カラスといちごとクロッカスと

身の回りの鳥や小動物、庭の花や畑の野菜など、日々日々、季節季節の情報を、
個人の目をとおしてお届けします。

モミジバフウとカラス

2024年06月19日 08時00分00秒 | 樹木
2024.05.24撮影

あまりにも忙しく、しばらくごぶさたしました。その間も当ブログを訪れてくださる方がいて、恐縮、かつ、感謝いたしております。

考えたんです、何か投稿方針を変えないと、続けられない、と。それで、不本意ではありますが、しばらく、以前に書いた記事をリンクで再掲載することにしました。当時は読んでくださる方が多くはなかったので、再掲載で読んでくださる方がいらっしゃれば、幸いです。再掲載する記事は、最近の記事とは投稿スタイルが異なるので、ちょっと恥ずかしいのですが。

でも、時間に余裕のある時には、新しい記事を書こうと思います。どのような体裁にするかは思案中。結局は、あまり変わらないことになるのかな。

今回は、以下のリンクで、当ブログで最初に書いた記事(2022.08.02)をご覧ください。うちのモミジバフウ(Liquidambar styraciflua)と、うちの辺りを縄張りとしているカラスさんご夫婦です。カラスと言っても、アメリカガラス(Corvus brachyrhynchos)。

冒頭画像(今年撮影)も、同じモミジバフウ。1羽、カラスさんが、横木にとまっていますが、このカラスさんは、そのご夫婦の去年の子どもだ、と思います。だいたい、1羽で行動するカラスは、まだ若いカラスのことが多いです。子どもは、数年、親の子育てを助けます。
学名 Liquidambar styraciflua
英名 American sweetgum
和名 モミジバフウ(紅葉葉楓
別名 アメリカフウ
フウ科(Altingiaceae)フウ属(Liquidambar

学名 Corvus brachyrhynchos
英名 American crow「アメリカガラス
和名 アメリカガラス
カラス科(Corvidae)カラス属(Corvus


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紅葉、黄葉(北側)その2

2023年11月17日 08時00分00秒 | 樹木

2023.11.04撮影

真ん中に写っているのは、クルミ(Juglans regia)、右奥がモミジバフウ(Liquidambar styraciflua)です。これは、前回にお見せしました。

今日は、今日の冒頭画像で言えば、左手奥の木、オーク(Quercus)から始めたいと思います。出発点となった画像(前の記事の冒頭画像、以下に再録)では、右寄り中央奥に見えるのが、その、オークです。和名は、ヨーロッパナラ


2023.11.04撮影

オークは広葉樹なんですが、バンクーバーあたりに植わっているのは、紅葉することも落葉することもあまりなく、葉が茶色に変色して冬の間中木に残っている、という性質があります。この冬中葉が落ちないことにちなんで、「オークの木のように強い」という表現があるぐらいです。カナダへ来て最初の冬に、茶色い葉が大量に付いている木をあちこちで見て、わたしは、なんと異様な、と感じました。

このオーク、普通なら(少なくともバンクーバーでは)、葉は茶色になるのに、今年は、10月初めに、赤〜朱色になりだして、びっくりしました。次は、地上から上を見上げて撮影したオークの梢です。初めて発見した時は、目を疑いました、何でオークが? と。


2023.10.06撮影

次は、上の画像の1ヶ月後に、2階から撮影したものです。裸眼で見るともっと赤いのですが、撮影するとこのような色になってしまいました。葉を光の当たった表から見るか、裏から光源に向けて見るか、との違いかもしれません。


2023.11.04撮影

では、オークの落ち葉をご覧ください。左の方が例年の色に近いですが、これもやや赤みがかっています。右の方は、雨に濡れていますが、濡れているかどうかは別にして、かなり赤いです。赤レンガのような色、と言っていいでしょうか。なお、オークの葉の形は、種類(種、園芸種)によりずいぶん異なります。

左の画像で見えている緑の葉は、ヒメツルニチニチソウ(Vinca minor)のものです。右側の画像の黄色い落ち葉は、クルミ(Juglans regia)のです。

 
2023.11.07撮影                  2023.11.10撮影

次は、わたしのうちの木ではなく、街路樹です。と言っても、剪定以外の管理は、市からわたしたち住人に任されていますが。これはカエデ(Acer)です。目で見た色は真っ黄色なんですよ。でも、撮影すると、こんなに赤くなってしまった。これも、光源の向きの関係?


2023.11.11撮影

このカエデは、園芸種で、'Pacific Sunset Maple'「太平洋の日没のカエデ」といいます。「日没」だから、黄色、と言いたいのか、赤、と言いたいのか??

