カラスといちごとクロッカスと

身の回りの鳥や小動物、庭の花や畑の野菜など、日々日々、季節季節の情報を、
個人の目をとおしてお届けします。

ご近所のチューリップ 1

2024年04月29日 08時00分00秒 | ユリ科

ご近所さんたちの庭先でも、きれいにチューリップが咲いています。ちょっと前に、うちの近くをぷらぷら歩いてみました。今日は、その時に撮った写真を並べてみたいと思います。撮影日は、全て、2024年4月10日です。

学名 Tulipa cv.
英名 Tulip cultivars
和名 チューリップ(園芸種)
ユリ科(Liliaceae)チューリップ属(Tulipa


以下の内容は、先週のチューリップについての記事2本
で書いたことと被るところもありますが、、、

チューリップは、
・花被(花びらに見えるもの)が6枚
・そのうち、外花被(ガク)が3枚
・内花被(花弁)が3枚
今日の画像では、これらが区別してはっきり見えるものはありません。

内花被の中央には、
・縦にくぼみが2本入る
・くぼみとくぼみの間は、外に盛り上がっている
これは、冒頭の画像と直前の画像ではっきりと見えます。

外花被は、中央部分が、
・ヘリの色より薄い場合(直前の画像)
・濃い場合(次の画像)とがあるようだ
・全体が濃い色のチューリップ(冒頭の画像)では、違いが少ないが、ないわけではないかも
と一般的に言えるかもしれません。



懺悔することが・・・

このチューリップは、2軒西隣のおうちので、何年も毎年咲いている花なのですが、わたしは、これがいたく好きで、このように写真を撮ったんです。そして、立ち上がる時に、なぜか、茎を折ってしまった。カメラが当たったのかなあ、それとも、わたしが頭突きをした??

いずれにしても、よそ様の花をぶった斬ってしまった。まず、お花さん、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。次に、お家の人々、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。

わたしは、その折れたチューリップを手に取り、そのおうちの玄関へ行ったんですけど、留守の模様・・・落ち込んだけど、仕方ないので、自分のうちで花瓶に挿しました。ごめんなさい。次に会ったら、謝ろう。



次のチューリップは、わたしの折ったチューリップとは、濃さが違いますけど、同じ園芸種のチューリップだと思います。なぜなら、うちの、「メントン(Menton)」という園芸種の示す色の幅とそっくりだからです。うちの「メントン」については、またの機会に。



次の、きれいなオレンジ色のチューリップは、花びらが1枚離れかけています。花が古くなりかけると、このようなことが起こります。


次の画像2枚では、花びらがもっと離れています。でも、これが起こったからと言って、すぐに花が終わるわけではありません。

チューリップは、うちの庭では、ツボミが色づいてから、花びらが張りをなくし、ああ、花が終わった、と感じるまで、だいたい2週間〜3週間+咲き続けます。

 

つづく

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スイセンに口紅を

2024年04月26日 08時00分00秒 | ヒガンバナ科
2024.03.30撮影

わあ〜、口紅がついているわ〜〜。クチベニスイセンよね、これ。

去年の秋に球根を買ったときに控えておいたラベルによると、このスイセンの園芸種名は、「フラワー・レコード(Flower Record)」。副花冠(花の中央にあるカップ状のもの)にぐるりとついた模様から「花のレコード」と呼んでいるのでしょうか。

学名 Narcissus cv. 'Flower Record'
和名 スイセン「フラワー・レコード」
ヒガンバナ科(Amaryllidaceae)スイセン属(Narcissus
ディビジョン2・大杯スイセン

実は、前にも、クチベニスイセンをご紹介しました。ウクライナの花の特集をした時のことです。その特集は、ロシアがウクライナの領土を侵略し始めて1年目の、2023年2月24日に始めました。それからさらに1年以上経った今、その侵略は続いています。ロシアは、武力行使をやめろ。


以下の画像のスイセンは、その、クチベニスイセン(口紅水仙)です。学名は Narcissus poeticus詩人の水仙」という意味です。


Narcissus poeticus
撮影者:Meneerke bloem
撮影日:2012.04.30

学名 Narcissus poeticus詩人の水仙
和名 クチベニスイセン(口紅水仙)
ヒガンバナ科(Amaryllidaceae)スイセン属(Narcissus
ディビジョン9・口紅スイセン

あら? ディビジョンが違う??? この2種のスイセンを、並べてみます。

 
「フラワー・レコード」(冒頭画像に同じ)  「クチベニスイセン」(上の画像に同じ
ディビジョン2・大杯スイセン         ディビジョン9・口紅スイセン

なるほど、出自はともかくとして、副花冠の大きさ・長さが違うんですね。

園芸の流通上では、園芸種の多いスイセンやチューリップは、種(しゅ)で分けられるよりも、特徴で分けられる傾向にあります。スイセンは、13ディビジョン、チューリップは、15、ないしは、16ディビジョンに分けられます。

以下は、ディビジョン1、2、3、そして、9の定義を。1〜3は副花冠の長さで、9は出自で定義されます。

ディビジョン1「ラッパスイセン」
・副花冠の長さが、花弁の長さと同じかそれ以上
ディビジョン2「大杯(たいはい)スイセン」
・副花冠(=杯)の長さが、花弁の3分の1を超える〜花弁の長さを超えない範囲
ディビジョン3「小杯スイセン」
・副花冠の長さが花弁の3分の1以下
ディビジョン9「口紅スイセン」
・原種 Narcissus poeticus詩人の水仙」の園芸種

