カラスといちごとクロッカスと

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咲かなかった、ヴェロニカ、ルピナス

2023年09月18日 08時00分00秒 | オオバコ科
2022.08.04撮影

今日も、今年咲かなかった花、をつづけます。

これは、去年の春に植えて、その夏に咲いたヴェロニカ・スピカータです。ずっと欲しかった花です。

今年は、わたしが留守がちで、庭はジャングル状態、このヴェロニカが出てきたのかどうかさえ、確認できずにいます。花は、見かけなかった。

学名 Veronica spicata ‘Red Fox’
英名 Spiked speedwell(釘型のクワガタソウ)
和名 ルリトラノオ(の1種)「レッド・フォックス(赤茶のきつね)」
オオバコ科(Plantaginaceae)クワガタソウ属(Veronica
原産地(以下の地図の緑の部分)


ヴェロニカ・スピカータは、名前(spicata)のごとく「スパイク状」に花茎が上に向かって伸びるものなのですが、わたしの庭のこの個体は、花軸を横に出しました、そばに植わっているジョウ・パイ草(Eutrochium fistulosum)の陰から太陽を求めて。


この辺りは、植物が密集して植わっている(もっと正確には、「植えてある」)ところで、それは、庭を作るわたしとして、欲張りなだけです。植物には良くないのだろうけれど・・・ごめんね。

冒頭画像の中、左手上に見えている黄色い花は、先週の記事の中でちょっと触れたキダチマツヨイグサ(Oenothera fruticosa)です。

ヴェロニカ・スピカータは、花のひとつひとつを見れば、特に、かわいいですね。星型の5枚の花びら、そして、花びらから飛び出したオシベ、、、

2022.08.07撮影

こ画像でも、オシベがツンツンと飛び出しているのが見えます。

そして、地上にこんもりと広がっているのは、グランドカバーのブルースター・クリーパー(Lobelia pedunculata)です。植物と植物の間の裸の土地を覆ってくれて、庭にはありがたい存在です。これも、星型のかわいい花。それに、グランドカバーとして、ちょっとくらい踏んでも大丈夫。


そのブルースター・クリーパーの右側にナデシコ(Dianthus)の葉が見えているんですが、その間にほそ〜〜〜い土の帯がありますね。これが、実は、庭の中の通り道です。毎年、このような通り道を維持しているんですが、そのためには、それなりに努力が必要。

今年はその努力を怠ったので、この超小道は草花の下に消えてしまった。わ〜〜〜ん、それで、庭を歩くには、草花、特に、この辺りは、ナデシコの上を踏むしかありません、花がいくら咲いていても。

ヴェロニカ・スピカータの、上に向いてちゃんと咲いた姿は、次のようなものです。どうか、クリックなさって、大きな画像でご覧ください。


2022.07.17撮影

この画像の花も咲きませんでした。ルピナス属の1種です。

ルピナス属の花は、本来の和名は、ノボリフジ(昇藤)です。フジのような花(=マメ科独特の形の花:これを「蝶形花」という)が下から上へ登っていくように咲くので。でも、昨今は、日本では、学名 Lupinus「ルピヌス」の英語読みをカタカナにした「ルピナス」と呼ばれることが多いようです。


学名 Lupinus polyphyllus
英名 Bigleaf lupine(大葉ルピナス)
和名 ラッセルルピナス
別名 宿根ルピナス
マメ科(Fabales)ルピナス属(Lupinus
原産地(以下の地図の緑の部分)


2022.07.05撮影

この「大葉ルピナス」は、バンクーバー近郊の山へ行けば、よっぽど標高が高くない限り、どこにでも生えています。夏に「野遊び」すれば見かける、風物詩です、植物が好きな人にとっては、ですけど。

1枚目の画像では、まだツボミでしたけど、この2枚目の画像では、花がそろそろ終わりかけています。ひとつの花が、花びらにより2色に咲き分けます。「旗弁」と呼ばれる上の花びらが赤紫色、他の花びらがちょっと薄いすみれ色です。この2色の具合は、次のリンク先でお確かめください。