「日没カエデ」さんの葉は、去年までは、木についているうちは黄色、落ち葉になっても黄色、でも、中には赤くなるのもある、程度だったんですが、今年は、赤い落ち葉が増えています。


以下は、今年のカエデの落ち葉、各種。

 
2023.11.07撮影                2023.11.07撮影

 
2023.11.04撮影               2023.11.04撮影

右上のカエデの葉は、カナダの国旗みたいですね。

最後にお見せするのは、出発点の画像のほぼ左半分を占める木です。これは、ミズキ属(Cornus)の1種、Cornus nuttallii で、英名を訳せば、「太平洋ヤマボウシ」。


この木もうちの敷地にあるものではなく、でも、カエデのように市の土地に植わっているのではなく、お隣の園芸好きのおばさんの地所に植わっています。彼女は、このヤマボウシをうちの敷地とのぎりぎりの所に植えたかったために、わたしの同意を得てから植え、かつ、わたしに意見を聞きながら管理しています。

枝が下から上まで、大きくうちの方に伸びてきていますが、これは承知の上です。花が咲き、実がなるときには、見事なものです。今年はそうではなかったが・・・なんでもが例年と異なる・・・

今年のこのヤマボウシの紅葉は格別。枝の上段の方が先に紅葉しています。次の画像は、真っ赤になる手前の葉。

2023.11.09撮影

では、落ち葉をご覧ください。

 
2023.11.11撮影                2023.11.11撮影

土の入った鉢の上に落ちて、発芽した実生まで、紅葉を始めた。美しいなあ。左から数日経ったのが、右。

 
2023.11.07撮影               2023.11.11撮影

季節で秋って特別好きなわけではなかったけれど、今年は、秋の木々の美しさに魅了されました。

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紅葉、黄葉(北側)その1

2023年11月15日 08時00分00秒 | 樹木
2023.11.04撮影

前回は、南側の紅葉、黄葉(9月、10月、11月)をお見せしました。

今日は、北側の木々の紅葉、黄葉(11月)をご覧ください。

今年の秋は、バンクーバーでは、気温が例年より高い日がつづき、雨が比較的少なく、晴れた日がかなりあり、雨が降っても晴れ間が出てくる、という天候でした。雨はどこへ行った〜〜〜? 水不足にならない限り、雨はこれぐらいでいいよ。

そして、紅葉、黄葉が、すごい。うわっと「赤や黄色」になってしまいました。バンクーバーでは、例年は、紅葉より黄葉の方が勝つんです。日本の秋の山の「錦」を見て育ったわたしは、赤い葉の少ないことを、いつも寂しく思っていました。でも、今年は、黄色の色合いがはっきりしている上に、赤色もきれいに発色した。気候変動のなせる技でしょうか。

冒頭画像は、わたしが、うちの2階の北側のベランダからやや下を向いて写したものです。この画像の右側から説明したいと思います。

右側手前の、黄色と黄緑色の葉の見える木は、これは、クルミ(Juglans regiaです。でも、その右後ろにも別の木があり、そちらを先にご紹介します。と言っても、この木については、次の記事を初め、何度も書いてきたのですが。


冒頭画像では、右上に、カエデの葉のような形の葉が少し見えます。それが、この、モミジバフウ(Liquidambar styraciflua)の葉です。うちでは、このモミジバフウの木を「フウちゃん」と呼んでいます。

2023.11.04撮影

上の画像は、その「フウちゃん」です。これ、1本の木のほんの一部です。異なる段階の紅葉、黄葉が見られます。この木は、過去にも赤い葉を見せてくれましたが、ここまで濃い色で大量に紅葉したのは初めてです。いろいろな色の落ち葉が落ちてきます。次の画像4枚は、その例です。

なお、上の画像中右下は、木の嫌いなお隣さんの敷地。このお宅へ行って、わたしは落ち葉かきをするのです・・・何度もするエネルギーはないから、1回目はもっと葉っぱが落ちてからにしようっと、すみません。

 
2023.11.11撮影                2023.11.11撮影

 
2023.11.04撮影                2023.11.07撮影

落ち葉はいつも大量に降らしてくれる「フウちゃん」、今年は、実もどさどさと半端なく落としてくれます。こんなにたくさん落ちてくるのは、初めて。落ちてくるというのは、それだけ成っているということで、これは、やはり、天候のせいでしょうか。

モミジバフウの実は、すぐには落ちずに翌年まで木についたままのこともあります。それで、今、黒くなった去年のも落ちてきています。今年の青いのを踏みつけると、硬くて結構大きいので、足をくじくぐらい、去年の黒いのでも足元がガシッとなります。

  2023.11.11撮影                 2023.11.11撮影

では、クルミ(Juglans regia)の木をご覧ください。冒頭画像の右手手前の木です。今年初めて実がひとつなりました。でも、ずっと観察していたのに、知らない間になくなっていて、自然に落ちたか(地上を探したが、見つからなかった)、あるいは、リス(Sciurus carolinensis))さんが取っていったか?

