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カラスといちごとクロッカスと

身の回りの鳥や小動物、庭の花や畑の野菜など、日々日々、季節季節の情報を、
個人の目をとおしてお届けします。

紫色のオオツルボ属、フォルベシイ

2025年05月08日 13時10分00秒 | キジカクシ科
2025.03.25撮影

4月半ばに始めた「紫色のオオツルボ属」の3回シリーズですが、1回目を投稿した翌日に「サービス終了」が発表され、元気をなくしました。そのシリーズ1回目の記事も、忙しかった中、やっと書けたものだったので、2回目は何とか書いたものの、この3回目まで、時間が開いてしまいました。現在どこへ引越しするか思案中です。

今日の「紫色のオオツルボ属」は、フォルベシイ(Scilla forbesii)です。ぐずぐずしていたので、庭の花は終わってしまいましたが。

ここまでの3種のオオツルボ属Scillaを並べてみます。

 
2014.03.24撮影ビフォリア        2021.04.18撮影(シベリカ)

2023.03.28撮影フォルベシイ

ビフォリア(S. bifolia)とシベリカ(S. siberica)は、上を向いて咲くか、下を向いて咲くか、という大きな違いがあるとは言え、花の作り自体は、基本的には、同じです。ビフォリアの方がやや赤紫ぽいですが。(なお、シベリカの画像に見える柔らかそうな葉は、タイツリソウの類の葉です。)

でも、今日の花であるフォルベシイScilla forbesiiは、花の中央の部分の作りが全く異なります(冒頭画像などをご覧ください)。オシベの「束」の外側が「かべ」のようになり、残りのオシベを囲みます。そして、その囲まれたオシベに薄い黄色〜クリーム色の花粉がつきます。メシベは隠れていて見えません。

学名 Scilla forbesii「フォルブスのツルボ」(「フォルブス」は人名)
英名 Glory-of-the-snow「雪の輝き」
和名 ユキゲユリ(雪解百合)
別名 グローリー・オブ・ザ・スノー(英名から)
流通名 チオノドクサ(旧学名から)
キジカクシ科(Asparagaceae)オオツルボ属(Scilla

以下では、フォルベシイを日本での流通名を使って、「チオノドクサ」で呼ぶことにします。

 
2025.04.01撮影               2025.03.30撮影

上の画像は、両方ともチオノドクサですが、花びらの色をお比べください。花びらの中央部分は白いです。でも、左側のように、その白い部分が大きめの場合と、右側のように、白い部分が消え込んだようになっている場合があります。

これ、ひょっとして、別種? 実は、そっくりであり、別種とされているものや、同種とされているものが、計3「種」あり、常なら、わたしはそのへんも追求したいのですが、もう、元気がないので、ご報告だけ。もちろん、色だけで判断はできません。

Scilla forbesii(今日のオオツルボ、チオノドクサ)
Scilla sieheiScilla forbesii と同種? 別種?)
Scilla luciliaeScilla forbesii より、やや大きいようだ)

 
2025.03.21撮影               2025.04.04撮影

ツボミの出方をご覧ください。左の画像では、花軸にひとつしかツボミがついていません。でも、右側のではかなりの数のツボミがついています。この違いは、どのようにして出る? 球根の成熟度であろう、と思われます。なお、右の画像でチオノドクサの後ろに見える紫色の花は、上を向いて咲くビフォリアです。

 
2025.04.04撮影               2025.04.04撮影

ツボミが成長してくると、花の中央部分の白いところがツボミながらも見えてきます。右側の画像では、花軸の下の方のツボミが開いてきました。右上には、別の花軸につく、すでにかなり開いた花。

2025.03.30撮影

花が開きました。チオノドクサの花を見ていつも思うんですが、花弁の1枚1枚が平たくないんですよね・・・少し上で左右2枚並べた開いた花の画像がありますが、そちらでの方が、その辺をよく観察できるかもしれません。

2022.03.29撮影

チオノドクサの花筵をご覧ください。同じ位置で(撮影年は異なりますが)、カメラを引いて撮影したのが、下の画像です。わたしの庭では、チオノドクサの花筵は、ここだけではないんです。毎年、目を楽しませてくれます。

2023.04.14撮影

引っ越し先はまだ決まっていません。今まで書いた記事を保存するには引越しするしかない、ということですよね。その辺は理解した。

まあ、ぼちぼち、やってみます。他の投稿者の方々がいろいろ情報をくださっているので、ありがたいです。

次の投稿は、引越しのお知らせだけとなります。

ここまで読んでくださって、ありがとうございました。


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紫色のオオツルボ属、シベリカ

2025年04月19日 12時00分00秒 | キジカクシ科
2025.03.17撮影

今日は、キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ亜科(Sacilloideae)オオツルボ属(Scilla)の2回目です。これは、gooblogサービス停止の発表よりも前にお知らせしていたので、書こうと思います、かなり書く気は失せていますが。

人間の気持ちって、おもしろいですね。今後も続く、と思うからこそやる気が出るのでしょう。もうなしだよ、と言われると、何かが突如として崩れてしまったように感じます。

前回は、シラー・ビフォリアでした。

シラー・ビフォリS. bifoliaは、以下、左の画像に見られるように、上を向いてわさわさと咲きます。この個体は、特に花数の多い個体ですが。

 
2024.03.17撮影ビフォリア)        2025.03.17撮影シベリカ

それに対し、シラー・シベリカ(S. siberica)は、右上の画像に見られるように、階段状に下を向いて咲きます。1本の花柄にあまり多くの花はつかず、1つ〜3つ、せいぜい4つくらいです。