このサイトは、ブリティッシュ・コロンビア州の「外来植物対策」審議会の物で、繁殖力の大きすぎる植物の代わりにこれらの植物を植えよう、といろいろ紹介しています。このルピナスは、庭へ導入することを奨励されている植物のひとつです。


わたしは、このルピナスが、ほっそりしていて野生味があるところが好きです。まだ根が生きていて、来年咲いてくれるといいんですが、日本との行き来がこれからも続くので、どこまで植物の世話ができるか・・・

上の画像中、左手奥に見えているのは、シューベルト・アリアム(Allium schubertii)のタネ(のサヤ)です。まだ青いタネは、次の記事に掲載いたしました。




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わたしのお庭、4月前半、薄紫〜濃紫

2023年04月22日 08時00分00秒 | オオバコ科
2023.04.14撮影

「わたしのお庭、4月前半」の4回目です。今日は、薄紫から濃紫の花をおおくりします。

冒頭の画像は、日本でもよく生えている「雑草」のツタバウンラン(Cymbalaria mulalis)。バンクーバーの気候では、まだまだ咲き方はこの程度。これは、2輪そろっているのがかわいいと思って、撮影しました。生えているのは、うちの家の土台部分です。他のところにもたくさん生えています。というか、むしろ、移植しているぐらい。

和名 ツタバウンラン(蔦葉海蘭)
オオバコ科(Plantaginaceae)ツタバウンラン属(Cymbalaria
学名 Cymbalaria muralis
英名 Ivy-leaved toadflax

2023.03.27撮影(帰省先で)

一方、これは、3月に帰省していた時、両親の家の庭で撮影したものです。バンクーバーよりも随分季節が進んでいることがわかります。

ツタバウンラン、花もかわいいですが、葉っぱもかわいいですね。

画像には写っていませんが、ツタバウンランには距(きょ)がついています。花の後ろ側に突き出た、筒状の角(つの)のように見えるものです。その中に、蜜を出す蜜線があります。

2023.04.10撮影

これは、スミレ(Viola)ですが、スミレにもツタバウンランのようにがついています。

画像には、花が3つ写っています。右側のが正面向き、左側のふたつが横向きで、この横向きのでを見ることができます。左側のふたつのうち、向こう側のは開いた花、こちら側のはほころびかけたツボミです。ほころびかけたのは、開いている花の後ろに頭をやや隠しています。

このスミレでは、が花の色より濃くて、よく目立ちます。

うちのスミレ類では、この花が一番先に咲きます。スミレと言っても、どの種かわかりません。そのうちもっと勉強しておきます。

種名 同定できず
スミレ科(Violaceae)スミレ属(Viola
学名 Viola
英名 Violet

2023.03.16撮影(帰省先で)

3月の帰省中には、実家の庭に、すみれ色のスミレがいくつもの鉢植えにあふれるように咲いていました。これもどの種か同定する勇気はありませんが、多分、スミレ(Viola mandshurica)では? と思います。

註:日本語では、「スミレ」と言うと、広義でスミレ属(Viola)、狭義でマンジュリカ(Viola mandshurica)のことを指します。さらには、属より上の科も、スミレ科(Violaceae)と呼ばれます。

この美しい色のスミレのタネを持ち帰りたいのは山々だったんですが、それは違法ですから、できないんです。

2023.04.05撮影

バンクーバーに帰ってくると、こんなビオラがわたしを待っていてくれました。去年の夏にお友だちがビオラの苗を何種類もくれたのですが、越冬したのはそのうちの2つか3つだけ。そのひとつが、このビオラです。ビオラと言うか、サンシキスミレ(Viola tricolor)と呼んだ方が、通りがいいですか?

和名 サンシキスミレ(三色菫)
スミレ科(Violaceae)スミレ属(Viola
学名 Viola tricolor
英名 Johnny Jump up

2023.03.24撮影(帰省先で)

両親の3月の庭では、サンシキスミレは、何種類もが花盛り。この上の画像の色合いのは、そのうちのひとつ。「色合い」と言うのが、文字通りの意味に使えます。

2023.04.10撮影

紫色の花のしめくくりとして、キジカクシ科(Asparagaceae)ムスカリ属(Muscari)のうちでも、Muscari latifolium「幅広の葉のムスカリ」から、2種。

