エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

注目されるNECのBEMSへの取り組み

2010-05-11 00:04:32 | Weblog
 BEMSに関しては、NECの「オフィスまるごとエコ」というBEMSソリューションが注目されます。これは、「省エネICT機器」、「ワークスタイル革新」、「ファシリティの省エネ化」、「EMS(エネルギー管理)」など幅広い領域からオフィスの省エネを総合的にサポートするものです。
 このうち「省エネICT機器」としては、PCやサーバなどオフィスに存在する膨大な数のICT機器について、最新の省電力化技術を採用した機種への置き換えやサーバの省エネ化により、消費電力の大幅な削減が可能にします。企業に設置されているIT機器のうち、圧倒的な割合を占めるのがPCです。また、消費電力を引き下げるため、お省電力サーバへの置き換えやサーバの集約化を行うことにより、省エネを実現します。サーバ統合により台数を減らして省スペース化を図ることで、冷却にかかる電力やコストの低減も可能になります。
 オフィスの省エネには、ICT機器以外に重要なことがあります。それは、ITを活用した「ワークスタイル革新」です。Web会議、フリーアドレス、ペーパーレス化、テレワークなどにより、オフィスの環境負荷の大幅な低減を実現できます。NECブロードバンドソリューションセンターでは、さまざまなITソリューションを活用した「ワークスタイル革新」で、電話の取次ぎやムダな発信、外出先からの帰社回数、プリントアウト枚数、会議・外出などの移動を減らして、導入前と比較すると、CO2の排出量を約43%削減、年間約5.7億円のコスト削減を実現しています。
 「ファシリティの省エネ化」は、高効率の照明器具にリニューアルすることで省エネを図ります。さらに、センサ技術やタイマーを利用することでより省電力化を高めることができます。
 「EMS(エネルギー管理)」では、今まで目に見えなかったエネルギーの使用状況を見える化し、自律的な制御や社員の意識向上により省エネを実現します。NECでは、「センシング」「見える化」「自律制御」をテーマに、外光を感知して過剰な明かりをカットする照明設備、温度・湿度を検知して自動で設定変更する空調など、EMSを幅広く拡大しています。
 オフィス内のPCについては、「エネパルPC」呼ばれるサービスを提供しています。このサービスは、独自開発のソフトウエアにより、パソコン1台ごとの消費電力やCO2排出量のほか電力料金などを算出し、部や課などの単位で省エネ目標に対する進ちょく度合いを容易に集計します。CPU(中央演算処理装置)やメモリの使用率、キーやマウスの入力状況などから利用者の行動パターンをデータベース化、利用者ごとに将来予測を行う機能も搭載しています。設定した省エネ目標値に対して、利用者の特性に合わせた節電モードの切り替えを自動的に設定することもでき、目標値を達成できそうにない場合は、注意を促すメッセージを発信します。
 同サービスを1000台規模で導入した実証実験では、平均で年間15〜22%のCO2削減効果を得ています。2010年4月からの「改正省エネ法」施行で新たに対象となる中小規模の事業所を中心に市場の拡大を図る方針です。3年間で200万台の提供を見込んでいます。