カラスといちごとクロッカスと

身の回りの鳥や小動物、庭の花や畑の野菜など、日々日々、季節季節の情報を、
個人の目をとおしてお届けします。

怪我してわかったこと(+雑草)

2023年09月29日 08時00分00秒 | わたし

ジャコウアオイの近縁種Malva alcea
2023.08.11撮影

今日の画像は、記事の内容には関係がありません。わたしが怪我をする10日ほど前に撮った8月の庭の雑草をお送りします。2番目の「セイヨウフジバカマ」以外は、自然発生しました。

8月20日に怪我をして(また、落っこちた - カラスといちごとクロッカスと)から、今日で40日が過ぎました。長い長い時間をかけて、やっと、かかとにも少し体重を移動させながら歩くことができるようになりました。

「また、落っこちた」にコメントをつけてくださった方がいて、その方が、
> 1メートルは、一命取る
つまり、「いちメートルは、いちめーとる」という戒めを教えてくださいました。

本当にそうだと思います。わたしは、怪我で済みましたけど。

低いところだと、つい、気を緩めますね。それと、低いところから落ちると、落下距離が短く、体勢を立て直すだけの時間がない。

実際、わたしは、落っこちつつある時、うわ〜〜、これは体勢を変える時間ないわ〜〜〜 と思いながら、落ちていきました。脳内神経細胞はそういう情報を素早く処理して判断できるのに、体は重力に引っ張られるのみ。


セイヨウフジバカマと呼んでいい?(Eutrochium fistulosum
マルハナバチ(Bombus)でしょうか?
2023.08.11撮影

実は、もうひとつ、考えました。徒然草の「心して降りよ」(徒然草第109段)です。木を切っている人が軒ぐらいの高さに降りてきてから、「気をつけて降りなさいね」と言った木登りの名人のことです。

こんなことを落っこちながら考えるんですから、頭の中はすごい速さで動いている、ということですね。


ヒメフウロ(Geranium robertianum
2023.08.11撮影

怪我した翌朝、救急に行った(救急病院へ行く - カラスといちごとクロッカスと)んですが、検査をしてくれただけで、何も治療はしてくれませんでした。それで、自宅療養をしたのですが、40日経ってしみじみと感じるのは、人間の体って自然治癒するものだな、ということです。

でも、わたしは若くありませんから、回復するのに時間がかかっているのだと思います。そして、治癒力が衰えてしまった時が死のときか、とも思いました。

子どもを産む年齢にある女性は、エストロゲンが大量に分泌されていて、それが体の治癒力を高めているんですって。

医学部に行きながら、カミナリ親父のパパさん経営のカフェを手伝っているお兄さんから聞きました(このお兄さんが、弁護士志望の弟とも合わせ、どえらくハンサムで、、、いやいや、それはまたの機会に)。

それに、足の裏のクッションも薄くなっているから打撃のインパクトを吸収しきれなかった、のだそうです。

そうはっきり「歳よね」と言わなくてもいいか、とも思いましたが、事実ですし、お兄さんは親身で言ってくれているのですから、感謝しました。


タチカタバミ(Oxalis corniculata form. erecta)のようです
2023.08.11撮影

今後は、ハシゴも脚立も、ひとりで使うのはやめようと思います・・・と言っても、必ずだれかがいる、というのはなかなかできないことですよね、現実的には。でも、また落ちるわけにはいかないし・・・この怪我で1ヶ月以上、人生、したいだけの活動できなかった。反省してます。

つれあいには、いろいろ助けてもらい、感謝しています。(ここで、「迷惑をかけた」という発想をしないのが、わたしがもう半分日本人ではない証でしょうか。)

そして、10月に帰国の予定だったのを、キャンセルしました。お父さん、お母さん、帰省は12月になるけど、ごめんね。その代わり、いっしょにお正月をすごそうよ。

ヒメジョオン(Erigeron annuus
2023.08.11撮影

ははは、それにしても、毎日、雨だ。雨、雨、雨のバンクーバー。

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怪我中にウィーンフィルを聞いた

2023年09月27日 08時00分00秒 | わたし
アガパンサス(Agapanthus)のまだ青い実
2023.09.20撮影

今日は、いつもと趣向の異なる記事を。わたしの怪我に絡みますが、音楽の話しです。

掲載画像は、記事の内容に関係ありません。昨今わたしの庭に成っている実と、その前に咲いていた花、ビフォー・アフター(画像掲載順で言うと、アフター・ビフォーですけど)をお見せします。

8月20日に脚立から落っこちて足の裏に着地し、かかとを強打して痛くて歩けなかった最初の3〜4週間、わたしは、ご飯を上げ膳据え膳してもらうのはもちろんのこと、ソファの上でだらだらしたり、椅子に座って(さらに、足を別の椅子の上に置いて)コンピュータで遊んだり、それにも飽きると窓から外を恨めしげに眺めたり、痛いよ〜〜と半泣きしたり、しました。

移動は主に、絨毯(カーペット)の上ではハイハイ。硬い床の上では、キャスター(コロコロ)付き椅子に乗っかって、杖と手を動力にしました。す〜〜〜、と走るので、いい気分〜〜。これやってると、上半身の筋肉、発達するわ! と思いました。が、そちらが発達するよりも先に、脚の筋肉が弱ってくるのが感じられ、慌てて、筋肉を伸ばしたり緩めたりする運動を始めました。

