団塊太郎の徒然草

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テスラ・モーターズ

2010-05-22 15:30:01 | 日記

トヨタ、EV開発本腰 米ベンチャーのテスラと提携


 トヨタ自動車は21日、米電気自動車(EV)ベンチャー「テスラ・モーターズ」とEV開発で業務提携することに基本合意したと発表した。トヨタは総額5千万ドル(約45億円)を出資しテスラ株を取得。2012年に米国市場でのEV発売を目指す。トヨタは「プリウス」などガソリンエンジンと電気モーターを併用するハイブリッド車(HV)に力を入れる一方、EV戦略では出遅れていた。高級EVの販売で評価されているテスラと組むことで、EV戦略を本格化させたい考えだ。


 トヨタが期待する最大の提携効果はテスラの電池関連技術だ。EVの最大の弱点は1回の充電による走行可能距離が短いことだが、テスラが開発したスポーツカーのEV「ロードスター」の走行可能距離は380キロ。トヨタは、民生用の電池をつなぎ合わせて大容量にするテスラの製造方法を取り入れたい考えだ。


 テスラとの提携に乗り出した背景には、EV戦略の出遅れ感がある。トヨタはEVが本格普及するまではHVが主流となると判断。これに対して世界の自動車大手では、日産自動車が10年12月に日米欧でEV「リーフ」を発売。独ダイムラーも12年、独フォルクスワーゲン(VW)も13年に欧州などでEVを発売する。トヨタにとってもEVへの本格参入は避けては通れない選択となっていた。


 ■渡りに船


 トヨタにとって“渡りに船”だったのは、テスラが今年4月に閉鎖したトヨタと米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)との合弁工場「NUMMI(ヌーミー)」(カリフォルニア州)の一部を購入し、12年をめどにEVの生産を始めるということだ。


 トヨタがヌーミーを閉鎖した際には従業員約4700人のほぼ全員を解雇。地元経済への悪影響から不満の矛先がトヨタに向かうことが懸念されていた。


 「われわれとともに培った25年間のDNAが、未来の産業に引き継がれることをうれしく思っている」。豊田章男社長は20日の米国での会見でこう語り、ヌーミー“再開”を歓迎した。


 テスラによると、来年にはヌーミーの元従業員を1千人程度雇用。会見には同州のシュワルツェネッガー知事も同席し、ヌーミーの元従業員の雇用につながる提携を評価した。


 ■「刺激受けたい」


 一方、トヨタは大規模リコール(回収・無償修理)問題での対応の遅さなどで「大企業病」ともいわれてきた。今回は、そんな中でのベンチャー企業との提携となる。


 豊田社長は1カ月前、テスラのEVを試乗し「未来の風を感じた」といい、テスラのチャレンジ精神や意思決定のスピード、柔軟性に魅力を感じたという。


 提携理由について、豊田社長は「大きな会社になっていくことを求めるよりもベンチャー企業に刺激を受けたい」と強調。停滞感のある社内に風穴を開ける好機とみているようで、自動車アナリストは「創業家出身の豊田社長だから決断できた」とも指摘している。


 ライバルのホンダや日産と比べ、業績回復の遅れは鮮明。証券アナリストは「日産、ホンダはリストラを終えて次の投資に移っているが、トヨタはリコール問題もあり危機対応の途中だ。1周遅れという印象」と厳しい。大量生産・大量販売による規模のメリットを追求してきたトヨタが、「シリコンバレー発」のベンチャー企業の手法をどれだけ取り入れられるかが問われている