Muscari latifolium「幅広の葉のムスカリ」は、一般的には、2段に花の色が分かれます。下が濃い紫で、上が薄い紫です(上の画像)。

下の画像は、夜8時(夏時間の8時、標準時間の7時)近くに写した写真なので、色調が異なって見えます。


2023.04.12撮影

なぜか、「幅広の葉のムスカリ」は、花茎がぐんと伸びるのです。それで、よくある Muscari armeniacum「アルメニアのムスカリ」(画像中の他のムスカリ)の花を見下ろすほどになります。



2023.04.07撮影

上の ‘Grape Ice’「グレープ・アイス」という園芸種では、咲き始めには色が3段、頭が白色です。この園芸種の個体はわたしの庭には去年の秋に植えたばかりなので、これからどのように変化していくか観察中。最終的には、色が2段になるようです。

明日は、「わたしのお庭、4月前半」の最終回で、黄色〜赤、をお届けします。

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温暖化で、身バレの植物 ⑴

2022年08月26日 07時19分38秒 | オオバコ科
2013.06.12撮影

この花は、何でしょう。接写しているのでわかりにくいかもしれませんが、これは、キンギョソウ(Antirrhinum majus)です。漢字で「金魚草」、その名のとおり、金魚のような花を咲かせます。次の画像なら、もっと金魚に見えますか。

2013.06.12撮影

英名は、Snapdragon で、和名が花を金魚の全形にたとえたのに対し、英語では、「竜(dragon)」が「パクリとかみつく(snap)」という、竜の頭、あるいは、口だけの形状にたとえてあります。この花は、花の脇を指でつまむと、花弁が「パク」っと開きます。それが、英名の由来です。

このキンギョソウ、わたしは長年だまされていました。

キンギョソウを庭で作ると、時々、冬場でも枯れてしまわないし、翌年も咲くし、でも、なくなってしまうこともある・・・。また植えると、数年続けて花を咲かせたり・・・。一年草のはずが、これはどうした。植物屋さんのラベルには、はっきりと「一年草」と書いてある。

不思議で仕方がなかったのですが、あまりにも楽々と越冬してしまうし、根本が木化して立派になるし、これは、わたしの花づくりの技術が相当なものであるか、あるいは、本当のところは多年草であるか、に違いない、と思いました。調べてみると、わたしの技術は関係なくて、実際に多年草でした。

わたしの住むカナダのバンクーバー(ブリティッシュ・コロンビア州のほぼ南端)は、北緯49度程度で、緯度の高さの割には暖かいところです。沿岸を暖流のアラスカ海流が流れ、冬でも雪が降ることはそう度々はありません。度々はない、とは言っても、降ることはあるんです。

アラスカ海流

北海道の最北で北緯45度であることを考えれば、バンクーバーは暖かいと思います。北海道の太平洋沿岸は、寒流の親潮(千島海流)が流れます。北海道もブリティッシュ・コロンビア州も、海流の大きな影響を受けるのでしょう。

親潮

わたし、前に、植物屋さんで、キンギョソウを前に、これ一年草じゃないよね、多年草だよね、うち、毎年咲いているよ、と言うと、はあ? だれがこれを多年草として育てるんだよ、ガーデニング、知らないな? 毎年新しいのを植えればいいんだよ、みたいなことを言われた覚えがあります。まあ、そりゃあ、植物屋さんとしては、毎年苗を買ってくれた方がお得なのだろうけど。

バンクーバーのような「比較的寒冷なところ」では、多年草が一年草として売られていることは、普通にあることです。ひと夏楽しんで、来年はやり直しね、と言うことです。「一年草」で夏を飾る、季節限定ガーデナーの人もたくさんいます。

と・こ・ろ・が、、、、、これが通らなくなった。温暖化で、一年草呼ばわりされてきた多年草が、身バレを始めた。ほぼ確実に越冬していく。他にもあるんですよ、そういう植物は。

うちのキンギョソウは、ほぼ野草化して多くあったのが、数年前の「大雪」で消えちゃったので、来年また作ってみよう。

ところで、キンギョソウがオオバコ科(Plantaginaceae)だとは、つゆだに知りませんでした。ついでに言うと、その上がシソ目(Lamiales)だそうです。

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