祐さんの散歩路 Ⅱ

日々の目についたことを、気ままに書いています。散歩路に咲く木々や花などの写真もフォトチャンネルに載せました。

・ 非現実的な「事例集」

2014-08-30 19:17:28 | 政治
5月15日の記者会見で、「邦人輸送する米艦防護」の事例を挙げ、集団的自衛権行使の必要性を訴えるアベシ。だが、そもそもこうした事態が起こりえるのか・・・・あり得ないことを専門家が指摘しています。全く実務の分からないアベシが、無理やり「集団的自衛権行使」を押し通すために、国民の感情に訴えた事例のようです。こんな嘘つきが国のトップにいること自体が異常ですね。以下転載します。

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特集ワイド:首相が急ぐ集団的自衛権行使容認 非現実的な「事例集」←専門家が指摘
毎日新聞 2014年06月17日 東京夕刊


 ◇邦人輸送中の米艦防護←邦人救援は日本の責務/弾道ミサイル迎撃←大気圏外は技術的に無理…

これほどほころびだらけの議論も例がないのではないか。安倍晋三首相が閣議決定を急ぐ集団的自衛権の行使容認論。「抑止力を高めて日本人を守る」目的らしいが、本当なのか。首相らが掲げる「行使が必要な事例」には、専門家から「非現実的」と失笑さえ聞こえてくる。【吉井理記】

米国艦船に重ね、赤ちゃんを抱く母親と不安げな幼児のイラスト。近くに描かれた自衛艦には、「防護」の文字に×印。最近、安倍首相が繰り返し掲げるパネルだ。訴えるところは「近隣諸国で紛争が起き、逃げようとする日本人を輸送する米国艦船が襲われた時、自衛隊が守れなくていいのか。今の憲法解釈ではできない」(6月11日の党首討論での安倍首相答弁)。だから行使容認へ解釈変更が必要だ、ということらしい。

政府は5月27日、議論のたたき台として、グレーゾーン事態への対処など15事例を与党に示した。うち集団的自衛権行使の事例は8例。パネルに描かれた
(1)邦人輸送中の米艦防護、のほか
(2)攻撃を受ける米艦の防護
(3)武器輸送が疑われる船の公海上での強制的な検査(臨検)
(4)米国に向かう弾道ミサイルの迎撃
(5)弾道ミサイル発射を警戒する米イージス艦の防護
(6)米国本土が攻撃された場合に日本付近で行動する米艦の防護
(7)国際的な機雷掃海活動への参加
(8)民間船舶の共同護衛−−
の八つだ。確かに朝鮮半島で武力衝突が起こり、日本人が米艦で逃げることになれば、自衛隊に知らんぷりはされたくない。ならば集団的自衛権行使は、やはり必要なのか。

「だまされてはダメです。8事例はあまりに非現実的です。現実を知らないか、知っていてウソをついているかです」と怒るのは、第1次安倍政権時代を含む自公連立政権で5年半、内閣官房副長官補として防衛政策に携わった柳沢協二さんだ。

柳沢さんは「まず、安倍さんは『日本が血を流さなければ米国も血を流してくれない。だから集団的自衛権の行使容認が必要だ』との論理を展開するが、そもそもこれが空想的です」と切り捨てる。米国の軍事行動は米国の国益にかなうかどうかが基準だ。自衛隊が米国のために血を流した、ならば米国も、なんて人情話やヤクザ映画のような世界ではない、という。

その上で「邦人輸送中の米艦防護」について「政府も外務省もバカじゃない。紛争の兆候があれば民間人に退避勧告を出して帰国させます。最後まで残る大使館員らの輸送にしても、(1)のように攻撃対象となるルートは普通選びません。何より1997年の日米ガイドライン改定で、邦人救援は日本が行うと定められた。米艦での輸送は想定されていません」(柳沢さん)。

改憲論者でありながら解釈改憲を「憲法のハイジャック」と批判する慶応大名誉教授の小林節さん(憲法学)は「百歩譲ってこの事例があるとしても、個別的自衛権の話であって集団的自衛権とは何ら無関係です」と突き放す。日本人保護は日本政府の義務だ。ここで日本が守る対象は日本人であり、艦船ではない。だから船の国籍を絡めることがまずおかしい、というのだ。