次は、クルミの木を2回のベランダから見下ろしたところ。枝が張り出しているのがよくわかります。黒い木肌で、大変優雅な樹形をしています。

画像右奥に緑と黄色の葉が見えているのは、先に書いたモミジバフウです。赤い葉は、もっと高いところにあります。

2023.11.04撮影

クルミの葉は、黄葉し、赤くなったのは、見たことがありません。

 
2023.11.10撮影                2023.11.10撮影

次回につづく。

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紅葉、黄葉(南側)

2023年11月13日 08時00分00秒 | 樹木
2023.10.11撮影

今日は、わたし(とお隣)の南側の庭から、紅葉、黄葉、をお届けします。主に10月の画像ですが、9月と11月のもあります。

冒頭画像の紅葉は、実生の木が1m以上になったもので、何だか分かりません。でも、サクラ系(スモモ属 Prunus、もしくは、サクラ属 Cerasus)の植物だと思います。見かけもそうだし、第一、そこあたりにサクランボのサネをコンポストとしていっぱい捨てましたから。この種類の木が何本も出ていたのを、数本にまで間引きました。

次の花と同じである可能性があります。(この花も実生から、何年もかけて咲かせたのに、わたしのうかつにした強剪定のために、枯らせてしまいました。)


2021.04.17撮影

次の植物は、うちにもお隣にもありますが、この画像は、お隣のです。なんの紅葉かお分かりになりますか。

2023.10.07撮影

カシワバアジサイ(柏葉紫陽花 Hydrangea quercifolia)です。この個体は八重の園芸種で、花(ガクですけど)の色は、クリームっぽい白から、ピンク、錆色っぽい茶色、と変わっていきます。紅葉が始まっても、まだ、花がついています。


2022.10.16撮影

次は、ブルーベリー(スノキ属 Vaccinium)の紅葉です。本当に美しい紅葉ですよ。うわ〜〜、とため息、出ちゃうぐらいです。

2023.10.11撮影

同一の個体から、異なる部位の、異なる段階のを並べてみます。早い部分は、9月の下旬にすでに、黒っぽいほど真っ赤になっています。茎は、若い枝がくすんだ黄緑色である以外は、葉が色づく前でも赤いです。

 
2023.10.21撮影                2023.10.21撮影

 
2023.10.21撮影                2023.10.21撮影

 
2023.10.11撮影               2023.09.20撮影

イチジク(Ficus)の葉は、青い実がたくさんついたまま、黄色くなりました。黄葉した葉っぱは、この後、どんどん落ちていきます。落ち葉かき、というか、落ち葉拾い、が必要です。

2023.10.11撮影

イチジクの葉は、大きくて、そして、表面が滑らかでないので、落ち葉が途中で木に引っかかったままになることがあります。これは取りのぞかないと、冬の雨で木の上で腐ることになります。


2023.10.11撮影

上の黄葉は、キキョウ(桔梗 Platycodon)の黄葉です。実は、キキョウが黄葉するなんて、わたしは考えたことがありませんでした。そう言えば、そうであったような、程度の認識でした。秋口に花が少なかったことが、わたしの関心を葉に向けているのでしょうか。

もうひとつ黄変した草本の葉っぱを。ドクダミ(Houttuynia cordata)です。ドクダミも黄葉する、と、しっかりとは知らなかった。地上部は枯れる、という認識ばかりだった。


2023.11.07撮影

紅葉、黄葉は、場所を北側に変えて、次回につづきます。

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イチイ、雪が降ると・・・

2023年01月10日 08時00分00秒 | 樹木
2021.12.28撮影

冒頭の画像は、1年ちょっと前の、きれいに晴れた日の写真です。この撮影日の3日後に、雪が降りました。

画像中の緑の葉っぱのついた2本の木のうち、右はアメリカツガ(Tsuga heterophylla)である、と思われます。植えたのではなく自然発生なので、正確にはわかりませんが。

そして、左のは、昨日のブログで「アイルランドのイチイ(Taxus baccata 'Fastigiata')」と同定したものです。これは、幹が上に伸びていく、というので買い求めたものです。ただ、残念なことに、名称を控えてありませんでした。でも、昨日の同定で合っていると思います。この横幅を取らないイチイは、庭に、生垣に、人気の高い種類です。

イチイ、どの?

3週間ほど前のこの年末(上の画像から約1年後)、20日に雪が降りました。次の画像をご覧ください。「アイルランドのイチイ」は、この画像では、右奥に見えます。

2022.12.20撮影

次のブログ記事でも書いたのですが、あまり雪の降らないバンクーバーでは、雪が降ると、人間だけでなく、鳥を含む動物たちも慌てます。そうすると、普段はそう食べない物まで鳥や動物が食べるようになります。

バンクーバーの雪事情とカラス

うちのイチイですが、実がたくさんなっています。時々鳥がついばんでいますが、特に人気のあるエサでもないようです。やってくるのは、主に小さい鳥です。

このイチイは、幹が縦に出ていて、横に出たしっかりした枝がありません。それで、葉や実のついている枝が短いです。つまり、よほど小さい、体重の軽い鳥でない限り、止まれないのです。ですから、小型ではない小鳥がこの果実を食べようとすると、羽をばたつかせて、足場を足探りしながら実を取ることになります。

おまけに、実が雪に埋もれていたので、それを探し出す必要もありました。そうすると、雪を払いながら、空中でずり落ちつつついばもうとするので、えらい騒ぎでした。

次の画像は、実がついばまれる前の「ビフォー」。実がたくさん実っています。

2022.11.30撮影

鳥が(文字通り)バタバタしているところを撮影したかったのですが、とにかく動きが早くてできず、食べた後にご休憩の鳥を1羽撮影することができました。次の2枚をご覧ください。この鳥、どなたでしょ? アメリカンロビン(Turdus migratorius)のメスでしょうかなあ。