では、ディビジョン2の「大杯スイセン」とディビジョン9の「口紅スイセン」の特徴を比較してみると、

ディビジョン2「大杯スイセン」
・大きめの花冠
・大きめの副花冠
ディビジョン9「口紅スイセン」
・平たい副花冠
・副花冠が濃い紅赤で縁取られる
・香りがある

ということは、、、大杯スイセンの副花冠に赤っぽい縁取りがあるかどうかは、ディビジョンの分け方にまったく関係なく、「口紅」がついていても口紅スイセンではないのであ〜る。副花冠の大きさを見れば、わかる。

と残念がりながら、考えてみると、前に同じような記事を書いたことがあるような・・・と思って探してみました。すると、ウクライナの花シリーズの1ヶ月半ほど後に、ちゃんと口紅スイセンと大杯スイセンを区別した記事を書いていました。パシフィック・リム」(「環太平洋」という意味)の園芸種です。

このように忘れたり、思い出したりしながら、記憶が形成されていくんだな、と思いました。(人間は、あることを覚えるには、それに5〜7回は触れないと覚えないそうです、心理学者によると。)


学名 Narcissus cv. 'Pacific Rim'
和名 スイセン「パシフィック・リム(環太平洋)
ヒガンバナ科(Amaryllidaceae)スイセン属(Narcissus
ディビジョン2・大杯スイセン

以下、ディビジョン2の大杯スイセンでありながら、「口紅」の模様のついているスイセンを2種並べてみます。「大杯」ですから、副花冠が平たくなく、大きめ(長さが、花弁の3分の1を超える〜花弁の長さを超えない)です。

白い方が「フラワー・レコード」(上、または、左側)、黄色い方が「パシフィック・リム」(下、または、 右側)です。パシフィック・リムは、去年なくしたと思いましたが、今年咲いてくれました。感謝。

2024.04.02撮影

2022.04.24撮影

2024.04.04撮影

2022.04.20撮影

うちでは、白い「フラワー・レコード」は南側の庭に、黄色いパシフィック・リムは北側の庭に植えてあります。北側の庭には、アネモネ・ブランダ(Anemonoides blanda)が、時季にはたくさん花咲きます。以下の右側の画像2枚の「パシフィック・リム」の足元には、アネモネ・ブランダが見えます。

 
2024.04.03撮影               2024.04.04撮影

 
2024.03.30撮影               2024.04.02撮影

これらのスイセンの花を裏から見てみると、次のようになります。どちらがどっち?

 
2024.03.30撮影「フラワー・レコード」    2024.04.02撮影パシフィック・リム

左がやはり「フラワー・レコード」なんですが、これは若い「フラワー・レコード」の花です。一方、右はこれもここまで通りパシフィック・リムなんですが、こちらは、盛りの過ぎたパシフィック・リムの花です。

白いはずの「フラワー・レコード」が若い時には黄味がかっていて、濃いレモン・イエローであるはずのパシフィック・リムが年老いて色を失っていき、このように一見同じように見えてしまいます。もちろん、他の特徴を見れば、区別はできるのですが。

次は、開きかけたツボミ〜だいぶん開いた花です。

 
2024.03.27撮影               2024.04.01撮影

 
2024.03.27撮影               2024.04.16撮影

「フラワー・レコード」(白い方)は去年の秋に植えたばかりなので、植えただけ咲いてくれたようです。これ以降、定着してくれればいいな、と思います。北側の庭ではなく南側の庭に植えたので、大丈夫だろうとは思います・・・


2024.04.04撮影「フラワー・レコード」

草丈は、画像からは比較が難しいですが、パシフィック・リムは普通の高さ、「フラワー・レコード」は、その半分〜3分の2ぐらいです。

ところで、検索していると、「フラワー・レコード」などの、花びらが白い、「口紅」模様つき大杯スイセン(ディビジョン2)を、クチベニスイセン(ディビジョン9)と混同してしているサイトが、いくつか見られました。

たとえば、次の植物名検索サイト(Pl@ntNet)のクチベニスイセン(Narcissus poeticus)のページの最初の画像は、クチベニスイセンではないように見える・・・副花冠が大きすぎる、幅が広すぎる、と思いませんか。ページの下の方にたくさん挙げられている画像のいくつかも、間違っていると思います。

(このページはクリックで開きません。リンクをコピペして別ウィンドウにてご覧ください。)

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チューリップ、こんなはずじゃ

2024年04月24日 08時00分00秒 | ユリ科
2023.04.28撮影
こんな白っぽいチューリップ、植えた覚えは・・・

後ろにポツッと見える花びらの、上部が赤、下部が黄色のチューリップは、「サンキャッチャー(Suncatcher)」という園芸種です。「太陽を捕まえるもの」という意味。

2023.05.02撮影
ピンクの色がついてきた・・・

後ろに並んでいるチューリップは、先の画像と同じく「サンキャッチャー」です。

2022.04.24撮影
あら、花びらが黄色っぽくなってきた。おまけに、赤い縁取りがついたのもある。

右奥の上赤・下黄色のチューリップは、先の「サンキャッチャー」、すぐ後ろの、背丈が高く、花の色が濃い赤のチューリップは、「レッド・マタドール(Red Matador)」、その意味も「赤い闘牛士」、ジャンララ・ジャンジャンジャン。

2022.04.24撮影
こういうシミとシワの出たのもある・・・庭の持ち主に似るのか??