小林さんは「米国と日本の近隣国が戦争になれば、どう考えても在日米軍基地も攻撃対象になり日本は戦争に巻き込まれる。これは日本有事で個別的自衛権の問題だ。集団的自衛権を持ち出す理由はどこにもない」と一蹴した。

軍事評論家、前田哲男さんは「(6)は米国が核攻撃された際の米艦防護を想定しているが噴飯ものです。まず米国の抑止力が消失しているのに集団的自衛権を行使する意味がない。何より米国は即、核報復し、悠長に艦船防護を日本に要請したりしない」と解説。北朝鮮を想定した(4)も米国本土を狙う弾道ミサイルは北極上空を通り、日本上空は通らない。第一、大気圏外を飛ぶミサイルの迎撃は技術的に不可能で、あり得ない事例という。

「特に(5)はひどい。『北朝鮮の弾道ミサイルの発射警戒中の米イージス艦は、防空能力にスキが生じる』としているが、ウソです。イージス艦はミサイル警戒と防空用の艦船です。こんな話を米第7艦隊のイージス艦長が聞いたらどんな顔をするでしょう」。(7)のホルムズ海峡を想定した機雷掃海活動も、今やホルムズ海峡手前のオマーン湾に多くのパイプラインが敷設され、海峡を封鎖する意味は乏しく、現実味がないという。

なぜこれほど穴のある事例を列挙したのか。「本来なら、事例のような状況が起こるかを吟味し、起こりうるならどう対応するか、それが個別的自衛権で収まるかどうかを見る。その結果、新たな法整備と憲法解釈の変更が不可欠だ、という結論ならまだ分かりますが……」と柳沢さん。「最初に『解釈変更ありき』だから吟味もせず、防衛の常識からかけ離れた不思議な事例が議論される事態になってしまった」と嘆息した。
与党は当初、15事例を議論するはずだったが、ここに来て時間がかかるとみて、解釈変更の閣議決定を優先しようとしている。

カギを握るのが自衛権の発動要件を定めたルールの変更だ。政府・自民党は新たに「他国への武力攻撃で我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利を根底から覆すおそれがある」場合を加え、集団的自衛権を「ごく限定的に行使する」とうたい、慎重な公明党を説得しようとしている。

「他国への攻撃が国民の生命や権利を根底から覆す、という事態、想像できますか? 少なくとも8事例の中に該当するものはない」と首を振るのは法政大教授の杉田敦さん(政治学)だ。「他国への……」の文言、72年に「集団的自衛権行使は憲法上許されない」とした政府見解から引用された。「『根底から覆され』という部分は個別的自衛権が容認される範囲を示したもの。なのに結論を無視して、前段だけ採用した。もう支離滅裂です。安倍さんは持論の戦後体制の破壊・脱却を図りたい、外務省は行使容認をテコに外交力を高めたい。どちらも国民の安全とは関係のない、不純な動機です

 そもそも集団的自衛権は他国の戦争に介入する権利だ。柳沢さんが付け加える。「日本人は限定的とか最小限という言葉が好きですが、戦争に介入して他国やテロ組織から日本が敵扱いされる事態に『限定』などない。逆にリスクを高める可能性があることを政府は説明していない」

 低レベルの議論で、この国のあり方をガラリと変えることは許されない

・ フランケンシュタイン フィッシュ

2014-08-30 02:32:05 | 健康
ネット上に遺伝子組換えで作られた商品について記事がりました。身近なもので、本物でないものがたくさん出回っているのでしょう。その危険度も分からないまま、あるいは選択さえできないまま口にしているとすれば、大きな問題ですね。以下に転載します。

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あなたは何も知らずに食べますか 2倍の速度で成長させる「フランケン・フィッシュ」と、毛が生えない「ヌード・チキン」「人工食品」の技術はここまで進んでいた!