2022.12.20撮影

2022.12.20撮影

後日、イチイの周りを見てみると、次の画像のようになっていました。落ちているのは果実がちょっと欠けているだけなので、果実の一部しかついばむことができなかったのかもしれません。あるいは、果実を丸のみして、ここには落ちていない可能性もあります。

2023.01.03撮影

次の画像は、実がついばまれた後の「アフター」。赤い実からのぞくタネが「果肉」からはみ出すほどに大きく成長しているのが見てとれますが、実の数そのものが減っています。

2023.01.03撮影

イチイの実は、人間が食べても美味しいんですよ。ただ、タネには毒がありますから、絶対に噛んだり飲み込んだりしませんように。

・・・・・・・

【お知らせ】

2月初めまで、日本に帰国いたします。帰省中に書けないし、今回は書きだめもないので、ブログはしばらくお休みします。こちら(バンクーバー)に帰ったら、再開します。その時には、またご訪問くださいませ。ヘレボルス属(Helleborus)について書き始めたいと思います。

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イチイ、どの?

2023年01月09日 10時04分02秒 | 樹木
2022.11.30撮影

うちには他に赤い実のなる灌木や樹木がないので、このイチイ(Taxus)の実がなってくれるのが、たいへんうれしいです。イチイ科(Taxaceae)イチイ属(Taxus)の植物で、「イチイ」は「一位」と書きます。

日本のイチイ(Taxus cuspidata)は、日本語では、科名、属名、種名、が全て「イチイ」。センリョウ科センリョウ属センリョウ(Sarcandra glabra)、みたいなもんです。

和名 イチイ(一位)
イチイ科(Taxaceae)イチイ属(Taxus
学名 Taxus cuspidata「尖ったイチイ」
英名 Japanese yew「日本のイチイ」
原産 日本、朝鮮半島、中国北東部、ロシア最南端
雌雄異株

学名の cuspidata「尖った」というのは、葉の形から来ています。でも、痛いほど尖っているわけではありません。

2022.11.30撮影

冒頭の画像と上の画像は、うちのイチイですが、これらではなく、次の「植木ペディア」に挙がっている日本のイチイの葉の画像をご覧ください。


若葉、そして、比較的若い葉なのであろうと思われる葉は、軸に対して両側に出てペタンとついています。でも、枝先で若葉でないように見える葉は、葉の軸に対するつき方が、不規則に揺れたようになっています。

ここで、これを、うちのイチイの葉とお比べください。うちのイチイの葉は、上の画像と冒頭の画像に見えるように、葉が軸を取り囲んでほぼ螺旋状についています。葉と葉の間には隙間があります(上の画像中、真ん中上)が、枝の先端の方へ行くと、より密接しています。

葉のつき方からだけでも、このうちのイチイは日本のイチイ(Taxus cuspidata)ではないことがわかります。

それでは、ヨーロッパイチイ(Taxus baccata)なのか。

和名 ヨーロッパイチイ
イチイ科(Taxaceae)イチイ属(Taxus
学名 Taxus baccata「ベリーのなるイチイ」
英名 Yew「イチイ」
別名 Common yew「一般的なイチイ」
原産(イギリス、アイルランドを含む)西部、中部、南部ヨーロッパ

名称を見ると、「おらがとこ」中心、ですね、どこも。ヨーロッパでは、ヨーロッパイチイ(Taxus baccata)が Yew「イチイ」で、日本では、日本のイチイ(Taxus cuspidata)が「イチイ」なわけです。ごもっとも。

Aril of the European yew(ヨーロッパイチイの実)
撮影者:Didier Descouens
撮影日:2012.08.10
オリジナルからの改変、なし

上の画像は、ヨーロッパイチイの画像です。実を見せるのが目的で、枝を裏側から撮影したものです。葉の裏側からも、葉の軸に対するつき方を観察することができます。このヨーロッパイチイの葉も、うちのイチイのような螺旋状ではありません。(ヨーロッパイチイでも、新芽は螺旋状となります。)

うちのイチイがどの種であるか探索したいんですが、上の画像があんまりきれいなので、その前に、葉の様子を見てみましょう。

イチイ類の葉の裏側は、上の画像に写っているように、このように白っぽく、明るく見えます。葉の中心にきれいに主脈が通っています。そして、その両脇が白っぽいです。さらに、その白い部分の外側は、表の縁が表から裏へやや折り返されたようになっています。

今度は、次の画像(うちのイチイ)をご覧ください。ここで見えている葉は、ほとんどが表ですが、裏からと同様、表からも主脈が浮き上がって見えます。右奥には枯れて茶色くなった葉が見えますが、その左手前に、裏側が見えるのが2枚はあります。ここでも、上の画像と同様、白い筋がきれいに出ています。