後ろの赤いのは、闘牛士さんです。

2023.05.02撮影
花びらの縁がぐるっと濃いピンク色になりました。

左の背景は、また「サンキャッチャー」です。

2022.05.02撮影
濃いピンク色が深まってきました。

水滴は、雨の後だからです。しょっちゅう雨が降るんですよ、バンクーバーは。

2023.05.02撮影
縁取りが、ずいぶん幅広になりました。細かい幅のブランケットステッチみたいです。
そうそう、こういうチューリップを買って植えたのよ。

上の画像には、縁取りのある花の他に、それより草丈の低いところに咲いている、白っぽい花があります。それは、縁取りのあるチューリップと同じチューリップです。中心の球根(「親球根」とでも呼ぶ?)の脇につく小さい球根から、後発で発芽したものだと思われます。

2022.05.02撮影
もっとピンクになってきた。

2023.05.08撮影
ますますピンクになってきた。
こんなはずじゃなかった。

 
2023.04.28撮影(はじめごろ)        2023.05.08撮影(おわりごろ)

学名 Tulipa 'Del Piero'
英名 Del Piero Tulip
和名 チューリップ「デル・ピエロ」
ユリ科(Liliaceae)チューリップ属(Tulipa
園芸品種群 ディヴィジョン3トライアンフ系


2023.05.02撮影(これを買ったつもり)

お名前は、「ピエロ」でした。

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2番目に咲いたチューリップ

2024年04月22日 08時00分00秒 | ユリ科
2024.04.03撮影

ちょっと前に、わたしの庭で1番に咲くチューリップをご紹介しました。
「ゾンビー(Zombie)」という名前の園芸種です。

今日は、わたしの庭で「ゾンビー」に続いて咲いたチューリップをご紹介します。ダーウィン・ハイブリッド系の園芸種「ライト・アンド・ドリーミー(Light and Dreamy)」です。色とすっきりした花の形に魅せられて、求めました。

学名 Tulipa 'Light and Dreamy'
英名 Light and Dreamy Tulip
和名 チューリップ「ライト・アンド・ドリーミー
ユリ科(Liliaceae)チューリップ属(Tulipa
園芸品種群 ディヴィジョン4ダーウィン・ハイブリッド系

園芸種名の 'Light and Dreamy' というのは、「軽やかで夢みがちなチューリップ」てなところでしょうか。紫色系のしっかりした色のピンクで、冒頭画像では太陽に当たっているので、実際の色より赤っぽく写っています。

 
2024.03.31撮影(くもった日)        2024.04.01撮影(晴れた日)

上2枚の画像に、ちらちらと見えているピーチ色っぽいものがありますね。それは、「ゾンビー」の咲き終わりの姿です。本当にタイミングよく、「ゾンビー」が終わりかけの時に「ライト・アンド・ドリーミー」が咲き始めました。(計画したと・お・り、にま)

「ゾンビー」は前からあったのですが、その「ゾンビー」の植っているところに、「ライト・アンド・ドリーミー」を混ぜ植えしようと計画し、去年の秋に実行に移しました。「ゾンビー」は初春に、「ライト・アンド・ドリーミー」は中春に咲く、はずのもので、考えとしてはいいのですが、さて、思い通りに行くか・・・

秋に、地上には何も出ていない「ゾンビー」の球根の間をぬって「ライト・アンド・ドリーミー」の球根を植え込もう、ということで、そろ〜〜、そろ〜〜、ゆっくり、ゆっくり、掘っていったんですよ。いや〜〜、ナマケモノのわたしは、冷や汗はかきませんでしたが、寒くて凍えましたよ、かかった時間のために。


上のような細い道具「ペン型手持ち草抜き具」を使いました。タンポポなどを掘りだすのに便利な道具です。これのおかげ(とわたしの辛抱強さと集中力)で、「ゾンビー」をぐさっと突き刺したりぶった斬ることなく、無事、「ライト・アンド・ドリーミー」の植えつけが完了しました。

年を越え、3月も後半になって、咲いている「ゾンビー」の間に、「ライト・アンド・ドリーミー」のツボミが現れてきました。そして、この美しいピンクのチューリップが咲きました。この色が見たくて、「ライト・アンド・ドリーミー」にわたしの庭に来てもらったんですね。

では、改めて、「ライト・アンド・ドリーミー」の花をご覧ください。

2024.04.03撮影

手前の花だけで言いますと、左右に見えるものがガクで、そのガク2枚の間、奥にあるものが花弁です。ガクと花弁が区別がつかないような場合、ガクと花弁を合わせて花被といいます。ガクは外側にあるので外花被、花弁は内側にあるので内花被、と呼び分けられます。

