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ポーチュラカ〜帰国日記13

2023年07月07日 08時00分00秒 | スベリヒユ科

2023.06.10撮影

わたしが大学生のとき、夏に帰省してみると、母が大事そうに、冒頭の画像のような植物を植えていました。「それは何?」と聞くと、母は「ポーチュラカ」と答えました。

わたしは心の中で、「ポーチュラカねえ、でも、これ、単にスベリヒユの花が派手になっただけじゃ?」と思いましたが、母がいたく愛でていたので、何も言いませんでした。

普通のスベリヒユは、庭にやたらと出てきて増えて、枝の切れ端からでも発根・発芽する(はずの)、小さい種を大量に生産してまき散らす、本当にどうしようもない、元気いっぱいな「雑草」であります。

学名 Portulaca oleracea
英名 Common purslane
和名 スベリヒユ(滑莧)
スベリヒユ科(Portulacaceae)スベリヒユ属(Portulaca

Portulaca oleracea(スベリヒユ)
撮影者:Giancarlo Dessì 
撮影日:2005.09
オリジナルからの改変、なし

わたしのバンクーバーの自宅の庭でも、スベリヒユは、植えなくても生えてくれます。そのため、ありがたい野菜の範疇に入ります。美味しくいただいていますよ。わたしは、酢の物か炒め物がいいですね。手に負えないほど増やさないようにし、最高の味と新鮮さのところを収穫するのが、管理の腕であります。

スベリヒユの学名の Portulaca oleracea ですが、属名の Portulaca の意味は分かりませんでしたけど、種小名の oleracea は「野菜の、ハーブの」という意味だそうです。食べるのはうちだけではない、ということですね〜〜 日本でも、地域によって野菜としてスーパーマーケットで売っているそうです。



スベリヒユの花は小さいので、よく眺めることも少ないか、と思われますので、以下に花の拡大画像を掲載します。

Portulaca oleracea(スベリヒユ)
撮影者:Ton Rulkens
撮影日:2011.02.07
オリジナルからの改変、なし

これ、冒頭の画像の花とあまり変わらないと思いません?

それで、ポーチュラカがいったい何者か、調べて見ました。


上記『ヤサシイエンゲイ』によると、流通上、ポーチュラカと呼ばれるものは、
Portulaca oleracea cvs
つまり、スベリヒユ(Portulaca oleracea)の園芸種(cvs = cultivars)、だそうです。

可能性としては、
・スベリヒユ(Portulaca oleracea)とマツバボタン(Portulaca grandiflora)の交配種
・スベリヒユ(Portulaca oleracea)の変種である、野菜として栽培される高茎のタチスベリヒユ(Portulaca oleracea var. sativa〕の、突然変異種

「ハナスベリヒユ」なんて優しい和名があるんですね。

多くのものがカタカナ語になっていくのは、悲しい・・・日本にず〜〜〜っと住んでいる人にはこういう気持ちはわからないかもしれないけれど。


2023.06.10撮影(ハナスベリヒユ=ポーチュラカ)

ハナスベリヒユ(Portulaca oleracea cvs)と花のよく似ているマツバボタン(Portulaca grandiflora)は、葉の形で簡単に区別できます。ハナスベリヒユの葉はヘラのような形ですが、マツバボタン(松葉牡丹)は、名称のごとく、葉が「松葉様(棒状)」です。

また、マツバボタンは、それも名称のごとく、「牡丹」のように花びらが多いです、一重の花もありますが。反対に、ハナスベリヒユは、八重咲きのものもあるとは言え、一重の花が一般的です。

次は、マツバボタンの画像です。ハナスベリヒユより華やかですよね。

Portulaca grandiflora(マツバボタン)
撮影者:Mylakegarden
撮影日:2016.06.26
オリジナルからの改変、なし

学名 Portulaca grandiflora
英名 Rose moss
和名 マツバボタン(松葉牡丹)
スベリヒユ科(Portulacaceae)スベリヒユ属(Portulaca

わたしが子どものとき、両親の夏の庭には、マツバボタン(Portulaca grandiflora)とマツバギク(Lampranthus spectabilis)の両方が咲き乱れていました。

マツバボタンとマツバギクの名称がいつもこんがらがってしまうわたしに、母は、マツバというのは、松の葉っぱのように葉がツンツンしていること、花は、ボタンみたいなのがマツバボタン、キクみたいなのがマツバギク、と根気よく繰り返し教えてくれました。

Lampranthus spectabilis(マツバギク)
撮影者:apple2000
撮影日:2008.06.08
オリジナルからの改変、なし

学名 Lampranthus spectabilis 
英名 Trailing iceplant
和名 マツバギク(松葉菊)
ハマミズナ科(Aizoaceae)マツバギク属(Lampranthus

今回の帰省で、マツバギクも、そして、マツバボタンも、手に入れたかったのですが、見つかりませんでした。

以下、ハナスベリヒユ(ポーチュラカ)の各種を、どうぞ。4枚中、3枚にムシが写りこんでいますが、居場所がわかりますか。

 
2023.06.09撮影               2023.06.08撮影

 
2023.06.10撮影               2023.06.10撮影

ところで、先週末、父と国際電話で話していたとき、庭にはどんな花が咲いている? と聞きましたところ、父が申しますには、バンクーバーにわたしを訪れたときに、庭から取ってきて食べさせてもらったものがたくさん咲いている、と言っておりました。

わたしは、?????? あ〜〜、スベリヒユのことか!! おとうさん、園芸用の植物にはどんな化学薬品が使われているかわからないから、食べないでよ! と念を押しておきました。


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