カラスといちごとクロッカスと

身の回りの鳥や小動物、庭の花や畑の野菜など、日々日々、季節季節の情報を、
個人の目をとおしてお届けします。

ワスレナグサ 2

2023年04月29日 08時00分00秒 | ムラサキ科
2022.04.11撮影

庭によく植えられるワスレナグサは、Myosotis sylvatica です。この種(しゅ)の花の色は、基本は空色ですが、一定数、ピンクの花も、白い花も出現します。その性質を利用してでしょう、多くの園芸種があり、色が異なります。大変濃い青、親種より濃い青、ローズ・ピンク、濃い明るいピンク、など。

では、青以外の花は、開花の度合いで色が変わるでしょうか。

2023.04.19撮影

これは、うちの、ピンクの株です(新しい株で、どこから来たのか、知らない)。花の開いたのも、ツボミも、ピンク〜〜 少なくとも、この株では、そのようになっています。

白花は、以下の画像でご覧ください。ツボミも開いた花も、白です。

2022.04.11撮影

上の画像と次の画像は、同じ場所を写したものですが、上のような情景が、3週間経つと、下のような情景になります。下の画像には、もうタネをつけているのもあります。

こういう密集地(こんなのも、花筵と呼べるのでしょうか)を見ると、交雑して中間色もできるのかなあ、と思ってしまいますが、さあ、どうなんでしょう。あんまり、中間的な形質のものは、見つからないんです。

2022.05.06撮影

以下は、ワスレナグサの白花です。この個体が、Myosotis sylvatica で一定数現れる白い花であるか、園芸種であるか、あるいは、他の種、例えば、Myosotis abyssinica、かは、わたしにはわかりません。

青い花では、中央のリングが、黄色のものが若い花、白いものが日数の経ったもの、と昨日述べました。

以下の白花の画像中にも、リングが黄色いものと白いものとがあります。お暇な方は、これらの花の中から、リングが白いものを見つけ出してくださいまし。

2013.05.07撮影

ところで、「ワスレナグサ」という名称の語源については、
* 中世ドイツの悲恋物語に、ある騎士が恋人に花を摘んであげよう
として川に落ちた、流れに飲み込まれる間際に、女性に向かって 
Vergiss-mein-nicht!(僕を忘れないで)と言った、とある、
と、日本語版Wikipedia、その他、にあり、

* その英語への直訳は Forget-me-not、
* 日本語への訳は「忘れな+草」である
となっていますけど、これ、ウソっぱちです。

Wikipediaのドイツ語版には、そんなことこれっぽちも書いていない。
英語版にも書いていない。

それで、英語の(多くの人が信頼している)語源辞典で調べると、
* 古フランス語の花の名前 ne m'oubliez mye が各言語に入り、
以下のように訳された、と解説されています。

つまり、英語、その他の言語には、フランス語の表現が入って訳された、ということです。

英語: forget me not(1530年代にフランス語から英語に入った) 
ドイツ語: Vergißmeinnicht
スウェーデン語: förgätmigej
ハンガリー語: nefelejcs
チェコ語:nezabudka

forget-me-not

・・・・・・・

【お知らせ】

5月にまた日本に帰国します。すぐにではありませんが、わたし自身の庭の世話をしてからになるので、今回は早めにブログから「お休み」を取ることにします。ブログ再開は、6月半ば以降となります。

それまで、白いワスレナグサの白いリングがいくつあるか数えていただくか、
せめて flowerconnection を「勿忘(忘れなき)」よう、お願い申しあげます。
またご訪問くださいね。

やっと10度を超えたバンクーバーより


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ワスレナグサ 1

2023年04月28日 08時00分00秒 | ムラサキ科
2022.05.13撮影

今日と明日でムラサキ科(Boraginaceae)のミニシリーズは終わりです。

最後に、ワスレナグサ属(Myosotis)を取り上げます。「ワスレナグサ」の「ワスレナ」は、漢語風に「勿忘」、和語風に「忘れな」。

ワスレナグサ属の花は、よく似ているものが多いので、種(しゅ)まで、しかとは同定しにくいのですが、庭に普及している、という統計的事実からと、見かけからも、冒頭の画像のワスレナグサは Myosotis sylvatica でしょう。