アガパンサス(Agapanthus)の花(しぼみかけも見える)
2023.07.29撮影

療養中に「した」ことの中のハイライトは、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の、シェーンブルン宮殿で行われる恒例の野外サマーコンサートを、ビデオで見たことです。


わたしは学生のとき、ヨーロッパを少し旅行したことがあります。その旅行では、ぜひ、オーストリアの首都ウィーンとモーツアルトの生地ザルツブルクを訪れようと思っていました。(この話しは、機会があれば、またいつか。)

ウィーン・フィルの野外サマーコンサートが行われるシェーンブルン宮殿へも行きました。広大な敷地に立つバロック〜ロココ様式の宮殿です。


デルフィニアム(Delphinium)の茶色くなったタネのサヤ
2023.09.20撮影

ウィーンフィル2023年サマーコンサートをテレビから録画してあったのですが、このビデオを、絨毯を敷いた床の上に、さらに座布団を2枚敷いて座り、足を投げ出して硬めのクッションの上にひざの裏とふくらはぎを置いて支え、ぷらぷらと足首を動かしながら、ふくれっつらをして、ご機嫌ななめで見ました。

でも、最後から2曲目のモーリス・ラヴェル作曲「ボレロ」が始まると、元気がちょっと出てきたわあ〜〜。


わたしは、子どものとき、この曲を初めて聞いて、オーケストラのパーカッショニストになりたいと思ったぐらいなのよ。後には、ビートルズのリンゴ・スターのドラムスにしびれました。うん、サイコー。

それでは、そのウィーンフィルのビデオをYouTubeでどうぞ。

デルフィニアム(Delphinium)の満開の花(やや盛りを過ぎている)
2021.06.22撮影

今回のこのコンサートの指揮者は、ヤニック・ネゼ=セガン(Yannick Nézet-Séguin)という、フランス系カナダ人です。まだ50歳になりません。わたしは、この人の子どもの時からをたどったドキュメンタリーを見たことがありますが、すごい才能の人です。惚れました。


ユリのOTハイブリッド(Lilium OT-hybrid)の花の終わったあと
(タネができているかどうかわからない)
2023.09.20撮影

コンサートのプログラの全体をご覧ください。Musical program という見出しの下に書いてあります。


ユリのOTハイブリッド(Lilium OT-hybrid)の花とツボミ
2023.07.17撮影

プログラムの最後にあるのは、ヨハン・シュトラウス2世作曲のウィンナ・ワルツ「ウィーン気質(かたぎ)」。


次のYouTubeでお楽しみください。

わたしは、踊れなかったけれど、音楽に合わせて、ふんふんふん、とウィンナワルツ独特の3拍子に合わせて上半身を動かしました。そうしていると、そのうち足を使って踊れるまで回復するさ、と気分が晴れてきました。

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アイコンの花が咲いたけど・・・

2023年09月25日 08時00分00秒 | イヌサフラン科
2023.09.15撮影(今年)

今年もわたしの庭で、八重のイヌサフラン(Colchicum autumnale)が咲きました。ここのblogでわたしがアイコンに使っている花です。

学名 Colchicum autumnale
英名 Autumn crocus(秋咲きクロッカス)
和名 イヌサフラン(犬サフラン)
イヌサフラン科(Colchicaceae)イヌサフラン属(Colchicum

イヌサフランは、アヤメ科(Iridaceae)のサフラン(Crocus sativus)とは異なります。名称が交錯している点については、以下の記事をご覧ください。


「イヌ」サフラン、という命名には、特に喜びは感じませんが、「秋咲きクロッカス」という詩的(?)な言い方にも問題あり、、、実際に、秋に咲くクロッカスが別にあるので。

それで、「イヌサフラン」という和名の代わりに、学名の Colchicum から来た言い方「コルチカム」を使うのでしょうか。「コルチカム」は、学名の英語読みをカタカナにしたものです。本来のラテン語の読みは、「コルキクム」に近いです。

2022.09.27撮影(去年)

直前の画像ではなく、冒頭の画像を撮影したのは、わたしが8月20日に足を怪我してから、初めて庭に出て行ったときのことです。3週間半ほど、実質、家にこもっていました。痛みが和らいできて、よちよちなら、少し歩けるようになりました。


玄関から庭(家の北側の庭です)に出て、この花を見たとき、涙が出ました。足がここまで回復したことについての喜びもですが、それより、この花の花数が激減していたので。そして、色がまた薄くなったのか、と思いました。去年、すでに色が薄まっていたのです。


撮影時間やその日の天気により花の色は異なって写りますが、それでも、色を比べてみてください。冒頭の画像が今年の、2番目の画像が去年の、そして、次の画像が2年前の。

2021.09.22撮影(2年前)

でも、花の色については、杞憂に終わりました・・・かも(?)。4日後に見てみると、2年前ほどきれいなピンク色ではありませんが、去年よりは濃い色に咲いていました。それが次の画像です。もう数日待てば、さらに発色してくるのかもしれません。そうかな・・・

足は、日々、というより、時間単位で回復しているように感じ、このように庭に出ることができてうれしいです、足元が安定しないので、すぐに家の中にもどってきますが。

2023.09.19撮影

うちには、一重のコルキクムもあります。一重のは、八重のより先に咲きます。冒頭画像に見える開いた八重を見たときには、一重のはもう、自身の花の重さで、地上に倒れていました。

そして、、、一重の方は、2本しか花が開いていなかったのです。こちらの方は、ショックだった。これで、消滅してしまうのか?