 
2025.03.29撮影               2025.03.29撮影

シベリカのツボミは、最初は、上を向いています(左上の画像)。その後、徐々に下に向けてうなだれるようになります(右上の画像)。


2025.04.04撮影

ツボミがもっとふくらんでくると、上の画像のように、下を向き、青く、ぷっくりとした形になります。

そのツボミの上方に太陽に当たって白っぽく見える2つの花は、次回にご紹介することになっている、通称「チオノドクサ」(S. forbesii)です。前にもご紹介しました。

周りに見えている柔らかそうな葉は、日本語で、タイツリソウ、あるいは、ケマンソウ、と呼ばれる植物の1種で、学名は、Dicentra formosa です。北米大陸の太平洋側の北西海岸地域を原産地とします。

2025.04.04撮影

シベリカもビフォリアと同じように、花は、花柄の下の方についているのから咲きます。上の画像では、下の花は、これで十分に開いています。上の花は、開く直前です。

この画像中右側に見えるのは、オオツルボ属(Scilla)と同じ、キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ亜科(Sacilloideae)の、プシュキニア(Puschkinia scilloides)です。

2006.03.27撮影

シベリカは、花びらの外側に青い筋がかなりくっきりと出ます。下を向いているだけでなく、大きく開かないので、咲き方が「傘」みたいですね?

この画像で、シベリカの葉もご覧ください。球根1つにつき、2〜4枚、葉が出ます。

 
2024.03.12撮影(ビフォリア)        2023.04.12撮影(シベリカ

改めて、前回のシラー・ビフォリア(S. bifolia)と、今回のシラー・シベリカ(S. sibericaを、簡単にですが、比べてみたいと思います。上の画像で、左がビフォリア、右がシベリカ、です。

左の画像は、真上から撮影したもので、ビフォリアは、このように上を向いて咲きます。

右のシベリカの個体は、チューリップの葉の間に埋もれていたのをわたしが引っ張り出して撮影したもので、よって、この花が上向きになっているのは、普通の姿ではありません。同じ画像の中で、右手に写っているのが普通の花の向きです。

ビフォリアシベリカの違い
・花びらもオシベのヤクも、ビフォリアは紫、シベリカは青
・花数は、ビフォリアは多め、シベリカは少ない
・メシベの根本の子房は、ビフォリアは紫、シベリカは黄緑
・シベリカの花びらの裏には、青い筋がつく

2025.03.29撮影

上の画像は、シベリカを下から見上げて撮影したものです。光線の向きの関係で、花びらが透けて見えます。そのため、花びらの裏にある青い筋も、花びらの表から見えます。周りの葉は、チューリップのものです。

学名 Scilla siberica「シベリアのツルボ」
英名 Siberian squill「シベリアのスクイル
流通名 「シラー・シベリカ」
キジカクシ科(Asparagaceae)オオツルボ属(Scilla



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紫色のオオツルボ属、ビフォリア

2025年04月13日 11時55分00秒 | キジカクシ科


2025.03.22撮影(雨後に撮影)

催し物があり、あわただしくしておりました。ひと段落したので、大急ぎで、季節の変化に、ついていけるようにいたします。

もう4月の半ばですが、わたしの庭で3月に咲く花3種を、今日から3回に分けて連載で。3回とも、同じ属から、紫色の花を選んでみました。

キジカクシ目(Asparagales)
キジカクシ科(Asparagaceae)
ツルボ亜科(Scilloideae)
オオツルボ属(Scilla

漢字では、「キジカクシ」は「雉隠」、「ツルボ」は「蔓穂」、と書きます。「雉隠」ねえ、、、どゆ意味? 「蔓穂」「穂」は、ツボミの塊が穂のような形状、ということかもしれませんが、「蔓穂」の「蔓」は? どこにも「蔓」は見えないんですけど・・・

2025.03.12撮影

今日取り上げるオオツルボ属(Scilla)の花は、流通名で言うと、「シラー・ビフォリア」です。学名 Scilla bifolia の英語読みをカタカナにしたものです。わたしの庭のオオツルボ属の花では、一番に咲き始める花です。

冒頭画像を見ていただきたいんですが、雨後に撮影したので雨粒が残っています。花被片が6枚、青いですが、中央がわずかに白いです。花被片とは、花弁ともガクとも区別のし難いものです。

オシベは6本、オシベの先につくヤクからは、薄いクリーム色の花粉が少し出ています。花の中央にある丸くふくらんだものは、メシベの根本にある子房、そして、その子房の上から花柱がつきだしています。直前の画像では、この花柱がはっきり見えません。

その、直前の画像ですが、そこでは、葉が2本出ているのが、よくわかります。この植物の学名 Scilla bifolia の種小名 bifolia は、「biビ)」で「2」、「foliaフォリア)」で「葉」、という意味です。ですから、「2枚葉のオオツルボ」。と言っても、オオツルボ属の種で2枚葉なのは、「シラー・ビフォリア」の専売特許ではないのですが・・・