学名 Myosotis sylvatica(推定)
英名 Forget-me-not「我な忘れそ」
和名 ワスレナグサ
ムラサキ科(Boraginaceae)ワスレナグサ属(Myosotis

学名の Myosotis は、「ウサギの耳」という意味だそうで、葉の形を表したものだと言われています。次の画像で、葉の形をご覧ください。

2022.04.11撮影

ムラサキ科の、ヒメムラサキ(プルモナリア)、ルリジサ(ボリジ)の花が、(白花でなければ)咲き始めはピンク、そして、開き切ると青、というのは、もう見ました。今日のワスレナグサも、花は、ピンクから青に変わります。

上の画像でも、ツボミはピンク色を覗かせ、画像中央下の、小型で開いてはいるがまだ丸まっている花は、変色中であるように見えます。

次の画像もご覧ください。いろいろな開き方の段階の花を見ることができます。

2023.04.18撮影

以下の画像では、花が全部開いてしまった状態です。ツボミがないので、全体が青くなっています。

きれいな空色ですね、ヒメムラサキ(プルモナリア)の花とも、ルリジサ(ボリジ)の花とも異なる。

この「花ざかり」のワスレナグサのおいでになるところは、わたしのハーブ・ガーデン! 背景にチャイブ(Allium schoenoprasum)が見えます〜〜 わたしがここにワスレナグサさんたちをお招きしたんじゃないんです。タネがどういうルートで移動するのか知りませんが、お願いしたわけでもないのに、やってくるんです。

わたしは、ワスレナグサは、購入したのですが、知り合いのガーデニング好きのおばさん(隣のおばさんとば別の人)にあきれられました、そんな植物は買うもんじゃない、って。そんなら、くれたらよかったんじゃない、とは思いましたが、毒づくのは控えました。

2021.05.04撮影

ワスレナグサは、花茎の下から上に向かって咲きます。

直前の画像でも、花の中央の色からそのことがわかるのですが、冒頭の画像の方がわかりやすいので、そちらをもう一度ご覧ください。

花茎の下の方にピンピンと出ているのは、終わった花がタネになりかけているところです。その上にある花ふたつは、中央が白いです。これが花が古い証拠! 受粉したことを表すのかもしれません。その上の花4つは、まだ新しい花。中央が黄色いです。そして、花茎の先に、ピンク色のツボミが見えます。

明日、もう一度、ワスレナグサについて。

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ルリジサ(ボリジ)2

2023年04月27日 10時00分00秒 | ムラサキ科
2022.09.09撮影

昨日からのつづきです。

昨日は、ルリジサのツボミがほころびる過程をご覧に入れました。以下にまとめておきます。昨日ご紹介した画像をトリミングしたもので、画像の質は落ちます。

 ガクの間から花びらが見える

 花びらの頭が見える

 花びらの頭がもっと見える

 花がほころびだす

 花が開く

 花びらにまだ赤みが残っている

 花びらが青くなる

冒頭の画像を拡大すると、以下のようになります。同一の株に、このように、ピンクの花と青い花がつくので、花の色がどうなっているのか、わかりにくいです。

2022.09.09撮影(冒頭の画像のトリミング)

ピンクから青に変わる、まではわかったのですが、どのくらいの期間で変化するのか、についての観察は、まだできていません。今年、ルリジサがたくさん咲いたら観察してみましょう。

2021.08.18撮影

この画像は、他のルリジサと同じ南側の庭でも、やや日照時間が短めのところに生えている(註:植えたのではない)個体で、ほっそりめです。画面中央やや下のツボミが、ここでもピンクです。

2021.06.30撮影

ちょっと視点を変えて、上から覗いてみましょう。画面中央手前にだいぶんほころびたツボミ、その右側に開いた花、その右側がもう終わった花、です。

なお、左手と向こう側にあるすっと伸びた茎は、クサキョウチクトウ(Phlox paniculata)のものです。このように、ルリジサは、どこにでもタネを飛ばして、割り込んで生えてきます。生命力旺盛で、2年前、あまりにも生えてきすぎて一生懸命に掘り起こしたら、翌年(=去年)はあまり生えてこなかった。今年は、それでも、苗は出てきています。

