カラスといちごとクロッカスと

身の回りの鳥や小動物、庭の花や畑の野菜など、日々日々、季節季節の情報を、
個人の目をとおしてお届けします。

ご近所のヒアシンス 2

2024年04月19日 08時00分00秒 | キジカクシ科
2024.04.10撮影

今日も、ご近所に咲いているヒアシンスを見てください。前回の記事は、ここ(ご近所のヒアシンス 1 - カラスといちごとクロッカスと)です。

冒頭のヒアシンスと次のヒアシンスは、去年の秋に植えられた球根から咲いています。よそのおうちの花なのに、なんでいつ植えたかわかるか、って? なんのことはないんですが、去年、このおうちは、花壇のなかったこの部分に、花壇を新たに作ったからです。

やっぱり新しい球根から咲いたので、花がたくさんついていますね。みごと〜〜

このクリーム色のヒアシンスの右後ろには、青いヒアシンスが見えますね。これは、前回の記事の冒頭でご紹介した園芸種(同一の個体ではありませんが)です。前の記事にもどって確かめていただければ、青いヒアシンスの左手に白っぽいヒアシンスが見えます。


2024.04.10撮影

これも、その同じおうちの新しい花壇から。地植えで2年目となる来年は、どのように咲くでしょうか。

次は、ヒアシンスがたくさん、たくさん、植っている、古いお庭です。何年も地植えのままであることが見て取れます。背景に、青系統のヒアシンスが見えます。これらは、前回ご紹介しました。

2024.03.26撮影

この白いヒアシンスは、真っ白ではなく、ピンクの筋が入っています。夢見心地な感じで、わたし、ほしくなってしまいました。この秋、カタログで見てみましょう。

次は、真っ白、と言っていいと思うヒアシンス。


2023.04.11撮影

この真っ白なヒアシンスの、こちらを向いている一番上の花の中に、オシベが見えます。ヒアシンスのオシベは、6本で、筒の部分に収まっています。

上下の数枚の画像に、板でできた白い柵が見えます。これは、今ではそうでもありませんが、北米(特に、アメリカ)の中産階級になろうとする人々の憧れだったんです。土地付きの一軒家を家族のために購入する。庭に芝生を敷き詰める。板を白いペンキで塗った低い柵で、その芝生を囲う。そして、パパとママと子どもたちとイヌ。芝生で転がって遊ぶ・・・

うちの柵も白・・・金属製で、ちっとも夢がないわ・・・でも、丈夫で便利です。わたしの庭の花の写真によく白い柵が写っているのは、この金属の柵です。

2024.03.26撮影

このワインレッドのヒアシンスにも筋が見えます。次にも。花びらの地の色と筋の色を比べると、必ず? 筋の色の方が濃い色のようです。


2024.03.26撮影

ヒアシンスは、根本から、葉と花茎が出ます。花は、花茎(かけい)から出た花柄(かへい)につきます(なんでこんな紛らわしい用語にするの?)。ヒアシンスの花柄は、個々の花の長さより短いです。上の画像のヒアシンスの場合は、短い方です。これより短いのもあります。

もう一色どうぞ。

2024.04.10撮影

今日最後のヒアシンスは、前回の記事の最初のヒアシンスのような二重の花です。でも、この薄いピンク色のヒアシンスは、あの青いヒアシンスより、花びらがやや肉厚なように見えるのですが、そうでもないでしょうか。

2024.03.26撮影

ところで、ヒアシンスの属名Hyacinthus)「ヒュアキントス」は、ギリシャ神話に登場するアポロンの、同性愛の対象、美少年ヒュアキントスに因みます。あまり長くない話をさらに短くすると、ヒュアキントスが、アポロンと円盤投げ遊びをしていて円盤に当たり(どのようにして当たったかは、異説があるので省略)事故死したのをアポロンがいたみ、花に変えた、と。でも、その花は、ヒアシンスのことなのか、他の花のことなのか、はよくわからないそうです。


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ご近所のヒアシンス 1

2024年04月17日 08時00分00秒 | キジカクシ科
2024.04.10撮影

バンクーバーでもずいぶん暖かくなってきました。ずいぶん、とは言っても、ジャケットなしで外に長くいると、体が冷えますが。

でも、見ました、オープンカーのルーフ部分を開けて(でも、夏のように窓までは開けませんが)、走っておられるお方がいるのを。これを見れば、わたしは、毎年、「寒いの、やせ我慢しなくていいのよ」と同情しますが、オープンカーがこのように走り出すのは、バンクーバーにも春が来た印ではあります。

今日は、そして、次回にわたり、ご近所で咲いているヒアシンスHyacinthus orientalisの園芸種を「色々」(文字通り)お届けしたいと思います。

ヒアシンスの原種は、一重です。そして、多くの園芸種も一重です。でも、冒頭の画像と次の画像のヒアシンス(両者とも同じ園芸種だと思います)の園芸種は、花びらが二重になっています。