直前の画像の株は中程度までいかない株ですが、大きい株が咲きそろうと、以下のようになります。うふっ、見事でしょ? 実は、この2株は、花粉がかなり出ていて、盛りをやや過ぎています。

2025.03.17撮影

オオツルボ属(Scilla)は、学名のラテン語をラテン語に近く読むと「スキッラ」あるいは「スキラ」、先にも述べましたが、この学名を英語読みしてカタカナにしたのが「シラー」・・・んんん・・・なぜラテン語に忠実にしない? なぜ和名があるのに和名を使わない? わたしには、わからん。園芸では「シラー」と呼ぶことが多いんですって。


2025.03.16撮影

上の画像は、ツボミが葉っぱに沿って串団子みたいに出たところです。ちょっと赤っぽいですね。葉が、やはり、2枚であるのがよく分かります。葉の縁(へり)も赤っぽいです。このように小さい時には、葉が厚いです。


2024.03.04撮影

ツボミがもう少し成長すると、花軸が見えるようになり、団子部分が緩んできます。花軸は、赤っぽいです。


2025.03.19撮影

ほどなく、花軸の下の方から、個々のツボミが花軸から離れて「開いて」いきます。


2025.03.16撮影

一番下の花が咲きました。


2025.03.22撮影

花が複数咲きました。この花は、上を向いて咲くのが特徴です。


2025.03.29撮影

花がもっと咲きました。画像の左側真ん中に写っている花のヤクは、青く、まだ開いておらず、花粉は出ていません。画像の右側の花のオシベからは、ヤクが落ちてしまっています。この画像からは、花被片の中央が白いのがよく分かります。


2024.03.17撮影

開いた花とツボミの両方のついている株です。


改めて、名称と所属をまとめます。

学名 Scilla bifolia「2枚葉のスキッラ」
英名 Alpine squill「高山のスクイル」
別名 Two-leaf squill「2枚葉のスクイル」 
流通名 「シラー・ビフォリア」
キジカクシ科(Asparagaceae)オオツルボ属(Scilla

わたしの庭は、家の北側と南側にあり、今日の画像は、両方の庭からです。背景に、わたしがマルチとして使っている茶色い落ち葉が見えるのが、北側の庭、斑入りの矮性マサキ(Euonymus japonicus)だとわたしが思っている植物から花軸が出ているのが、南側の庭、です。

そのわたしの日当たりの悪い北側の庭から、植物嫌いのお隣のおばさんのうちの日当たりのいい芝生へ逃げ出して、そこでのうのうと命を謳歌しているのが、次の「ビフォリア」さんたち。いいのよ、いいのよ、そこで幸せなら。

2025.03.25撮影

もう一度花盛りの株をご覧ください。

2024.03.21撮影


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ご近所のヒアシンス 2

2024年04月19日 08時00分00秒 | キジカクシ科
2024.04.10撮影

今日も、ご近所に咲いているヒアシンスを見てください。前回の記事は、ここ(ご近所のヒアシンス 1 - カラスといちごとクロッカスと)です。

冒頭のヒアシンスと次のヒアシンスは、去年の秋に植えられた球根から咲いています。よそのおうちの花なのに、なんでいつ植えたかわかるか、って? なんのことはないんですが、去年、このおうちは、花壇のなかったこの部分に、花壇を新たに作ったからです。

やっぱり新しい球根から咲いたので、花がたくさんついていますね。みごと〜〜

このクリーム色のヒアシンスの右後ろには、青いヒアシンスが見えますね。これは、前回の記事の冒頭でご紹介した園芸種(同一の個体ではありませんが)です。前の記事にもどって確かめていただければ、青いヒアシンスの左手に白っぽいヒアシンスが見えます。


2024.04.10撮影

これも、その同じおうちの新しい花壇から。地植えで2年目となる来年は、どのように咲くでしょうか。

次は、ヒアシンスがたくさん、たくさん、植っている、古いお庭です。何年も地植えのままであることが見て取れます。背景に、青系統のヒアシンスが見えます。これらは、前回ご紹介しました。

2024.03.26撮影

この白いヒアシンスは、真っ白ではなく、ピンクの筋が入っています。夢見心地な感じで、わたし、ほしくなってしまいました。この秋、カタログで見てみましょう。

次は、真っ白、と言っていいと思うヒアシンス。


2023.04.11撮影

この真っ白なヒアシンスの、こちらを向いている一番上の花の中に、オシベが見えます。ヒアシンスのオシベは、6本で、筒の部分に収まっています。

上下の数枚の画像に、板でできた白い柵が見えます。これは、今ではそうでもありませんが、北米(特に、アメリカ)の中産階級になろうとする人々の憧れだったんです。土地付きの一軒家を家族のために購入する。庭に芝生を敷き詰める。板を白いペンキで塗った低い柵で、その芝生を囲う。そして、パパとママと子どもたちとイヌ。芝生で転がって遊ぶ・・・

