カラスといちごとクロッカスと

身の回りの鳥や小動物、庭の花や畑の野菜など、日々日々、季節季節の情報を、
個人の目をとおしてお届けします。

ガラニチカ、花期は長い・・・

2023年11月01日 08時00分00秒 | シソ科

2022.10.19撮影
サルビア・ガラニチカ(Salvia guaraniticaの花

前回のシソ科(Lamiaceae)に続き、今日もシソ科の植物です。オレガノ(Origanum)ではなく、サルビア(Salvia)ですが、今日のサルビアは、そのうちでも、サルビア・ガラニチカ(Salvia guaranitica)。

学名 Salvia guaranitica
英名 Anise-scented sage「アニスの香りのセージ」
和名 サルビア・ガラニチカ(グアラニティカ)(学名から)
和名 メドーセージ
シソ科(Lamiaceae)アキギリ属(Salvia

冒頭画像は、去年のもので、右手後ろにコレオプシス「太陽のほとばしり」Coreopsis grandiflora 'Sunburst')が見えます。


サルビア・ガラニチカは、日本でよく栽培されているような印象を受けるのですが、そうなんでしょうか。帰国すると、よく見かけるんです。

実家の庭にもあり、きれいなのはいいのですが、根を張って増え、庭中、オカトラノオ(Lysimachia clethroides)とともにサルビア・ガラニチカだらけになります。それで、わたしが帰省するたびに、大格闘して掘り上げています。


次の2枚の画像は、その実家のサルビア・ガラニチカです。勢いが大変いいです。

  
2023.05.26撮影               2023.05.26撮影
サルビア・ガラニチカ(Salvia guaraniticaの花(日本の実家)

サルビア・ガラニチカは、初夏から晩秋にかけ、花期が長いです。きれいなミントグリーンの葉に、美しい青色の花が冴えます。この青色は、個体によって、水色から真っ青、青紫から赤紫、と色が異なります。

そんなサルビア・ガラニチカを、わたしは、わたし自身の庭に、数回、導入したことがあります。でも、その度に、1年きりの命になってしまいました。バンクーバーの耐寒気温が、サルビア・ガラニチカにはちょうど微妙なところにあるからです。それで、再導入は見合わせていたのですが、近年の温暖化に後押しされました。

そして、2年前、異なる色の個体を何本か取り合わせて、求めました。以下をご覧ください(時期的に売れ残りのを買ってきたので、あまり花がついていない)。

 
2021.08.18撮影               2021.08.18撮影

 
2021.09.06撮影               2021.09.06撮影

ところが、次の年(去年)、これ、みんな同じ色? というほどまで色の数が減りました。そもそも、年越ししなかった個体があるんでしょう。生き残っている株には、前年より花がよくつきましたが。冒頭画像と、次の画像2枚です。

 
2022.10.19撮影               2022.10.19撮影

温暖化と言っても、バンクーバーでは冬にマイナス10℃を下がることがあります。そうなると、サルビア・ガラニチカには厳しいことになります。

そして、今年・・・10月いっぱい待ってみたけれど、また、サルビア・ガラニチカを失ってしまった。来年はどうする?


コメント

花オレガノ、花期は長い・・・

2023年10月30日 08時00分00秒 | シソ科

2022.10.09撮影

観賞用の花オレガノです(周りに見える葉っぱは、他の植物の葉)。オレガノの匂いは確かにしますけど、料理用ではありません。葉が厚すぎて、ハーブ用にならないのでしょう。

学名 Origanum 'Kent Beauty'
英名 Ornamental oregano(観賞用オレガノ、花オレガノ)
和名 オレガノ・ケントビューティ
別名 花オレガノ
シソ科(Lamiaceae)ハナハッカ属(Origanum

オレガノ・ケントビューティOriganum 'Kent Beauty')は、次の2種をかけ合わせた園芸種です。
Origanum rotundifolium「丸葉オレガノ」
Origanum scabra「小オレガノ」

「丸葉」の方から「花房」様に見える苞(ホウ)の開いて段々に重なったところを、「小」の方から苞の色を受け継ぎました。子どものケントビューティは、親よりも濃いピンクの色を出します。

「丸葉」の画像は、以下で見ることができます。「小さい」の画像は、その下のリンクで。


Origanum scabrum

2023.07.17撮影

苞の色は、薄青黄緑色から、徐々に薄いピンク色に色づいて行きます。そして、本物の花は、苞の間から出てきます。オシベが大きく飛び出しています。小さめの花ですが、苞の形状と、そこから覗く花の組み合わせが、絶妙です。

苞は、さらに、薄いピンクから、濃いめのピンクに変化していきます。上の画像と下の画像をお比べください。苞の色は変わりますが、花自体(苞から飛び出しているもの)の色は変わらないようです。

2023.07.29撮影

ケント・ビューティは、今年も咲きましたが、よく茂りませんでした。そして、9月には花は終わっていまい、10月には見えなくなってしまいました。去年は10月にも咲いていたのに。

画像からもわかるとおり、草抜きもできていないし、近くに植えてある各種植物の整備・管理もできていないんです。それで根が「窒息」している?

