エチュードの頃

思いつきを書きとめておくために。

8ミリビデオの夢

2011-08-27 | TV・音楽
カシオ電卓SL-800の記事で、古い新聞広告を漁ったついでに。



「ソニーさん、こんなビデオをつくってください。」
というタイトルで、漫画界の巨匠二人の絵を載せた広告です。

1986年6月20日付読売新聞
手塚治虫氏


『動物の生態をあるがままに見たい。
こんな時、小さな果物のような形をした8ミリビデオをぶらさげておく。
長時間録画でき、動物の声もデジタルHi-Fi録音だから大迫力。
撮ったらすぐ再生して見られるし。
こんなビデオがあったら、動物のマンガがもっとイキイキしてくる。
ソニーさん、早くつくってね。』


1986年6月27日付読売新聞
藤子不二雄氏


『これは、レンタルでも良いわけです。
旅先のタバコ屋さんあたりで、カンタンに入手。撮影を終えたら、
宛名を書いてポストにポトリ。小さい8ミリビデオならではの、夢のビデオ。
撮影もカンタンだし、デジタルHi-Fi録音だから、本当に楽しい。
「お便りビデオ」なんて名前はどうかな。』


「世界127社の統一規格」との呼び声も空しくVHSよりも先に終わってしまい、何とも言えぬ寂寥感が漂うのはさておき、どちらの願望もはるか上を行く形で実現可能となった現在になっているのが考えてみると素晴らしい。

何かに偽装できるほど小型の録画装置(しかもテープすら必要ない)などすでに製品化されていますし、「お便りビデオ」というのも誰かがそういうサービスを立ち上げさえすれば良いだけ。
もっとも今では誰もが持っている携帯電話で、動画でもメールでも、それでも足りなければ直接会話もできてしまうので、ポストにポトリといった風流なスタイルではもはや商売にならないかも知れません。


思えばこの当時はその携帯電話自体がまさに夢の話だったし、まして携帯電話で写真やら動画まで撮るようになる時代が来ようとは全く想像不能でした。


ところで当時思ったのですが、藤子氏の描いた機器が回転ヘッドなんかの内部構造を意識しているっぽいのに比べて、手塚氏のそれはレンズがテープのすぐそばにあって8ミリフィルムのような捉え方をしているのが面白いなと。




おまけ。
ソニーデザイン
1984年6月1日付読売新聞夕刊


どうですかこの弱気のかけらもない勢い。
全くもって良い時代でした。
と過去形で言ってしまっていいのかどうか。

こういうソニーを久しく待ち望んでいるんですがね。

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アクセス解析を試してみる

2011-08-19 | PC・小物
gooブログ様のご好意で無料ユーザにも「アクセス解析」機能が10日間お試しできることになってまして。
早速使わせて頂いて、ちょうどお試し期間が終了したので感想を少々。



─やはり憶測と事実は異なるものですね。


最近のアクセス数動向で何となく想像していたのは、自転車関係(カテゴリは減量ですが)がよく見られているのではないかと。
先日「自転車通勤 悪臭」でググってみたら、なんと自分のブログが5番目に来ていたりしたもので。


ところが実際は、この10日間ずっと、液晶モニタ修理関係のページが上位。
DELL 液晶モニタ E173FPbを修理してみるがダントツの一番人気。


自分の中では結構前の話なのであまり意識していなかったわけですが、液晶モニタを何とか直せないかと考える人がそれだけ多いということですね。

やっぱり壊れるの早すぎですよね。
映りが悪かったわけでもないのに突然死ではね。

そういう時に自分で回路図を起こせる人でもなければ、頼みの綱は人々の体験談しかありません。
その体験談の一つに加われたのは大変光栄なことでした。
(自分が回路図を起こせない側の人であるにもかかわらず…)

幸い液晶モニタの場合、中学の技術家庭で習ったハンダ付けの腕前さえあれば何とかなる可能性が高いので、追試してみる価値は十分あります。
自分の修理したモニタもこれまで全く問題は出ていません。
交換したコンデンサも熱ですぐやられるのではと少々心配でしたが、どちらかというとハンダクラックが主たる原因だったのでしょうか。