こんなふうに見てみると、葉を観察して鑑賞するのも楽しいなあ、と思うようになりました。

2023.01.03撮影

では、うちのイチイは、どの種なんでしょう。次の2点から、Irish yew「アイルランドのイチイ」と呼ばれる種であると確定していいと思います。

1.葉が全体的に螺旋状についている
2.幹が複数本上に向かって伸びている

和名(ないもよう)
イチイ科(Taxaceae)イチイ属(Taxus
学名 Taxus baccata 'Fastigiata'「枝がほうき状のベリーのなるイチイ」
英名 Irish yew「アイルランドのイチイ」
原産 アイルランド

イギリスの「森林信託」
(クリックで開きませんので、アドレスをコピペでどうぞ)
YEW, IRISH(英文+画像)

アメリカ、ワシントン州にある「エリザベス・キャリー・ミラー植物園
(Elisabeth Carey Miller Botanical Garden)」
Taxus baccata 'Fastigiata'(英文+画像)

さらに、その他の記事によると、この「アイルランドのイチイ」は、
・1780年台に
・アイルランドで
・雌株だけが1本
・発見された
ということです。

普通のヨーロッパイチイ(Taxus baccata)の突然変異だと考えられています。そして、増殖は、挿し木でなされてきました。

ということは、うちのも元はアイルランドにあった(まだ現存する、というのもどこかで読んだ)ものの子孫? それも200年以上前からの?

「アイルランドのイチイ」は、横幅をあまり取らずに縦に幹を何本も上げる姿が、美しいです。次の画像でその様子をご覧ください。うちの「アイルランドのイチイ」です。

2020.08.20撮影

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ヒイラギ、セイヨウヒイラギ

2022年12月12日 07時19分00秒 | 樹木
赤い実をつけるセイヨウヒイラギ
パブリックドメイン

冒頭の画像は、セイヨウヒイラギです。ヒイラギではありません。和名で言うと、セイヨウヒイラギはヒイラギの一種だ、と感じてしまいますが、セイヨウヒイラギとヒイラギは、系統の異なる植物です。

セイヨウヒイラギについて、念のために、科と属だけでなく、科のもうひとつ上の分類である目(もく)まで書いておきます。

和名 セイヨウヒイラギ(西洋柊)
ニシキギ目(Celastrales)モチノキ科(Aquifoliaceae)モチノキ属(Ilex)
学名 Ilex aquifolium
英名 Holly
原産 西部ヨーロッパ、南部ヨーロッパ、北西アフリカ、南西アジア

セイヨウヒイラギ

Holly(英文+画像)

ヒイラギについては、昨日の記事をご覧ください。

ヒイラギ、ヒイラギモクセイ

ヒイラギ

ヒイラギ
撮影者:KENPEI
撮影日:2006.11.16
オリジナルからの改変、なし

ヒイラギ(左)とセイヨウヒイラギ(右)を左右に突きあわせて、比べてみます。

名称、原産
和名: ヒイラギ(柊)・・・・・・セイヨウヒイラギ(西洋柊)
目名: シソ目(Lamiales)・・・・ニシキギ目(Celastrales)
科名: モクセイ科(Oleaceae)・・モチノキ科(Aquifoliaceae)
属名: モクセイ属(Osmanthus)・モチノキ属(Ilex)
学名: Osmanthus heterophyllus・・Ilex aquifolium
英名: False holly・・・・・・・・・Holly
原産: 台湾、日本・・・・・・・・主に、西部、南部、ヨーロッパ

これを見てみると、日本では、和名として Osmanthus heterophyllus を指す「ヒイラギ」がまず名称として存在し、その後、Ilex aquifolium が日本に紹介されて「セイヨウヒイラギ」と命名されたたことになります。

その反対に、英語では、古代のローマの時代から親しまれてきた Ilex aquifolium(セイヨウヒイラギ)を指す「Holly」がまず名称としてあり、その後、日本などから移入された Osmanthus heterophyllus(ヒイラギ)を表す名称が「False holly(偽のホリー)」となったことがわかります。

さらに特徴を比べてみます。冒頭の画像(セイヨウヒイラギ)と、2番目の画像(ヒイラギ)で、葉をご観察ください。

葉は、両者とも、大変よく似ています。異なるのは、葉のつき方ぐらいです。

葉の共通の特徴
落葉: 常緑
色:  濃緑色
表面: 光沢がある
トゲ: 縁に鋭いトゲがある(古い葉では、減る)

葉の異なる特徴
つき方:対生(ヒイラギ)・・・・・・互生(セイヨウヒイラギ)

では、花はどうでしょうか。次は、セイヨウヒイラギ(英語で Holly)の花です。この画像(セイヨウヒイラギ)と、上の画像(ヒイラギ)で、花をお比べください。

セイヨウヒイラギの花
撮影者:Tigerente
オリジナルからの改変、なし

花の特徴
和名: ヒイラギ(柊)・・・・・・・セイヨウヒイラギ(西洋柊)
雌雄: ・・・・・・・・・異株・・・・・・・・・・
花びら:反り返る・・・・・・・・・・反り返らない
色:  白・・・・・・・・・・・・・緑っぽい白
匂い: 芳香がある・・・・・・・・・気づかれるほどの匂いはない

