかったことか。でも、しとしと、ぐらい。昼にはもういいお天気。植物にかかった雨水が乾くのを待って、夕方には庭仕事ができそうです。

上の画像は、お隣さんの芝生です。6週間ほど前のです。

手前の草は、オオバコ(Plantago asiatica)です。お隣さん、長期休暇に出たまま、芝生を放ったらかし。オオバコは、キンポウゲ(Ranunculus repens)と並び、これも、芝生好きの人には目の敵にされる雑草です。丈夫で、どんどん増えます。これ、常緑なので、グランドカバーにもってこい、とわたしなんかは思うんですけどね。

ハイキンポウゲ、ハイ?

この画像の木々の立っているところから向こうが、わたしのうちです。正確には、バンクーバー市の土地で、隣接(この画像では、左手奥)の土地の所有者が管理を委託されている土地です。画像の芝生の部分は、お隣さんが委託されている土地です。この、市の土地の委託については、またいつか書きます。

芝生の上に落ちている木の葉は、うちの木の葉か、あるいは、街路樹の葉です。このお宅は、木を全く植えていないので、ご本人たちの木の葉ではありません。宅地に木を植えないのは、市の条例に違反なのですが、このことについても、いつか書きます。

わたしのうちの反対側のお隣さんは、うちよりも木が多く、大きく、また、お庭をきれいに作っています。この人ですよ、キレンゲショウマを一抱えも育てている人は。

キレンゲショウマが・・・⑵

2022.10.21撮影

上の画像が、今日(寒くて震えながら)撮ったばかりの写真です。6週間前よりも、さらに芝生がカラカラで、茶色くなっています。

紅葉が始まっていますね〜〜。ナナカマド(Sorbus)だと思うのですが、まだ同定できていません。鳥さんが残していったものです。その左手に、大きな木が立っているのですが、これも鳥さんのプレゼントです。モミ(Abies)の1種だと思います。

ほぼ中央に何本も突っ立っている太くない幹は、これは、レンギョウ(Forsythia)のものです。画像の向きで言うと、手前に枝が突き出るのをお隣に嫌われるので、このように片面だけ伐採しています。見苦しいけど。

画像右上に、コデマリ(Spiraea cantoniensis)が歩道に向かって垂れているんですが、これは今日切り込みます。市に摘発されると、まず、警告。警告に従わないと、罰金ものです。前に一度警告された。下の画像は、そのユキヤナギの今朝の雨に濡れたところ。

2022.10.21撮影

バンクーバー市、および、近郊の市では、夏に散水制限があるのが普通です。そして、その制限が、毎年、厳しくなってきています。今年の制限は、こんな感じでした。これは、第1制限。

2022年のバンクーバー市の散水制限(5月1〜10月15日)

【住宅地の芝生】
散水機(スプリンクラーなど)を使用:午前5時〜午前7時
手で散水:午前6時〜午前9時
・住所が偶数の家:土曜日
・住所が奇数の家:日曜日

【木、花(芝生以外の庭、鉢植え)】
手で、あるいは、ドリップ式ホースで:時間制限なし、曜日制限なし
スプリンクラーで:午前5時〜午前9時、曜日制限なし

【野菜】
全く制限なし

第1制限の後、第2制限、第3制限、そして、緊急事態制限4と続くのですが、第2制限になったことは記憶にあるような、ないような・・・第2制限から、芝生の水やりは全く禁止されます。

さあて、散水制限の10月15日を過ぎて、自由に水やりするぞ〜〜、と思いきや、なんと、制限が月末まで伸ばされた。これ、わたしは、どのようにして知った? ブログ記事を書くために情報を集めようと、5日ほど前に、たまたま市のサイトへ行ったからです。そうしていなかったら、知らずに? 市は、一体、どのようにして広報活動をしているのか。

今日雨が降った、そして、今後1週間は雨の天気予報が出ている、と言っても、降雨量は十分でなく、この散水制限は、まだ解除されていません。

2022.09.10撮影

うちは、芝生がありません。家を購入すると、戸建ての場合、芝生が前庭と裏庭に必ず植わっています。その芝生を、うちでは、何年もかけて、コツコツ取り除きました。取り除いたところに他の植物を植えていったのです。

そして、いわゆる「花」や木を植えないところには、グランドカバーを植えていきました。例えば、上の画像のようなセイヨウジュウニヒトエ(Ranunculus repens)。うふっ、手前にオオバコの葉が見えますわん。抜かなくては、よそ様に見つかると、にらまれます〜〜。

グランドカバーに使う植物でも、きれいな花を咲かせるものはたくさんあります。このせイヨウジュウニヒトエなんかもそうです。この画像の時期には、花がありませんが。

お隣に限らず、芝生は、下の画像のように、こんな状態が年に最低4ヶ月ぐらい続きます。こんな状態で、それでも、芝生を維持したいんでしょうか。芝生がきれいな冬は、バンクーバーじゃ外で遊べるほど暖かくないのよ。それなら、夏場に上の画像のように庭が青々している方が、わたしは、いいと思う。人ぞれぞれですね、考え方は。

2022.09.10撮影

芝生の上に落っこちているカエデのような形の葉っぱは、うちのモミジバフウ(Liquidambar styraciflua)。お隣さん、ごめんなさい、あなたが木の葉っぱが嫌いなの、知っているのよ。後で拾いに行きます。数日前に始めた境の木々の剪定、もうすぐ終わりますからね。

モミジバフウでいい感じの、カラスのご夫婦

今日の締めくくりとして、季節の推移を感じさせる画像を1枚どうぞ。これは、サザンカ(Camellia sasanqua)のつぼみです。画像には、ツボミが3つ写っています。

画像左手上は、ヤマブキ(Kerria japonica)の葉です。

2022.10.21撮影

明日からしばらくグランドカバーに使われる植物について書いてみます。

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