うちの柵も白・・・金属製で、ちっとも夢がないわ・・・でも、丈夫で便利です。わたしの庭の花の写真によく白い柵が写っているのは、この金属の柵です。

2024.03.26撮影

このワインレッドのヒアシンスにも筋が見えます。次にも。花びらの地の色と筋の色を比べると、必ず? 筋の色の方が濃い色のようです。


2024.03.26撮影

ヒアシンスは、根本から、葉と花茎が出ます。花は、花茎(かけい)から出た花柄(かへい)につきます(なんでこんな紛らわしい用語にするの?)。ヒアシンスの花柄は、個々の花の長さより短いです。上の画像のヒアシンスの場合は、短い方です。これより短いのもあります。

もう一色どうぞ。

2024.04.10撮影

今日最後のヒアシンスは、前回の記事の最初のヒアシンスのような二重の花です。でも、この薄いピンク色のヒアシンスは、あの青いヒアシンスより、花びらがやや肉厚なように見えるのですが、そうでもないでしょうか。

2024.03.26撮影

ところで、ヒアシンスの属名Hyacinthus)「ヒュアキントス」は、ギリシャ神話に登場するアポロンの、同性愛の対象、美少年ヒュアキントスに因みます。あまり長くない話をさらに短くすると、ヒュアキントスが、アポロンと円盤投げ遊びをしていて円盤に当たり(どのようにして当たったかは、異説があるので省略)事故死したのをアポロンがいたみ、花に変えた、と。でも、その花は、ヒアシンスのことなのか、他の花のことなのか、はよくわからないそうです。


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ご近所のヒアシンス 1

2024年04月17日 08時00分00秒 | キジカクシ科
2024.04.10撮影

バンクーバーでもずいぶん暖かくなってきました。ずいぶん、とは言っても、ジャケットなしで外に長くいると、体が冷えますが。

でも、見ました、オープンカーのルーフ部分を開けて(でも、夏のように窓までは開けませんが)、走っておられるお方がいるのを。これを見れば、わたしは、毎年、「寒いの、やせ我慢しなくていいのよ」と同情しますが、オープンカーがこのように走り出すのは、バンクーバーにも春が来た印ではあります。

今日は、そして、次回にわたり、ご近所で咲いているヒアシンスHyacinthus orientalisの園芸種を「色々」(文字通り)お届けしたいと思います。

ヒアシンスの原種は、一重です。そして、多くの園芸種も一重です。でも、冒頭の画像と次の画像のヒアシンス(両者とも同じ園芸種だと思います)の園芸種は、花びらが二重になっています。

2024.04.10撮影

次のウェブページは、Pacific Bulb Society(訳すとすれば、「太平洋地域球根協会」)のサイトの、ヒアシンス属のページです。ページの一番上に、ヒアシンス属(Hyacinthus)についての簡単な説明があります。そこには、ヒアシンス(ヒュアキントス)属には3種が属する、その3種の1種ヒアシンス・オリエンタリス(Hyacinthus orientalisであり、それが、いわゆる「ヒアシンス」の園芸種の親となっている、と書かれています。


このページの画像のうち、上の方が、原種ヒアシンス(Hyacinthus orientalis)の亜種数種で、下の方が園芸種です。亜種と園芸種の違いが、一目で区別できるような写真が載っていますので、よろしければ、ちょこっと覗いてくださいませ。画像は、それぞれ、クリックすれば大きくなります。

なお、ヒアシンス(Hyacinthus orientalis)の種小名「オリエンタリス(orientalis)」は、「東方の」という意味です。これは、ヒアシンスが、地中海でも、東地中海を原産とするからです。日本語で「オリエンタル」というと、「アジア」というように考えられがちかもしれませんが、それは、「東の」という意味なんです。「アジア」を「オリエント」と呼ぶのは、ヨーロッパから見て東の地だからです。

2024.03.26撮影

こちらのヒアシンスは、これも園芸種には違いありませんが、原種に近く見えますね? その理由は、古い株だからだ、と思います。花が華美、華美、とついて、丸々と太ったように見える園芸種でも、何年も植えたままにしていると、このように「スマート」になってくるんです。花と花の間が空いてきて、花数が減り、茎が見えるようになります。

と言っても、園芸種でも、花が茎にびっしりとついたものばかりではないそうです。

先のサイトから、ヒアシンスの園芸種の特徴を要約引用(翻訳)すると、
・1株に花茎1本〜複数本
・花びらは、一重、あるいは、二重
・花の色は、白、クリーム色、ピンク、紫(青紫)、赤紫
・花のつき方は、密集したのもあれば、そうでもないものもある


2024.03.26撮影

ヒアシンスは、多分、もともと、花びらの地の色よりも濃い色の筋が、全ての花弁6枚についているのだ、と思います。そして、地の色が薄いときに、筋の色が目立って見えるようになる、上の画像の例のように(この画像、目がチカチカして申し訳ございません)。

そんな筋は、やや濃いめの色の花(チカチカより前の画像)にも見えるし、ずっと濃い色の花(最初の画像2枚)にも、よく見てみれば出ているのが分かります。

ヒアシンスは、キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ亜科(Scilloideae)に属します。この亜科の他の植物にも、花に筋の入るのがあります。プシュキニア(Puschkinia)など。


2024.03.26撮影

ヒアシンスの花は、6枚の花弁の根本がひとつにつながっています。そんな花の作りを、合弁花といいます。つながっていないのを、離弁花といいます。離弁花とは、花びらがバラバラの、バラみたいな花です(つまんねえダジャレにもならないコトを言うな)。

