「祝祭と予兆ー馬渡裕子の世界」
馬渡裕子の「絵」の世界に登場する縫いぐるみじみた生きものや無表情な人間たち。それらおなじみの記号化されたキャラは、ミニマムな舞台に立つ能役者の沈黙の芸を見るように、うっかり見逃しそうな些細な仕草や日常的道具立を伴って、見る者に謎解きを迫る。そこには子どもの遊びに見る祝祭感と同時に、深層から滲む何かの兆しもほの見えて、ミステリアスな混合的魅力を醸す。シンプルな色彩配置と独特な形態造形の緊張感に満ちたコンポジションでリアルな幻の唐突な出現を支える職人技も見どころ。「絵」は図らずも都市生活者特有のペーソスやユーモアも描き出す。モダニズムと江戸が交差するまち、浅草に初お目見えの馬渡世界をお楽しみください。
- 1976 仙台市生まれ
- 1998 東北生活文化大学卒業
- 仙台をホームグラウンドに個展多数
- 東京では、個展「Dummy」(Gallery銀座フォレスト)、
個展「惑星」(日本橋gallery unseal)など
- 2008以降、毎年新作個展開催(仙台・杜の未来舎ぎゃらりい)
- 2019 馬渡裕子展(リアス・アーク美術館)