Wikipedia英語版の Holly の記事には、セイヨウヒイラギの花は inconspicuous である、と書かれています。この英単語は「簡単には気づかれない」という意味で、白や緑や茶色の小さく、あまり魅力的でない花を形容するのによく使われます。つまり、鑑賞価値から言うと「どーでもいい」花について、こう述べられます。

ということは、いい匂いもしない、と結論せざるを得ない。実際、「ホリー」の花の匂いなんか嗅いだことがない、「ホリー」はその辺にたくさん植わっているんですが。と言うか、「ホリー」は実生で結構生えてくるんです。鳥さんの活動のおかげです。

最後に、その実を比べてみます。

ヒイラギの実は、次のサイトにはっきりした画像が挙がっています。上から7番目の画像です。無断で転載できませんので、どうか、お出かけになって、ご覧くださいませ。

ヒイラギ

> 雌木についたヒイラギの実
> 黒紫色が美しい(ちゆきさん撮影、2005.6)

そして、このヒイラギの、黒紫の実を、次のセイヨウヒイラギの赤い実とお比べください。

セイヨウヒイラギ
撮影者:4028mdk09
撮影日:2009.12.17
オリジナルからの改変、なし

結局、セイヨウヒイラギ(Ilex aquifolium)が「ヒイラギ」と呼ばれるのは、ヒイラギ(Osmanthus heterophyllus)の葉と類似の葉を持っている、という理由から。大きな違いは、ヒイラギは、その花の匂いで知られ、セイヨウヒイラギは、赤い実つきの常緑の枝が冬場を彩る、ということでしょう。

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ヒイラギ、ヒイラギモクセイ

2022年12月11日 10時59分58秒 | 樹木
ヒイラギ
撮影者:KENPEI
撮影日:2006.11.16
オリジナルからの改変、なし

今日は、ヒイラギとヒイラギモクセイについて書きます。ヒイラギもヒイラギモクセイ
も、モクセイ(ギンモクセイ)とキンモクセイと同じように、モクセイ科モクセイ属の植物です。

なんか、植物の名前を並べただけで、目がクラクラしちゃいました。

和名 ヒイラギ(柊)
モクセイ科(Oleaceae)モクセイ属(Osmanthus)
学名 Osmanthus heterophyllus
英名 Holly olive
別名 False holly
原産 台湾、日本(沖縄、九州、四国、関東地方以西の本州)

ヒイラギ

ヒイラギ(冒頭の画像)によく似たのが、ヒイラギモクセイ(次の画像)。

ヒイラギモクセイ
撮影者:Qwert1234
撮影日:2012.10.13
オリジナルからの改変、なし

和名 ヒイラギモクセイ(柊木犀)
モクセイ科(Oleaceae)モクセイ属(Osmanthus)
学名 Osmanthus x fortune

学名に「x」がついていますが、これは交雑種であることを表します。

ヒイラギモクセイはヒイラギ(Osmanthus heterophyllus)とモクセイ(ギンモクセイ)(Osmanthus fragrans)の雑種と考えられているそうです。

ヒイラギモクセイ

2日前の記事からここまでに出てきた植物がどう関連しているかまとめてみると、次のようになります。

キンモクセイ(Osmanthus fragrans var. aurantiacus)【モクセイの変種】
/
モクセイ(ギンモクセイ)(Osmanthus fragrans)
/
ヒイラギモクセイ(Osmanthus x fortune)【モクセイとヒイラギの交雑種】
/
ヒイラギ(Osmanthus heterophyllus)

では、これら4種の植物の葉がどう違うか、見てみましょう。Wikipediaのそれぞれの記事から抜粋引用をします。

キンモクセイ
・長めの楕円形か広披針形
・葉縁は波打っており、わずかに鋸歯がある

モクセイ
・キンモクセイより葉幅が広く、楕円形で先端は急にとがる
・縁にはあらい細鋸歯がある(鋸歯がなく全縁の場合もある)

ヒイラギモクセイ
・楕円形で、先端はとがっている
・縁には刺状の鋸歯がある

ヒイラギ
・楕円形から卵状長楕円形
・縁には先が鋭い刺となった鋭鋸歯がある

つまり、ヒイラギモクセイとヒイラギの葉にはトゲがあり、ヒイラギのトゲの方が鋭い。

それでは、トゲのつき方を、上の画像(ヒイラギモクセイ)と下の画像(ヒイラギ)でお比べください。一方が見るからに鋭いですね。

先が鋭い刺となった鋭鋸歯がある葉(ヒイラギ)
撮影者:Alpsdake
撮影日:2017.03.14
オリジナルからの改変、なし

ヒイラギとヒイラギモクセイは、花(雄花か雌花か、はここではおいておいて)でも区別することができます。

ヒイラギの花は、「花びら」がそり返ります。でも、ヒイラギモクセイの「花びら」はそり返りません。

ヒイラギ

ヒイラギモクセイ

このサイト「松江の花図鑑」についてもうご存知の方も多いとは思いますが、このサイトは大変充実していて、書き方から見て、内容が信用できる、と思います。皆様も、よろしければ、ご利用ください。


