美術の旅人 Voyageur sur l'art  

「美術」との多様な出会い。見たこと、感じたこと、思ったこと。

友部正人コンサート 仙台「カフェモーツアルト・アトリエ」

2010-10-17 07:24:32 | レビュー/感想
音楽のコンサートなんて何年ぶり、いや何十年ぶりだろうか?
近くの喫茶店でライブ案内のチラシをふとみかけて
予定の時刻に会場に赴いた。
彼が30代といってもいいぐらい若々しいのにまず驚いた。
マラソンを欠かさずしているという。
言葉は筋肉質でないと風景をつれて来れない。
そんな言葉が浮かんだ。

かっての「一本道」と同じ、素の言葉が今のリアリティーをするどくうがっている。

仲のいい二人
仲のいい二人
仲のいい二人が一人になったら
どうなるんだろう


すべては夢だというように
いじわるそうな女の子
何にも買わない何にも見ない
ただおみやげみたいにすわっている
ぼくに何かが言えたとしても
言えたことが言えただけ
君はいつのまにかいなくなり
時間になったとわかるだけ


成熟しない若者のような団塊世代と
生気のない老人のような若者世代と
終末前の静けさのような時代の空気を読み込んだ作品。

しかし、不安な時代に詩人は希望をつなぐ、「つばめになった娘」に。
無垢の勝利に。

君はつばめ
二十一世紀に舞い降りてきたつばめ
ぼくが見上げていた二十世紀の空には
まだ飛んで来なかった

君はつばめ
世界最速のつばめ
世界の果てで待つ人たちに
アイスクリームの電報を届けなさい

君はつばめ
つばめになった娘
人類の持つ境界線を越えるために
手を翼に変えた娘


コンサートが終わって、日本の天才フォークシンガーと一言二言お話しして、
CDにサインをもらったよ!ちょっと感激。

クレーン
レーベル:友部正人オフィス
品番:TM-015
JAN:4582237819922
フォーマット:CD
2010.9.17発売

杜の都のクラフトフェア 2010 10/2・3

2010-10-04 13:50:55 | レビュー/感想
「杜の未来舎ぎゃらりい」が実行委員としてボランティア参加した「杜の都のクラフトフェア」が、全国から多様なジャンルの42工房を迎えてサンモール一番町のアーケード街で開催された。同種のクラフトの催しはこれまで仙台にはなかったので、当初集客が心配されたが、社用族のいない休日、いつもなら閑散として場末の街といった雰囲気のサンモール一番町を一変させる効果があった。とりわけ快晴に恵まれた初日は、信号を渡って青葉通りをこえることがなかった人波が、サンモール一番町にも引き込まれるように押し寄せてきて、往時の七夕なみの賑やかな通りがよみがえった感じだった。30代の若手中心だがいづれもプロとして自立している作家さんたちだけに作品の質は高く、各々「魅せる」展示にも工夫を凝らして飽きさせなかった。路上で催すことで、ふだんクラフトに関心のない人にも足を止めさせ、ファンの裾野を広げる効果は大きいと思う。末永く続けて仙台ジャズフェスティバルと並ぶ仙台の特徴ある秋のイベントに育ってほしいと思う。