合弁花のくっついたところは筒のようになっていて、そのまま「筒」と呼びます。わたしとしては、「首」と呼びたいところですが。

で、その筒ですが、直前の画像のヒアシンスは、きれいな水色をしています。花びらの6つに分かれたところが白と紫で、色のコントラストが魅力的です。その前の画像のヒアシンスも、花びらの地、花びらの筋、筒、が同系統でも異なる色です。

2024.03.26撮影

このヒアシンスも、地植えのまま年数の経ったものだと思われます。ひとつ前のヒアシンスと、ふたつ前のヒアシンスと同じように、花びらの地が白系統、筋が紫系統、そして、筒が青系統です。この花は、全体的に薄い色。

次の画像(これもチカチカ画像で申し訳ございません)で、筋の見えやすいヒアシンスを3種まとめてどうぞ。

2024.03.26撮影

先の「太平洋地域球根協会」のサイトのヒアシンスのページを見てくださればわかりますが、原種の亜種に、このような筋が出ています。筋の色が大変薄いのもありますが。

つづく

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紫の花、わたしの3月の庭

2024年04月05日 08時00分00秒 | キジカクシ科
2024.03.17撮影

わたしの3月のお庭には、紫の花がたくさん咲いています。花むしろになっていたり、なりかけているのもあります。庭中に散らばって増えているのもあります。

けしからないことに、園芸嫌いの東隣のおばさんとこの芝生にまで、出かけて行って増えているのがあります。やつら、楽しそうに咲いているんですよ〜〜、あちらの方がよく陽が当たるからね〜〜。反対隣の西隣の園芸好きのおばさんのとこへ移民したのもあります。こちらの方は、分け合えてうれしいです。

これらの、今咲いていている花は、みんな背丈の低い植物なので、スイセン(Narcissus)やチューリップ(Tulipa)のようには目立ちません。でも、咲きそろうと見事です。

今日は、そんな紫の花のうち、
キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ亜科(Scilloideae)
の植物を5種類、並べてみます。

 
2024.03.18撮影               2024.03.18撮影

これは、古い属名 Chionodoxa「チオノドクサ」を通称とします。chion は「雪」、doxa は「光栄、輝き」という意味です。まだ雪の残っている時に雪を突き破って咲いてくる、ということでしょうが、そういう命名の花って、結構あるようですね。

チオノドクサの花の特徴は、中央が白いこと、そして、カップ状の副花冠があること。副花冠とは、花びらの内側にある花びらのようなものです。チオノドクサのツボミは、尖っています(左上の画像、右上の画像も)。

学名 Scilla forbesii「フォーブズのツルボ」
英名 Glory-of-the-snow「雪の輝き、雪の誉」
和名 チオノドクサ(古い学名から)
キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ亜科(Scilloideae)ツルボ属(Scilla


2024.03.04撮影

これは、学名の種小名 siberica から、シベリカと呼ばれます(シベリア原産ではないけれど)。花がうつむいて咲く(右下の画像)のと、花びらに筋が入る(右下の画像と上の画像)のと、オシベのヤクが青い(上の画像)のが、特徴です。ツボミの先は、チオノドクサのツボミのように尖りません(左下の画像)。

 
2023.03.04撮影               2024.03.19撮影

学名 Scilla siberica「シベリアのツルボ」
英名 Siberian squill「シベリアのスクウィル」
和名 シベリカ(学名の種小名から)
キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ亜科(Scilloideae)ツルボ属(Scilla

もうひとつツルボ属の花をどうぞ。

2024.03.14撮影

わ、花盛りですね。花の中央にある子房が、宝石のようです。

学名 Scilla bifolia「2枚葉のツルボ」
英名 Alpine squill「高山スクウィル」
英名 Two-leaf squill「2枚葉のスクウィル」
和名 ビフォリア(種小名から)
キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ亜科(Scilloideae)ツルボ属(Scilla

次の画像の個体は、庭のあちこちに生えている子どもたちです。土地で直接続いていない以上、球根が増えて個体が増えた、と言えないので、タネで増えたのだろう、となるのですが、媒介者が何かはわかりません。風??

 
2024.03.04撮影               2024.03.15撮影

ここからは、ツルボ属(Scilla)でないものをお見せします。でも、ここまでのツルボ属(Scillaと同じく、ツルボ亜科(Scilloideae)に属する球根植物です。

まず、ムスカリ(Muscari)。

学名 Muscari
英名 Grape hyacinth「グレープ・ヒアシンス」(ブドウのようなヒアシンス)
和名 ムスカリ(学名から)
キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ亜科(Scilloideae)ムスカリ属(Muscari

2024.03.21撮影

上の画像の2〜3色に色分けされたムスカリは、Muscari latifolium です。latifolium という種小名は、「幅広の葉の」という意味です。実際に、葉の幅が広めです。花の色は、園芸種により異なります(下の画像)。また、咲き進むことにより、花の色は変化していきます。この種の「花房」は、やや細く長い傾向にあります。

 
2024.03.21撮影               2024.03.12撮影

次の画像のムスカリは、Muscari armeniacum です。種小名の armeniacum は、文字通り「アルメニアの」で、原産地にアルメニアが含まれます。花の色は、他にもあります。花びらの先が、白い唇のようです。「花房」はややずっしりした形。葉の幅は細めです。