2021.07.28撮影

なお、白花のルリジサがあります。それは、青花の Borago officinalis の変種、Borago officinalis var. alba であるようです。それに加え、白花の園芸種もあるのかもしれません。


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ルリジサ(ボリジ)1

2023年04月26日 10時00分00秒 | ムラサキ科
2021.08.25撮影

一昨日からムラサキ科(Boraginaceae)の属を取り上げています。昨日と一昨日は、ヒメムラサキ属(Pulmonaria)でした。今日はルリジサ属(Borago)です。

上の画像は、ルリジサ(ボリジ)の花を裏側から見た画像。花びら以外は毛だらけですね! 雨後に撮ったので、このように水玉ができています。わたしの住むバンクーバーで雨が降るのは常のことなので、雨は特筆するに当たらず、降っていない時に「晴れた、晴れた」と喜びます。

ルリジサは、バンクーバーでは、6月〜10月に咲きます。これは、1個体が3ヶ月も4ヶ月も咲き続ける、というわけではなく、発芽の時期が個体でずれていて、ずれた分だけ順番に花をつけ始め(そして、順番にタネをこぼし)、結果、花期が全体として長くなるもようです。少なくとも、それがわたしがわたしの庭から得た観察です。

2021.07.24撮影

ルリジサ(ボリジ)の花の色は、ややあせた青紫です。撮影の時の光の加減では、上のように、水色〜薄い空色、に写るときもあります。昨日と一昨日のヒメムラサキ(プルモナリア)の、目に飛び込んでくるような濃い青とはやや異なります。

それと、ヒメムラサキは、多くの花が一度に咲きそろうので、特に花の色が印象的なのでしょう。それに対し、少なくともわたしの観察では、1株のルリジサに多数の花が一度に咲き誇ることはありません。つまり、まばらに咲きます。

学名 Borago officinalis
英名 Borage
和名 ルリジサ(瑠璃苣)
別名 ボリジ(英名から)
ムラサキ科(Boraginaceae)ルリジサ属(Borago

和名のルリジサは、「瑠璃色(の花)のチサ」で、「チサ」はレタスのこと(つまり、食べられる!)です。学名のうちの種小名 officinalis は、「(薬や食料を)貯蔵してあるオフィス」から「薬用の、食用の」という意味で用いられます。

実際、ルリジサは、花も葉も食べられます。以下の記事で、「食べ方」をいくつか挙げておきました。


今日の記事の内容と画像は、上にリンクした記事の内容と画像と被るところもありますが、今日のテーマは、ムラサキ科の花、ということで、主に、その花の色の変化について書きたいと思います。

2021.09.06撮影

ルリジサ(ボリジ)の花の色は、ヒメムラサキ(プルモナリア)の花の色と同様、咲き始めは、ピンク〜桃色、です。そして、時間が経つにつれ、青くなります。

庭にルリジサを育てるようになってから、花は、青?? ピンク?? 混在している?? 途中で変わっている?? どっちからどっち?? 中間の色もある?? とわたしは何年も混乱していました。でも、ある年、これ以上こんな状態は続けられない、と思い、ついに決意して、いくつかの花に印をつけておいて、観察しました。

結果は、明らかに、ピンクから青、でした。

先の画像の、ほぼ右手にある、やや割れ出したツボミをご覧ください。ピンクがのぞいています。

次の画像は、あまり良くないのですが、ツボミをお見せしたく、掲載します。

2021.10.04撮影

画面中央手前下に、花びらの一部がはみ出しているツボミがあり、それはピンクです。また、右奥の方には、もっと成長したツボミがあって、花びらはまだ閉じたままでガクから頭を覗かせています。

2021.06.25撮影

もっとツボミが開いてくると、上の画像左のようになります。上の画像には、そのほかにふたつ、ピンクの頭を出しただけのツボミも見えます。画面中央最上部と、画面右です。

明日につづく。

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ヒメムラサキ(プルモナリア)2

2023年04月25日 08時00分00秒 | ムラサキ科

2022.03.24撮影

これは、昨日お見せした「ナガバヒメムラサキ」のツボミがほころび出したときの様子です。この色が、ほどなく、次のようになります。

2022.03.24撮影

きれなすみれ色ですね。青っぽいすみれ色? 青系統、紫系統、の色の表現は難しい・・・。画像中、この開いた花の右上後ろに、赤いツボミがわずかに覗いています。

2021.05.02撮影

上の画像の咲いている4つのお花のうち、
・左下の花が、前の画像のような色になるちょっと前の色調
・他の3つの花が、前の画像のような色になったちょっと後の色調
です。

地面に落ちている黄色いものは、一重のヤマブキ(Kerria japonica)の花びらです。ヤマブキは一重が基本形ですが、バンクーバーあたりで植えられているのは、ほとんど八重のものです。

ヤマブキも?