ところで「閲覧元ブラウザ」で一番なのがなんと「Googlebot」。
毎日20~50%もの割合で訪れてくださってますw

まあGoogle様が見に来てくれなければ検索結果にも現れないわけですし。
アクセス数水増し野郎と忌み嫌うこともないでしょう。



そんなこんなで楽しませて頂いた10日間。
しかし、さて有料会員になるかというとそれは別の話で。

他の機能を全部タダで使わせてもらっておいて注文を付ける筋合いでもないのですが、どの記事が見られているかを把握したところで人気を高めるネタを提供できるわけでもないし。
手前勝手に書き散らかしておいて、たまたま妙な検索語の一致で人の目に留まる程度で十分楽しいかなと。


gooブログ運営の方々には申し訳なく思いながら、今日も無料で場所をお借りしております。

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カシオ電卓SL-800

2011-08-18 | PC・小物
カシオつながり。



高校生の頃(1983年)カシオ計算機から画期的な電卓が発売されました。
フィルム状のパーツを積層したという、
正真正銘クレジットカードサイズ。

その圧倒的な先進性にすっかり参ってしまい購入したわけです。
と言っても実際に入手したのは2年近く経ってから、半額処分品でしたが。





裏側は磁気ストライプ風のラインをあしらって雰囲気を出しています。



この薄さ(0.8mm)が画期的でしたね。
上がSL-800、下がキャッシュカード。
あまりに薄すぎて雑に扱うと折れてしまうようで、実用上問題とされたのかその後のカード型電卓はこれより厚手のものばかりになってしまいました。
ちなみにこの側面がやや凸凹しているのは使っていて付いた傷ではなく、新品の時からこんな仕上がり。
フィルム積層だということをアピールしたいがためにわざと跡を残していたんですかね?


この時代はこういう驚きが溢れていた気がします。
ソニーからトリッキーでないカセットケースサイズウォークマンが発売されたのも同じ頃だったと思いますが、この頃はそういった「あり得ない」と思っていたものが商品化される面白さがありました。

今思うと技術的に突っ走り過ぎていたようで、学生には楽しかった時代でしたが良識ある大人は苦々しく見守っていたりしたのでしょうか…


もっともその先進の技術も、定期入れに入れておいてウケ狙いに取り出すのが専らの役割で。
電卓は、当時も今も私生活では意外と必要性がなかったもので、酷使されることなくやがてしまい込まれ、幸か不幸か今こうして日の目を見たりしているわけです。




メイド・イン・ジャパンが普通に凄かった頃の話でした。



(2011-08-27追記)
当時取ってあった新聞広告です。
1983年11月26日読売新聞掲載。
これより前にSL-800単独でバーンと全面広告が打たれた覚えがありますが、これはデータバンクと一緒のもの。
(クリックすると文字が読める程度に拡大します)

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カシオ腕時計A158Wを衝動買い

2011-08-15 | PC・小物


なんかもう発作的にポチッてしまいました。
980円。
(2011-08-18追記:写真をAmazonのでなく自前のものに差し替えました。
 随分重量感があるように写っていますが、実際は本文にあるように
 それほどでもないのでダマされないようにお願いします。)


自転車通勤用の腕時計をそれとなく探してたんですね。
外作業用の980円アナログ時計は持っているもののだいぶくたびれていて、それを仕事中に着けるのも…て感じで。


壊れても惜しくないように、価格は1,000円以内で。
ただし100円ショップの時計は精度が心配なので除外。
絶えず振動にさらされるのでできればデジタル。

スポーツタイプのデジタルなら1,000円以下でも結構あります。
しかしウレタンバンドには耐久性で良い思い出がない…


てな感じでしばらくあれこれ眺めておりますと、ふとカシオのA158WA-1JFという機種が目に止まりました。
デザインはデジタル腕時計が流行り始めた頃のものを踏襲してますね。
ネット通販ではレトロとかクラシックとかの売り文句。