2024.03.21撮影

今日最後の、わたしの今年の3月の庭からの、ツルボ亜科(Scilloideae)紫の花は、ヒアシンスです。

学名 Hyacinthus orientalis
英名 Hyacinth
和名 ヒヤシンス
別名 ヒアシンス
キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ亜科(Scilloideae)ヒアシンス属(Hyacinthus)

2024.03.18撮影

このわたしのヒアシンスは、随分前からわたしの庭に住んでいるんです。最初は、「ちゃんとした」まるまるとしたヒアシンス園芸種の形をしていたんですが、毎年、だんだん花数が少なくなってきました。茎に対して、すきすきに花がつきます。でも、これが、原種の形に近いのだと思います。

 
2024.03.04撮影               2024.03.17撮影

より「自然」に近いヒアシンスのツボミ(左上の画像)を見てみると、シベリカ(Scilla forbesii)やビフォリア(Scilla bifolia)のツボミとよく似ていますね?

わたしは、こんな感じに咲くヒアシンスが好きです。

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この花、前からおかしい、と(2)

2024年03月18日 08時00分00秒 | キジカクシ科
2022.03.29撮影

これは、前回の記事の最後に掲載した画像です。これが、問題にしている2種の植物のうちの、スキラ・ミシュチェンコアナ(Scilla mischtschenkoanaで *ない* 方の1種です。

この花も、白地に青い筋りです。でも、花の中央が、スキラ・ミシュチェンコアナと異なります。こちらは、スイセン(Narcissus)のように、小さいながらも中央にカップ状のものがあります。そして、そのカップ状のものの中に、これもスイセンのように、オシベとメシベが入っています。

以下の画像で、それをお確かめください。

2022.03.29撮影

この植物は、次であると思います。

学名 Puschkinia scilloides「プシュキニア・スキロイデス」
英名 Striped squill
和名 プシュキニア・スキロイデス
キジカクシ科(Asparagaceae)プシュキニア属(Puschkinia

前回の記事の花、スキラ・ミシュチェンコアナと、今回の記事の花、プシュキニア・スキロイデスは、似ていますね。そっくりではありませんが。

実は、両者とも、英語で Squill(学名の Scilla、和名のツルボに当たる)と呼ばれます(他の言語のことは知りません)。見た目が似ていれば混同しやすいし、また、名称が同じなら混同が進む、と思います。

おもしろいことに、花の中央にカップがある方の学名は、
Puschkinia scilloides「プシュキニア・スキロイデス」
で、種小名の scilloides は、scilla もどき」(ツルボもどき)という意味です。

2023.04.04撮影

そもそも、うちには、スキラ・ミシュチェンコア(オシベが見える方)とプシュキニア・スキロイデス(カップがある方)の両方があった(=わたしが植えた)んだろうと思います。なぜ両方あったかは、不明です。

でも、勢いが弱くなってきたので、何度か買い足した。そして、そのたびに、オシベが見える方を図らずも増やしていった・・・もよう。そして、花が元気に咲けば咲くほど、2種を1種と自分に言い聞かせながら、何かおかしい、と思ってきたのです。

今春は、昨秋に買って植えたのが、たくさん咲き出しました。そして、その花を見て、ますます???

それで、アルバムをつらつら眺めてみると、、、ということになったのです。

前から不思議だったことがやっと解決した!


2023.03.28撮影

以下に、スキラ・ミシュチェンコアナとプシュキニア・スキロイデスの特徴をまとめておきます。

スキラ・ミシュチェンコアナ(オシベが6本見える方)
・ツルボ属(Scilla)である
・花びらがややピンク色を帯びる
・花びらがやや「しわしわ」である
・オシベが、6本、分離している
プシュキニア・スキロイデスより早く咲く
・頑丈なようだ

プシュキニア・スキロイデス(カップがある方)
プシュキニアPuschkiniaである
・種小名は「scilla もどき」(ツルボもどき)である
・花びらは白っぽい(ピンク色を帯びない)
・花びらが比較的ピンと張っている
・スイセン様のカップが花の中央にある
・オシベとメシベは、スイセンのように、カップの中にある
・スキラ・ミシュチェンコアナより遅く咲く
・頑丈でない可能性がある

以下に、この2種の花を並べてみます。花の大きさ、草丈は、ほぼ同じです(画像の倍率が異なるので同じに見えませんが)。花がこんなに違うのに同じ植物だ、と自分に言い聞かせる意思の力の強さに驚きました。

 
2022.04.06撮影               2022.02.26撮影

最後に、言い訳がましく言うのですが、わたしみたいな素人どころか、有名園芸サイトが混同しているところをご覧ください。両方をスキラ・ミシュチェンコアナと呼んでいます。

スキラ・ミシュチェンコアナ(オシベが6本見える方)は、
正しく、スキラ・ミシュチェンコアナと呼んでいる

別種であるプシュキニア・スキロイデス(カップがある方)を、
間違って、スキラ・ミシュチェンコアナの園芸種だと言っている

わたしは、カップのある方が好きなので、そちらを増やしたい。これからは、ラベルに書いてあることよりも、写真の方をよく見て、球根を購入するようにします。

このカップのある方は、消え込んでいなければ、時季的にこれから咲くはずです。楽しみです。

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この花、前からおかしい、と(1)