食品を作る技術は、すさまじい進歩を遂げている。もはや「工業製品」とでも言うべき食べものが次々と登場しているのだ。美味しくて安いならいいと思うか、気持ち悪いと思うかは、あなた次第。

食べても違いはわからない

「フランケン・フィッシュ」—人間の手によって、こんな新種が生み出された。

これは、遺伝子操作によって、通常の2倍の速度で成長するように仕組まれた魚のこと。24年前から続けられてきた研究成果が実り、ついに、アメリカのアクアバウンティ・テクノロジー社(以下、アクア社)がサーモンで開発に成功した。天然のアトランティック・サーモンとフランケン・フィッシュ。どちらも同じ生後18ヵ月で体長が約2倍、重さは約3倍もの差がついている。

「通常、アトランティック・サーモンは冬の間は成長ホルモンが分泌されず、暖かい半年間のみ成長します。ですが、一年中成長ホルモンを分泌するゲンゲという深海魚の遺伝子を組み込むと、寒い時期にも成長を続けるようになる。その結果、2倍の速度で成長させることが可能になったのです」(「食政策センター・ビジョン21」主宰・安田節子氏)出荷するまでに3年かかっていたものが、半分の1年半に短縮でき、その分、エサ代も減らせる。養殖業界にとっては、安く、効率的に育てられる夢の食糧が実現したわけだ。

大豆やトウモロコシなど、農産物の遺伝子組み換えはかなり普及しているが、魚や肉など動物の遺伝子組み換え食品としては世界初となる。それゆえ、人体に危険は及ぼさないのか、生態系への影響はどうなのかなど、さまざまな不安から反対運動も起こっているのだが、アクア社の広報担当デイブ・コンレイ氏は、こう断言する。

「海から離れ閉鎖された場所で養殖されているので、魚が逃げるということはありません。だから生態系に影響を与える心配は無用。そして、我が社の社員は、実際にこのサーモンを食べています。私が『美味しい』と言うと客観性に欠けた意見に聞こえてしまうかもしれませんが、いい商品ですよ。健康にいいし、安全です」

アクア社は食品としての販売許可を得るためにFDA(米食品医薬品局)に申請しており、「認可する方向に向かっています」(前出・広報担当者)という。

見た目は変わらない。味も一緒。でも実際は自然界にいるサーモンとは遺伝子レベルから異なる「人工生物」を食べることになる。私たちが、フランケン・フィッシュの「シャケ弁」を食べる日は、すぐそこに近づいている。

遺伝子組み換え生物を作ることに反対している米国の作家、ポール・グリーンバーグ氏はこんな点に不安を抱いているという。
「ここでアメリカが認可してしまうと、中国などがさまざまな動物で技術を応用し始めるでしょう。それに、遺伝子組み換え食品は、現状アメリカでは表示義務がない。私たちは、知らない間に、フランケン・フードを口にしてしまうことになるのです」

サーモンだけでなく、2倍のスピードで成長するマグロや鯛、牛や豚……そんな本物とは似て非なる人工的な魚介や肉が、近い将来、知らないうちに食卓に並ぶようになるのは、もはや止められない。安さを求める消費者がいる限り、より安く食品を作るために、こうした技術も日々開発されていく。



深海魚の遺伝子をトマトに

生産効率を上げるための人工食品には、こんなものも開発されている。

「ヌード・チキン」。その名のとおり、生まれたときから体に一本の毛も生えていない素っ裸の鶏だ。

「イスラエルで開発されました。首に羽毛が生えない種類の鶏と、ふつうのブロイラーを掛け合わせて品種改良されたものです」(前出・安田氏)

食肉用に加工する際、羽毛をむしり取る作業は大変な手間がかかる。その作業が省けるうえに、羽毛にいく栄養が肉に回るため、成長も早くなるという。丸焼きにしたらそのまま食べられて便利、かもしれないが、食欲はなかなか湧いてこない。こんな鶏が庭を歩き回っているのを想像してみてほしい。不気味以外の何物でもないだろう。

植物と動物の遺伝子を掛け合わせた人工食品もある。

「アメリカで開発された、寒さに強くて冬でも枯れないトマトです。これは、南極の氷の下でも血が凍らない、オヒョウというカレイ科の遺伝子に目をつけたもの。この魚には血液を凍らせない酵素を作り出す遺伝子があって、それをトマトに組み込むと、寒さに強い新種ができる。本来、夏に実をつけたら秋には枯れてしまうのが、冬にも収穫できるようになるのです。

技術的には、このような『人工食品』を作ることも可能になっているんです」(前出・安田氏)