次の画像は、一重のコルキクムの、去年の様子です。この画像中だけでも10本はあるのに、今年は2本・・・また、涙

2022.09.14撮影(去年)

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やっと雨が・・怪我が治ってきた

2023年09月22日 09時05分48秒 | わたし
2023.09.20撮影

夏中カラカラがつづいた後、バンクーバーでは、昨日やっとまとまった雨が降りました。

怪我がよくなってきたので、庭に出て花の撮影を、と思っていたのですが、かなりな雨。それで、裏口からポーチに出て、そこから庭を眺めるだけにしました。花は、どれだけ残っているのでしょう。そこからはよく見えませんでした。


そして、今日、雨が上がったので、庭に出てみました。怪我がよくなってきてから、庭に出るのは、これで3回目です。1回目と2回目は、家の北側(玄関側)の庭、今回は、家の南側(台所側)の庭。まだまだ足は痛いし、歩くのもフラフラしているので、足元に気をつけなくちゃ、と思いました。南側の庭は、いろいろなものが転がっているので。

この、1ヶ月ぶりに見た庭で特別に目を引いたのが、地上に落ちていた、真っ赤な葉っぱ(冒頭画像)。草抜きができていないキンポウゲ(Ranunculus repens)の「畑」に、葉の先を下にして載っかっていました。


この葉っぱは、何の葉なんでしょう。どこから落ちてきたかな、と思って、下から上へたどるように目を上げると、そこには、ブルーベリー(Vaccinium spp.)の紅葉がありました。でも、このブルーベリーの葉の形、落ちている葉の形と違いますね。この真っ赤な落ち葉さんは、一体、どなた?


わたしが怪我で家にこもっている間に、こんなに季節が変わったんだ、と感慨深かったです。そして、したいことがしたいだけできなかった1ヶ月が、自分ひとりの不注意から来たことを、改めて反省しました。

2023.09.20撮影

8月20日に、キウイの剪定中、脚立から落ちて足の裏(特に、かかと)を強打し、翌朝、救急に行ったも、骨にも組織にも異常なし。それから、1ヶ月、自然治癒に任せて、自宅療養を続けておりました。とにかく、痛くて歩けないのですから、どうしようもありませんでした。

怪我をしてから数日後に、わたしの足は、裏も甲も、あざで青から紫色に、そして、赤くなりました。ブルーベリー(直前の画像)の、黒いところがまだらに出た赤い葉を見たとき、まあ、ここまで赤くはないけれど、まだら、まだら、のこんな足だったなあ、と思いました。

人間、つらいことはたくさんあると思うんですが、そして、わたしのつらさなど、たいしたことではなかった、と思うんですが、この1ヶ月、怒りはありませんでしたけど、確かにつらかったです。でも、反省はしつつも、自分を責めることはしませんでした。わたし、根が前向きで、おっちょこちょいな分、あっけらかんとしていますから。

自由に動けない間、ソファの上でだらだらしたり、ビデオを見たり、椅子に座って(足をさらに別の椅子の上に置いて)コンピュータで遊んだりしました。

次の画像3枚は、わたしが怪我をしてから放ったらかしになっているキウイの現在の様子です。

2023.09.20撮影

剪定が頓挫したので、このように地上にまで下がってきているツルがある。左の葉っぱは、ヤブカンゾウ(Hemerocallis fulva)。

2023.09.20撮影

これは、怪我する直前に切ってあったツルが、取り除かれずに枯れている。

2023.09.20撮影

ツルが車庫の屋根に向かって伸びたまま(画像の上半分)。もっとひどくなると、この車庫の屋根の上をツルが這うようになります。

この画像で右端にあたるところで、ツルを引っ張っていて、そのツルが切れて、反動で脚立から落ちたんです、足を下にして。

手前の植物は、ディル(Anethum graveolens)です。夏に切り込んであったので、今、新しい花が咲いています。


バンクーバーでは、今日はきれいな秋晴れですが、今週末から来週いっぱい、雨の天気予報が出ています。これで、バンクーバーの雨の季節が始まるのでしょうか。

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咲かなかった、デルフィニウム、バーベナ

2023年09月20日 08時00分00秒 | キンポウゲ科
2022.07.05撮影

今年咲かなかった花、は今日で終わりです。と言っても、他にも今年咲かなかった花はあるのですが・・・

今日は、まず、美しい色のデルフィニウム(Delphinium)から。

これは、原種ではなく、園芸種です。デルフィニウムの園芸種は各種あります。次のリンク先で、そのいくつかをご覧ください。


わたしは、庭に導入するのに、なるべく、地元のもの、原種に近いもの、花があっさりしているもの、を選ぶ傾向にあるのですが、デルフィニウムの美しさには負けました。

そして、数年前に、次の画像に見られる園芸種デルフィニウムを、買ってしまいました。その色の美しさに、めためたになりました。植えてから、確実に毎年株が大きくなってきました。

2023.05.22撮影

この画像は、わたしが日本に帰国する前に撮影したものです。そして、花が満開になった、と、つれあいが写真を、わたしが帰省中に、撮って送ってくれました。この、明るいけれども濃い紫の花が、冒頭の写真の薄めの色の個体のように、花軸にびっしりと咲いているのが、その写真に見えました。

冒頭の、八重で、ピンクがかった薄い空色のデルフィニウムも、この、一重で、明るい紫色のデルフィニウムも、園芸種名まではわかりません。大体、鉢に刺されているラベルにも書いてありません。わたしの推測するところは、交雑が激しく、形質が固定されない、よって、命名することができない、のだと思います。

