カラスといちごとクロッカスと

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ミツバタネツケバナ(グランドカバー)

2022年10月29日 09時01分22秒 | アブラナ科
2022.03.29撮影

今日と明日は、あまり広くは知られていないのではないか、とわたしが勝手に思っている植物をご紹介します。

今日の植物は、グランドカバーの種類をもっと増やそうと思って、植物屋さんで物色していた時、見つけたものです。うちの北側の庭が、陰になりつつあった時で、陰に強い、というので、求めました。

名前は、ラベルが付いていなかったので、わかりませんでしたが、まあ、アブラナ科だろう、食料にするクレソン(オランダガラシ Nasturtium officinale)みたいなもんだろう、と思っていました。

2022.03.24撮影

買おうとしているときには、次の特徴が気に入りました。
・花軸が赤っぽい
・花軸がスッと伸びている(15〜20センチくらい)
・花(1.5センチくらい)が花軸の上でいくつも咲いている
・花びら(4枚)がややひらひらしている
・葉は地上に低いところに留まる
・葉が濃い緑である
・葉の三つ葉が花軸と対照的でかわいい

花の拡大したのと、葉の拡大したのをご覧ください。花からオシベがのぞいています。葉は厚めで平べったくありません。

2022.03.29撮影

2022.03.24撮影

育て出してから気に入ったことは、
・春の球根の花とほぼ同時期に咲く
・花期が長い
・花が終わった後のタネの姿も魅力的
・常緑である

わたしは、冬の間、マルチや落ち葉を庭に敷いておくのですが、春になると少しずつ取りのぞきます。以下の画像では、まだ落ち葉を取りのぞいていない時期に、すでにこのカラシみたいな花が咲いているところです。

2021.03.30撮影

画像にいっしょに写っている青紫の花は、日本では、「チノドクサ」とか「シラー」と呼ばれているみたいですが、わたしは日本に住んでいないので知りません。

学名 Scilla forbesii
別学名 Chinodoxa forbesii
和名 学名をカタカナにしたものしかないもよう
英名 Glory-of-the-snow
キジカクシ科(Asparagaceae)スキラ属(Scilla)

このスキラ(シラー)属の花は、春一番に咲くスノードロップ(Galanthus nivalis)の後に、他の紫の花に先立って咲きます。この「スキラ・フォルベシイ」は、放っておいても、いくらでも増えてくれます。庭中、あちこちに出てきます。

2022.03.24撮影

とにかく、名前がわからない。隣のおばさんは、植物について詳しいんです。それで、聞いたんですが、おばさんもわからない。

おばさんもこの花を気に入って、増えたらおすそ分けをすることを約束させられましたが、これは困った。この植物、増えるのが極端に遅いんです。

名前のわからない状態が何年も続いた挙句、ついに、次のサイトを見つけて、検索しました。

このサイトは、前にもご紹介しましたが、そして、日本語のサイトも別にあるのだろうとは思いますが、もう一度紹介しておきます。画像をドロップボックスに入れるだけ。結果は学名と英語で出てきますから、学名を手がかりに和名を探せばいいです。

Pl@ntNet

2022.03.24撮影

学名 Cardamine trifolia
和名 ないもよう「ミツバタネツケバナ」
英名 Three-leaved bittercress「ミツバニガガラシ」(bitter「苦い」)
アブラナ科(Brassicaceae)タネツケバナ属(Cardamine)

この花は、日陰の庭のあるナマケモノのわたしにはうってつけ。光が当たらなくていい、どんな土でもいい、霜に強い、寒さに強い、暑さに強い、水もあまり要らない、常緑、魅力的な花、ミツバチさんたちにミツを提供する、苦い(bittercress)のでシカやウサギの食害なし。

今日の記事の一部は、次のリンク先などの情報を参照しました。

Cardamine trifolia
https://www.countryfarmperennials.com.au/product/cardamine-trifolia-three-leaved-bittercress/

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温暖化で、身バレの植物 ⑶

2022年08月29日 13時12分01秒 | アブラナ科
2022.05.06撮影

一年草として通用していたけれども、温暖化で多年草であることが身バレした植物を、すでに以下の記事でご紹介しました。キンギョソウ(金魚草 Antirrhinum majus)とキンセンカ(金盞花 Calendula officinalis)です。



「温暖化で、身バレの植物」第三弾の今日は、冒頭の画像でお見せした「菜の花」の咲く、ある植物です。この植物は、主には葉っぱが食物にされますが、さらに、花の部分がツボミの時には、それも食べられます。つまりは、アブラナ科(Brassicaceae)アブラナ属(Brassica)の植物(もう少しで、「食物」と書くところだった)です。

以下の画像で、わずかに小さい、成長していない葉が見えます。この葉の色と、表面の様子と、葉の形から、これがアブラナ属の何かお分かりになりますか。日本では、流通していても、大量にはなされていないかもしれません。

2021.04.27撮影

これは、ケール(Brassica oleracea)です。ケールのうちでも、学名で Brassica oleracea var. palmifolia あるいは Brassica oleracea 'Lacinato' と呼ばれるものです。

日本語では、トスカーナ・ケール、あるいは、イタリア語の名前に基づいて、カーボロ・ネロ、とも呼ばれるようです。トスカーナ・ケールというのは、イタリアのトスカーナ地方で何世紀も育てられ、食されていることから、「トスカーナのケール」、カーボロ・ネロというのは、その葉の黒っぽい緑の様子から「黒いケール」。

英語では、Lacinato kale と呼ばれますが、この Lacinato はイタリア語かラテン語で、そして、英語の laciniate に当たるものだと思います。意味は、「縁がひらひらの」。葉の形状を表したものです。
ケールは、一年草、二年草、多年草の各種があり、トスカーナ・ケールは、二年草とされるのが一般的です。でも、わたしの経験でも、わたしの野菜作りの仲間の経験でも、2年どころじゃない。3年、4年、5年、と生きています。

うちの今回のトスカーナ・ケールは、冒頭の画像にある菜の花の状態の時に、まあ、いいか、今年はこのままタネになってもらおう、と思って放置してあったんですが、やはりタネになりました。でも、茎の下の方は木化して、まだしっかりしています。去年までは、花を摘み取っては食べていたので、タネを生産して生命サイクルを終える、ということをしなかったんでしょうが、今年は、タネを生産した上に、親株も生き残るつもりなのか? と今から観察するところです。

ただ、年数の経ったものは、葉の生産性が低いです。ですから、収穫という点からすると、二年草として扱うのが妥当なのでしょう。菜の花を収穫したり鑑賞したりするなら、このケールを何年か続けて育ててもいいと思います。それと、「うちのケール、5年目よ」なんて自慢しましょ。

トスカーナ・ケールは、葉の軸が硬くて食べられません。わたしは、もったいないと思ったので、なんとか工夫して食べようとしましたが、ムリでした。料理の準備には、片方の手で軸の根元の方をはさみ、もう一方の手で軸の両脇の葉を重ねて一度にむしり取るようにします。美味しい、滋養豊かに感じられるケールです。
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