2023.04.10撮影

この画像では、異なる3段階の色調を見ることができます。赤っぽいのが若い花、日数が経過するにつれ、だんだん青くなります。他は、まだ開いていないツボミです。

ヒメムラサキ属(Pulmonaria)に限らず、ムラサキ科(Boraginaceae)に属する花の多くは、ツボミや咲き始めはピンクで、後で青くなる、という傾向にあるようです。

2022.04.24撮影

ヒメムラサキ属の種は、どの種も、ひとつの個体に2種類の花が咲くそうです。雄花と雌花じゃないんです。形態が違う「だけ」。

ひとつは、メシベが長くオシベが短い(こちらが派手に見える)、もう一つは、メシベが短くオシベが長い。生物学的に、何か理由があるのかもしれません。昆虫に、オシベの長い方で花粉を集めてもらい、メシベの長い方で受粉させてもらう、ということでしょうか。

うちの「ナガバヒメムラサキ」を観察した限りでは、わたしには、どの花もみんな同じように見えます。うちに植わっている種が、園芸種であってそのような違いの消滅したものであるか、あるいは、わたしの観察が不十分なものだと思います。

花わたりが1cm程度の、地上20cmほどの高さのところで、多くは横を向いて咲いている花の中を覗きこんでメシベとオシベの長さを観察する、というのは、これは、、、虫眼鏡がいるなあ、、、

あるいは、マクロレンズで接写して、後で観察する、という手もあるが・・・そうなると、持っているけれどもほとんど使っていないカメラとレンズを引っ張り出すしかない・・・う、めんどくさ。

それでは、ヤマブキの花が咲きその花びらの散る中で咲く「ナガバヒメムラサキ」の姿をもう一度どうぞ。

2021.05.02撮影


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ヒメムラサキ(プルモナリア)1

2023年04月24日 08時00分00秒 | ムラサキ科
2022.03.24撮影

キジカクシ科(Asparagaceae)シラー属(Scilla)の花がひとしきり咲くと、まだそれらが咲き終わらないうちに、今度は、ムラサキ科(Boraginaceae)の花が咲き出します。青い花に続いて、また青い花が咲くわけです。

今日から、ムラサキ科の3属を取り上げたいと思います。
・ヒメムラサキ属(Pulmonaria)
・ルリジサ属(Borago)
・ワスレナグサ属(Myosotis)

2021.05.02撮影

今日と明日は、ヒメムラサキ属(Pulmonaria)から1種。

画像の植物は、ヒメムラサキ属のうちでも、Pulmonaria longifolia「長い葉のヒメムラサキ」です。花の青さと、葉の斑点模様が美しいヒメムラサキです。

和名 プルモナリア・ロンギフォリア(学名から)
ムラサキ科(Boraginaceae)ヒメムラサキ属(Pulmonaria
学名 Pulmonaria longifolia「長い葉のヒメムラサキ」
英名 Narrow-leaved lungwort「狭い葉の肺草」
別名 Longleaf lungwort「長い葉の肺草」

いつも思うんですけどね、和名。なんで、この場合なら、「ナガバヒメムラサキ(長葉姫紫)」ってつけられないのかしら。学名からカタカナにすることない。と言っても、言語のひとつでしかない英語からカタカナにするより、マシだけど。

そういう風潮、あるいは、安易さに抵抗して、以下では、この Pulmonaria longifolia を呼ぶのに、「ナガバヒメムラサキ」という名称を、勝手ながら、採用させていただきます。

2021.04.03撮影

「ナガバヒメムラサキ」は、「長い葉」とは言っても、そんなに長いわけではありません。英語の名称の「狭い葉」というのは、別種の葉に比べて狭い、ということです。では、なぜ、「長い葉」なんでしょう。