中学生になった1980年、周りで腕時計をしてくる奴は結構な率でこういうデジタル。
自分もやはり欲しくてならず、父が入学祝いに買ってくれるというので喜んだのもつかの間、
「これを頼んできたぞ」
と見せてくれたカタログはストップウォッチ機能もない平凡なもの。
中坊としては多機能てんこ盛りでなければもはやデジタルの意味がなく、我儘を言ってキャンセルしてもらったのでした。
その後あれこれ言ってるうちに自分の中のデジタル熱が冷めてきて、結局ビジネスライクなアナログ(セイコーシルバーウェーブ)を買ってもらったのでしたが。


閑話休題。
そんな過去もあって金属バンドのデジタルにはまるで古臭いイメージしか持てなかった訳ですが、自分自身の古臭さを実感するようになった今、改めてよく見ると別にそんなに悪くないではないかと。
むしろ同世代の安らぎすら感じさせるこの時計を9,800円ならぬ980円で買えるのなら、これはこれで嬉しいことではないかと。

心配したのはどの程度安っぽいか?という点でしたが、Googleで画像検索してみるにそうひどいものでもなさそうなので、ともかく買ってしまいました。


届いてみると、まあ、悪くない。

まず気になるのは少々小ぶりなことですかね。
今は割と大きめなのをしている人が多いように思いますので、その中では若干貧弱に感じるかも知れません。
樹脂製というケースはメッキが綺麗にかかっていて違和感は特になし。
あとは明るいところで見ると盤面周囲のブルーが目立って少し安っぽいかな?ということでしょうか。

安っぽいというか実際安いんですが、粗悪な感じはないし中身もしっかりカシオ計算機ですから、時計としての信頼性に問題はないでしょう。
もしもその安っぽさに萎えるようでしたら、金属バンドをもう少し厚手なものに交換すれば改善されるかも。
(薄手なところがレトロフューチャー風と言えなくもないのですが…)
ただあまり手を入れても安く買った意味が薄れてしまうのでほどほどに。


まあ良くも悪くも80年代的な、伝統とか重厚さよりもひたすら多機能高性能を目指していた時代と戯れることができます。
懐かしいといえば懐かしいのですが、この形がいつの間にかスタンダードになっていたほど時が流れた驚きと、そのスタンダードを腕にしてみて感じる不思議な新鮮さがこれまた意外。


この時計が意識に上るまでは、カシオの腕時計というとG-SHOCKか、あるいは
「アナログの針が何故かいつも薄っぺらいんだよな」
ぐらいな印象でしたが、流行を作るその一方で古いが悪くはないデザインを安く売るという、賢明さやしぶとさをひっくるめた凄さを感じさせます。

このデザイン、もし80年代のある時点から変わらずに少々のリニューアルを重ねて作られ続けているのだとしたら、もうその経営思想に脱帽ですね。

コメント (2)
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ドコモに外装交換を依頼してみた

2011-08-11 | PC・小物
携帯電話を買い換えたのも早3年前。


D705iµ、頑丈そうとは言えない外観にもかかわらず、幸い機能的なトラブルには遭遇せずにきています。

しかしメッキの剥がれ具合がいい加減みっともなくなってきまして。
購入直後はまさかこんな哀れな姿になるとは予想だにしていませんでしたが、持ち歩くうちに落としたり擦れたりしてメッキ部分が徐々に脱落。
いっそ全部剥がれてグレーのプラスチック地になればいいのに、開き直れど一向に綺麗に剥げず。

覚悟を決めてメッキ面全部をやすり落とす手もありますが、マスキングの手間や微細なゴミが隙間に入り込むリスクを考えるとどうも二の足を踏みます。



大震災とその後の余震でエリアメール非対応である事実が明らかとなった今、ぼちぼち買い換えを考えても良い頃ではありますが…



実際に使ってきて、やはり何かと便利の良かったストレート型。
しかし現行機種で探してみると、ことごとくがスマートフォン。
スマホにはコンピュータとしての興味は感じるものの、製品としてはまだまだ進化中らしく、それなら慌てて手を出す段階でもなく。

