団塊太郎の徒然草

つれづれなるままに日ぐらし

「東京近くに大地震?」:サイエンス誌が3論文

2011-07-05 21:59:02 | 日記
『Science』誌は先週、3月に日本を襲った巨大地震を理解するための3つの論文とパースペクティブ論文を掲載した。より東京に近い所で大地震が起こる可能性についても論じられている。

 

John Timmer


画像はWikimedia。サイトトップの画像は別のWikimediaより


『Science』誌は先週、日本を3月に襲った東北地方太平洋沖地震[東日本大震災]のときに何が起こったかを理解するための3つの論文とパースペクティブ論文を掲載した

研究者たちが懸念しているのは、マグニチュード9という歴史的な数値だけではいない。このサイズの地震が、これまではこれほどの規模の地震を引き起こすとは考えられてこなかった断層の一部(セグメント)で起きたということが懸念されている。

「このように小さなセグメントでマグニチュード9が起こるのであれば、今まで予想されていなかった地点でも同様の巨大地震が起こる可能性がある」と、
米国地質研究所のDavid Wald氏は語っている。海岸沿いで、プレート沈み込み帯の近くにあるような、世界の他の地域も、リスクを再評価する必要があるだろう。

今回の地震は、
日本海溝を形成する断層の一部に沿って発生した。日本海溝は、太平洋プレートが、東日本が存在するプレート[北アメリカプレートの下に沈み込んでいるところにある。

この
沈み込み帯が日本に多くの火山をもたらし、またその圧力が日本列島を押し上げることで、日本の地形をいっそう特徴的なものにしている。多くの断層がそうであるように、2つのプレートがこすれあう動きは時折つかえて止まることがあり、そのひずみが解消されるときに大地震が発生する。要するに地震とは、プレート間の相対運動から生じるひずみを解消するために起きるものだ。([東北日本太平洋下のプレート相対速度(PDF)は]年間で推定8.5センチメートルだ。)

これまでの地震記録は、このひずみが、比較的狭い範囲の断層セグメントに沿って解消されていることを示唆していた。大きな地震では通常、これらセグメントの1つか2つが活動して大部分のひずみを解消し、残りのひずみは、隣接するセグメントに移される。このプロセスが日本を地震の頻発国にしており、大きな地震も数多く発生しているが、それでも、今回の東日本大震災のように巨大なものは稀だ。ほとんどの地震は断層深部の、海溝よりも日本列島に近いところで発生してきた。

3月の地震がこれほど想定外だった理由はそこにある。そしてもう1つの理由は、これまでの記録から、この断層セグメントが他と比べて不活発に見えたことだ。おそらくは、これまではプレート同士が固着しており、地震が少なかった分、ひずみが蓄積されていたと考えられるだろう。

上は地震前。下は地震後


日本海溝においてプレート同士が固着していたとき、東日本を含む北アメリカプレートは、端の部分では下に押し下げられていたが、その近くの地域は、圧力により、若干上向きの力がかかっていた。地震によって、プレートの端は上向きに解放された。日本列島ではこの際、場所によっては4メートルを超える水平方向の動きが発生し、逆に50センチほど低下した地域もある。

一方、海では、最大の標高低下は海岸から推定50キロメートルの地点で発生し、そこでは[東日本が乗っている]北アメリカプレートが2メートル低くなったという。一方、日本海溝の付近では、プレートの端が9メートルも隆起した。しかしこれらの変化は、水平方向の移動データに比べれば小さいものだ。『Science』誌に発表された3つの論文では、海溝付近での水平移動の規模を推定しているが、それらは
空間分解能[空間または物体内で識別可能な2点間の距離]の小さい順に、24メートル、30メートル超、そして最も大きな推定値で60メートルにもなる。

これらの動きの全体を合わせれば、解放されたエネルギーは9 x 10の18乗ジュールとされる(TNT火薬にしておよそ2400メガトンにのぼる)。

日本にとっての懸念は、これまで地震があまり起こっていない土地でも、その地域のプレートがスムーズに動いているとは限らないことだ。論文の1つは、
海山が海溝に引き込まれる場合には、長期にわたって静かな状態が続く可能性があることを示唆している(今回地震を起こした東北沖がそうだったとみられる)。[海山によって、プレートの滑りが長期間にわたって抑えられてきて、その結果ひずみが蓄積されてきたという説を述べている]

そのため、海溝の境界付近にあって、表面的には地震活動の少ない他の地域についても、もう一度よく調べてみる必要がある。心配なことに、そのような地域の1つが、今回地震の発生した場所よりもう少し南の、より東京に近いところにあると、論文は指摘している。