以下の画像は、11月に日本に帰国しておりました時に、実家の庭で撮影しました。これは、歳を経て「丸くなった」ヒイラギですよね?? いい匂いでした。

Wikipediaのヒイラギの記事からからもう少し引用します。

> 若樹のうちは葉の棘が多いが、老樹になると葉の刺は次第に少なくなり、縁は丸くなって先端だけに棘をもつようになる。葉の鋭い棘は、樹高が低い若木のうちに、動物に食べられてしまうことを防いで生き残るための手段と考えられている。

2022.11.10撮影

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キンモクセイ、ギンモクセイ

2022年12月10日 07時59分28秒 | 樹木
モクセイ(ギンモクセイ)
撮影者:Juni
撮影日:2004.10.17
オリジナルからの改変、なし

昨日はキンモクセイについて話しました。

今日はモクセイ(別名 ギンモクセイ)についても話したいと思います。

和名 モクセイ(木犀)
和名 ギンモクセイ(銀木犀)
モクセイ科(Oleaceae)モクセイ属(Osmanthus)
学名 Osmanthus fragrans
英名 Sweet olive「甘い(匂いの)オリーブ」
別名 Tea olive「お茶(用)のオリーブ」
別名 Fragrant olive「芳香のオリーブ」

「モクセイ」と言う時、
・ギンモクセイ(Osmanthus fragrans)だけのこと
・ギンモクセイ(Osmanthus fragrans)、キンモクセイ(Osmanthus fragrans var. aurantiacus)、など、Osmanthus fragrans に変種・品種の総称
のふたつの場合があります。

キンモクセイは、モクセイ(ギンモクセイ)の変種ですので、両者には共通した形状、性質がありますが、大きな違いは、2点。

1.花の色は、ギンモクセイは白、キンモクセイは橙色(だいだいいろ)
2.香気は、キンモクセイの方が強い

モクセイ

わたしは、個人的に、学名が好きです。学名を見れば、
・属名により、他の植物との親戚関係がわかる
・種小名により、特徴など(色とか形とか)がわかる

と言っても、学名をたくさん知っているわけではありません。ぼちぼちと理解している程度です。わたしは英語圏に住んでいるので、英語の知識をラテン語の学名に当てはめることもできます。

ギンモクセイ Osmanthus fragrans を見てみると、
属名 osme「香気」+ anthos「花」
種小名 fragrans「芳香のある」

キンモクセイの var. aurantiacus なら、
var. = variety(英単語)「変種」
aurantiacus「オレンジ」
(aurea 等が出てきたら「金色の」「黄色の」)

モクセイ(ギンモクセイ)とキンモクセイは、モクセイ属(Osmanthus)に属するわけですが、次に、属より上のモクセイ科(Oleaceae)を見てみます。

Oleaceae の語尾の -aceae は科名に共通なので特に意味はなく、和訳では「科」程度に当たります。意味を担うのは、olea の部分です。これはどう考えても、英語で言うところの oil に違いない。つまり、「油」。

モクセイ科(Oleaceae)にどんな属が属するか、というと、次のようになります。属名に続いて、代表的な種も書いておきます。

・レンギョウ属(Forsythia)レンギョウ
・ソケイ属(Jasminum)いわゆる、ジャスミン
・ハシドイ属(Syringa)ライラック
・オリーブ属(Olea)オリーブ
・モクセイ属(Osmanthus)モクセイ、ヒイラギモクセイ、ヒイラギ

つまり、モクセイ科(Oleaceae)において、「科」の名前を引き継いでいる「属」は、
・和名では、モクセイ属(Osmanthus)
・学名ではオリーブ属(Olea)
ということになります。

このような、和名と学名における属名と科名の食い違いは、しょっちゅうあります。

では、Oleacea(モクセイ科)と Olea(オリーブ属)の olea「油」を頭において、キンモクセイの英名を見てみてください。「オリーブ olive」が出てきます。ここでやっと、モクセイとオリーブがつながりました。

・Orange sweet olive「オレンジ色の甘い(匂いの)オリーブ」
・Japanese orange osmanthus「日本のオレンジ色のモクセイ」

キンモクセイについてつけ加えれば、中国茶に「黄金桂」と呼ばれるものがあります。「桂」は「丹桂(キンモクセイ)」の「桂」です。「黄金桂」というのは、文字通り、抽出された茶湯が「黄金色」で「桂(キンモクセイ)」の香りがかすかにするお茶。

以下のサイトの情報がどこまで正確かわかりませんが、ご参考までに、どうぞ。

鉄観音・黄金桂・水仙・色種

明日は、ヒイラギとヒイラギモクセイについて書きます。モクセイに加え、ヒイラギモクセイも、ヒイラギも、みんな、モクセイ属の植物なんです。

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キンモクセイ

2022年12月09日 08時00分26秒 | 樹木
金木犀の花の写真素材
パブリックドメイン

今日から、数日間にわたり、名称が妙に(奇妙に?)つながっている、
・モクセイ
・ヒイラギ
・ナンテン
を、比較したいと思います。

まず、今日は、キンモクセイ。

和名 キンモクセイ(金木犀)
モクセイ科(Oleaceae)モクセイ属(Osmanthus)
学名 Osmanthus fragrans var. aurantiacus
英名 Fragrant olive
* ギンモクセイ(Osmanthus fragrans)の変種

