エチュードの頃

思いつきを書きとめておくために。

電車男@2ちゃんねる(追記有)

2004-10-27 | 思考
なんだか評判らしいので「男達が後ろから撃たれるスレ 衛生兵を呼べ」で読んでみました。

……えらい長かったですが、これは確かに面白い。そして感動。
期せずして新しいスタイルの青春小説になってしまった、というか。
(これは変に映画化とかしない方がいいな。このままにしといた方がいいな、と強く思う。
だって元々が文字媒体だからこそ、この一連の物語が生まれ得たんだから)

大抵の人が悩んできた事ですが、それを見事にクリアするに至った過程を、2ちゃん特有のノイズを上手に除去して、しかも2ちゃん特有のほのぼのした雰囲気を上手く残して表現できています。

ただもし2ちゃんを知らない人が本を読んで「へぇ~こういう所なんだ~」といきなり飛び込むと、受ける印象は相当違うでしょう。

昔、某大学のweb掲示板で誰かが
「(ラーメンか何かだったと思う。失念)のうまい所知りませんか」と質問したら
「そんなこと、2ちゃんかどっかで聞けばいいのに」とレスがつき、
「だって何だか怖いので」と質問者が答えた、
というやりとりがありました。
自分もかつては2ちゃんねるに対して、そういうイメージを抱いておりました。
初心者がふらっと立ち寄ると
「訳のわからない怒号が飛び交い、うかつに何か尋ねれば茶化されるか無視されるかで終わってしまう」、
そんな恐怖感を持ってしまうんですね。

しかし「電車男」で感じられる「全員匿名で、しかも素っ気無い表現を多用しながら、何故か心の機微に触れられたような気がする」雰囲気は、確かにあるんです。
ただ、しばらく我慢して流れを追ってみないとこの雰囲気はつかめない。
今回の物語は、それを手っ取り早く感じられるという意味でも面白かったと思います。

出版物を社会のどのあたりの層が手にしているのかと思うと、とても興味深いです。


(2004.11.06追記)
本を買ってみようか、と書店でパラパラめくってみたらやはりというか何というか、非常に違和感がある。
想像はしていたのですが、本文が綺麗な印刷で出てしまうとディスプレイを通して読む時の臨場感みたいなものが相当、損なわれる感じです。
(先に本を読んだ方にとっては、受ける印象は別に変わらないと思いますが)
単なる純愛物としてでなく「2ちゃんねるという匿名掲示板システムでこんな(奇跡的な)やりとりが成立していた、という事実をも追体験してみたい」という向きには、前述のサイトでお読みになることをお奨めします。
コメント
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