[今回の地震で震源域にならなかった茨城沖は、長期間、マグニチュード8以上の地震が起こっておらず、ひずみがたまっている可能性があると
指摘されている]

{この翻訳は抄訳です}

[日本語版:ガリレオ-高橋朋子/合原弘子]


「太平洋プレートが沈み込む日本海溝」の3D測深図

2011-07-05 21:53:18 | 日記
平洋プレートが日本の火山帯の下に潜り込む所である、日本海溝の様子がよくわかる3D測深図を、プレートの動きの説明と共に紹介。

 

Brian Romans


Image: NOAA / global bathymetry data


週のSeafloor Sundayでは、3月11日に起きた地震と津波で激しい被害を受けた日本の海底を紹介しよう(仙台と東京が表示されている)。

測深図と呼ばれる、海底の地形だが、垂直的な差異が誇張された形で表示されている。[
測深機では、船の底から音波(音響ビーム)を発射し、音波が海底にぶつかってはね返ってくるまでの時間を測って水深を計算している]

太平洋プレートが日本の火山帯の下に潜り込む所である、日本の東北部にある深い海溝[日本海溝]に注目してほしい。

[
日本海溝は、東日本沖の太平洋底に、海岸線にほぼ並行して存在する海溝のこと。太平洋プレートが西方向に移動し、東日本がある北アメリカプレート(オホーツクプレート)の下に沈み込む場所に形成されている。最も深い所は8,020m。

青森県東方沖地震、三陸地震・三陸沖地震(三陸はるか沖地震含む)、宮城県沖地震(東北地方太平洋沖地震含む)、福島県沖地震(福島県東方沖地震含む)、茨城県沖地震、房総沖地震(千葉県東方沖地震含む)などは、日本海溝で起こる海溝型の大地震であり、しばしば津波が発生する]

今回の地震の、地殻構造的な説明については、Scientific AmericanのChris Rowan氏による
解説を参照してほしい。

日本海溝の位置(赤線)、画像はWikipedia


[プレートは、地球の表面を覆う、十数枚の厚さ100kmほどの岩盤のこと。プレートには、大陸プレートと海洋プレートがあり、海洋プレートは大陸プレートよりも強固で密度が高いため、2つがぶつかると海洋プレートは大陸プレートの下に沈んでいくことになる。

また、地下のマグマの上昇によりプレートに亀裂ができ、連続してマグマが上昇し続けると、その後プレートが分断されて両側に分かれることになる。

太平洋プレートは、日本海溝で北アメリカプレートの下に沈み込んだ先で、フィリピン海プレートの下にさらに沈み込んでいる。以下は、主要なプレートの位置図]

画像はWikipedia


[なお、関東地方の地下にあると推定されているプレートの断片を関東フラグメントと呼ぶ。過去に太平洋プレートの上盤がはがれて、そのまま太平洋プレートの上に乗って残存しているものと考えられる。栃木県南部から神奈川県北部までの地域の深さ30〜100km付近に、厚さ25km、100km四方にわたって存在し、関東地方の地表を覆うユーラシアプレートの下で、東から沈み込む太平洋プレートと南から沈み込むフィリピン海プレートの間に挟まっていると推定されている。このプレートとほかのプレートとの境界では、陸の下でありながらプレート間地震が発生するものと見られ、1855年の安政江戸地震はこのタイプで、今後もこのタイプの地震が首都直下地震として発生する可能性がある]

関東フラグメントの位置。画像はWikipedia




WIRED NEWS 原文(English)


なぜ東京地検特捜部は東京電力本店を家宅捜索しないのか

2011-07-05 21:41:27 | 日記

きのう、東京電力の株主総会が開かれた。約6時間に及ぶロングラン総会は荒れ模様となったものの、社長の交代、原子力発電の続行など、結局、当初の方針通りに終了した。結果として、東京電力は株主総会を乗り切ったのである。

 東京電力は、国家を滅ぼすような大事故を起こした企業である。そのうえで情報隠蔽を繰り返し、国民の健康や生命に危害を及ぼしている。

 にもかかわらず、お咎めはない。いったいどういうことなのか。

衝撃のニュース!
福島のこどもたちの被曝が確定的に

〈福島県内の保護者らでつくる市民団体「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」などは30日、福島第1原発事故の影響調査で福島市内の6~16歳の男女10人の尿を検査した結果、全員から微量の放射性物質が検出されたと発表した。