区別がつかないぐらい、と言っても、よく見れば、少なくとも、このチューリップの場合は、外花被と内花被が異なるのが観察できます。

まず、上の画像の内花被(=花弁)をご覧ください。この内花被の外側から見える部分には、縦にくぼみが2本入っています。そして、その2本のくぼみの間に紫の線が出ています。また、根本が黄色です。

2024.04.03撮影

今度は、花被(=ガク)をご覧ください。直前の画像の、一番大きく写っている花の、一番近くに写っている花被です。外花被は、ヘリが薄いピンク、中央部分が濃い色で、その濃い色の部分に、紫色の、3本のやや幅のある筋がついています。また、薄い色と濃い色との間も、紫色のボカシになっています。

2024.04.01撮影

上の画像は、花を上から見たものです。内花被(=花弁)が3枚、外花被(=ガク)が3枚、あるのがはっきりとわかります。内花被についている2本のくぼみも見えます。花びらの根本が黄色いです。その黄色い印は、花の外側からも見えます。花の中央にあって3裂したものは、メシベです。メシベを取り囲むように6本あるものは、オシベです。右側に写っている花は、ゾンビー・チューリップです。草丈にこれだけの違いがあります。

わたしのお庭には、あまりピンクの花がないので、このチューリップには、わたしは大満足です。きれいな色だな〜〜


2024.03.30撮影

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ご近所のヒアシンス 2

2024年04月19日 08時00分00秒 | キジカクシ科
2024.04.10撮影

今日も、ご近所に咲いているヒアシンスを見てください。前回の記事は、ここ(ご近所のヒアシンス 1 - カラスといちごとクロッカスと)です。

冒頭のヒアシンスと次のヒアシンスは、去年の秋に植えられた球根から咲いています。よそのおうちの花なのに、なんでいつ植えたかわかるか、って? なんのことはないんですが、去年、このおうちは、花壇のなかったこの部分に、花壇を新たに作ったからです。

やっぱり新しい球根から咲いたので、花がたくさんついていますね。みごと〜〜

このクリーム色のヒアシンスの右後ろには、青いヒアシンスが見えますね。これは、前回の記事の冒頭でご紹介した園芸種(同一の個体ではありませんが)です。前の記事にもどって確かめていただければ、青いヒアシンスの左手に白っぽいヒアシンスが見えます。


2024.04.10撮影

これも、その同じおうちの新しい花壇から。地植えで2年目となる来年は、どのように咲くでしょうか。

次は、ヒアシンスがたくさん、たくさん、植っている、古いお庭です。何年も地植えのままであることが見て取れます。背景に、青系統のヒアシンスが見えます。これらは、前回ご紹介しました。

2024.03.26撮影

この白いヒアシンスは、真っ白ではなく、ピンクの筋が入っています。夢見心地な感じで、わたし、ほしくなってしまいました。この秋、カタログで見てみましょう。

次は、真っ白、と言っていいと思うヒアシンス。


2023.04.11撮影

この真っ白なヒアシンスの、こちらを向いている一番上の花の中に、オシベが見えます。ヒアシンスのオシベは、6本で、筒の部分に収まっています。

上下の数枚の画像に、板でできた白い柵が見えます。これは、今ではそうでもありませんが、北米(特に、アメリカ)の中産階級になろうとする人々の憧れだったんです。土地付きの一軒家を家族のために購入する。庭に芝生を敷き詰める。板を白いペンキで塗った低い柵で、その芝生を囲う。そして、パパとママと子どもたちとイヌ。芝生で転がって遊ぶ・・・

うちの柵も白・・・金属製で、ちっとも夢がないわ・・・でも、丈夫で便利です。わたしの庭の花の写真によく白い柵が写っているのは、この金属の柵です。

2024.03.26撮影

このワインレッドのヒアシンスにも筋が見えます。次にも。花びらの地の色と筋の色を比べると、必ず? 筋の色の方が濃い色のようです。


2024.03.26撮影

ヒアシンスは、根本から、葉と花茎が出ます。花は、花茎(かけい)から出た花柄(かへい)につきます(なんでこんな紛らわしい用語にするの?)。ヒアシンスの花柄は、個々の花の長さより短いです。上の画像のヒアシンスの場合は、短い方です。これより短いのもあります。

もう一色どうぞ。

2024.04.10撮影

今日最後のヒアシンスは、前回の記事の最初のヒアシンスのような二重の花です。でも、この薄いピンク色のヒアシンスは、あの青いヒアシンスより、花びらがやや肉厚なように見えるのですが、そうでもないでしょうか。

2024.03.26撮影

ところで、ヒアシンスの属名Hyacinthus)「ヒュアキントス」は、ギリシャ神話に登場するアポロンの、同性愛の対象、美少年ヒュアキントスに因みます。あまり長くない話をさらに短くすると、ヒュアキントスが、アポロンと円盤投げ遊びをしていて円盤に当たり(どのようにして当たったかは、異説があるので省略)事故死したのをアポロンがいたみ、花に変えた、と。でも、その花は、ヒアシンスのことなのか、他の花のことなのか、はよくわからないそうです。