2024.04.10撮影

次のウェブページは、Pacific Bulb Society(訳すとすれば、「太平洋地域球根協会」)のサイトの、ヒアシンス属のページです。ページの一番上に、ヒアシンス属(Hyacinthus)についての簡単な説明があります。そこには、ヒアシンス(ヒュアキントス)属には3種が属する、その3種の1種ヒアシンス・オリエンタリス(Hyacinthus orientalisであり、それが、いわゆる「ヒアシンス」の園芸種の親となっている、と書かれています。


このページの画像のうち、上の方が、原種ヒアシンス(Hyacinthus orientalis)の亜種数種で、下の方が園芸種です。亜種と園芸種の違いが、一目で区別できるような写真が載っていますので、よろしければ、ちょこっと覗いてくださいませ。画像は、それぞれ、クリックすれば大きくなります。

なお、ヒアシンス(Hyacinthus orientalis)の種小名「オリエンタリス(orientalis)」は、「東方の」という意味です。これは、ヒアシンスが、地中海でも、東地中海を原産とするからです。日本語で「オリエンタル」というと、「アジア」というように考えられがちかもしれませんが、それは、「東の」という意味なんです。「アジア」を「オリエント」と呼ぶのは、ヨーロッパから見て東の地だからです。

2024.03.26撮影

こちらのヒアシンスは、これも園芸種には違いありませんが、原種に近く見えますね? その理由は、古い株だからだ、と思います。花が華美、華美、とついて、丸々と太ったように見える園芸種でも、何年も植えたままにしていると、このように「スマート」になってくるんです。花と花の間が空いてきて、花数が減り、茎が見えるようになります。

と言っても、園芸種でも、花が茎にびっしりとついたものばかりではないそうです。

先のサイトから、ヒアシンスの園芸種の特徴を要約引用(翻訳)すると、
・1株に花茎1本〜複数本
・花びらは、一重、あるいは、二重
・花の色は、白、クリーム色、ピンク、紫(青紫)、赤紫
・花のつき方は、密集したのもあれば、そうでもないものもある


2024.03.26撮影

ヒアシンスは、多分、もともと、花びらの地の色よりも濃い色の筋が、全ての花弁6枚についているのだ、と思います。そして、地の色が薄いときに、筋の色が目立って見えるようになる、上の画像の例のように(この画像、目がチカチカして申し訳ございません)。

そんな筋は、やや濃いめの色の花(チカチカより前の画像)にも見えるし、ずっと濃い色の花(最初の画像2枚)にも、よく見てみれば出ているのが分かります。

ヒアシンスは、キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ亜科(Scilloideae)に属します。この亜科の他の植物にも、花に筋の入るのがあります。プシュキニア(Puschkinia)など。


2024.03.26撮影

ヒアシンスの花は、6枚の花弁の根本がひとつにつながっています。そんな花の作りを、合弁花といいます。つながっていないのを、離弁花といいます。離弁花とは、花びらがバラバラの、バラみたいな花です(つまんねえダジャレにもならないコトを言うな)。

合弁花のくっついたところは筒のようになっていて、そのまま「筒」と呼びます。わたしとしては、「首」と呼びたいところですが。

で、その筒ですが、直前の画像のヒアシンスは、きれいな水色をしています。花びらの6つに分かれたところが白と紫で、色のコントラストが魅力的です。その前の画像のヒアシンスも、花びらの地、花びらの筋、筒、が同系統でも異なる色です。

2024.03.26撮影

このヒアシンスも、地植えのまま年数の経ったものだと思われます。ひとつ前のヒアシンスと、ふたつ前のヒアシンスと同じように、花びらの地が白系統、筋が紫系統、そして、筒が青系統です。この花は、全体的に薄い色。

次の画像(これもチカチカ画像で申し訳ございません)で、筋の見えやすいヒアシンスを3種まとめてどうぞ。

2024.03.26撮影

先の「太平洋地域球根協会」のサイトのヒアシンスのページを見てくださればわかりますが、原種の亜種に、このような筋が出ています。筋の色が大変薄いのもありますが。

つづく

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紫の花、わたしの3月の庭

2024年04月05日 08時00分00秒 | キジカクシ科
2024.03.17撮影

わたしの3月のお庭には、紫の花がたくさん咲いています。花むしろになっていたり、なりかけているのもあります。庭中に散らばって増えているのもあります。

けしからないことに、園芸嫌いの東隣のおばさんとこの芝生にまで、出かけて行って増えているのがあります。やつら、楽しそうに咲いているんですよ〜〜、あちらの方がよく陽が当たるからね〜〜。反対隣の西隣の園芸好きのおばさんのとこへ移民したのもあります。こちらの方は、分け合えてうれしいです。

これらの、今咲いていている花は、みんな背丈の低い植物なので、スイセン(Narcissus)やチューリップ(Tulipa)のようには目立ちません。でも、咲きそろうと見事です。

今日は、そんな紫の花のうち、
キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ亜科(Scilloideae)
の植物を5種類、並べてみます。

 
2024.03.18撮影               2024.03.18撮影

これは、古い属名 Chionodoxa「チオノドクサ」を通称とします。chion は「雪」、doxa は「光栄、輝き」という意味です。まだ雪の残っている時に雪を突き破って咲いてくる、ということでしょうが、そういう命名の花って、結構あるようですね。

