エチュードの頃

思いつきを書きとめておくために。

ソニーSS-X300のツイーター修理

2017-08-19 | PC・小物


実際に作業したのは1年近く前なのですが、例によって多忙を言い訳になかなか記事にできませんでした。
ただ、修理後これまで支障なく鳴っているので、記事の信頼性はなんぼか増しているとは思いますw



このスピーカーは1981年に発売されたシステムコンポ、ソニー「リバティ」のものです。


「リバティ」を名乗る初代モデルですが、当時は各コンポーネントが単品で型番と定価が付けられていました。
スピーカーの型番がSS-X300で、価格は確か25,000円/本でした。

高校の入学祝いに買ってもらい、数年後フルサイズのコンポに順次買い替えていくまで愛用していました。
自分が使っていたのは、この写真から翌年にマイナーチェンジされたもの(カセットデッキにDolby-Cが追加、レコードプレーヤー(写っていませんが)がリニアスケーティングアーム式に変更)です。
さらに言うと、写真の組み合わせはシリーズ最上位でして、自分のはここからグライコが省かれ、アンプのアッテネーターがフェザータッチ式から普通のスライド式に、かつ出力が半分(25W+25W)となったひとつ下のセットでした。

そういえばマイナーチェンジの時にCDプレーヤーが出てきたんだったかな?
世界初のCDプレーヤー、CDP-101はあえてリバティサイズ(幅355mm)だったのです。
しかしお値段が168,000円と、これ1台でリバティがもう1セット買えてしまうぐらいの設定で、この当時はまだまだとても手が出せなかったですね。
あとベータハイファイもこのサイズのラインナップがありましたっけ。



オーディオというと幅43㎝前後のフルサイズが正統派で、そのうえアンプ、チューナー、カセットデッキ等それぞれに好みの機器を組み合わせるのが「通」。
実際、周囲の友人たちもそういう志向でした。
が、当時の自分は性能よりもデザイン的に統一されているのが嬉しくて、メーカーでシステムアップしたコンポ「シスコン」、中でも小型の「ミニコン」に興味があったわけです。

その頃(80年代前半)はラジカセやミニコンが花盛りで、他社と違うシャンパンゴールドで目立っていたパイオニア「プライベート」、小型ながらカタログスペックは良かったアイワ「マイペース」あたりも自分的に候補でしたね。
ヤマハはフルサイズしかありませんでしたが、白っぽいシルバーに独特の品の良いデザインには惹かれるものがありました。

まあそんな中から、平面スピーカーと分秒表示カウンタのカセットデッキが気に入ってリバティを選んだわけです。
当時のリバティはアンプやグライコにマイク入力が装備されていたり、デッキにスピードコントロールつまみが付いていたりと、音楽活動に便利という方向性が打ち出されていました。
(自分はあまり活かせませんでしたが)



その後は、まずカセットデッキがヘッドがすぐすり減ったのと、ヘッドを持ち上げるプランジャー用のリレーとトランジスタがよく壊れて何度か修理。
そのうち面倒になって買い替え。

次に死んだのがアンプ、そしてチューナー、レコードプレーヤー。
スピーカーも右のツイーターが死んでしまいました。
それぞれ順次入れ替えで処分していったのですが、スピーカーだけは何故か捨てがたく取ってありまして。
APMの珍しさ(その割に型番にAPMを謳っていませんが、それがまた慎ましい)や音の素直さが何となくそうさせたのでした。



最近になって、ふと気になってネット検索してみるとツイーターを修理している方がいたのです。
B級リビルド ツイーター((「楽しいB級趣味」様)。

(相変わらず本題に入るまでが長いですな…申し訳ない)


これはスゴいですね。
こんな直し方があったとは知らなんだ。

自分でもできるかな?
まあダメ元だし…

というわけでやってみました。


まずはこのグリル部品が接着されているので、極力ダメージが少ないように祈りながら外さねばなりません。


プラスネジが現れました。


ネジを外すとツイーター本体がゴロンと取れます。

今度はマグネット部を分離します。
矢印のあたりを大きめのマイナスドライバなどでこじっていくと、だんだん隙間が拡がってきて外れます。
四方を順次均等に拡げていきます。





吸音材などをいったんはがします。
自分のは矢印の部分が断線していました。


コイル線の一部をカッターで束からほどき、ハンダ付け。
コイル線は気長にちびちび引きはがしていかないとすぐ切れてしまいます。
それに線の被覆も削らないとハンダが付きませんし。
ハンダの位置が本来は画面の右端あたりだったのが、切れてはほどき切れてはほどきを不器用に繰り返した結果、とうとうこんな場所になってしまったという悪例。
そのためコイルまでの接続線を別の電線で延長してあります。