園芸種作成は、19世紀には西ヨーロッパで盛んに行われたそうです。20世紀には、アメリカ、日本、ニュージーランドでも行われました。

和名は、ヒエンソウ(飛燕草)とか チドリソウ(千鳥草)という、風情のある名前です。どうしてカタカナの名称が、昔からある和名を駆逐してしまうのか・・・悲しいことです。

学名 Delphinium cultivar
英名 Garden delphinium「庭のデルフィニウム」「デルフィニウム園芸種」
和名 デルフィニウム
別名 ヒエンソウ(飛燕草)
別名 チドリソウ(千鳥草)
キンポウゲ科(Ranunculaceae)デルフィニウム属(Delphinium

わたしの庭では、今年は、濃い紫のデルフィニウムしか花が咲きませんでした。数年前に植えて成長していた株です。去年植えたばかりの、空色のデルフィニウムともう1種のデルフィニウムは、咲かなかった模様です。とにかく、日本と行き来しているので、庭のことはよく把握しきれていません。

2022.08.04撮影

直前の画像に写る小さい花の集まり、バーベナ、は、雑草みたいなものです。どこからでも出てくる。塀とコンクリートの間からも出てくる。南米の熱帯地域に生える植物なので、バンクーバーでは本来寒すぎたが、昨今の温暖化で居着いているようです。


ところが、うちの庭には、今年はどこにも見当たらない。今夏のバンクーバーが寒すぎた?? でも、よく考えてみると、越冬自体をしなかったようだ。

学名 Verbena bonariensis
和名 ヤナギハナガサ(柳花笠)
別名 サンジャクバーベナ(三尺バーベナ)
クマツヅラ科(Verbenaceae)クマツヅラ属(Verbena


この花って、白状しますが、写真撮影するの難しいんですよね、もちろん、わたしの使っているコンパクトデジタルカメラの性能とわたしの技術との組み合わせでは、ですが。いや〜〜、苦労する。

この花の小ささが、左側に写っているヤブカンゾウ(Hemerocallis fulva)の花の大きさと比べると、際立つと思います。真後ろは、ヤブカンゾウのツボミです。

このヤブカンゾウ入りの画像は、真昼間に撮影したもので、花が太陽光線を真上から受けています。そのため、花びらの色がピンクっぽく写っています。

次の画像は、太陽がほとんど沈んでから、フラッシュなしで写したもの。これで、色合いがしっとりと現れてきます。

2021.06.17撮影

この花が庭に出現したときには、わたしは大喜びしたものです。今年は、なし。そのうちにまた自然発生してくれるかしら?

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咲かなかった、ヴェロニカ、ルピナス

2023年09月18日 08時00分00秒 | オオバコ科
2022.08.04撮影

今日も、今年咲かなかった花、をつづけます。

これは、去年の春に植えて、その夏に咲いたヴェロニカ・スピカータです。ずっと欲しかった花です。

今年は、わたしが留守がちで、庭はジャングル状態、このヴェロニカが出てきたのかどうかさえ、確認できずにいます。花は、見かけなかった。

学名 Veronica spicata ‘Red Fox’
英名 Spiked speedwell(釘型のクワガタソウ)
和名 ルリトラノオ(の1種)「レッド・フォックス(赤茶のきつね)」
オオバコ科(Plantaginaceae)クワガタソウ属(Veronica
原産地(以下の地図の緑の部分)


ヴェロニカ・スピカータは、名前(spicata)のごとく「スパイク状」に花茎が上に向かって伸びるものなのですが、わたしの庭のこの個体は、花軸を横に出しました、そばに植わっているジョウ・パイ草(Eutrochium fistulosum)の陰から太陽を求めて。


この辺りは、植物が密集して植わっている(もっと正確には、「植えてある」)ところで、それは、庭を作るわたしとして、欲張りなだけです。植物には良くないのだろうけれど・・・ごめんね。

冒頭画像の中、左手上に見えている黄色い花は、先週の記事の中でちょっと触れたキダチマツヨイグサ(Oenothera fruticosa)です。

ヴェロニカ・スピカータは、花のひとつひとつを見れば、特に、かわいいですね。星型の5枚の花びら、そして、花びらから飛び出したオシベ、、、

2022.08.07撮影

こ画像でも、オシベがツンツンと飛び出しているのが見えます。

そして、地上にこんもりと広がっているのは、グランドカバーのブルースター・クリーパー(Lobelia pedunculata)です。植物と植物の間の裸の土地を覆ってくれて、庭にはありがたい存在です。これも、星型のかわいい花。それに、グランドカバーとして、ちょっとくらい踏んでも大丈夫。


そのブルースター・クリーパーの右側にナデシコ(Dianthus)の葉が見えているんですが、その間にほそ〜〜〜い土の帯がありますね。これが、実は、庭の中の通り道です。毎年、このような通り道を維持しているんですが、そのためには、それなりに努力が必要。

今年はその努力を怠ったので、この超小道は草花の下に消えてしまった。わ〜〜〜ん、それで、庭を歩くには、草花、特に、この辺りは、ナデシコの上を踏むしかありません、花がいくら咲いていても。

ヴェロニカ・スピカータの、上に向いてちゃんと咲いた姿は、次のようなものです。どうか、クリックなさって、大きな画像でご覧ください。


2022.07.17撮影

この画像の花も咲きませんでした。ルピナス属の1種です。

ルピナス属の花は、本来の和名は、ノボリフジ(昇藤)です。フジのような花(=マメ科独特の形の花:これを「蝶形花」という)が下から上へ登っていくように咲くので。でも、昨今は、日本では、学名 Lupinus「ルピヌス」の英語読みをカタカナにした「ルピナス」と呼ばれることが多いようです。