キンモクセイは、秋に、「こんな季節にこんな派手やかな色の花が?」と思わせる花を咲かせますよね。そして、強い芳香。

わたしは、大学生の時、友人たちといっしょに一軒家を借りて住んでいたのですが、そのお家の庭にキンモクセイがあり、それが強く印象に残っています。

キンモクセイ

上記Wikipediaの日本語版のキンモクセイの記事には、

> 中国原産。日本には江戸時代(17世紀ごろ)に雄株だけが渡来し、実を結ばないため、挿し木で北海道と沖縄以外の日本中に増やされた。

と書かれています。また、

> 雌雄異株の植物で、(中略)日本では花付きの良い雄株しか移入されていないため実を結ばず、中国まで行かないと実を見ることはできない。

とも書かれています。でも、よく読んでみると、雄株は、

> 雄しべが2本と不完全な雌しべを持つ。

とも書いてある。

雌雄異株
を見てみました。

> 雌雄異株(しゆういしゅ)は(中略)植物の性による種の分類
> 雄の生殖器官と雌の生殖器官を別個体の植物で持っているもの
また、
> 同一個体が持つ場合は、雌雄同株
というのは、植物好きの人になら、よく知られたことだと思います。

でも、それに加え、雌雄混株と呼ばれる
> 何かしらの条件で雄に雌の生殖器、または雌に雄の生殖器が出来る
ものがある、ということを、わたしは今回勉強しました。

ですから、
・キンモクセイは、雌雄異株である
・キンモクセイの雄株には、不完全ながらメシベもついている
・よって、正確には、キンモクセイの雄株は雌雄混株である
・しかし、キンモクセイの雄株には実がならないので、単に雄株と呼ぶ
ということでしょうか。

でも、もうひとつ気になったことがありました。日本には全く雌株がないのか? 雌株が全くない、というのは、不自然なような・・・

それで、原産地である中国の中国語版のWikipediaも見てみました。

丹桂

そこには、
> 因雄株開花數量較多,因此在日本作為園藝種植的丹桂基本都是雄株。
と書かれていて、

これは、「雄株の方が(雌株に比べ)花数が多い、よって、日本で園芸として栽培されるのは、基本的には、雄株である」という意味だと思うんですよ。ですから、この「基本都(=基本的には)」という言葉尻だけを捉えれば、日本に雌株も存在するのではないだろうか・・・と。

キンモクセイは、わたしは、子どもの時からの憧れの植物なんですが、いまだに自分の庭に持ったことはありません。実家にはなかったので、いずれ、と思っていたのですが、カナダのバンクーバーに居を構えることになり、ここでは今まで寒すぎて。

アメリカやカナダでは、アメリカ合衆国農務省(USDA)の出す「植物耐寒域区分(Plant Hardiness Zone)」の番号を、生育条件の目安としてよく使います。

アメリカのミズーリ州に、ミズーリ植物園(Missouri Botanical Garden)という、庭園、植物園があるだけでなく、植物学の研究も行っている、由緒ある機関があります。そこのサイトを見てみますと、キンモクセイの「耐寒域区分」は、本文中で「8b-11」、表中で「8-11」となっています。

バンクーバーは、温暖化に伴って「耐寒域区分」が上がってきているのですが、それでも、平均的に見て「8b」、暖かめの海沿いでは「9a」、気温が低めの地域は「8a」です。山がちの方は、もっと寒くなります。

バンクーバーは、以前は「7b」でした。(数字の低い方が寒く、「a」の方が「b」より寒い。)ですから、平均で、「7b」から「8b」に上がっているのです。

温暖化よね、イチジクがこんなに取れるのは

ということは、今までキンモクセイがバンクーバーで普通に植えられてきたことはなかった、でも、これからは、可能かも、ということだと思います。よし、植物屋さんに出かけたら、見張っておこう。

キンモクセイについての日本の各種サイトを見てみると、キンモクセイは中国が原産だと書いてあります。でも、英語の各種サイトを見てみると、日本が原産だと書いてあるのがあります。これは、日本人自身が日本原産だと主張していない以上、中国から直接ではなく、日本を経由して移入されたかもしれないのを、アメリカ人などが勘違いして書いてあるのだと思います。

また、英語のサイトには、キンモクセイは、中国に加え、中国南部、ヒマラヤ、が原産だ、と書いてあるのもあります。タイ、ミャンマー、ネパール、ブータン、インド、まで挙げてあるのもあります。それを地域的に「平均」してみると、ヒマラヤ、ということなんでしょう。

キンモクセイは中国が原産だ、というのは、言い切りすぎなのかもしれません。中国南部、と思っておいた方がいいのでしょうか。

金木犀の花の写真素材
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