なお、これではハンダの量がやや多いです。実際はこのあとやり直しています。
(できる範囲で少なめにしないと音が悪くなります)

ハンダ付けが結構難しく、付きにくいからと余計に盛ると明らかに変な音になるし
ギリギリ過ぎても少し経つとまた音が出なくなっていたり。
3度目のチャレンジで、これまでのところどうにか安定して運用中です。



ちなみに用途はPC用。
というか、今はオーディオ機器単体で音楽を聴くような優雅な生活してないので…w
アンプもPC用スピーカーの内蔵アンプから配線を無理矢理引っ張り出すというひどい有様。

パイオニアのMPC-PS30SW

入力が2系統あったり、ヘッドホン端子があったりと地味に使い勝手が良い反面、肝心のスピーカーの音がパッとせず放置してあったもの。
しかしアンプの特性が適度に低音を上げてあるようで、SS-X300との組み合わせでは自分的にちょうど気持ち良いバランスで鳴らしてくれました。

そんなこんなで、
PCのmp3プレーヤーに安いICアンプと昔の入門用スピーカー(しかも適当修理)というなかなか赤貧な組み合わせではありますが、
意外なほど自分の好きな音が聴こえてきたのが嬉しく、あっという間に1年が経とうとしているという状況です。
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8 コメント

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エッジ (Masteru)
2018-01-18 23:08:50
SS-X300の検索で辿り着きました。トゥイーターの修理、参考にさせてもらっており、分解を進めています!ところでエッジの状態はいかがでしょうか。私が入出したブツはエッジがかなり硬く、ストロークがほとんど取れません。もともとこのような設計だったのか、あるいは経年で硬化した結果なのか分からないところです。ポリメイトで僅かに軟化しますが、感じとしてはダイヤトーンのエッジのように、ブレーキフルードを塗らないと柔らかくならないようです。ブレーキフルードでエッジを破壊してしまう可能性もあり、思案しているところです。
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あまり変わらないようですよ (エチュードの頃)
2018-01-19 00:16:42
コメントをありがとうございます。

エッジですが、稼働環境によって異なるかもしれませんが当時からこんなもの(ほとんど動かない)だったと思います。
ウーファーのエッジもその後流行したウレタンエッジに比べると硬くて地味に感じたものですが、今思うと経年劣化の少なそうな素材でかえって良かったかなと…

バスレフダクトに詰まっていたスポンジはボロボロ崩れてきたため全部除去してしまいました。

ご参考になれば幸いです。
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Unknown (Masteru)
2018-01-19 22:38:47
貴重な情報ありがとうございます。
余りストロークが取れない設計なのですね。ところでトゥイーターはおかげ様で無事に分解できましたが、断線箇所を特定するのに苦戦しています(笑)
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Unknown (エチュードの頃)
2018-01-20 20:21:53
分解作業お疲れ様です。
断線箇所は、自分は「楽しいB級趣味」様の記事を真似して怪しいあたりをカッターで軽く擦ってみるというやり方でした。
たまたま記事に取り上げられていたのと同じ、コイルとの接続部だったのですぐ見つかったのでしたが…
ご健闘をお祈りします。
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Unknown (通りすがり)
2020-12-29 14:53:28
私もまだ持ってますよw
鳴らしてはいませんが。

なげしの上に板を渡して乗せていたら、東日本大震災で落下。
サランネットのカバーのピンが一個だけ折れて他は無事でした…。

そろそろ断捨離かなぁ。
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Unknown (firstletter)
2020-12-30 00:29:17
コメントありがとうございます。
ウチでは今も現役で稼働中です。しかし考えてみればもう40年前の製品ですもんね。
正直、残り人生の年数を思うとそれこそ断捨離も視野に入って来るわけで、どの辺で踏ん切りをつけていくかが考えどころです。
返信する
ポテンシャル (Unknown)
2022-09-28 00:09:56
このスピーカーの隠れたポテンシャルは凄いですよ。徹底的に手入れをすれば15万超えるスピーカになります。
①エッジの張り替え
売っていませんので以下を参考に自作します。
https://plastic-audio.com/speaker_edge_repair/
https://sputnik-dev.com/audio/diy/1406/
②コンデンサの全交換
ネットワークの電解コンデンサは問答無用で同容量のメタライズドポリプロピレンフィルムコンデンサに交換します。小泉無線のBennic FPPシリースで十分です.
③アンプ
単体のハイファイコンポーネントアンプ DENON PMA-390以上が必要です。パソコンの音を出したいのなら相応のハイファイサウンドカードが必要です。
頑張ってください
返信する
Unknown (firstletter)
2022-09-28 18:35:56
コメントをありがとうございます。
他の方々にも大いに参考になりますね。詳細な情報をどうもありがとうございます。
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