カラスといちごとクロッカスと

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黄緑のジンチョウゲ

2024年05月03日 08時00分00秒 | ジンチョウゲ科

2024.02.06撮影

外国に長く住んでいるわたしは、日本の植物が恋しくなることがあります。ただ、植物は生きているモノなので、ほしいからと言って、土地に合わないものをムリ強いして引っ張ってくることはできません。でも、そういう誘拐行為をしたことはあります。

わたしは、例えば、ジンチョウゲ(Daphne odora)やクチナシ(Gardenia jasminoides)やサンショウ(Zanthoxylum piperitum)がほしいんです。あらら、みんないい匂いのするものばかりね。

・サンショウは、手配したのだが、結局手に入らなかったので、失敗したことはない😁 
・ジンチョウゲは、一度植えて、申し訳程度に花が咲いて、翌年枯れ木になっていた😝 
・クチナシは、誘拐はいけない、とお行儀よくしていたところ、
耐寒性のある園芸種が作出されました!! という謳い文句につられて、手に入れ、
一夏きれいに咲いて、おお、この調子で行くと、と思ったが、一年で終わりだった😳 


2023.03.28撮影

これらの植物(ジンチョウゲ、クチナシ、サンショウ、など)は、「バンクーバーでなんとか育つ」と言う人もいれば、「ん〜〜〜、ちょっと危ない」と言う人もいます。要するに、これらの植物にとっては、バンクーバーは、生育条件がギリギリのところなんです。

そこで、気候変動が話題に上ることになります。気温が上がることにより育てられるようになる植物がたくさんあるので、温暖化現象は「悪いことばかりではない」と言う人もいます。そうだろうか・・・代わりに維持できなくなる球根類は多い、と思うんですが。


2024.02.06撮影

わたしのほしかったジンチョウゲDaphne odoraは、一春咲いただけでいなくなってしまいました。でも、わたしの庭には、ジンチョウゲが何株もあります。それは、日本のジンチョウゲのようなアズキ色(あるいは、白)の花ではなく、黄緑色の花です。今日の画像は、みんなこの黄緑色のジンチョウゲです。

日本では、このジンチョウゲはローレルジンチョウゲと呼ばれるようです。「ローレル」とは、「ゲッケイジュ(月桂樹)」です。実際、ローレルジンチョウゲは、ゲッケイジュにやや似ています。


2006.03.27撮影

学名 Daphne laureola「ゲッケイジュのジンチョウゲ」
英名 Spurge-laurel
和名 ローレルジンチョウゲ(ローレル沈丁花)
ジンチョウゲ科(Thymelaeaceaeジンチョウゲ属(Daphne

このジンチョウゲは、わたしが植えたのではありません。鳥さんたちがバラまいていってくれたものです。庭のあちこちから芽が出てきます。

ローレルジンチョウゲの花の咲き方の特徴は、枝の先、頭、に咲くのではなく、「一重についた葉」の下に咲くことです。日本によくあるジンチョウゲは、枝の先にこんもりと咲きます。

2024.01.31撮影

上の今年1月末の画像では、雨がローレルジンチョウゲの葉にかかっており、この日も雨だったんです。バンクーバーは、しょっちゅう雨。画像の不鮮明さは、雨のせいにしておいてください。

背景のミヤマシキミ(Skimmia japonica)は、まだツボミです。画像中心のローレルジンチョウゲは、左側がまだツボミで、そのツボミの先端が、親指と人差し指でつまんだように平たいです。右側は、花が開きかけています。

このボヤけた画像を無理に拡大して、花の部分をお見せすると、次のようになります。左側のツボミの先端の様子が、この画像で判別できますでしょうか。あはは、雨も拡大されちゃった。

2024.01.31撮影(拡大画像)

ローレルジンチョウゲの原産地は、
⚪︎ ヨーロッパのほぼ全土
⚪︎ アフリカのアルジェリア、および、モロッコ
です。

しかし、
・オーストラリア、および、ニュージーランド
・アメリカのワシントン州、および、
国境を北へ越えて、わたしの住むカナダのブリティッシュ・コロンビア州
などで、侵略的・浸潤的外来種となっています。


ほんと、庭中、いっぱい出てくるんですよ。そして、10cm以上ぐらいになると、手で引っ張っても抜けない。掘り返すしかない。タネでも増えるし、また、根からひこばえも出る。日向でも日陰でも平気。生命力が半端ではありません。

2024.02.03撮影

ローレルジンチョウゲは、常緑です。これは、バンクーバーの庭では、大変ありがたいです。

花が終わりかけると、次のようになります。オレンジ色っぽい黄色であったオシベが、白っぽく色を失ってきます。きれいな黄緑色であった花の色が、茶色っぽい黄緑色に変わります。そして、花の下部の子房の部分が、黄緑色に丸くふくらんできます。(画面全体がオレンジ色っぽいのは、夕陽を浴びているからです。)


2023.04.30撮影

次の画像に、緑色にぷっくりふくらんだ実が見えます。この果実が熟れると、真っ黒になります(黒く熟れた果実の画像がなく、申し訳ございません)。この果実は、人間には毒ですが、鳥には毒ではなく、鳥がそれを食べて、タネを拡散して *くれ* ます。


2024.04.06撮影

もっと花が若かった時の画像(次の画像)もご覧ください。オシベはオレンジ色がかった黄色です。ここまで花数が多くつくと、パイナップルを想像してしまいます。

でも、ローレルジンチョウゲは、果実だけでなく、全草が人間にとって毒。日本に多く見られるジンチョウゲ(Daphne odora)も、全草、毒。いい匂い、とジンチョウゲに顔を近づけて、お肌をかぶれさせませんように。

ローレルジンチョウゲは、個体により、強く芳香のものと、まったく匂いのないものとがあります。うちにあるのは、匂わない。

2014.03.24撮影

いかがでしょう、この黄緑のジンチョウゲ。わたしは、きれいだと思うし、好きです。それでも、あんまりたくさん庭に出てくるので、いつも戦っています。植え替えが、なぜか上手く行かないので、出てきて欲しいところに上手く出てきてくれることを祈るばかりです。

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