 検査を担当したフランスの放射線測定機関「アクロ研究所」のデービッド・ボアイエ理事長は記者会見で「福島市周辺の子どもらに極めて高い確度で内部被ばくの可能性がある。事故前の数値はほぼゼロだったと考えられる」と話した。

 発表によると、尿は5月下旬に採取。放射性セシウム134の最大値は8歳の女児で尿1リットル中1.13ベクレルだった〉(共同通信)

 きょう、共同通信が発表したニュースは衝撃的なものだった。福島のこどもたちの被曝が確定的になったのだ。

 3月の事故発生当初から、東京電力は、政府や新聞・テレビと一体となって、嘘をつき続けてきた。放射能は外部に漏れない、よって避難の必要はないという情報を提供したのは東電である。

その言を信じた福島の親たちは、結果として愛しいわが子を被曝させることになった。これは犯罪ではないか。

「焼肉酒家えびす」は徹底糾弾
一方で東京電力はどうなのか

〈焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件で、運営 会社「フーズ・フォーラス」(金沢市)が、富山や福井など4県の全20店舗について、被害者の補償金などを確保するため、入札による一括売却を計画していることが23日、フーズ社の代理人弁護士への取材で分かった。

 既に10社以上の同業者が応募。1回目の入札を今月末に行い、残った社による2回目の入札を7月中旬に実施する。売却額は3億円以上を見込んでいるという。

 弁護士などによると、フーズ社は営業再開を断念し、8日に従業員約60人を解雇した。今月末に解散、清算手続きに入る予定〉(共同通信)

 このニュースの通り、この食中毒事件は徹底的に糾弾された。捜査当局は社長宅含め、家宅捜索を行い、マスコミは同社長を「極悪人」に仕立て上げ、連日報道、自宅まで詰め寄った。結果、会社は本日解散、来月からは被害者への賠償が始まる。

 一方で東電の原発事故はどうだろうか。

 この事故によって、何千人とも、あるいは何万人にも上る健康被害者の出ることが確定的になっている。高濃度の放射能の飛んできている東日本の広い範囲では、人生を一変、あるいは破壊された人々が、きょうも不自由な生活を余儀なくされている。

 さらに、これからの日本を背負っていくこどもたち、彼らの少なくない人数を放射能被曝者にしてしまった。なんということだろう。これは世界的にみても、許しがたい企業犯罪に他ならない。

政府、財界、マスコミ…
総出で犯罪行為を隠蔽する国

 ところが、この日本では、政治も、行政も、財界も、司法も、マスコミも、東京電力の国家的な犯罪行為を追及しようとしない。いや、むしろその犯罪行為の隠蔽に加担している有様だ。

 なぜ、東京地検特捜部は、東京電力本店に家宅捜索をしないのか。この3ヵ月間、うんざりするような情報隠蔽を繰り返し、多くのこどもたちを被曝させ、その親に将来にわたる不安を植え付け、平和な日常生活を奪い、国土をつぶし、海洋を汚染し、国際的な信頼性を毀損させたこの企業を放置しているのか。先月、捜査当局者のひとりに尋ねた際、その人物は私にこう回答した。

「まだ、原発事故は進行中であり、ここで捜査に入るわけにはいかない。すべてが終わってからだ」

 政治も、マスコミも、東電に対しては及び腰だ。追及をしないどころか、東電幹部を庇うかのように「復興」「支援」ばかりを謳っている。

 そうこうしているうちに、株主総会は終わり、社長は交替した。東電幹部は、実質、誰一人責任を取らずに給料をもらい、普通の生活を送っている。

 一方で、ユッケを売った社長は、徹底的に糾弾され、人生のケリを付けさせられようとしている。

 思えばそれは堀江貴文氏に対してもそうだった。検察は、堀江貴文氏を、なんの前触れもなく逮捕し、家宅捜索を繰り返し、結果、会社をつぶし、実刑有罪判決を食らわせ、刑務所にぶち込んだ。マスコミは彼を極悪人に仕立て上げ、社会から抹殺した。

 だが、彼は、本当にそんなに悪いことをしたのだろうか。

この国では、あまりに巨大な悪は免責されるのだ。国家が加担し、マスコミが黙認した犯罪は、見逃されるのだ。

 そして、5年後、10年後、国際賠償などの信じがたい不幸がこの国を襲い、多くの国民が被曝による健康被害と戦い始めた頃、東電幹部たちは、引退し、何食わぬ顔で生活していることだろう。