チオノドクサの花の特徴は、中央が白いこと、そして、カップ状の副花冠があること。副花冠とは、花びらの内側にある花びらのようなものです。チオノドクサのツボミは、尖っています(左上の画像、右上の画像も)。

学名 Scilla forbesii「フォーブズのツルボ」
英名 Glory-of-the-snow「雪の輝き、雪の誉」
和名 チオノドクサ(古い学名から)
キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ亜科(Scilloideae)ツルボ属(Scilla


2024.03.04撮影

これは、学名の種小名 siberica から、シベリカと呼ばれます(シベリア原産ではないけれど)。花がうつむいて咲く(右下の画像)のと、花びらに筋が入る(右下の画像と上の画像)のと、オシベのヤクが青い(上の画像)のが、特徴です。ツボミの先は、チオノドクサのツボミのように尖りません(左下の画像)。

 
2023.03.04撮影               2024.03.19撮影

学名 Scilla siberica「シベリアのツルボ」
英名 Siberian squill「シベリアのスクウィル」
和名 シベリカ(学名の種小名から)
キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ亜科(Scilloideae)ツルボ属(Scilla

もうひとつツルボ属の花をどうぞ。

2024.03.14撮影

わ、花盛りですね。花の中央にある子房が、宝石のようです。

学名 Scilla bifolia「2枚葉のツルボ」
英名 Alpine squill「高山スクウィル」
英名 Two-leaf squill「2枚葉のスクウィル」
和名 ビフォリア(種小名から)
キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ亜科(Scilloideae)ツルボ属(Scilla

次の画像の個体は、庭のあちこちに生えている子どもたちです。土地で直接続いていない以上、球根が増えて個体が増えた、と言えないので、タネで増えたのだろう、となるのですが、媒介者が何かはわかりません。風??

 
2024.03.04撮影               2024.03.15撮影

ここからは、ツルボ属(Scilla)でないものをお見せします。でも、ここまでのツルボ属(Scillaと同じく、ツルボ亜科(Scilloideae)に属する球根植物です。

まず、ムスカリ(Muscari)。

学名 Muscari
英名 Grape hyacinth「グレープ・ヒアシンス」(ブドウのようなヒアシンス)
和名 ムスカリ(学名から)
キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ亜科(Scilloideae)ムスカリ属(Muscari

2024.03.21撮影

上の画像の2〜3色に色分けされたムスカリは、Muscari latifolium です。latifolium という種小名は、「幅広の葉の」という意味です。実際に、葉の幅が広めです。花の色は、園芸種により異なります(下の画像)。また、咲き進むことにより、花の色は変化していきます。この種の「花房」は、やや細く長い傾向にあります。

 
2024.03.21撮影               2024.03.12撮影

次の画像のムスカリは、Muscari armeniacum です。種小名の armeniacum は、文字通り「アルメニアの」で、原産地にアルメニアが含まれます。花の色は、他にもあります。花びらの先が、白い唇のようです。「花房」はややずっしりした形。葉の幅は細めです。


2024.03.21撮影

今日最後の、わたしの今年の3月の庭からの、ツルボ亜科(Scilloideae)紫の花は、ヒアシンスです。

学名 Hyacinthus orientalis
英名 Hyacinth
和名 ヒヤシンス
別名 ヒアシンス
キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ亜科(Scilloideae)ヒアシンス属(Hyacinthus)

2024.03.18撮影

このわたしのヒアシンスは、随分前からわたしの庭に住んでいるんです。最初は、「ちゃんとした」まるまるとしたヒアシンス園芸種の形をしていたんですが、毎年、だんだん花数が少なくなってきました。茎に対して、すきすきに花がつきます。でも、これが、原種の形に近いのだと思います。

 
2024.03.04撮影               2024.03.17撮影

より「自然」に近いヒアシンスのツボミ(左上の画像)を見てみると、シベリカ(Scilla forbesii)やビフォリア(Scilla bifolia)のツボミとよく似ていますね?

わたしは、こんな感じに咲くヒアシンスが好きです。

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この花、前からおかしい、と(2)

2024年03月18日 08時00分00秒 | キジカクシ科
2022.03.29撮影

これは、前回の記事の最後に掲載した画像です。これが、問題にしている2種の植物のうちの、スキラ・ミシュチェンコアナ(Scilla mischtschenkoanaで *ない* 方の1種です。

この花も、白地に青い筋りです。でも、花の中央が、スキラ・ミシュチェンコアナと異なります。こちらは、スイセン(Narcissus)のように、小さいながらも中央にカップ状のものがあります。そして、そのカップ状のものの中に、これもスイセンのように、オシベとメシベが入っています。

以下の画像で、それをお確かめください。

2022.03.29撮影

この植物は、次であると思います。

学名 Puschkinia scilloides「プシュキニア・スキロイデス」
英名 Striped squill
和名 プシュキニア・スキロイデス
キジカクシ科(Asparagaceae)プシュキニア属(Puschkinia