上の画像から見ても、葉が特に長いわけではありません。でも、「ナガバヒメムラサキ」は、その名に恥じず、葉が長くなるのです。ただし、それは、花後です。ぐんと伸びてきます。すみません、花後の葉の画像はありません。花にばかり気を取られて、反省。

次の画像は、ツボミが出てき出したころ。ほぼ真上から撮影しています。

2021.03.20撮影

「ナガバヒメムラサキ」は、葉を出した後、まずこのように花茎を伸ばして、その花茎の先にツボミをかためてつけます。この画像では、ツボミの塊が3つ見えます。

ツボミの外側は赤っぽく、葉っぱも赤い色で縁取られています。葉は厚めで、葉には最初から白い斑点模様がありまる。葉と花茎とツボミには、細かい毛がついています。

画像中、手前に向かって出ている葉で、白い模様のついていないものは、ヒメムラサキの葉ではなく、ヒメツルニチニチソウ(Vinca minor)の葉です。

ヒメツルニチニチソウ(グランドカバー)1
ヒメツルニチニチソウ(グランドカバー)2

ヒメムラサキは半日陰を好み、ツルニチニチソウは日当たりを好みますが、ツルニチニチソウは半日陰でも生育できるので、このような混植が可能なのです。

2022.03.24撮影

ツボミのついた花茎は、伸び続けます。そして、最初のツボミを開くのですが、それは、「ピンク、桃色、赤紫」というような色調です。

ピンクではなく、オレンジ色っぽい赤のヒメムラサキもありますが、それは、この「ナガバヒメムラサキ」系の園芸種で、’Raspberry Splash’「ラズベリー・スプラッシュ」というものです。

白いヒメムラサキは、それは、今日取り上げている葉の長い(あるいは、狭い)Pulmonaria longifolia ではなく、葉が幅広である Pulmonaria officinalis「薬用・食用のヒメムラサキ」の 'Sissinghurst White' という園芸種です。

なお、Pulmonaria の pulmo というのは、臓器の「肺」のことです。Pulmonaria の斑点のついた葉が肺のように見える(とされた)ことと、薬用に、特に、肺の病気に用いられたことによります。


2023.04.11撮影

上は、白花のヒメムラサキです。よそのうちの庭にあったのを撮影したので確証はありませんが、Pulmonaria officinalis 'Sissinghurst White' だと思われます。よそのうちの植物を撮影する時には、太陽の当たり具合に贅沢が言っていられないので、光の当たり過ぎた画像となりました。花の様子が判然としなかったので、フォトショップみたいなもので明るさを調節し、トリミングもしました。(わたしは、トリミングはたまにしますが、画像の調節をすることはまずはありません。)これでガクについた毛も見えますか。

明日につづく。


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わたしのお庭、4月前半、黄色〜赤

2023年04月23日 08時00分00秒 | ヒガンバナ科
2023.04.12撮影

今日は、「わたしのお庭、4月前半」の最終回です。黄色〜赤の花を集めました。

まず初めの花は、黄色い花びらに赤っぽいオレンジ色のカップのスイセン(Narcissus)です。去年の秋に初めて植えた園芸種で、すでにきれいに開いてくれています。

園芸名は、'Loveday'「愛の日」。ディビジョン2。ディビジョン2というのは、「大杯スイセン」で、カップの長さが、花びらの長さの3分の1以上、でも、花びらの長さよりは短いものです。前にご紹介しました 'Pacific Rim'「パシフィック・リム(環太平洋)」もディビジョン2です。


スイセンの園芸上の分類については、次の記事をご覧ください。そこにディビジョンのリンクもあります。


2023.04.10撮影

このスイセンは、以前にもご紹介しました 'Tête-à-Tête'「テ・タ・テです。3週間もきれいに、しっかりと咲いてくれています。1株しかないんですが。うちではうまく増えてくれないのです。丈夫で育てやすい、と言われているのに。

テ・タ・テは、ディビジョン12、「その他」というカテゴリーです。


2023.04.07撮影

これは、ツーショットと言うべきか、スリーショットと言うべきか。。。
1。ほころび始めの、まだ上を向いたままの、スイセンのツボミ
2。ふくらんでいる、すでに横向きの、スイセンのツボミ
3。ヘレボルス・アルグティフォリウス
(背景に、ヘレボルス・オリエンタリス)