5月〜6月に帰国・帰省していたとき、わたしの庭にあるものを両親のためにも、と、このケントビューティを買い求めました。もうかなりの年齢の両親ですから、さて、夏の暑い間、どこまで管理ができたか。鉢植えにして「花房」が垂れるようにしましたが、地植えにした方が良かったのか、地植えでは暑すぎることになったか。

わたしは、両親と毎週電話で話します。わたしがカナダに移住した週から、毎週欠かさず(所用のあるとき以外)、続いていることです。最初のころは、国際電話は高かったなあ・・・今は手軽におしゃべりを楽しめますけど。電話で、庭の花について、両親(特に、父)がいろいろと報告してくれます。が、このケント・ビューティは一度も話題に上らない。父が水をやりすぎたかも、と思います。

コメント

セイヨウジュウニヒトエ:グランドカバー

2022年10月23日 08時13分03秒 | シソ科
2021.04.27撮影

カナダの戸建の家には、通常、前庭と裏庭があり、その両方に芝生が植わっています。新築を買えば、当然芝生はついてくるものだとされています。

でも、うちの庭では、芝生を少しずつですが、根ごとはがして、他の植物に植え替えてきました。はがした芝生は、コンポストにしました。

ただ、花や木を植えただけでは、土がむき出しで残るところがあります。そんな場所をおおうには、敷石にするか、玉石や砂利を入れるか、マルチを敷くか、グランドカバーを植えるしかない、と思います。うちでは、各種のグランドカバーの植物を植えてきました。

そのひとつが、上の画像のセイヨウジュウニヒトエ(Ranunculus repens)です。背景の大きな葉は、ヘレボルス・アルグティフォリウス(Helleborus argutifolius)の葉です。

次の画像は、セイヨウジュウニヒトエの花をやや大写しにしたものです。地上に近いところに咲いているので、どうしても、花が汚れることがあります。

2022.05.13撮影

学名 Ajuga reptans
和名 セイヨウジュウニヒトエ(西洋十二単)
英名 Bugleweed
原産 ヨーロッパ
シソ科(Lamiaceae)キランソウ属(Ajuga)

花の色は、青、青紫、紫、すみれ色、ピンク、白、などの、濃淡。

2021.05.11撮影

うちの前庭(=玄関側の庭)は、家屋の北側になるので、元々、陰がちなところです。ですから、陰でも育つ植物を最初から植えてあるのですが、木がどんどん成長して、庭にますます陰が広がり、結果、前に植えた「日陰の植物」であるはずのものさえうまく育たなくなりました。

でも、このセイヨウジュウニヒトエは、大丈夫。かなりな陰でも育つという優れもの。うちのセイヨウジュウニヒトエは、その日陰で育っていて、葉は、次の画像のようなきれいな色です。

2022.09.10撮影

が、もっと陽の当たっているところで育てられているセイヨウジュウニヒトエの葉は、次のように紫が濃くなります(他所のおうちのです)。ただ、日向では、十分に水をやる必要があります。

2022.10.18撮影

セイヨウジュウニヒトエは、葉がびっしりと土を覆い、根が土をしっかり抱いて張っていくので、グランドカバーとして、最適。また、温暖な地域では、常緑です。それ、魅力ですね。でも、バンクーバーでは、残念ながら、寒すぎて、冬には葉が落ちます。

セイヨウジュウニヒトエは、花が咲いている時でも、花のない時でも、見た目のグランドカバーにはいいです。でも、芝生のように上を踏みつけて歩かれるのは、イヤみたいです。わたしは、なるべく避けて歩くか、やむをえず上を通る時には、そう〜〜っと歩きます。

2022.05.25撮影

そんなに何種類も異なる色のセイヨウジュウニヒトエを植えた記憶はないのですが、なぜか、いろいろな色で咲くような・・・自然交配して色が生み出されるのかしら。花粉は、ミツバチ、チョウ、ガ、によって媒介されるそうです。次の画像の花の色って、水色?

2021.05.01撮影

名称ですが、Ajuga reptans の種小名 reptans は、「這っている」という意味。ハイキンポウゲ(Ranunculus repens)の repens「這っている、這う」に通じます。また、英語で、reptile と言えば、「爬虫類」です。

ハイキンポウゲ、ハイ?

英語の名称はいろいろありますが、Bugleweed の bugle というのは、作りの簡単な、バルブ(弁、ピストン)のついていない金管楽器のことです。つまり、ラッパ。この楽器がセイヨウジュウニヒトエにどう関係あるのか、わたしにはさっぱりわかりません。

bugle

2022.05.25撮影

次の画像は、UBC(University of British Columbia ブリティッシュ・コロンビア大学)の植物園でずいぶん前に撮影した、花盛りのセイヨウジュウニヒトエ。見事ですね。

紫でも白っぽい花は、セイヨウジュウニヒトエではなく、スパニッシュ・ブルーベル(Hyacinthoides hispanica)か、スパニッシュ・ブルーベルと近縁のイングリッシュ・ブルーベルとの交雑種です。イングリッシュ・ブルーベル(Hyacinthoides non-scripta)でないのは、確かです。ブルーベルについては、またいつか書きます。

イングリッシュ・ブルーベル

2013.05.07撮影

以上の記事を書くにあたり、以下サイトの Ajuga reptans に関する記事を参照しました。

・Missouri Botanical Garden「ミズーリ植物園」
・gardenia.net(植物、庭づくり、などについて情報を出している非営利団体)
・Wikipedia英語版

コメント