 それは今の政府、マスコミにも言える。犯罪者たちを放置することは決して許されない。犯罪者は罰せられるべきなのだ。さもないと、日本の復活はありえず、被曝者たちも浮かばれないのだ。

上杉 隆 [ジャーナリスト]


「避難切り上げたら減額」と東電仮払金

2011-07-05 21:10:46 | 日記

最大30万円を追加支払い=月内にも開始、総額480億円―東電仮払金 (時事通信)

 東京電力は5日、福島第1原発事故で避難を余儀なくされた周辺住民に対し、補償金として避難期間に応じ1人当たり10万~30万円の追加的な仮払いを実施すると発表した。同社は1世帯当たり100万円(単身世帯は75万円)の仮払いを4月に実施しており、今回は第2弾。対象者は約16万人で、支払額は最大480億円に上る見込み。月内にも支払いを開始する。

 前回の仮払補償金は世帯ごとに支払ったが、今回は「避難者1人ごと」に支払う。対象者は、福島第1原発から半径20キロ圏内と第2原発から10キロ圏内の「避難区域」、第1原発から20~30キロ圏内の「屋内退避区域」、政府指定の「計画的避難区域」や「緊急時避難準備地域」のいずれかに生活拠点があり、原発事故の影響で避難を余儀なくされている人。

 支払額は、事故発生の3月11日を起点とした6月10日までの状況に応じて決められており、「6月10日時点で避難している人」と「避難後、5月11日~6月10日の間に帰宅した人」が30万円、「避難後、4月11日~5月10日の間に帰宅した人」が20万円、「避難後、4月10日までに帰宅した人」と「屋内退避のみの人」が10万円。

 東電は、1回目の仮払いでは約5万3000世帯に計498億円を支払った。今回分を合わせても、支払総額は原子力損害賠償法による国の負担範囲の1200億円以内にとどまる。 

[時事通信社]


玄海原発を隣の韓国が心配 事故起きると放射能が届く?

2011-07-05 20:52:55 | 日記

 停止中の2、3号機の再開が問題となっている九州電力の玄海原発(佐賀県玄海町)だが、その動向には海を超えた韓国からも注目が集まっている。

1975年に運転を開始した玄海原発1号機は、九電管内でもっとも古い原発で、原子炉圧力容器の劣化が進んでいる可能性が専門家から指摘されている。この劣化問題は韓国メディアでも報じられ、玄海原発に事故が起きた場合、韓国にも影響を及ぼすのでないかと懸念されている。

圧力容器、想定以上に劣化か

地震などによる事故で緊急冷却装置が作動した場合、圧力容器の劣化の指標となる「脆性遷移温度」が高いと、急激な温度差による圧力に耐えられず破損する危険性が指摘されている。

九電が2009年に測定したところ、1号機圧力容器内の試験片の脆性遷移温度は98度と、前回測定した1993年の56度から大幅に上昇した。九電ではこの測定値から、容器本体の脆性遷移温度を80度と推計しており、93度未満という新設原子炉の業界基準を下回ると説明している。

複数の韓国メディアが報じているのは、井野博満・東京大学名誉教授が鳴らしている警笛だ。井野氏は玄海原発1号機について、九電の想定以上に圧力容器が劣化している可能性があると指摘、「最悪の場合は爆発の可能性があり、放射性物質が勢いよく飛び出した場合、福島原発事故を超す被害になる」と警告している。

韓国紙の京郷新聞(電子版)では7月2日、日本で報じられた井野氏の話を紹介したうえで、「150気圧、300度以上の高圧高温で運転中の玄海原発1号機が爆発して放射性物質が大量に放出されると、200キロほど離れた釜山をはじめ、韓国南部の地方にも深刻な被害がもたらされる可能性がある」と報じている。

韓国市民団体も2、3号機運転再開に反対

約200キロ離れた韓国南部への放射線被害が心配されるのも無理はない。福島原発事故でも、200キロ以上離れた東京都内の水道水や神奈川県の生茶から規制値を超える放射性物質が検出されている。

停止中の玄海原発2、3号機について、岸本英雄玄海町長は7月4日、全国の原発立地自治体で初めて再稼働に同意した。

朝日新聞によると、韓国の市民団体「環境運動連合」は7月4日、玄海原発の運転再開に反対の立場を表明。別の市民団体「エネルギー正義行動」の代表も、「地震の多い日本は脱原発へ進むべきだと思うが、運転再開はその流れに完全に背くものだ」と批判したという。