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ご近所のヒアシンス 1

2024年04月17日 08時00分00秒 | キジカクシ科
2024.04.10撮影

バンクーバーでもずいぶん暖かくなってきました。ずいぶん、とは言っても、ジャケットなしで外に長くいると、体が冷えますが。

でも、見ました、オープンカーのルーフ部分を開けて(でも、夏のように窓までは開けませんが)、走っておられるお方がいるのを。これを見れば、わたしは、毎年、「寒いの、やせ我慢しなくていいのよ」と同情しますが、オープンカーがこのように走り出すのは、バンクーバーにも春が来た印ではあります。

今日は、そして、次回にわたり、ご近所で咲いているヒアシンスHyacinthus orientalisの園芸種を「色々」(文字通り)お届けしたいと思います。

ヒアシンスの原種は、一重です。そして、多くの園芸種も一重です。でも、冒頭の画像と次の画像のヒアシンス(両者とも同じ園芸種だと思います)の園芸種は、花びらが二重になっています。

2024.04.10撮影

次のウェブページは、Pacific Bulb Society(訳すとすれば、「太平洋地域球根協会」)のサイトの、ヒアシンス属のページです。ページの一番上に、ヒアシンス属(Hyacinthus)についての簡単な説明があります。そこには、ヒアシンス(ヒュアキントス)属には3種が属する、その3種の1種ヒアシンス・オリエンタリス(Hyacinthus orientalisであり、それが、いわゆる「ヒアシンス」の園芸種の親となっている、と書かれています。


このページの画像のうち、上の方が、原種ヒアシンス(Hyacinthus orientalis)の亜種数種で、下の方が園芸種です。亜種と園芸種の違いが、一目で区別できるような写真が載っていますので、よろしければ、ちょこっと覗いてくださいませ。画像は、それぞれ、クリックすれば大きくなります。

なお、ヒアシンス(Hyacinthus orientalis)の種小名「オリエンタリス(orientalis)」は、「東方の」という意味です。これは、ヒアシンスが、地中海でも、東地中海を原産とするからです。日本語で「オリエンタル」というと、「アジア」というように考えられがちかもしれませんが、それは、「東の」という意味なんです。「アジア」を「オリエント」と呼ぶのは、ヨーロッパから見て東の地だからです。

2024.03.26撮影

こちらのヒアシンスは、これも園芸種には違いありませんが、原種に近く見えますね? その理由は、古い株だからだ、と思います。花が華美、華美、とついて、丸々と太ったように見える園芸種でも、何年も植えたままにしていると、このように「スマート」になってくるんです。花と花の間が空いてきて、花数が減り、茎が見えるようになります。

と言っても、園芸種でも、花が茎にびっしりとついたものばかりではないそうです。

先のサイトから、ヒアシンスの園芸種の特徴を要約引用(翻訳)すると、
・1株に花茎1本〜複数本
・花びらは、一重、あるいは、二重
・花の色は、白、クリーム色、ピンク、紫(青紫)、赤紫
・花のつき方は、密集したのもあれば、そうでもないものもある


2024.03.26撮影

ヒアシンスは、多分、もともと、花びらの地の色よりも濃い色の筋が、全ての花弁6枚についているのだ、と思います。そして、地の色が薄いときに、筋の色が目立って見えるようになる、上の画像の例のように(この画像、目がチカチカして申し訳ございません)。

そんな筋は、やや濃いめの色の花(チカチカより前の画像)にも見えるし、ずっと濃い色の花(最初の画像2枚)にも、よく見てみれば出ているのが分かります。

ヒアシンスは、キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ亜科(Scilloideae)に属します。この亜科の他の植物にも、花に筋の入るのがあります。プシュキニア(Puschkinia)など。


2024.03.26撮影

ヒアシンスの花は、6枚の花弁の根本がひとつにつながっています。そんな花の作りを、合弁花といいます。つながっていないのを、離弁花といいます。離弁花とは、花びらがバラバラの、バラみたいな花です(つまんねえダジャレにもならないコトを言うな)。

合弁花のくっついたところは筒のようになっていて、そのまま「筒」と呼びます。わたしとしては、「首」と呼びたいところですが。

で、その筒ですが、直前の画像のヒアシンスは、きれいな水色をしています。花びらの6つに分かれたところが白と紫で、色のコントラストが魅力的です。その前の画像のヒアシンスも、花びらの地、花びらの筋、筒、が同系統でも異なる色です。

2024.03.26撮影

このヒアシンスも、地植えのまま年数の経ったものだと思われます。ひとつ前のヒアシンスと、ふたつ前のヒアシンスと同じように、花びらの地が白系統、筋が紫系統、そして、筒が青系統です。この花は、全体的に薄い色。

次の画像(これもチカチカ画像で申し訳ございません)で、筋の見えやすいヒアシンスを3種まとめてどうぞ。

2024.03.26撮影

先の「太平洋地域球根協会」のサイトのヒアシンスのページを見てくださればわかりますが、原種の亜種に、このような筋が出ています。筋の色が大変薄いのもありますが。

つづく

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八重咲きスイセン

2024年04月15日 08時00分00秒 | ヒガンバナ科

2014.03.24撮影(10年前)

今日は、「リップ・ヴァン・ウィンクル('Rip Van Winkle')」という名前の、八重のスイセン(Narcissus)についてです「リップ・ヴァン・ウィンクル」については、去年、4月3日にも書きました。内容の重複を避けたいと思いますので、ぜひ、この古いほうの記事リップ・ヴァン・ウィンクル - カラスといちごとクロッカスとも読んでくださいませ。