前回の記事の花、スキラ・ミシュチェンコアナと、今回の記事の花、プシュキニア・スキロイデスは、似ていますね。そっくりではありませんが。

実は、両者とも、英語で Squill(学名の Scilla、和名のツルボに当たる)と呼ばれます(他の言語のことは知りません)。見た目が似ていれば混同しやすいし、また、名称が同じなら混同が進む、と思います。

おもしろいことに、花の中央にカップがある方の学名は、
Puschkinia scilloides「プシュキニア・スキロイデス」
で、種小名の scilloides は、scilla もどき」(ツルボもどき)という意味です。

2023.04.04撮影

そもそも、うちには、スキラ・ミシュチェンコア(オシベが見える方)とプシュキニア・スキロイデス(カップがある方)の両方があった(=わたしが植えた)んだろうと思います。なぜ両方あったかは、不明です。

でも、勢いが弱くなってきたので、何度か買い足した。そして、そのたびに、オシベが見える方を図らずも増やしていった・・・もよう。そして、花が元気に咲けば咲くほど、2種を1種と自分に言い聞かせながら、何かおかしい、と思ってきたのです。

今春は、昨秋に買って植えたのが、たくさん咲き出しました。そして、その花を見て、ますます???

それで、アルバムをつらつら眺めてみると、、、ということになったのです。

前から不思議だったことがやっと解決した!


2023.03.28撮影

以下に、スキラ・ミシュチェンコアナとプシュキニア・スキロイデスの特徴をまとめておきます。

スキラ・ミシュチェンコアナ(オシベが6本見える方)
・ツルボ属(Scilla)である
・花びらがややピンク色を帯びる
・花びらがやや「しわしわ」である
・オシベが、6本、分離している
プシュキニア・スキロイデスより早く咲く
・頑丈なようだ

プシュキニア・スキロイデス(カップがある方)
プシュキニアPuschkiniaである
・種小名は「scilla もどき」(ツルボもどき)である
・花びらは白っぽい(ピンク色を帯びない)
・花びらが比較的ピンと張っている
・スイセン様のカップが花の中央にある
・オシベとメシベは、スイセンのように、カップの中にある
・スキラ・ミシュチェンコアナより遅く咲く
・頑丈でない可能性がある

以下に、この2種の花を並べてみます。花の大きさ、草丈は、ほぼ同じです(画像の倍率が異なるので同じに見えませんが)。花がこんなに違うのに同じ植物だ、と自分に言い聞かせる意思の力の強さに驚きました。

 
2022.04.06撮影               2022.02.26撮影

最後に、言い訳がましく言うのですが、わたしみたいな素人どころか、有名園芸サイトが混同しているところをご覧ください。両方をスキラ・ミシュチェンコアナと呼んでいます。

スキラ・ミシュチェンコアナ(オシベが6本見える方)は、
正しく、スキラ・ミシュチェンコアナと呼んでいる

別種であるプシュキニア・スキロイデス(カップがある方)を、
間違って、スキラ・ミシュチェンコアナの園芸種だと言っている

わたしは、カップのある方が好きなので、そちらを増やしたい。これからは、ラベルに書いてあることよりも、写真の方をよく見て、球根を購入するようにします。

このカップのある方は、消え込んでいなければ、時季的にこれから咲くはずです。楽しみです。

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この花、前からおかしい、と(1)

2024年03月15日 08時00分00秒 | キジカクシ科
2021.03.03撮影

わたしの庭には、今、この花がたくさん咲いています。5〜15cmくらいの草丈です。2月の半ばに咲き出しました。次々と咲いています。

庭で花が咲くと、わたしは、毎日ではありませんが、何日かごとに写真を撮ります。そして、月ごとのファイルと、種(しゅ)ごとのファイルを作ります。(ヘレボルスだけは、あまりにもたくさんあるので、別建です。)種はさらに属に、属は科に、科は目に分類します。正確には、目を科に、科を属に、属を種に、分類するのですが。


2023.03.05撮影

上掲2枚の画像の植物は、
・キジカクシ科(Asparagaceae)
・ツルボ亜科(Scilloideae)(「亜科」というのは、「科」の下位分類です
・ツルボ属(Scilla
スキラ・ミシュチェンコアナ(Scilla mischtschenkoana) 
に、わたしの植物のアルバムでは分類してあります。

そして、ちょっと前に、そのアルバムをしげしげと眺めていたんです。なぜ眺めていたかと言うと、前から、実は、もう何年も何年も、なにかしっくりしないことがあって、その疑惑が今年ますます高まったからです。

去年の秋に、この植物の球根を植え足しました。咲く花が減っているように感じたからです。そして、この春、この花がたくさん咲きました。たくさん咲いているので、じっくりと観察することができました。

すると、、、何か違う、、、思っていたイメージと異なる、、、

それで気づいたのは、、、わたしが、ツルボ属(Scilla)のスキラ・ミシュチェンコアナ(Scilla mischtschenkoana)のアルバムに分類していたものが、どう見ても、1種の花ではなく、2種の花だ、ということ。


わたしの上記の記事では、2種をまったく混同しています。

わたしはそこで、
・スキラ・ミシュチェンコアナ(Scilla mischtschenkoana)のことを
・プシュキニア・スキロイデス(Puschkinia scilloides)と合わせて
・プシュキニア(Puschkinia)と、「通称」でと断りながらも、呼んでいるのです。