伝統的ストレート型として知らない間に出て消えていたL-04Bというのも、調べてみると悪くはありませんでしたが、かつてauが得意としていたような方向性でやや若者志向かなと。



そんなわけで買い換えは見送り、初の外装交換を頼んでみることに。
ドコモプレミアクラブで5,250円以内でできるらしいし、それなら何となくたまったポイント内で処理できそうだし。


ドコモケータイdatalinkでひととおりバックアップを取った翌日。

早速ドコモショップで
「外装交換をお願いします」
と告げると

「あ…それDですよね…何年ぐらいお使いですか?」

「ええ3年ぐらいになりますかねぇ」

「3年を過ぎると修理代が高くなってしまうんですが…」
「中を開けてみて他に故障が見つかった場合、直さないわけにはいきませんのでさらに高額になってしまいます」

…と、畳み掛けるようなデメリット説明。
親切なのか先々のクレーム防止策なのか。
いずれにしても、古い物を修理することが異端な行為となって久しい昨今ならではのご忠告。

まあ、例えばデジカメだって仮に3年使って壊れたら、修理代を考えれば買い替えが賢いと弾きますわな。普通。


ですが幸いなことに、使用期間を調べてもらうと滑り込みで満3年直前だったので、無事外装交換をお願いできました。
受付内容は「その他部品不良」。

で、事前のネット情報によると電池蓋も同時に頼んでおいた方が面倒がないらしく、併せて頼もうとしたら
「修理不能だった場合でも蓋はお買い上げ頂くので無駄になってしまいますよ」
とここでもご心配頂き、結局、修理完了の連絡が届いた際に改めて注文することに。



それから10日あまりが経ち、無事修理完了の連絡。
費用は4,900円+消費税(ポイント利用の場合は4,900ポイントのみ)。
蓋は何となく気後れして注文しそびれてしまいました。

実施された修理内容は
・フロントケース交換
・リアカバー交換
・Felica部品交換
の3点。

Felica機能は使っていませんが、知らぬ間に故障してたんですね。


いざ手に取って眺めると、画面とボタン面にビニールが張り付いた初々しさが懐かしい。

おお…この輝きだったよなぁ…
(修理前の撮影を忘れたので、修理後の写真だけお見せしても単に新品にしか見えないので載せませんが)
非常に月並みではあるものの、購入当時の感動と心意気が蘇ります。

電池蓋についてはもともとほとんど傷みがなく、色が合うかが唯一の心配でしたが、セットしてみても違和感は特になく結果的にラッキー。


そして外装はもとより、iアプリやら着信音やら全てのデータがそっくりそのまま入って戻ってきたのには正直感動でした。
着信音量とか、ディスプレイの明るさ調整なんてものまで完全に復元されて戻ってくるとちょっと笑ってしまいます。
(端末の暗証番号は初期化されます)

実は修理受付時の確認書をよく見ると、修理時に限りデータ一括転送する旨が明記されています。
しかし受付での説明は
「ドコモのサーバにバックアップを取っておきますか?(完全に戻るとは限りませんが)」
みたいな雰囲気だったので、メールに写真に電話帳程度ですよね、ま自宅でも取りましたけど念のため的な認識でした。

もちろん故障の状態によっては失敗する場合もあるわけで、他にダメージのない外装交換だったから100%の復元だったのでしょうが、これはダメモトでも是非依頼しておくべきでしょう。

ドコモケータイdatalinkではiアプリなどは保存できませんし、使い勝手上の細かな設定をいちいちやり直すのは案外面倒ですし。
ついうっかり
「別にいいです」
とか言ってしまうと非常に勿体無いです。



結論として、リーズナブルなのは購入3年以内という制約はあるものの、使用中の端末がお気に入りなら外装交換は面白い手ですね。


…今度はいかにしてメッキ脱落を防ぐか?
コメント (2)
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