このスイセンは、冒頭画像にみられる通り、普通に考える、スイセンの花びらとカップ状であるはずの副花冠の両方が、細く避けたようになっています。花の色としては、やや黄緑色がかっています。

去年の記事を書いた段階では、このスイセンは、周りのヘレボルス(Helleborus)に埋もれてなくなってしまったよ〜〜、買い求めたいがどこを探してもないよ〜〜、何年もないよ〜〜、と泣いていたんです。それが、去年の秋、球根のカタログを見ていると、載っているじゃありませんか!!! なんで〜〜〜??? 今まで見落としていたの〜〜〜? まあ、理由はどうでもよくて、飛びついて注文しました。

2024.03.18撮影(今年)

そして、この3月に、きれいに咲きました。上の画像では、開いたところです。

ツボミは2月の半ばから出ていたんです(左下の画像)。でも、そのツボミが大きくふくらむまで1ヶ月かかりました(右下の画像)。

 
2024.02.13撮影               2024.03.14撮影

ツボミがふくらんでからは、花びらはどんどん開いていきました(以下の画像2枚)。

 
2024.03.14撮影               2024.03.15撮影

次の画像のように、「いびつに」開いてきた花もありました。「裂けた」花びらが多数あるのが見えます。

2024.03.20撮影

「リップ・ヴァン・ウィンクル'Rip Van Winkle')」、古くからある園芸種です。こんな、本来の姿からかけ離れた姿の花は、近代の作出か、と思ってしまうんですが。

「リップ・ヴァン・ウィンクルというのは、小説の主人公の名前です。それとは別に、「リップ(rip)」」というのは、英語で「引き裂く」という意味。花びらの形状を表した命名だと考えていいようです。

この八重咲きのスイセンは、草丈は低めです。だいたい20〜25cm。その軸の長さとの関係もあるのでしょうか、「リップ・ヴァン・ウィンクル」の頭は、重たそうに見えます。花びらが何枚あるか興味があるのですが、いじって花を傷めたくないので、まだ数えたことがありません。

花がほぼ開き切ると、次のようになります(以下の画像)。う〜〜ん、みとれるわあ〜〜

2024.03.15撮影

後ろ姿もどうぞ。

2024.03.20撮影

次の画像に写っている個体は、特に花びらの数が多いようです。花の中心が3つあるように見えます。スイセンの本当の花弁の数は3枚なので、それに対応しているのでしょうか。

2024.03.19撮影

次が、直前の画像の個体の数日前の姿です。ね? 花の中に、花が3つ咲いているように見えません?

汚れがついているのは、雨の多いバンクーバーで、比較的地上に近く咲くからです。去年は、わたしが何度も日本と往復した(これからも続きますが)ので、庭の世話ができておらず、この南側の庭にはマルチがほとんど入れられていないのです。それで、雨が降ると、泥が植物に跳ねます。クロッカスなんか、かわいそうなもんでした、もう花は終わっていますが。

2024.03.15撮影

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庭でうれしいこと、発見

2024年04月12日 08時00分00秒 | わたしの庭

2024.03.22撮影

今日は、わたしの3月下旬の庭から、うれしいニュースをみっつ。3月22日、23日、24日、と、連日、見つけました。

・・・

22日に見つけたのは、ミスミソウ(Hepatica)が *複数* 咲いていたこと。今まで、ひとつこちらに、ひとつあちらに、という咲き方で、うちの庭ではミスミソウは育たないのか、とあきらめかけていたのです。本当にうれしいです。育つのなら、もっと導入してもいいか、と思います。文句なくきれいな花ですね?

この花は、ミスミソウ属Hepaticaの中でも、いわゆるミスミソウ(Hepatica nobilis)だと思いますが、確証が取れないので、ミスミソウとだけにしておきます。

学名 Hepatica
英名 Hepatica
和名 ミスミソウ(三角草)
キンポウゲ科(Raanunculaceae)ミスミソウ属(Hepatica

2024.03.22撮影

上は、ちょっと開いたツボミ。下2枚は、複数花が開いたことをお見せしています。この程度しか花はないのですが、去年までと比べたら、すごい進歩です。

 
2024.03.24撮影               2024.03.24撮影

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23日には、家の中から見て、あれは何だ、と不思議がっていたものを、外へ出て、やっと目近に確かめました。野菜畑に生えてきて数年育っていた実生の木に、初めて花が咲いたのです。枝先に白っぽいものが点々とついているので、何かと思っていました。

2024.03.24撮影

わたしは、野菜畑に、野菜くずや果物くずをコンポストとして打ちやります。ですから、そこから実生の木が結構生えてくるのです。前には、次のような、花の咲く木が出てきました。この木は、サクランボの木Prunus aviumと推定しました。

2021.04.17撮影(サクランボの木と推察される)

今回咲いた木は、でも、サクランボの木と推定したものとは異なります。次の画像が、今回咲いた花です。花も葉っぱも全然違う。でも、サクランボの木と同じく、スモモ属Prunusではあると思いました。

2024.03.23撮影(今年咲いた花)

サクランボ以外にうちでで消費されるスモモ属の果物と言えば、モモ、アプリコット、プラム、プルーン、、、と調べて行った挙句、この木は、プラム類、プルーン類の Prunus domestica だろう、ということになりました。

この今年初めて花が咲いた木には、幹から恐ろしげなトゲが伸びているんです(左下の画像)。それも、Prunus domestica の特徴と一致しました

 
2024.03.25撮影               2024.03.25撮影

実は、サクランボの木と思われるものは、わたしが枯らしてしまいました。大きくなっては困ると思い、多分成長するのに必要だった部分を、わたしが切って飛ばしてしまったのでしょう。

そして、信じられないが、同じ間違いをこの新しい木にもしてしまった可能性あり、去年の秋に。ただ、切口(右上の画像)のやや下に新しい芽が出てきているので、ここから枝が出るかも?