わたしが2種の花を同じだと取り違えたのは、両者ともに白地に青い筋りであり、かつ、園芸店(すべて、ではない)等が使っている通称が Puschkinia「プシュキニア」だからです。園芸店等云々は、もちろん、わたしが自分の間違いを他人になすりつけているわけです。

2022.02.26撮影

上掲の画像も、スキラ・ミシュチェンコアナです。冒頭画像と直前の画像では、オシベから花粉が出ていますが、2番目の画像ではオシベからまだ花粉が出ていません。でも、3枚すべてで共通なのは、6本のオシベが別々にはっきりと見えること。

ここで、もうひとつの植物をご覧ください。きれいでしょ〜〜〜!!


2022.03.29撮影

つづく

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わたしのお庭、4月前半、青い花筵

2023年04月21日 08時00分00秒 | キジカクシ科

2023.04.12撮影

うちには、花筵になり得る植物がいくつかありますが、そのうち、よく広がっているのが2種あります。そのひとつが、この、キジカクシ科(Asparagaceae)シラー属(Scilla)の、チオノドクサ(Scilla forbesii)です。


冒頭の画像は、夕方の太陽にチオノドクサの花筵の一部分が照らされている様子。左に光が透けて見える葉っぱは、これもチオノドクサの葉っぱです。

2023.04.12撮影

これもチオノドクサです、冒頭の花筵の画像と同じ撮影日の。その花筵になっている部分は、この画像では、向こう側に見えます。ほんの30cmくらいしか離れていないのに、こちらは、まだお互い、ほぼくっついたままのツボミ。日照条件の違いのなせるわざです。

現在花筵になっている部分と、このツボミの数個体の部分とがつながって、結果的に全体が花筵になってくれる日が早く来ると、いいなあ。子作りを奨励しています。奨励金、ないよ。

2023.04.07撮影

これも、チオノドクサと同じくキジカクシ科(Asparagaceae)シラー属(Scilla)の植物で、シベリカ(Scilla siberica)です。シベリカは、うつむいて咲くのが特徴的です。


シベリカも花筵になり得ると思いますが、わたしの庭(北側の庭)の気象、土壌、条件が、シベリカの生育条件に合致しないのだ、と思います。上の画像は、その北側の庭で、なんとかですが、長い間生き延びているシベリカ。4月においても、花もまだ開ききっておらず、ぷくんとしたツボミがついています。

下の画像のシベリカは、去年の秋に南側の庭に植えたものです。撮影日は上の画像とほとんど変わらないのに、もうすでに、色があせかけていて、花が終わろうとしています。この南側の方は、いつかは花筵になってくれるのでしょうか。後ろの葉っぱはチューリップ(Tulipa)のものです。

2023.04.05撮影

次の写真は、青い花のスリーショットです。
・ビフォリア(Scilla bifolia
チオノドクサ(Scilla forbesii
・アネモネ・ブランダ(Anemonoides pseudoaltaica

2023.04.07撮影

画像手前がもう開いているビフォリア、画像奥がまだ開いていないチオノドクサです。両脇はアネモネ・ブランダで、撮影時間が夕方だったため、もう「おねむ」をしています。

ビフォリアは、チオノドクサ、シベリカ、と同じく、キジカクシ科(Asparagaceae)シラー属(Scilla)の花です。ビフォリアは、上をむいて咲き、紫の玉のようなメシベを見せてくれます。


この植物も、シベリカ同様、うちの庭はよく合っていないみたいで、お隣のおうちの陽のよりよく当たる芝生に脱走しては、繁殖し続けています。そのうち、うちのは花ハンカチーフぐらいなのに、あちらで花筵になると思います。


2023.04.14撮影

2週間ほど前、2日にわたって、「うちのイチリンソウ」という言い方で、アネモネ・ブランダ(Anemonoides blanda)について書きました。アネモネ・ブランダは、キンポウゲ科(Ranunculaceae)イチリンソウ属(Anemonoides)です。ブランダは、「セイヨウ・イチリンソウ」と呼んでもいいか、と思います。



その「うちのイチリンソウ」ですが、文字通り「うちの」と言っていいほど、この花はうちのお庭が好きみたいで、上の画像のように、花筵。

でも、画像中、手前の方で、ひときわ輝いているのは、英語で「雪の輝き、雪の誉れ(Glory-of-the-snow)」と呼ばれるチオノドクサです。

4月の半ばすぎ、うちの青い花筵は、まだまだ花開いたまま。それぞれの花の花期が長いだけでなく、次々とツボミが咲き出します。

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ヒアシンス、ダッチかローマンか

2023年04月15日 08時00分00秒 | キジカクシ科
2023.04.03撮影

わたしの住むカナダでも、ヒアシンスと言えば「ダッチ・ヒアシンス」です。「ローマン・ヒアシンス」はほとんど見ないし、手に入れることも難しいです。

「ローマン・ヒアシンス」というものがある、という認識さえも、大方の人は持っていないと思います。ましてや、どんな植物かも知らないと思います。50年〜100年前築の古い家の庭などでヒアシンスみたいなものを偶然見かけて、あれは何? と気づいたりするくらいでしょうか。 

