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シベリカ、青い傘

2023年02月22日 08時00分00秒 | キジカクシ科
2006.03.27撮影

2日前から、春咲きのツルボ属(Scilla)の花をご紹介しています。今日の花は、名前を短くすると、シベリカです。

学名 Scilla siberica「シベリアのツルボ」
英名 Siberian squill「シベリアのスクウィル」
和名 シベリカ(学名の種小名から)
キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ属(Scilla

原産地は、種小名 siberica から分かるとおり、シベリアです、と言いたいのですが、南西ロシアからトルコにかけてです。

「花びら(ガク)」には、プシュキニア(Scilla mischtschenkoana)と同じく、青い縦線が入ります。でも、特徴は、独特の青さに加え、傘がさされたような形でうつむいて咲くこと。ほんとうに愛らしいです。

プシュキニアとチオノドクサのオシベは黄色いですが、シベリカのオシベは青いです。上の画像の真ん中にある花で、その青さを見ることができます。

2022.03.29撮影

シベリカは、ツボミも、プシュキニアとチオノドクサと異なります。プシュキニアとチオノドクサのツボミは、花茎に連なって固まって出てきます。ブドウの粒が、軸に逆さまにブラさがっているみたいな感じ・・・無粋な言い方で申し訳ございません。

でも、シベリカのツボミは、1つが、たまに2つ、多くても3つ、がポツンと、ぷくんと、出てきます。上の画像をご覧ください。これもかわゆいです。そして、かなり色が濃いですね。

2014.03.24撮影

また、シベリカの葉っぱは、2〜4枚です。それもこの画像でうかがえます。2枚、とはっきり見えるのは、2番目の画像です。

この上の画像でシベリカの足元に出ている葉っぱは、Papaver cambricum というケシの花の一種。この花についても、いずれの日にか。

2022.04.06撮影

上の写真は、シベリカを上から写したものです。以下の2つの点についてご観察ください。

まず、花茎です。土から出たところは緑色で、花に近づくにつれて紫色っぽくなっています。その紫色の部分が花につながる手前でクキッと「折れて」います。これが、花が下向きにつくメカニズムだったんですね。

それと、花の色が「花びら」の位置によって微妙に変わっています。これが、シベリカ独特のなんとも言えぬ花色の雰囲気を演出しているのだと思います。

2022.04.06撮影

花は、古くなってくると、やや横向きにはなってきますが、それでも、まだうつむいています。上の画像では、花が横向きなので、メシベの子房(花の中央の膨らんだところ)まで見えます。

この子房が成熟すると、次のような果実になります。この中に小さな種子が入っています。

Siberian squill (Scilla siberica) pods in a Minneapolis yard
撮影者: Erutuon
撮影日:2010.04.27
オリジナルからの改変、なし

ところで、うちの庭では、チオノドクサはどんどん増えるんです。でも、シベリカはどんどん減っていく。「育て方」の指南書には、増やすの簡単、と書いてあるけれど。そして、アメリカなどでは、侵入植物として嫌われているところもあるけれど。

以下の記事は、アメリカ、ミネソタ州の「環境・自然資源基金」みたいなところが出しているサイトの記事です。そこには、シベリカについて、「根絶せよ」と大文字で、かつ、感嘆符付きで表示されています。そして、「庭づくりをするみなさん、どうか、どうか、お願いですから、この植物を植えるのをやめてください。」とも書いてある。

ただし、研究者が書いたであろうと推測される記事に対して失礼になるかも、だがなあ、なんで「悪者植物」なのか、どこにも説明がない。

Scilla siberica (Siberian Squil)(英文+画像+地図)

幸い、バンクーバー辺りではそういうふれ込みは聞かないので、わたしは、シベリカを増やすことにしましょう。

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