2024年03月15日 08時00分00秒 | キジカクシ科
2021.03.03撮影

わたしの庭には、今、この花がたくさん咲いています。5〜15cmくらいの草丈です。2月の半ばに咲き出しました。次々と咲いています。

庭で花が咲くと、わたしは、毎日ではありませんが、何日かごとに写真を撮ります。そして、月ごとのファイルと、種(しゅ)ごとのファイルを作ります。(ヘレボルスだけは、あまりにもたくさんあるので、別建です。)種はさらに属に、属は科に、科は目に分類します。正確には、目を科に、科を属に、属を種に、分類するのですが。


2023.03.05撮影

上掲2枚の画像の植物は、
・キジカクシ科(Asparagaceae)
・ツルボ亜科(Scilloideae)(「亜科」というのは、「科」の下位分類です
・ツルボ属(Scilla
スキラ・ミシュチェンコアナ(Scilla mischtschenkoana) 
に、わたしの植物のアルバムでは分類してあります。

そして、ちょっと前に、そのアルバムをしげしげと眺めていたんです。なぜ眺めていたかと言うと、前から、実は、もう何年も何年も、なにかしっくりしないことがあって、その疑惑が今年ますます高まったからです。

去年の秋に、この植物の球根を植え足しました。咲く花が減っているように感じたからです。そして、この春、この花がたくさん咲きました。たくさん咲いているので、じっくりと観察することができました。

すると、、、何か違う、、、思っていたイメージと異なる、、、

それで気づいたのは、、、わたしが、ツルボ属(Scilla)のスキラ・ミシュチェンコアナ(Scilla mischtschenkoana)のアルバムに分類していたものが、どう見ても、1種の花ではなく、2種の花だ、ということ。


わたしの上記の記事では、2種をまったく混同しています。

わたしはそこで、
・スキラ・ミシュチェンコアナ(Scilla mischtschenkoana)のことを
・プシュキニア・スキロイデス(Puschkinia scilloides)と合わせて
・プシュキニア(Puschkinia)と、「通称」でと断りながらも、呼んでいるのです。

わたしが2種の花を同じだと取り違えたのは、両者ともに白地に青い筋りであり、かつ、園芸店(すべて、ではない)等が使っている通称が Puschkinia「プシュキニア」だからです。園芸店等云々は、もちろん、わたしが自分の間違いを他人になすりつけているわけです。

2022.02.26撮影

上掲の画像も、スキラ・ミシュチェンコアナです。冒頭画像と直前の画像では、オシベから花粉が出ていますが、2番目の画像ではオシベからまだ花粉が出ていません。でも、3枚すべてで共通なのは、6本のオシベが別々にはっきりと見えること。

ここで、もうひとつの植物をご覧ください。きれいでしょ〜〜〜!!


2022.03.29撮影

つづく

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わたしのお庭、4月前半、青い花筵

2023年04月21日 08時00分00秒 | キジカクシ科

2023.04.12撮影

うちには、花筵になり得る植物がいくつかありますが、そのうち、よく広がっているのが2種あります。そのひとつが、この、キジカクシ科(Asparagaceae)シラー属(Scilla)の、チオノドクサ(Scilla forbesii)です。


冒頭の画像は、夕方の太陽にチオノドクサの花筵の一部分が照らされている様子。左に光が透けて見える葉っぱは、これもチオノドクサの葉っぱです。

2023.04.12撮影

これもチオノドクサです、冒頭の花筵の画像と同じ撮影日の。その花筵になっている部分は、この画像では、向こう側に見えます。ほんの30cmくらいしか離れていないのに、こちらは、まだお互い、ほぼくっついたままのツボミ。日照条件の違いのなせるわざです。

現在花筵になっている部分と、このツボミの数個体の部分とがつながって、結果的に全体が花筵になってくれる日が早く来ると、いいなあ。子作りを奨励しています。奨励金、ないよ。

2023.04.07撮影

これも、チオノドクサと同じくキジカクシ科(Asparagaceae)シラー属(Scilla)の植物で、シベリカ(Scilla siberica)です。シベリカは、うつむいて咲くのが特徴的です。


シベリカも花筵になり得ると思いますが、わたしの庭(北側の庭)の気象、土壌、条件が、シベリカの生育条件に合致しないのだ、と思います。上の画像は、その北側の庭で、なんとかですが、長い間生き延びているシベリカ。4月においても、花もまだ開ききっておらず、ぷくんとしたツボミがついています。

下の画像のシベリカは、去年の秋に南側の庭に植えたものです。撮影日は上の画像とほとんど変わらないのに、もうすでに、色があせかけていて、花が終わろうとしています。この南側の方は、いつかは花筵になってくれるのでしょうか。後ろの葉っぱはチューリップ(Tulipa)のものです。

2023.04.05撮影

次の写真は、青い花のスリーショットです。
・ビフォリア(Scilla bifolia
チオノドクサ(Scilla forbesii
・アネモネ・ブランダ(Anemonoides pseudoaltaica