このスイセン、'Fortissimo'「フォルティッシモ」、も、'Pacific Rim'「パシフィック・リム(環太平洋)」'Loveday'「愛の日」、と同じく、ディビジョン2のスイセンです。

4月前半には、まだ花が開いていません。4月後半の花をまとめることになれば、咲いたところをお目にかけます。

2023.04.10撮影

これは、「オレゴンのヒイラギナンテン(オレゴン・グレープ)」(Mahonia aquifolium)が、
硬い米粒以下の大きさのツボミの状態(次の画像)を長く保った後、やっと花を咲かせたところです。ふくらんだツボミがぷくぷくしてかわいいです。そして、花びらが、柔らかい黄色で、目に優しいです。

2023.03.03撮影

ヒイラギナンテン属(Mahonia)は、メギ科(Berberidaceae)です。



2023.04.12撮影

うちではチューリップ(Tulipa)はまだまだなんですよ。ツボミが出ているのは他にもありますが、花に色までついているのは、唯一これだけ。

Tulipa Kaufmanniana「トゥリパ・カウフマンニアナ」は早咲きで、この園芸種は 'Johann Strauss'「ヨハン・シュトラウス」と呼ばれます。動きの感じられるチューリップですよね。

2023.04.14撮影

4月前半のわたしのお庭の花は、バンクーバーでも自生しているケマンソウの1種 Lamprocapnos formosa(旧名 Dicentra formosa)の花がふくらんだところで終わりにします。背景に写っている青い花は、チオノドクサ(Scilla forbesii)です。



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わたしのお庭、4月前半、薄紫〜濃紫

2023年04月22日 08時00分00秒 | オオバコ科
2023.04.14撮影

「わたしのお庭、4月前半」の4回目です。今日は、薄紫から濃紫の花をおおくりします。

冒頭の画像は、日本でもよく生えている「雑草」のツタバウンラン(Cymbalaria mulalis)。バンクーバーの気候では、まだまだ咲き方はこの程度。これは、2輪そろっているのがかわいいと思って、撮影しました。生えているのは、うちの家の土台部分です。他のところにもたくさん生えています。というか、むしろ、移植しているぐらい。

和名 ツタバウンラン(蔦葉海蘭)
オオバコ科(Plantaginaceae)ツタバウンラン属(Cymbalaria
学名 Cymbalaria muralis
英名 Ivy-leaved toadflax

2023.03.27撮影(帰省先で)

一方、これは、3月に帰省していた時、両親の家の庭で撮影したものです。バンクーバーよりも随分季節が進んでいることがわかります。

ツタバウンラン、花もかわいいですが、葉っぱもかわいいですね。

画像には写っていませんが、ツタバウンランには距(きょ)がついています。花の後ろ側に突き出た、筒状の角(つの)のように見えるものです。その中に、蜜を出す蜜線があります。

2023.04.10撮影

これは、スミレ(Viola)ですが、スミレにもツタバウンランのようにがついています。

画像には、花が3つ写っています。右側のが正面向き、左側のふたつが横向きで、この横向きのでを見ることができます。左側のふたつのうち、向こう側のは開いた花、こちら側のはほころびかけたツボミです。ほころびかけたのは、開いている花の後ろに頭をやや隠しています。

このスミレでは、が花の色より濃くて、よく目立ちます。

うちのスミレ類では、この花が一番先に咲きます。スミレと言っても、どの種かわかりません。そのうちもっと勉強しておきます。

種名 同定できず
スミレ科(Violaceae)スミレ属(Viola
学名 Viola
英名 Violet

2023.03.16撮影(帰省先で)

3月の帰省中には、実家の庭に、すみれ色のスミレがいくつもの鉢植えにあふれるように咲いていました。これもどの種か同定する勇気はありませんが、多分、スミレ(Viola mandshurica)では? と思います。

註:日本語では、「スミレ」と言うと、広義でスミレ属(Viola)、狭義でマンジュリカ(Viola mandshurica)のことを指します。さらには、属より上の科も、スミレ科(Violaceae)と呼ばれます。

この美しい色のスミレのタネを持ち帰りたいのは山々だったんですが、それは違法ですから、できないんです。

2023.04.05撮影

バンクーバーに帰ってくると、こんなビオラがわたしを待っていてくれました。去年の夏にお友だちがビオラの苗を何種類もくれたのですが、越冬したのはそのうちの2つか3つだけ。そのひとつが、このビオラです。ビオラと言うか、サンシキスミレ(Viola tricolor)と呼んだ方が、通りがいいですか?