学名 Lupinus polyphyllus
英名 Bigleaf lupine(大葉ルピナス)
和名 ラッセルルピナス
別名 宿根ルピナス
マメ科(Fabales)ルピナス属(Lupinus
原産地(以下の地図の緑の部分)


2022.07.05撮影

この「大葉ルピナス」は、バンクーバー近郊の山へ行けば、よっぽど標高が高くない限り、どこにでも生えています。夏に「野遊び」すれば見かける、風物詩です、植物が好きな人にとっては、ですけど。

1枚目の画像では、まだツボミでしたけど、この2枚目の画像では、花がそろそろ終わりかけています。ひとつの花が、花びらにより2色に咲き分けます。「旗弁」と呼ばれる上の花びらが赤紫色、他の花びらがちょっと薄いすみれ色です。この2色の具合は、次のリンク先でお確かめください。

このサイトは、ブリティッシュ・コロンビア州の「外来植物対策」審議会の物で、繁殖力の大きすぎる植物の代わりにこれらの植物を植えよう、といろいろ紹介しています。このルピナスは、庭へ導入することを奨励されている植物のひとつです。


わたしは、このルピナスが、ほっそりしていて野生味があるところが好きです。まだ根が生きていて、来年咲いてくれるといいんですが、日本との行き来がこれからも続くので、どこまで植物の世話ができるか・・・

上の画像中、左手奥に見えているのは、シューベルト・アリアム(Allium schubertii)のタネ(のサヤ)です。まだ青いタネは、次の記事に掲載いたしました。




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咲かなかった、ルイジアナ・アイリス、アシダンセラ

2023年09月15日 08時00分00秒 | アヤメ科
2022.07.05撮影

今年咲かなかった花のつづきです。

わたしは滅多にアメリカに行かないのですが、あるとき、3週間ほど車で旅行しました。バンクーバーのあるブリティッシュ・コロンビア州から南へ国境を越え、主に太平洋岸の州と、それらの州に接する州へ行きました。

そのとき、冒頭の画像のようなアヤメ属の花にあちこちで出会いました。わたしは、花の図鑑をつらつら眺めるのが好きなので、図鑑でしか見たことがない花というのが結構あるんです。あ、あれ、ひょっとして、ルイジアナ・アイリス?

最初は、泊まったところの小さな庭で見つけました。圧巻は、太平洋岸の崖の上の原っぱに見渡すまで咲いているところ。そして、色は1色でない。

ルイジアナ・アイリスは、名前の通り、アメリカのルイジアナ州原産のアイリスで、1種のアイリスを指すのではなく、何種類ものアイリスを総称したものです。

そのほとんどは、アヤメ(Iris sanguinea)では真ん中で立っている「花びら」(内花被片)が、平たく寝ています。上の画像でもそれがうかがえますが、次の画像もご覧ください。

2021.06.25撮影

今日の画像のルイジアナ・アイリスは、野生種ではなく、園芸種です。黒っぽい色の美しさと、アヤメとは異なる花の形にひかれて、求めました。

学名 Iris ‘Black Gamecock’
和名 ルイジアナ・アイリス「闘鶏」
アヤメ科(Iridaceae)アヤメ属(Iris

わたしの画像では、この園芸種の美しさがうまく伝わってきませんので、よろしければ、次のリンク先へ行かれてください。

Iris ‘Black Gamecock’ (Louisiana Iris)(英文+画像)

この、「闘鶏」という勇ましい園芸名のついているルイジアナ・アイリス、大切に育ててきたんです。そして、5月の帰国前に、葉っぱは出ていたんです。バンクーバーへ帰ってからも、葉っぱはちゃんとあったんです。でも、結局、咲きませんでした。からからすぎたんです。

なお、上の画像の背景に見えている黄色い花は、ハルシャギク(コレオプシス)の園芸種「サンバースト」です。今年は大きな株になっています。こういう植物を庭に増やさなくてはならないんでしょう。

学名 Coreopsis grandiflora ‘Sunburst’
和名 ホソバハルシャギク(細葉波斯菊)「サンバースト」
キク科(Asteraceae)ハルシャギク属(Coreopsis

また、冒頭の画像の左手に見える黄色い花は、昼間も咲いているマツヨイグサ。園芸種で、「レモン・ドロップ」といいます。種名には「木立」と名前がついていますが、草丈は低いです。今年は、まあまあ生きながらえている状態。花は、大変かわいいです。

学名 Oenothera fruticosa ‘Lemon Drop’
和名 キダチマツヨイグサ(木立待宵草)「レモン・ドロップ」
アカバナ科(Onagraceae)マツヨイグサ属(Oenothera

次は、もうひとつ、アヤメ科(Iridaceae)の植物を。グラジオラスの1種です。

2022.08.30撮影

これは、去年、春植えして、同年の夏の終わりから秋にかけてきれいに咲いてくれました。なんとも言えないお顔をしているでしょ? 画像には、真ん中に開いている花、その右にツボミ、そのさらに右に終わった花、が写っています。

アフリカ原産のグラジオラス属の花で、バンクーバーでは、冬越しするかどうかギリギリ。花が変わっていて、欲しいなあ、と思っていたのですが、越年しないものはちょっと・・・と長らく我慢していたのです。でも、ここ数年、気温が上がってきたということで、試しに植えてみました。