2023.04.07撮影

画像手前がもう開いているビフォリア、画像奥がまだ開いていないチオノドクサです。両脇はアネモネ・ブランダで、撮影時間が夕方だったため、もう「おねむ」をしています。

ビフォリアは、チオノドクサ、シベリカ、と同じく、キジカクシ科(Asparagaceae)シラー属(Scilla)の花です。ビフォリアは、上をむいて咲き、紫の玉のようなメシベを見せてくれます。


この植物も、シベリカ同様、うちの庭はよく合っていないみたいで、お隣のおうちの陽のよりよく当たる芝生に脱走しては、繁殖し続けています。そのうち、うちのは花ハンカチーフぐらいなのに、あちらで花筵になると思います。


2023.04.14撮影

2週間ほど前、2日にわたって、「うちのイチリンソウ」という言い方で、アネモネ・ブランダ(Anemonoides blanda)について書きました。アネモネ・ブランダは、キンポウゲ科(Ranunculaceae)イチリンソウ属(Anemonoides)です。ブランダは、「セイヨウ・イチリンソウ」と呼んでもいいか、と思います。



その「うちのイチリンソウ」ですが、文字通り「うちの」と言っていいほど、この花はうちのお庭が好きみたいで、上の画像のように、花筵。

でも、画像中、手前の方で、ひときわ輝いているのは、英語で「雪の輝き、雪の誉れ(Glory-of-the-snow)」と呼ばれるチオノドクサです。

4月の半ばすぎ、うちの青い花筵は、まだまだ花開いたまま。それぞれの花の花期が長いだけでなく、次々とツボミが咲き出します。

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ヒアシンス、ダッチかローマンか

2023年04月15日 08時00分00秒 | キジカクシ科
2023.04.03撮影

わたしの住むカナダでも、ヒアシンスと言えば「ダッチ・ヒアシンス」です。「ローマン・ヒアシンス」はほとんど見ないし、手に入れることも難しいです。

「ローマン・ヒアシンス」というものがある、という認識さえも、大方の人は持っていないと思います。ましてや、どんな植物かも知らないと思います。50年〜100年前築の古い家の庭などでヒアシンスみたいなものを偶然見かけて、あれは何? と気づいたりするくらいでしょうか。 

「ローマン・ヒアシンス」のマニアは、「ローマン・ヒアシンス」の植えられている場所を探し出して、分けてもらえないか頼みに行くそうです。(わたしもそうしようと思っています。)

今日は、ヒアシンスのしめくくりとして、画像を見て「ダッチ・ヒアシンス」か「ローマン・ヒアシンス」か考えてみたいと思います。

 
2023.04.03撮影               2023.04.03撮影

 
2023.04.03撮影               2023.04.11撮影

以上は、バンクーバーの住宅地の庭に植えられているのを、撮影したものです。花の形、色、から、「ダッチ・ヒアシンス」と判断していいと思います。園芸種名、不明。

 
'Gypsy Queen'「ジプシー・クイーン」      'City of Haarlem'「ハーレム市」
   


以上は、Wikipediaからです。園芸種名がついています。オレンジ色系、黄色系の色は、本来のヒアシンスにはなく、また、花の形から見ても、これらは「ダッチ・ヒアシンス」でしょう。

 
2023.04.10撮影               2023.04.11撮影

左のは、うちのヒアシンスです。前にも見ていただきました。これは「ダッチ・ヒアシンス」として購入したものなので、どんなにやせ花になっても、「ダッチ・ヒアシンス」でござりまする(園芸種名は控えておきませんでした)。

年月が経ったり、生育条件が良くないと、こうなったりします。花数の少なさだけで「ローマン・ヒアシンス」である、とは言えないのです。

右のは、うちのご近所で見つけたかわいらしいヒアシンス。うちのヒアシンスが「ダッチ・ヒアシンス」なら、これも「ダッチ・ヒアシンス」でしょう。

 
2023.04.03撮影               2023.04.03撮影

この2種類も住宅地からです。左のは「ダッチ・ヒアシンス」でしょう。右はどうでしょうか。「ダッチ・ヒアシンス」がやせているのでしょうか、、それとも、「のど」の細いのが特徴の「ローマン・ヒアシンス」なのでしょうか。この住宅地は、100年来存在する古い街なので、古い「ローマン・ヒアシンス」が生き続けていても変ではありません。


2023.04.03撮影

この薄いピンク色のヒアシンスは、「ローマン・ヒアシンス」の可能性があるかも、と思いました。地上に落ちているよく似た色のものは、ヒアシンスのものではなく、モクレンの花びらの落ちたものです。


2023.04.11撮影

うちのご近所で見たヒアシンスです。花数は少なくても、八重なので、「ダッチ・ヒアシンス」ですよね。

次のWikipediaからのヒアシンスも、八重ですから、「ダッチ・ヒアシンス」です。八重にも、いろいろな形状があるんですね!!

 



次のヒアシンスは、みなさまのご判断に委ねたいと思います。うちのご近所さんが育てているヒアシンスです。

2023.04.11撮影

思っていたよりも、ヒアシンスの記事が回数を重ねてしまいました。ヒアシンス(Hyacinthus)に続いて、ヒアシンスに姿のよく似たヒアシントイデス属(Hyacinthoides)のブルーベルについて書こうと思っていたのですが、1日か2日、別の話題にしようか、と思います。

ここまでヒアシンスにおつきあいくださり、ありがとうございました。

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