「ローマン・ヒアシンス」のマニアは、「ローマン・ヒアシンス」の植えられている場所を探し出して、分けてもらえないか頼みに行くそうです。(わたしもそうしようと思っています。)

今日は、ヒアシンスのしめくくりとして、画像を見て「ダッチ・ヒアシンス」か「ローマン・ヒアシンス」か考えてみたいと思います。

 
2023.04.03撮影               2023.04.03撮影

 
2023.04.03撮影               2023.04.11撮影

以上は、バンクーバーの住宅地の庭に植えられているのを、撮影したものです。花の形、色、から、「ダッチ・ヒアシンス」と判断していいと思います。園芸種名、不明。

 
'Gypsy Queen'「ジプシー・クイーン」      'City of Haarlem'「ハーレム市」
   


以上は、Wikipediaからです。園芸種名がついています。オレンジ色系、黄色系の色は、本来のヒアシンスにはなく、また、花の形から見ても、これらは「ダッチ・ヒアシンス」でしょう。

 
2023.04.10撮影               2023.04.11撮影

左のは、うちのヒアシンスです。前にも見ていただきました。これは「ダッチ・ヒアシンス」として購入したものなので、どんなにやせ花になっても、「ダッチ・ヒアシンス」でござりまする(園芸種名は控えておきませんでした)。

年月が経ったり、生育条件が良くないと、こうなったりします。花数の少なさだけで「ローマン・ヒアシンス」である、とは言えないのです。

右のは、うちのご近所で見つけたかわいらしいヒアシンス。うちのヒアシンスが「ダッチ・ヒアシンス」なら、これも「ダッチ・ヒアシンス」でしょう。

 
2023.04.03撮影               2023.04.03撮影

この2種類も住宅地からです。左のは「ダッチ・ヒアシンス」でしょう。右はどうでしょうか。「ダッチ・ヒアシンス」がやせているのでしょうか、、それとも、「のど」の細いのが特徴の「ローマン・ヒアシンス」なのでしょうか。この住宅地は、100年来存在する古い街なので、古い「ローマン・ヒアシンス」が生き続けていても変ではありません。


2023.04.03撮影

この薄いピンク色のヒアシンスは、「ローマン・ヒアシンス」の可能性があるかも、と思いました。地上に落ちているよく似た色のものは、ヒアシンスのものではなく、モクレンの花びらの落ちたものです。


2023.04.11撮影

うちのご近所で見たヒアシンスです。花数は少なくても、八重なので、「ダッチ・ヒアシンス」ですよね。

次のWikipediaからのヒアシンスも、八重ですから、「ダッチ・ヒアシンス」です。八重にも、いろいろな形状があるんですね!!

 



次のヒアシンスは、みなさまのご判断に委ねたいと思います。うちのご近所さんが育てているヒアシンスです。

2023.04.11撮影

思っていたよりも、ヒアシンスの記事が回数を重ねてしまいました。ヒアシンス(Hyacinthus)に続いて、ヒアシンスに姿のよく似たヒアシントイデス属(Hyacinthoides)のブルーベルについて書こうと思っていたのですが、1日か2日、別の話題にしようか、と思います。

ここまでヒアシンスにおつきあいくださり、ありがとうございました。

コメント (2)

ローマン・ヒアシンス

2023年04月14日 08時00分00秒 | キジカクシ科
ヒアシンス
撮影者:Bubbah63
撮影日:2014.03.03
オリジナルからの改変、なし

昨日の記事で、ヒアシンスについて、次のことをまとめました。

・原産地は、トルコ、パレスチナ、シリア、レバノン、イラク、である
・ヨーロッパへは、主に、オランダとフランスに入った
・オランダで作り出された園芸種を「ダッチ・ヒアシンス」と呼ぶ
・「ダッチ・ヒアシンス」は多種多様である
・現代において栽培されるヒアシンスは、主に「ダッチ・ヒアシンス」
・フランスに入って伝わってきたものは、「ローマン・ヒアシンス」と呼ぶ


ケンブリッジ大学植物園で栽培されている「野生タイプのヒアシンス」
(Wild-type Hyacinthus orientalis in cultivation)
撮影者:Magnus Manske
撮影日:2009.05.02
オリジナルからの改変、なし

オランダでは、他の球根植物と同様、ヒアシンスも交配がくりかえされ、園芸的に開発されてきました。オランダと言えば、球根の大生産地です。

一方、フランスに入ったヒアシンスは、大きく開発されないままで、今日に至り、フランスの家庭の庭に植わっていたり、野山に野生化したり、しています

ケンブリッジ大学植物園で栽培されている「普通のヒアシンス」
Hyacinthus orientalis 'Common hyacinth')
撮影者:Magnus Manske
撮影日:2010.03.21
オリジナルからの改変、なし