学名 Gladiolus murielae
和名 アシダンセラ
アヤメ科(Iridaceae)グラジオラス属(Gladiolus

アシダンセラ

きれいには咲いたのですが、最初にそうなるのではないか、と危惧したとおり、お隣の、それも、植物が好きでないおうちの方に向けて、花が咲いてしまいました。それで、わたしの庭からは、後ろ姿が見えるばかり。

2022.10.19撮影

それで、秋が深まって葉が終わってから、掘り起こして庭の他の場所へ植え替えたのですが、それが悪かったのかもしれません。あるいは、やはり、寒すぎて、冬越しは無理だったのか。

今年は、出てこなかった球根が多かった・・・


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咲かなかった、シャクヤク、オダマキ

2023年09月13日 08時00分00秒 | ボタン科
2022.06.19撮影

わたしの庭で今年咲かなかった花をつづけます。

今日の最初の花は、シャクヤクのうちの「ボウル・オブ・ビューティ」という園芸種です。「ボウル・オブ・ビューティ」というのは「お椀(ボウル)一杯の美しさ」。

学名 Paeonia lactiflora 'Bowl of Beauty'
和名 シャクヤク「ボウル・オブ・ビューティ」
ボタン科(Paeoniaceae)ボタン属(Paeonia
原産地(以下の地図の緑の部分:シベリア、中国、モンゴル)

Paeonia lactiflora(英文+地図)

シャクヤク

去る5月末に日本へ出立する前に、茎がしっかりと出ているのは確認したのですが、さて、花は咲くのだろうか、と心配しながら帰国しました。バンクーバーに帰ってきてさっそく咲いているかどうか見てみましたが、生きながらえているだけ、という模様でした。

それから観察をつづけましたが、今年は、咲かずじまいでした。2株あるんですけど、2株とも。

2021.06.04撮影

この2番目の画像は、雨が降った後に撮影したものです。玉の形のツボミに雨粒が残っていて、かわいいと思いました。色も素敵です。

「ボウル・オブ・ビューティ」は、冒頭の画像に見えるように、花びらが一重〜二重くらいに重なっています。こういうのを、シャクヤクでは「一重」と呼びます。

何度も繰り返すようで恥ずかしいですが、わたしは、花はあまり派手でないのが好き。ですから、シャクヤクでも、これくらいがいいです、わたしには。

いいです、はいいんですけど、来年は咲くのか?

2021.04.12撮影

これは、うちに数種類ある(あった)オダマキのひとつです。今年は、この色のは、いつも咲いている場所に咲きませんでした。

学名 Aquilegia vulgaris(だと思います)
英名 Columbine
和名 セイヨウオダマキ
キンポウゲ科(Ranunculaceae)オダマキ属(Aquilegia
原産地(Aquilegia vulgaris であるとして、以下の地図の緑の部分)

Aquilegia vulgaris(英文+地図)

上のキュー王立植物園編纂の地図によると、バンクーバーは紫に塗られているので、原産地ではないが、現在、自生地のようです。ということは、庭以外にも生えている、ということです。

2021.05.11撮影

わたしは、このセイヨウオダマキ(と思われるもの)は、自分では植えていないんです。でも、庭に複数の色のがあり、これは、鳥の活動によるものでしょうか。

そして、これらのセイヨウオダマキは、よそから異なる色のがやってくるのに加え、うちの庭でも自主的に「交際」しているようです、なぜなら、中間色が庭のあちこちに現れるので。つまり、セイヨウオダマキは、交雑しやすいのだと思います。

セイヨウオダマキの基本の色は、紫。他種と交雑して、あるいは、交配させられて、白、ピンク、赤、などの花が咲きます。

上の画像は、先のオダマキをずいぶん暗くなってから、フラッシュをたいて撮影したものです。それで、ピンクの色が濃い目に写っています。

このピンクの部分は、萼(ガク)です。そして、白っぽい部分が花びら。上に(後ろに)突き出したものが、距(キョ)。

2023.07.04撮影

この紫が、セイヨウオダマキの原種の色に近いのかな、と思いますが、紫って色の幅があるので、正確にはわかりません。

この画像では、萼(ガク)と距(キョ)がよく見えますが、花びらは少ししか見えません。画像上部には、タネのサヤが大きくなりかけているのが見えます。どんどん増えてね〜〜。自由恋愛してくれていいのよ〜〜。


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咲かなかった、アヤメ、エゾキスゲ

2023年09月11日 08時00分00秒 | アヤメ科
2022.06.06撮影

わたしの庭では、今年、咲かなかった花が、たくさんあります。

ひとつに、相変わらず樹木が巨大化して陰を作り出していること、ふたつに、わたしが日本(実家)とバンクーバー(自宅)とを行き来していてあまり家にいず、庭の世話ができていないこと。

みっつに、バンクーバーでは5月1日から散水制限が続いていて、自由に水やりするのは難しいこと(今は第二段階に入り、前より厳しくなっています)。そして、一番大きいのは、気候変動だと思います(そのために散水制限があるわけですが)。雨がほとんど降らなかった、また、バンクーバーの場合は気温が上がらなかった、他所では上がっているのに。

今日からしばらく、わたしの庭で例年咲いていたのに今年は咲かなかった花をいくつかご紹介します。ある意味、追悼記念みたいなものです。来年咲いてくれるかどうかは、わからない。