2024.03.24撮影プシュキニア

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うれしかったことの3つ目は、24日に起こりました。

大好きなプシュキニア・スキロイデス(Puschkinia scilloidesが咲いているのを見つけたのです。たくさん咲いているスキラ・ミシュチェンコアナ(Scilla mischtschenkoanaにやや隠れるように、花を開いていました。咲かないか、咲かないか、と心待ちにして、何度も植っているはずのところを見ていたんですよ〜〜。

直前の画像が、プシュキニア、次の画像2枚が、ミシュチェンコアナです。

 
2021.03.03撮影ミシュチェンコアナ)    2023.03.05撮影ミシュチェンコアナ

わたしが、ミシュチェンコアナ(直前の画像2枚)とプシュキニア(次の画像2枚)の2種を混同していたことは、次の記事に書きました。

 
2024.03.24撮影(プシュキニア)       2024.03.24撮影プシュキニア

プシュキニアは、なくしてしまったか、とヒヤヒヤしていたので、今年咲いてくれて、安堵。でも、本数が少ないので、この秋にはいっぱい球根を買おう、と思います。そして、成功率を上げるために、北側の庭と南の庭の両方に植えよう。


2024.03.24撮影プシュキニア

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枝に咲く黄色い花

2024年04月10日 08時00分00秒 | わたしの庭

2024.03.18撮影

今日は、わたしの庭で3月に咲き出した、枝に咲く黄色い花を3種まとめてみます。

2024.03.16撮影

最初に咲いたのは、レンギョウ(Forsythia)です。3月2日には、最初の花が開いていました。(今日現在では、ほとんど終わりです。)

うちにあるレンギョウが、どの種(しゅ)であるかは分かりません。お隣の園芸好きのおばさんが自宅のレンギョウを剪定したのを、数十年前に(ここには長く住んでいるんです)もらってきて、うちの庭に挿し木にしました。ナマケモノのわたしでも、できました。

学名 Forsythia
英名 Forsythia
和名 レンギョウ(連翹)
モクセイ科(Oleaceae)レンギョウ属(Forsythia

2024.03.13撮影

わたしは、今年寒いうちにレンギョウをかなり剪定をしました。そして、剪定した枝を、他の剪定した木々の枝といっしょに積んでおきました。ナマケモノであるのと、かつ、寒いので片付けなかったのですが、レンギョウならそこからも花が咲くだろう、という期待もありました。案の定、咲きました。そんな枝の1部が上の画像です。この枝をマルチ用のチップにしようか、あるいは、挿し木にしようか、迷っています。

レンギョウは、黄緑色のガク(上の画像で、枝と花びらの間!)がぷくっとふくれて、かわいいですね。

2024.03.17撮影

うちのレンギョウは北側の庭にあります。2ヶ所に分かれています。北側で、他に大きい樹木もあるので、太陽はあまり当たりません。でも、お昼の1時ごろには、これくらい陽があたります。もっと当たあれば、よそで見られるような黄色の花が枝にあふれるようなレンギョウが見られるのになあ、と思います。ですから、やっぱり、南側の庭に挿し木をしようか・・・でも、そんな場所がどこに?

2024.03.02撮影

これは、夕方の陽が陰ってきた時間の画像です。大きく開いた花からは、メシベが飛び出しているのが見えます。

次に咲いたのは、英語で Oregon Grape「オレゴン・グレープ」と呼ばれるヒイラギナンテンMahonia)の1種です。3月16日には最初の花が咲いていました。(現在は、ちょうど花盛りです。)

2024.03.16撮影

学名 Mahonia aquifolium
英名 Oregon grape「オレゴンのブドウ」
和名 (オレゴンの)ヒイラギナンテン(柊南天)
メギ科(Berberidaceae)ヒイラギナンテン属Mahonia

花がもっと開くと、次のようになります。

2024.03.21撮影

この葉、こわいんですよ。刺されたらすごく痛い。ぐさ〜〜〜、と刺さります。バラの棘なら短めで太めなので、そこまで刺さらない。

オレゴン・グレープがどんな植物かは、さらには、以下をご覧ください。

3月初めに、ツボミがややふくらんで色づいてきたときには、以下のようでした。このころは、まだ、葉は、わずかに柔らかめ。いや、それでも、十分にこわい。

2024.03.01撮影

次は、花が開くやや前の房です。こういうツボミの房って、わたしには幸せいっぱいに見えます。

2024.03.21撮影

もうひとつ、わたしの庭で、3月に、枝に咲いた黄色い花を。(現在、ちらほらと咲いています。)

わたしは、この花のツボミがふくらんでいるのを、3月22日に見つけました。(コンデジでこのツボミを撮影するの、苦労したわ〜〜、3日がかりで撮った。これ以上、良くできまっせん! でも、以下の画像、トリミングなし!)