では、「ローマン・ヒアシンス」には、どんな特徴があるのか。

・花数が少ない(花茎にばらばらに咲く)
・繊細でほっそりした感じの花
・最も多い色は濃い青紫、次に磁器のような薄青、次に真っ白、そして、ピンク
・「のど」にあたるところが細めで長め
・花茎が花の重みで倒れることはまずない
・ひとつの球根から複数の花茎が出得る
・球根は、長く生き、増え続ける(野生化する)

これに対し、「ダッチ・ヒアシンス」は、

・花数が多い(花茎にびっしりとつく)
・艶やかな花
・多種の色(昨日のチャートをご覧ください)
・「のど」にあたるところは、「ローマン・ヒアシンス」ほど細くない
・花茎が花の重みで倒れることが、かなりある
・ひとつの球根から1本の花茎
・長く植わっている球根は、花の勢いが弱まってくることがある

以上は、多くのサイトを参照し、見比べた結果です。

トルコのある村に生えている「普通のヒアシンス」
Hyacinthus orientalis 'Common hyacinth')
撮影者:Zeynel Cebeci
撮影日:2020.03.07
オリジナルからの改変、なし

「ローマン・ヒアシンス」も「ダッチ・ヒアシンス」も、「東洋のヒアシンス」Hyacinthus orientalis であることには変わりはありません。違いは、原種からどれほど変形されているか、です。そして、「ダッチ・ヒアシンス」は園芸化が進み、「ローマン・ヒアシンス」はそうではなく、原形に近いまま残った。

この2種のヒアシンスに関して、学名の情報があまりにも交錯しているんです。特定するのが難しかったのですが、以下のあたりで妥当なようです。

ローマン・ヒアシンス
Hyacinthus orientalis var. provincialis「田舎のヒアシンス」

ダッチ・ヒアシンス
Hyacinthus orientalis var. orientalis「東洋のヒアシンス」
別名、Hyacinthus orientalis var. albulus「白いヒアシンス」(なぜ、「白い」?)

トルコのある村に生えている「普通のヒアシンス」
Hyacinthus orientalis 'Common hyacinth')
撮影者:Zeynel Cebeci
撮影日:2020.03.07
オリジナルからの改変、なし

上の画像では花茎が同じ根本から2本出てきているようです。それなら、「ローマン・ヒアシンス」でしょう。

今日の画像は、みんな、「ローマン・ヒアシンス」だと思われるものを掲載しています。でも、わたし個人の判断ですので、間違っているかもしれません。

明日は、各種のヒアシンスをお見せして、ヒアシンスの話しは、それで一旦置きます。

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ヒアシンス、オランダとフランス

2023年04月13日 08時00分00秒 | キジカクシ科
イギリスの庭園に植えられているヒアシンス
撮影者:The wub
撮影日:2012.04.14
オリジナルからの改変、なし

昨日の記事では、うちのやせっぽちヒアシンスをお見せするとともに、ヒアシンスが、学名で、Hyacinthus orientalis「東洋のヒアシンス」と呼ばれることをご紹介しました。


ヒアシンスの原産地は、トルコ、パレスチナ、シリア、レバノン、イラク。その「東の地」から、まず、ヨーロッパに持ち込まれました。

ヨーロッパでヒアシンスの栽培が進んだのは、主に2地域において。ひとつは、現代でも球根の大生産地であるオランダ、もうひとつはフランス。

「オランダのヒアシンス」というのは、英語で Dutch hyacinth と言います。この表現から、日本語でも、オランダの園芸種は「ダッチ・ヒアシンス」とも呼ばれます。

一方、フランスの園芸種は、英語で Roman hyacinth と呼ばれ、これを日本語でカタカナにしたのが「ローマン・ヒアシンス」です。

Roman というのは、「(ローマ帝国の首都)ローマの」あるいは「ローマ帝国の」という意味ですが、広義には「ラテン世界の」であり、イタリア、スペイン、ポルトガル、そして、フランスなどの地域、人々、言語、文化、物品、などを指し、また、形容します。


ヒアシンスの園芸種
撮影者:QuazDelaCruz
 撮影日:2013.07.29
オリジナルからの改変、なし

現代において、わたしたちが庭や室内で育てているヒアシンスのほとんどは、「ダッチ・ヒアシンス」の、各種、園芸種です。

「ダッチ・ヒアシンス」の特徴は、その華やかさ、艶やかさ、です。

・花穂が大きい
・花数が多くつく
・色の種類が豊富(赤、ピンク、オレンジ、黄色、白、青、紫、赤紫、黒、など)
・花の大きさ、形に変化がある、八重もある

直前のチャート形式の画像は、そのような園芸種の花の数々です。

冒頭の画像の「ダッチ・ヒアシンス」も、花穂に花が整然と密集してついて、「見事」ですよね。

でも、このように花数多く毎年咲かせるのは、そう容易ではありません。冒頭の画像のヒアシンスは、毎年植え替えられている、つまり、前年に植えられたものである、と思います。庭園を「見せる」ものとして維持するには、球根も、毎年、掘り上げて廃棄し、新しく植えつけるのです。

白と紫のヒアシンス園芸種
撮影者:ElenaSchifirnet
撮影日:2008.04.19
オリジナルからの改変、なし

上の画像のヒアシンスは、その咲き方から見て、前年に植えられたのではなく、数年間、植えられたままで維持されている個体群だと思います。花が、整然としていないし、密集もしていません。代わりに、美しい自然な「乱れ」があります。