2022.06.12撮影

まず、アヤメです。今年は、葉っぱが出ただけで咲かなかったもよう。日本に行っていたので、よくわからないけど、花の咲いた跡がありませんでした。通常なら、タネの入ったサヤができるはずです。帰ってきてからも待ち続けましたが、咲かず。

学名 Iris sanguinea
和名 アヤメ
アヤメ科(Iridaceae)アヤメ属(Iris
原産地(以下の地図の緑の部分)

Iris sanguinea(英文+地図)

バンクーバーでアヤメは結構見かけます。わたしにとって、アヤメって、日本を思い出させる植物のひとつ。それで、欲しくて、欲しくて。

ところが、手に入れようと思って探したら、なかなか見つからない。似たようなアヤメ属(Iris)の他の植物はよく売っているんです。でも、最終的にはやっと探し出すことができて、このアヤメ(Iris sanguinea)がわたしの庭に来ました。

毎年、毎年、少しずつ増えてきて、わたしは喜んでいました。でも、実は、増えすぎてギシギシになり、仕方なく掘り起こして、処分するまでになってしまいました。わたしは植物を捨てることは滅多にないのだけど、あれはあまりにも過密状態で、どうしようもなかったんです。お隣に無理にあげればよかった。

2021.05.25撮影

冒頭の画像のように咲いているのもきれいですが、直前の画像のようなツボミもきれいです。期待感が漂います。

背景にピンクに咲いているのは、ケマンソウのうち、北米太平洋岸のもの。

学名 Lamprocapnos formosa
旧名 Dicentra formosa
和名(ケマンソウの1種)
ケシ科(Pavaveraceae)ケマンソウ属(Lamprocapnos
原産地(以下の地図の緑の部分)

Lamprocapnos formosa(英文+地図)


2022.06.18撮影

これは、エゾキスゲ(Hemerocallis lilioasphodelus)です。ゼンテイカ(Hemerocallis dumortieri var. esculenta)やユウスゲ(Hemerocallis thunbergii)とよく似ていますが、エゾキスゲは、草丈が低く、また、花の色が明るいレモンイエローです。

学名 Hemerocallis lilioasphodelus
和名 エゾキスゲ(* エゾに産しないので、これは命名間違いですね)
別名 マンシュウキスゲ
ツルボラン科(Asphodelaceae)ワスレグサ属(Hemerocallis
原産地(以下の地図の緑の部分)

Hemerocallis lilioasphodelus(英文+地図)

かわいいので欲しくなり、求めました。わたしは、どちらかと言うと、花のあっさりした方が好みで、八重に咲くヤブカンゾウ(Hemerocallis fulva var. kwanso)より、こちらの一重のエゾキスゲの方が好きです。

うちにはヤブカンゾウが何株もありますが(お隣さんが何年も前にくれて、増えた)、それらは、水もやらない、雨も降らない、というカラカラの中、いつもよりは勢いが弱かったものの、ちゃんと咲いてくれました。でも、葉っぱがすぐに茶色になってしまいました。どうか、土中で生きていてくれますように。

2021.06.03撮影

これは、エゾキスゲを上から撮影したものですが、、、

あ、なんか落ちてる。赤と白の何かの包み紙? こういうの、カラスが持ってくるんだと思います。食べ物を運んできて、そこで食べ、その食べ物にくっついていたのを置いていったものだと思います。

時々、クレヨンとかボタンとかが玄関の入り口に突如として現れます。これは、カラスが持ってくるんだと思います。まさか、アライグマやネコがそんなものを持ってくるわけはないので。

うちでは、カラスにエサをやります。ご近所でもする人は多いです。カラスは、食べ物をくれる人に「お礼」を持ってくる、という話しですが、さあ、どうなんでしょう。物を持ってくるのは、単に、それで遊んでいるだけかもしれません。

うちは、家の建物と通り道用のコンクリートの間に玉砂利を敷いているのですが、その玉砂利を運び出したり、よそへ運んで行ったりして、カラスさんたち、遊んでいます。結構な大きさのものをくちばしで拾い上げることができます。また、拾い上げるだけでなく、それを持って歩いて移動することもできるんです。飛べるかどうかは、まだ目撃していないので分かりません。


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カナダがアメリカと異なる点

2023年09月08日 08時00分00秒 | カナダ
スイセンノウ(Silene coronaria)のタネのサヤ
黄色い花は、ヒマワリモドキ(Heliopsis helianthoides
2023.08.11撮影

(今日掲載の画像も、記事の内容に全く関係ありません。昨今成っているタネと、その前に咲いていた花をお見せします。)

カナダ人って、一体どんな人たち? というのに答えるのに、「アメリカ人でない北アメリカ人」というのがあります。

が、それは、カナダ人が半ば自嘲的に、あるいは、むしろ、冗談として言っているだけで、実は、かなり、カナダ人は、自分たちはアメリカ人とは違うんだ、という自負があります。

今日は、カナダがアメリカと異なる点をいくつか挙げてみたいと思います。


カナダがアメリカと異なる点1(医療保険)

カナダでは、前回に記事にしました通り(カナダの医療制度 - カラスといちごとクロッカスと)、国民皆保険で、医療費(のほとんど)がタダです。これで、カナダの国民と永住者はいざという時のことを心配しないで、安心して暮らしていけます。カナダ国民が、アメリカ国民より、一般的にのほほんとしているのは、この医療制度のおかげだ、とわたしは思っています。