和名 サンシキスミレ(三色菫)
スミレ科(Violaceae)スミレ属(Viola
学名 Viola tricolor
英名 Johnny Jump up

2023.03.24撮影(帰省先で)

両親の3月の庭では、サンシキスミレは、何種類もが花盛り。この上の画像の色合いのは、そのうちのひとつ。「色合い」と言うのが、文字通りの意味に使えます。

2023.04.10撮影

紫色の花のしめくくりとして、キジカクシ科(Asparagaceae)ムスカリ属(Muscari)のうちでも、Muscari latifolium「幅広の葉のムスカリ」から、2種。

Muscari latifolium「幅広の葉のムスカリ」は、一般的には、2段に花の色が分かれます。下が濃い紫で、上が薄い紫です(上の画像)。

下の画像は、夜8時(夏時間の8時、標準時間の7時)近くに写した写真なので、色調が異なって見えます。


2023.04.12撮影

なぜか、「幅広の葉のムスカリ」は、花茎がぐんと伸びるのです。それで、よくある Muscari armeniacum「アルメニアのムスカリ」(画像中の他のムスカリ)の花を見下ろすほどになります。



2023.04.07撮影

上の ‘Grape Ice’「グレープ・アイス」という園芸種では、咲き始めには色が3段、頭が白色です。この園芸種の個体はわたしの庭には去年の秋に植えたばかりなので、これからどのように変化していくか観察中。最終的には、色が2段になるようです。

明日は、「わたしのお庭、4月前半」の最終回で、黄色〜赤、をお届けします。

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わたしのお庭、4月前半、青い花筵

2023年04月21日 08時00分00秒 | キジカクシ科

2023.04.12撮影

うちには、花筵になり得る植物がいくつかありますが、そのうち、よく広がっているのが2種あります。そのひとつが、この、キジカクシ科(Asparagaceae)シラー属(Scilla)の、チオノドクサ(Scilla forbesii)です。


冒頭の画像は、夕方の太陽にチオノドクサの花筵の一部分が照らされている様子。左に光が透けて見える葉っぱは、これもチオノドクサの葉っぱです。

2023.04.12撮影

これもチオノドクサです、冒頭の花筵の画像と同じ撮影日の。その花筵になっている部分は、この画像では、向こう側に見えます。ほんの30cmくらいしか離れていないのに、こちらは、まだお互い、ほぼくっついたままのツボミ。日照条件の違いのなせるわざです。

現在花筵になっている部分と、このツボミの数個体の部分とがつながって、結果的に全体が花筵になってくれる日が早く来ると、いいなあ。子作りを奨励しています。奨励金、ないよ。

2023.04.07撮影

これも、チオノドクサと同じくキジカクシ科(Asparagaceae)シラー属(Scilla)の植物で、シベリカ(Scilla siberica)です。シベリカは、うつむいて咲くのが特徴的です。


シベリカも花筵になり得ると思いますが、わたしの庭(北側の庭)の気象、土壌、条件が、シベリカの生育条件に合致しないのだ、と思います。上の画像は、その北側の庭で、なんとかですが、長い間生き延びているシベリカ。4月においても、花もまだ開ききっておらず、ぷくんとしたツボミがついています。

下の画像のシベリカは、去年の秋に南側の庭に植えたものです。撮影日は上の画像とほとんど変わらないのに、もうすでに、色があせかけていて、花が終わろうとしています。この南側の方は、いつかは花筵になってくれるのでしょうか。後ろの葉っぱはチューリップ(Tulipa)のものです。

2023.04.05撮影

次の写真は、青い花のスリーショットです。
・ビフォリア(Scilla bifolia
チオノドクサ(Scilla forbesii
・アネモネ・ブランダ(Anemonoides pseudoaltaica

