2022.04.24撮影
昨日に続き、ヴィンカについて。
ツルニチニチソウ、ヒメツルニチニチソウ、は、大きいか小さいかの違いこそあれ、ひとまとめにヴィンカと呼んでもいいんですが、ヒメツルニチニチソウ(「ヒメ」の方です)にだけ、特別な効能があります!
“The leaves of the lesser periwinkle, if eaten by man and wife together,
will cause love between them”
「ヒメツルニチニチソウの葉は、夫と妻がいっしょに食べたら、
ふたりの間に愛を引き起こす。」
というような、夫と妻の間には、そもそも愛がないような効能があるんだそうです。「いっしょに食べる」というのがちょっと曖昧なんですが・・・
THE LESSER PERIWINKLE; THE LOVE POTIONS OF LADY WILDE,
MRS. WHISKEYMAN, AND OTHER LOCAL WITCHES
冒頭の画像は、昨日もご紹介した画像なんですが、ツルの伸びた先をご覧ください。若い葉が、上を向いて、春の命が感じられます。こんな部分をツルごと取って、ツルを絡み合わせて、食べるのでしょうか。
この効能は、ツルが絡んでいくから、らしいんですが、ヒメツルニチニチソウのツルは、茎が長いだけみたいなもので、そんなに絡むものではありません。ただ、それぞれの茎が好き勝手な方向に伸びて覆いかぶさっていくので、結果的にほぐれない、というだけ。
それにしても、なぜ「ヒメ」でない方には、この効能がない? 多分「ヒメ」の方がイングランドのどこででも見られる種だった? それで、俗信が生まれやすかった?
2022.09.10撮影
葉は、夏から秋になると、上の画像のように被さりあいます。その上を歩いても、それほど葉は傷みません。と言っても、わたしは抜き足差し足ですが。
この画像には、丸い葉っぱのコバンコナスビ(Lysimachia nummularia)もツルを伸ばしているのが見えます。コバンコナスビは地をびっしりと這いますが、ヴィンカはその上を覆いかぶさるようにして伸びていきます。
ツルニチニチソウ(Vinca major)、ヒメツルニチニチソウ(Vinca minor)、の違いを簡単にまとめておきます。
ツルニチニチソウ(Vinca major)
・全体的に大きい
・這い上る性質
・葉の縁に毛がある(以下のリンクの画像を参照ください)
ヒメツルニチニチソウ(Vinca minor)
・全体的に小さい
・地上のものの上を覆っていく性質
・葉の縁に毛がない(以下のリンクの画像を参照ください)
Leaf margins for comparison; Vinca minor above, Vinca major below;
note hairless margin of V. minor, hairy margin of V. major.(画像)
2022.05.04撮影
ヴィンカの英名は、periwinkle「ペリウィンクル」です。植物の方は青いのから赤紫まで花の色に幅がありますが、periwinkle という語が色名に使われるときには、特定の色 very light purplish blue(大変薄い紫がかった青)を指します。以下で色をお確かめください。
Shades of blue (Periwinkle)(英文+画像)
なお、ブログで文句を垂れても仕方ないが、同じWikipediaの記事でも、次のページの色見本と色を特定する数値は間違っています。
Periwinkle (color)
2022.05.25撮影
おもしろいのは、このヴィンカの英名 periwinkle は、植物とその花の色から派生した色の名前以外に、指すものがある、ということ。ヨーロッパ・タマキビ(Littorina littorea)という、大きさ30〜50ミリの巻き貝。潮間帯(潮の満ち引きにより、露出したり海底になったりするところ)に住んで、藻類を主にエサにしているそうです。
ヨーロッパ・タマキビ(Littorina littorea)
スコットランドでよく取れて、美味しいそうですよ。ちゃんと商業ベースに乗っているそうです。
Common periwinkle(英文+画像)
シェークスピアの劇に出てきて、シェークピア自身も食べたんじゃないかな?
以下のリンク先の
3. Periwinkles
の画像をご覧ください。
10 Foods From Shakespeare’s Plays That
Shhakespeare (Probably) ate Himself(英文+画像)
2021.05.28撮影
わたし自身は、英語で生活しているせいか、periwinkle という名前が好きです。上の画像の花の色はいかがでしょうか。
画像の右上にでっかく出ているのは、ヘレボルス・オリエンタリス(Helleborus orientalis)(いわゆる「クリスマス・ローズ」)が、ガク(花びらのように見える)をまだつけたまま、タネの「袋」を形成しているところです。この「袋」の中に多くの種子ができます。時季が来ると、ポロポロこぼれます。みなさんに、お分けしたいぐらいです〜〜。うちは、ヘレボルスが100本以上あります。(あ、自慢!)