2024.03.24撮影

学名 Kerria japonica
英名 Japanese kerria「日本のヤマブキ」
和名 ヤマブキ(山吹)
バラ科Rosaceaeヤマブキ属Kerria

このヤマブキは、長い期間咲いてくれるので、うちの庭にはありがたい存在です。挿し木で簡単に増やせ、ナマケモノのわたしには、最適、と言っても、増やさなくても、勝手に増えてくれますけど。ヤマブキは、日本から離れてわたしが恋しかった花のひとつです。

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花冠と副花冠(ムラサキ科)

2024年04月08日 08時00分00秒 | ムラサキ科

2021.10.04撮影(ルリジサ

花を構成する花弁・花被片全体を「花冠」といいます。その花冠の内側に、小さい花のような突起があることがあります。その突起を「副花冠」といいます。副花冠を持つ花は、結構多いものです。

副花冠の目立つ花と言えば、スイセン(Narcissus)です。左下の画像のラッパズイセン(園芸種名 'Loveday')には、黄色い花びらを背景にオレンジ色の花冠が突き出ています。 右下はフサザキスイセン(Narcissus tazetta)で、どの亜種までかはわかりませんが、このスイセンでは、花弁が白、副花冠が薄いクリーム色です。

 
2023.04.18撮影(ラッパズイセン)      2023.03.12撮影(フサザキスイセン)

キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ亜科(Scilloideae)の花にも、花冠のあるものがあります。これらの花冠は、スイセンのようにカップ状に見えますが、切れ込みがあります。また、スイセンのカップが外へ向かって開いているのに対し、ツルボ亜科のカップは先がつぼんでいます。あるいは、観察資料が十分でないので、そこまで一般論は引き出せないかもしれません。

なお、スイセン属はヒガンバナ科(Amaryllidaceae)、ツルボ亜科はキジカクシ科(Asparagaceae)ですが、両者とも、キジカクシ目(Asparagales)に属します。

 
2023.03.28撮影(プシュキニア)       2022.03.24撮影(チオノドクサ

また前置きが長くなってしまった。

今日は、ムラサキ科(Boraginaceae)の花で、副花冠のあるのを紹介しよう、ということなんです。ここから本文が始まります。汗


2022.05.13撮影(ワスレナグサ

これは、ワスレナグサ(Myosotis)です。種名の推定は、Myosotis sylvatica です。ここでは、花の中央をご覧ください。プクッと盛り上がっています。これが副花冠です。副花冠は、スイセンのようなカップ状でなくていいのです。

ワスレナグサの副花冠は、リング状のものだけをいうのか、花びらの間の区切りのようなものも含めるのか、、、というと、含めるのではないか、とわたしは思います。なぜなら、線状のものが副花冠である花もあるようなので。(今後の課題として、調べます。)

学名 Myosotis(種の推定は、Myosotis sylvatica
英名 Forget-me-not「我な忘れそ」
和名 ワスレナグサ
ムラサキ科(Boraginaceae)ワスレナグサ属(Myosotis


2023.04.03撮影ブルンネラ

2番目のムラサキ科の花は、ブルンネラ(Brunnera)です。ワスレナグサではありません。花だけ見たら、よく似ていますね。花冠も副花冠もそっくりです。でも、葉がかなり異なります。

 
2022.04.11撮影(ワスレナグサ)       2023.04.03撮影(ブルンネラ:斑入り)

学名 Brunnera種の推定は、Brunnera macrophylla
和名 ブルンネラ
ムラサキ科(Boraginaceae)ブルンネラ属(Brunnera


2023.04.10撮影(オンファロデス

3番目のムラサキ科の花は、オンファロデス(Omphalodes)です。この花も、ワスレナグサによく似ています。花冠も副花冠も。花の咲き方は、花柄の上にパラパラと咲く感じです。

学名 Omphalodes verna
和名 オンファロデス
ムラサキ科(Boraginaceae)オンファロデス属(Omphalodes

最後にもうひとつムラサキ科の花を。ワスレナグサとは異なる形の花です。

2021.06.25撮影(ルリジサ

これは、ルリジサ(Borago officinalis)です。冒頭の画像もルリジサです。冒頭の画像の方が、若い花です。

学名 Borago officinalis
和名 ルリジサ
ムラサキ科(Boraginaceae)ルリジサ属(Borago

直前の画像をご覧ください。花の中央に、白い飛び出したものがありますね(冒頭の画像には見えません)。それは、メシベです。花が開いてすぐには、メシベはオシベの中に隠れています。メシベの周りにある暗色のものが、オシベのヤクです。

今度は、花の中央からではなく、花びらの方から見てください。花びらの根本に、白い歯のようなものがぐるっと並んでいます(冒頭の画像では、青っぽい)。これが、副花冠です。

さらに、白いものが取り囲んでいます。その白いものには、紫の突起がついています。さて、これも副花冠なのかどうか。これは、調べましたがわかりませんでした。(これも、今後の課題といたします。)

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