カシオ電卓SL-800の記事で、古い新聞広告を漁ったついでに。
「ソニーさん、こんなビデオをつくってください。」
というタイトルで、漫画界の巨匠二人の絵を載せた広告です。
1986年6月20日付読売新聞
手塚治虫氏
『動物の生態をあるがままに見たい。
こんな時、小さな果物のような形をした8ミリビデオをぶらさげておく。
長時間録画でき、動物の声もデジタルHi-Fi録音だから大迫力。
撮ったらすぐ再生して見られるし。
こんなビデオがあったら、動物のマンガがもっとイキイキしてくる。
ソニーさん、早くつくってね。』
1986年6月27日付読売新聞
藤子不二雄氏
『これは、レンタルでも良いわけです。
旅先のタバコ屋さんあたりで、カンタンに入手。撮影を終えたら、
宛名を書いてポストにポトリ。小さい8ミリビデオならではの、夢のビデオ。
撮影もカンタンだし、デジタルHi-Fi録音だから、本当に楽しい。
「お便りビデオ」なんて名前はどうかな。』
「世界127社の統一規格」との呼び声も空しくVHSよりも先に終わってしまい、何とも言えぬ寂寥感が漂うのはさておき、どちらの願望もはるか上を行く形で実現可能となった現在になっているのが考えてみると素晴らしい。
何かに偽装できるほど小型の録画装置(しかもテープすら必要ない)などすでに製品化されていますし、「お便りビデオ」というのも誰かがそういうサービスを立ち上げさえすれば良いだけ。
もっとも今では誰もが持っている携帯電話で、動画でもメールでも、それでも足りなければ直接会話もできてしまうので、ポストにポトリといった風流なスタイルではもはや商売にならないかも知れません。
思えばこの当時はその携帯電話自体がまさに夢の話だったし、まして携帯電話で写真やら動画まで撮るようになる時代が来ようとは全く想像不能でした。
ところで当時思ったのですが、藤子氏の描いた機器が回転ヘッドなんかの内部構造を意識しているっぽいのに比べて、手塚氏のそれはレンズがテープのすぐそばにあって8ミリフィルムのような捉え方をしているのが面白いなと。
おまけ。
ソニーデザイン
1984年6月1日付読売新聞夕刊
どうですかこの弱気のかけらもない勢い。
全くもって良い時代でした。
と過去形で言ってしまっていいのかどうか。
こういうソニーを久しく待ち望んでいるんですがね。
「ソニーさん、こんなビデオをつくってください。」
というタイトルで、漫画界の巨匠二人の絵を載せた広告です。
1986年6月20日付読売新聞
手塚治虫氏
『動物の生態をあるがままに見たい。
こんな時、小さな果物のような形をした8ミリビデオをぶらさげておく。
長時間録画でき、動物の声もデジタルHi-Fi録音だから大迫力。
撮ったらすぐ再生して見られるし。
こんなビデオがあったら、動物のマンガがもっとイキイキしてくる。
ソニーさん、早くつくってね。』
1986年6月27日付読売新聞
藤子不二雄氏
『これは、レンタルでも良いわけです。
旅先のタバコ屋さんあたりで、カンタンに入手。撮影を終えたら、
宛名を書いてポストにポトリ。小さい8ミリビデオならではの、夢のビデオ。
撮影もカンタンだし、デジタルHi-Fi録音だから、本当に楽しい。
「お便りビデオ」なんて名前はどうかな。』
「世界127社の統一規格」との呼び声も空しくVHSよりも先に終わってしまい、何とも言えぬ寂寥感が漂うのはさておき、どちらの願望もはるか上を行く形で実現可能となった現在になっているのが考えてみると素晴らしい。
何かに偽装できるほど小型の録画装置(しかもテープすら必要ない)などすでに製品化されていますし、「お便りビデオ」というのも誰かがそういうサービスを立ち上げさえすれば良いだけ。
もっとも今では誰もが持っている携帯電話で、動画でもメールでも、それでも足りなければ直接会話もできてしまうので、ポストにポトリといった風流なスタイルではもはや商売にならないかも知れません。
思えばこの当時はその携帯電話自体がまさに夢の話だったし、まして携帯電話で写真やら動画まで撮るようになる時代が来ようとは全く想像不能でした。
ところで当時思ったのですが、藤子氏の描いた機器が回転ヘッドなんかの内部構造を意識しているっぽいのに比べて、手塚氏のそれはレンズがテープのすぐそばにあって8ミリフィルムのような捉え方をしているのが面白いなと。
おまけ。
ソニーデザイン
1984年6月1日付読売新聞夕刊
どうですかこの弱気のかけらもない勢い。
全くもって良い時代でした。
と過去形で言ってしまっていいのかどうか。
こういうソニーを久しく待ち望んでいるんですがね。