でも、うちのヒアシンス(下の画像)と比べると、まるまるしているなあ。

2023.04.10撮影

うちのは、これでも、(何度も繰り返して恐縮ですが)周りの大木の枝を取り払うことにより、回復してきたんです。

しかし、本来多年草である球根植物でも、原種系のは、生育条件が合えば地植えで増えていっても、園芸種は、その種類によっては消え込んでいったり、先祖返りします。チューリップでも、スイセンでも、ヒアシンスでも。

「ダッチ・ヒアシンス」の各種の園芸種が、年数が経ち、小ぶりに、また、スマートになっていくのは、仕方のないことだと思います。

今日の記事は、主に「ダッチ・ヒアシンス」についてになってしまいました。明日は、「ローマン・ヒアシンス」。

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ヒアシンス、東洋の

2023年04月12日 09時00分00秒 | キジカクシ科
2021.04.12撮影

一般に「ヒアシンス」と呼ばれている植物は、ヒアシンス属(Hyacinthus)の植物です。

学名 Hyacinthus orientalis
英名 Hyacinth(「ハイアシンス」のように発音)
和名 ヒヤシンス
別表記 ヒアシンス(わたしの個人的な好みで、こちらの名称を使います)
キジカクシ科(Asparagaceae)ヒアシンス属(Hyacinthus

昔、昔、ギリシャ神話の時代に Hyakinthos と呼ばれた美少年がいました。この名は、古ギリシャ語で「ヒュアキントス」のように発音します。この少年は、ギリシャ神話の主神であるゼウスの息子アポローンに愛されました(この「愛された」というのがどういう意味なのかは、知らない)。そして、円盤投げして遊んでいる時に、事故死し、その事故によって流した血から花が咲き、その花が「ヒュアキントス」と呼ばれるようになりました。

この「ヒュアキントス」と呼ばれた花が、一体どの花のことであったかは、はっきりとはわかっていないのですが、現在では、この語が、いわゆるヒアシンスを指す言葉となっています。

2023.04.05撮影(真上から)

ヒアシンス属(Hyacinthus)には、1種しか認めない場合と、3種認める場合があります。1種しか認めない場合には、他の2種は、Hyacinthella という属に入れます。

植物の分類で、属(ぞく)の上に科(か)があるのですが、その中間の位置に、つまり、科の下に亜科(あか)を設けることがあります。

キジカクシ科(Asparagaceae)の場合には、亜科が7つ、その亜科のひとつがツルボ亜科(Scilloideae)です。

亜科の下には、属が含まれ、属が種に分かれます。

2023.03.30撮影(斜め上から)

ツルボ亜科(Scilloideae)には、多くの属が属しますが、そのうちから、Hyacinth- と名づけられた属を抜き出してみます。属名の読み方は、日本語で書かれた各種サイトからの情報に従いました。

Hyacinthus(ヒアシンス属)
例:ヒアシンス、のみ

Hyacynthella(ヒアキンテラ属)
例:旧ヒアシンス属から分離、2種のみ

Hyacinthoides(ヒアキントイデス属)
例:イングリッシュ・ブルーベル、など

これらに加え、シラー属もツルボ亜科の属です。形態的に、ヒアシンス属等の花々に大変よく似ています。例えば、次の画像は、ヒアシンスのツボミですけど、シラー属のツボミにそっくりです。

Scilla(シラー属)
例:プシュキニア、チオノドクサ、シベリカ、ビフォリア、など

シラー属については、2月20日〜2月23日に書きましたので、よろしかったら、覗いてみてください。

2023.03.28撮影

ヒアシンス属(Hyacinthus)は、1種のみからなるとしても、3種からなるとしても、ヒアシンス自体の学名は、Hyacinthus orientalis です。

ヒアシンス(Hyacinthus orientalis)の原産地は、トルコ、パレスチナ、シリア、レバノン、イラク、であり、それらの地は、ヨーロッパから見て「東洋 orientalis」に当たります。

この、東洋が出の花が、ヨーロッパで、そして、のちには地球上の多くの地域で愛でられるようになった道筋を、明日、オランダとフランスのふたつの道筋で、簡単にですが、見てみようと思います。

2021.03.30撮影

今日掲載している画像は、すべて、うちのヒアシンスです。え? なんでこんなにやせっぽちなの? そもそも花がない!

すみません、うちの庭では多くの植物が成長した樹木の陰となり、そのため、いくつも植物を失ったり弱らせたりしてしまったのです。ヒアシンスも例外ではない。でも、球根が、園芸種であるために、自然に衰えただけかもしれません。

最初の画像と最後の画像は、2年前の写真です。その2枚の間の画像は、今年の写真で、時間的には、下から上へ行きます。どうか時期的な変遷をたどってみてください。

今年のヒアシンスは、木々の剪定の効果がよく出たのか、ちょっと太っていて、良かったと思いました。

明日は、オランダ系のヒアシンスと、フランス系のヒアシンスについて。

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