2023.04.07撮影

画像手前がもう開いているビフォリア、画像奥がまだ開いていないチオノドクサです。両脇はアネモネ・ブランダで、撮影時間が夕方だったため、もう「おねむ」をしています。

ビフォリアは、チオノドクサ、シベリカ、と同じく、キジカクシ科(Asparagaceae)シラー属(Scilla)の花です。ビフォリアは、上をむいて咲き、紫の玉のようなメシベを見せてくれます。


この植物も、シベリカ同様、うちの庭はよく合っていないみたいで、お隣のおうちの陽のよりよく当たる芝生に脱走しては、繁殖し続けています。そのうち、うちのは花ハンカチーフぐらいなのに、あちらで花筵になると思います。


2023.04.14撮影

2週間ほど前、2日にわたって、「うちのイチリンソウ」という言い方で、アネモネ・ブランダ(Anemonoides blanda)について書きました。アネモネ・ブランダは、キンポウゲ科(Ranunculaceae)イチリンソウ属(Anemonoides)です。ブランダは、「セイヨウ・イチリンソウ」と呼んでもいいか、と思います。



その「うちのイチリンソウ」ですが、文字通り「うちの」と言っていいほど、この花はうちのお庭が好きみたいで、上の画像のように、花筵。

でも、画像中、手前の方で、ひときわ輝いているのは、英語で「雪の輝き、雪の誉れ(Glory-of-the-snow)」と呼ばれるチオノドクサです。

4月の半ばすぎ、うちの青い花筵は、まだまだ花開いたまま。それぞれの花の花期が長いだけでなく、次々とツボミが咲き出します。

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わたしのお庭、4月前半、ニゲル園芸種

2023年04月20日 08時00分00秒 | キンポウゲ科、ヘレボルス

2023.04.10撮影

こんな、真っ赤な、葉っぱ(実は、苞葉)まで赤っぽい、ヘレボルスの花が咲いています。今、4月現在、花盛り。

画像自体は、花がふたつ並んでいるところを、後ろから撮ったものです。後ろから撮れる理由は、花の顔が前(=横)に向いているからなんですが。ヘレボルスはうつむいて咲くのが多いので、顔を上げているヘレボルスを見ると、あら〜〜、こんにちは、と声をかけたくなってしまいます。

なんだかかわいくて、こんな角度から撮っちゃいました。向かって左の花の後ろにピコンと飛び出ているものは、花びら(実は、ガク)ではなく、苞葉です。花茎についている葉様のものも、苞葉です。

2023.04.10撮影

このヘレボルスは、今年2月初めに買ってきた園芸種で、
・ヘレボルス・ニゲル(Helleborus niger)と
・ヘレボルス・リヴィドゥス(Helleborus lividus)の
交配種、ヘレボルス・バラーディアエ(Helleborus × ballardiae)です。

最初、ヘレン・バラード(Helen Ballard)というイギリス人が1970年代に開発しました。よって、学名に ballard が入っています。「x」は、交配種である、という意味です。


2023.03.28撮影(これは、4月に入る直前)

うちのは、その交配種の中でも、ドイツのヨーゼフ・ホイガー(Josef Heuger)によって作り出されたコレクションのうちのひとつ、Merlin「マーリン」です。

Helleborus × ballardiae HGC Merlin(英文+画像)

「マーリン」は、比較的草丈が低く、葉も、花も美しいです。次の葉っぱの画像も見てください! これは、新葉を中心に写しました。観葉植物としても通用しますよね。他のヘレボルスもそうですが、1年を通して緑を保つので、バンクーバーのように庭が冬には「枯れた」ようになるところには、貴重です。

2023.04.10撮影

花は、最初は、(薄い)ピンクです。成熟するにつれて、クランベリーのような赤色になります。その色の変化を並べてみます。うちの場合、3月の終わりから4月にかけて、赤くなりました。

2023.02.18撮影

2023.03.05撮影

2023.03.28撮影

2023.04.10撮影

上の4枚の画像を観察して見ると、花びら(=ガク)の色は、蜜腺、オシベ、メシベ、の状態と、直接関係していないのかもしれません。代わりに、気温や日中の長さに影響されている可能性があります。それで、4月には、咲いてすぐの花(蜜線がついている)も、咲いてかなり日数の立つ花(蜜線が落ちている)も、みんな、赤い花になる?

明日は、花筵を形成する青い花の写真です。

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