阪神タイガースが85年の優勝以来のクリーンナップ3連発のニュースを新聞で見る。阪神ファンの私、以前だったら「やった~!」と狂喜乱舞するところなのだが、最近は国内プロ野球への関心は限りなく0。今や阪神のクリーンナップを打っているのがだれかもわからない有様で「ふ~ん」ってな感じ。
プロ野球への興味を失ってしまったのは 1 超一流選手の大リーグへの流失 2 訳の分からないクライマックス・シリーズというシステムでレギュラー・シーズン優勝の意味が失われた…、3 サッカーと違い、なんか大した選手でなくても年俸1億円超で、どうなのこれ? と言う感じがぬぐえない…などいくつか理由があるのだが、個人的には贔屓にしていた阪神タイガースが大きく変容してしまったということが一番大きいような気がする。
かつて江夏-田淵の黄金バッテリーを有し、王者V9巨人に立ち向かっていったタイガース。その後、超長期にわたり低迷、「大阪の恥や!と言われてもいいのかタイガース」とまで言われながら、オフ・シーズンのお家騒動を含め、我々を楽しませてくれたタイガース。本当に弱かったが愛すべきチームだった。
そのタイガースが変容し始めたのは今世紀に入ってからだろうか。本格的FA時代が到来したのを契機に、よく言えば本気の補強、ぶっちゃけ言えば、金にものを言わせた他チーム主力選手の強奪を開始、かつての巨人を彷彿させる強引な選手集めで、常に優勝を狙えるチームに変貌していった。
最初、私も喜んではいたのだ。「これまでやる気があるのかないのか分からないフロントが本気になった!」と…。しかし、FAで獲得してきた選手がどんどん多くなってくるにつれ、「なんか違うだろう…」という思いが強くなってきたのだ。今までのように応援する気力が沸いてこなくなってきた。タイガースが地元のチームだったら応援を続けていたのかもしれないが…。いつしかプロ野球そのものへの興味も失っていった。
カミングアウトすると、Jリーグについて、発足当初好きなチームは「浦和レッズ」だった。(無論、アルビレックス(当時アルビレオ)新潟)が出来てからはすぐにアルビファンになったが…。)
本当に、当時の浦和は弱かった。連敗につぐ連敗。孤軍奮闘する主将の福田正博がいつも沈痛な顔つきでインタヴューに答えていたような気がする。しかし、「Jリーグのお荷物」と罵声を浴びせられつつも、選手、それにサポータは必死だった。その姿に地域密着のJリーグの理念を感じたものだった。
その浦和も阪神と時を同じくして豊富な資金力をバックに本格的な補強を開始。一時はレギュラー・シーズン優勝を始め栄華を極めた。「アジア1のビッグ・クラブ 浦和レッズ」。地元ファンは嬉しかったとは思う。しかし、他のJリーグ・サポーターの浦和を見る目は明らかに冷めたものになったような気がする。私も素直に「おめでとう、浦和」と言う気持ちにはならなかった。その後、栄華を極めた浦和のリズムは狂いだし、チームは迷走に次ぐ迷走で長いトンネルへと突入、今シーズンも下位に沈んでいる。依然Jリーグの中では断トツのトップを誇るものの、観客動員数も相当に落ちてきているようだ。
我がアルビレックスは貧乏クラブ。とても阪神や浦和のような大型補強をする資金力はない。あのような補強が出来て羨ましいという思いは正直言ってないわけではない。しかし、阪神ファンは、浦和ファンは今、本当に幸せなのだろうか?心から今のチームを応援できているのだろうか?かつて両チームを応援していた者として聞いてみたい気がする。
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