一方、税金は高いです。でも、経済的にゆとりのある人々が、自分たちができること、すなわち、収入の一部を拠出すること、で社会に貢献するのは、当然のことだ、と、これもわたしは思っています。


スイセンノウ(Silene coronaria)の花
2023.06.07撮影

カナダがアメリカと異なる点2(銃の所持)

カナダの都市部の住民が銃を所持していることは、まずありません。都市部で銃を持っていたら、まずはギャング系と考えていいです。

狩猟をして食料の糧にしている地域では、ライフルを所有している人の方が多いかもしれません。また、山間部では、クマやピューマなどの動物から身を守るためにライフルが必要になります。

アメリカで頻発している銃の乱射事件は、カナダには、ほとんどありません。


カナダがアメリカと異なる点3(マリファナ)

カナダでは、マリファナが2018年10月17日に国のレベルで合法となりました。18歳以上の成人は、30gまでの乾燥マリファナ(あるいは、乾燥マリファナに換算して30gまで)を、公の場所で所持・携行することができます。そのほか、生産、販売、関連商品、などに関しての規制があります。

一方、アメリカでは、現在、すでに、40近い州でマリファナの消費を何らかの形で行うことが合法化されています。しかし、特定の州、および、国のレベルでは、非合法です。2023年現在、合法化への機運が高まっています。


ムスカリ(Muscari armeniacum)のタネ(黒いつぶつぶ)
2023.07.04撮影

カナダがアメリカと異なる点4(同性婚、LGBTQ+)

カナダでは、同性婚が、次のような時間の流れで合法となりました。
・2003年:オンタリオ州とブリティッシュ・コロンビア州
・2004年:ケベック州とほか4州および1準州
・2005年:ニューブランズイック州

そして、ニューブランズイック州で合法化された直後、2005年7月20日に、同性婚が国のレベルで法制化され、全ての州と準州で合法となりました。


一方、アメリカでは、2004年にマサチューセッツ州で同性婚が初めて認められ、2015年には国の最高裁で合法化されたはずなんですが、いまだ同性婚が禁止されている州があるようです。と言っても、州の法律が実際に適用されているわけでもないようで、そうなると、他州で結婚して、結婚証明を発行してもらう、ということでしょうか??? わたしはアメリカに住んでいるのでないから、わからない。


同性婚もそうですが、LGBTQ+の個人、グループ、団体、商業施設、社会、文化、また、「プライド」、に対する差別と攻撃は、アメリカで昨今激しいです。

そんなことは、カナダでは考えられない。個人的には、人種差別と同じように、差別している人はいるはずだし、態度にも現れる人もいる。でも、カナダでは、少なくとも、「異なる者、物」に対して大変寛容です。


ムスカリ(Muscari armeniacum)の花
2023.04.19撮影

カナダがアメリカと異なる点5(妊娠中絶)

カナダでは、人工妊娠中絶は、合法であり、医療であるとみなされ、健康保険の適用を受けます。中絶するかどうかは、妊娠中の女性と、その女性のかかっている医師の間で決められることで、胎児の父親の意見は決定を覆すことはできません。


アメリカでは、2022年6月に、連邦最高裁が、妊娠中絶は州の法律に従う、という判決を出し、国のレベルで保護されていた妊娠中絶の権利が覆され、その後、各州が続々と中絶を違法としています。


上のリンク先の最初の地図が、アメリカの州ごとの中絶法の、2023年8月現在における状況です。(Wikipedia運営が、この記事には問題がある、としていますが、内容ではなく、色の使い方、テキストの使い方、についてですので、一応、内容は信用しておきます。)

この地図では、青〜緑が中絶が「許される」州です。中絶に不寛容な州は、主に南部の州(黒に塗られた州)です。

それなら、州外で中絶を受ければいい、となりますが、それは、中絶を必要としている女性たち全てができることではありません。ここでは、詳細には踏み込みませんが、機会があれば、記事にしてみたいと思います。


ゲラニウム・マクロリズム(Geranium macrorrhizum 'Bevan's Variety')のタネのサヤ
2023.07.05撮影

カナダがアメリカと異なる点6(度量衡)

カナダは、1975年に、イギリスを発祥の地とする「帝国単位」を廃止し、メートル法へ正式に移行しました。それ以降に学校へ入った子どもたちは、メートル法で考えられますが、高齢者はまだまだメートル法ではピンとこないようです。

また、身長と体重は、世代に関わらず、ほとんどの人が「帝国単位」の「フット、インチ」「ポンド」で表します。でも、医者に行ったら、「メートル、センチメートル」「キログラム」を使います。患者が「帝国単位」で申告すると、医院、病院側がメートル法に書き換えています。

アメリカは、基本、メートル法を使わず、「米国慣用単位」を用います。「米国慣用単位」は、「帝国単位」とは、似ていて、同じではない。単位の名称はほぼ同じ、でも、それらの単位が示すものが微妙に異なる。

隣の国カナダで「帝国単位」がまだまだ使われている一方、アメリカで「米国慣用単位」が幅広く使われている、というわかりにくい状況になっています。


ゲラニウム・マクロリズム(Geranium macrorrhizum 'Bevan's Variety')の花
2023.05.20撮影

現在のカナダもアメリカも、もともとは、アメリカ原住民が住んでいた土地を、西洋人が「発見」して、移住してきて、主には、イギリスの植民地として出発したのですが、現在に見られるように、歴史的に異なる道を歩いてくることになりました。そのような話題にも、植物や動物の話しの合間に、また触れたいと思います。


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