前回、本誌では、見た目は「本物」だが中身が「別物」という食品の数々をレポートした。普段、当たり前のように口にしている食品がどのように作られているのか、その実態を知って驚いた人も多いのではないか。今回は、遺伝子組み換えをはじめとして、食品加工の現場でどんな最新の技術が駆使されているのか、紹介していこう。

遺伝子を操作することで生産効率を上げる技術は、すでに日本ではこんなところに使われている。

「醤油や味噌、納豆、日本酒、かつお節など、日本の文化である発酵食品には、麹菌、納豆菌、酵母菌などの菌が欠かせません。ですが、これらの食品で、天然菌が使われていることはほとんどない。その多くは種菌メーカーが製造した『人工培養菌』で作られています。

たしかに味にムラが出ず、生産のスピードを上げるのには適しているのかもしれませんが、化学物質過敏症の人の中には、これらの菌で作られた発酵食品で頭痛やめまいなどを起こす人もいます。また、目的にあった菌を作りだすために、菌を放射線や化学物質などで遺伝子操作し、薬剤などを使った培養液で作られた『遺伝子操作菌』を使っているところもあります」(ナチュラル・ハーモニー代表の河名秀郎氏)


「コク」や「深み」も自由自在

生産スピードを上げるために、急速に広まっているのが水耕栽培の畑、いわゆる「野菜工場」だ。

閉ざされた部屋の中、天井まで連なった棚に整然と並んでいるのはリーフレタス。太陽の代わりとなる眩しい人工照明に照らされ、温度や湿度、二酸化炭素濃度は24時間体制で管理されている。野菜の状態を確認するのは、頭から足先まで白衣に包まれた作業員。実験室のようなその空間には、農機どころか、土さえ見当たらない。

「化学肥料を水に溶かした液肥で野菜が育てられます。土壌よりも養分の吸収がよく、効率もいい。たとえばほうれん草だと、土壌栽培の2倍の速度で成長します。作業も楽で、年間の収穫量も格段に上がる。見た目や味は変わらないですが、100%化学肥料で栽培されているのです」(消費者問題研究所代表・垣田達哉氏)

種の品種改良も進み、形や色が整って、長距離の輸送にも耐えうる強度を持った野菜が容易く作れるようになっている。こうして作られた野菜は、もはや「農産物」と言うより、一種の工業製品のようだ。

添加物が進化したことによって、「人工食品」は飛躍的に幅が広がっている。たとえば食べものの「コク」。シチューやカレーなどは、火を通して寝かせるほど、食材からうま味が染み出して複雑な味に仕上がるものだが、時間をかけてしか出せなかったこの「コク」も、あるクスリを入れることで一瞬にして演出できるようになっているという。

「ピラジンという合成化合物です。本来は煮込むことで自然に生成されるものなのですが、これも人工的に作れるようになっています。あっという間に味にコクと深みが出ますし、素材が煮崩れすることもないので仕上がりも美しい。光熱費や人件費の削減にもなります。

煮込み料理だけでなく、天ぷらの衣に入れれば、味に深みが出たように感じる。加工食品や外食産業では非常によく使われています」(元食品メーカー研究室室長・小薮浩二郎氏)


スーパーや惣菜店で売られている天ぷらなどの揚げ物。これらは、なぜすべて同じような美しい揚がり具合で、時間が経ってもカラッとしているか、考えたことがあるだろうか。

「天ぷらは、揚げる油が古くなると黒くなってきます。ところが、売られているものはみんな衣の色が同じ。これは、油をこまめに替えているからではありません。衣に合成着色料のβカロテンを混ぜることで、黒い油を使っても衣の色を綺麗な黄色に保つことができるんです。

それでも古くなったら、油はトンカツなどのフライものに回される。衣の色が濃くてもごまかしがきくからです」(小薮氏)

さらに、サクサク感が保たれるのは「衣に、界面活性剤と同じような働きをする乳化剤や、リン酸塩が混ぜられているから」(食品ジャーナリスト・郡司和夫氏)だという。職人の腕ではなく、科学技術によって生み出されたものなのだ。

比較的新しい添加物で、さまざまな食品に活用されているものに、トランスグルタミナーゼという酵素がある。

「これは、たんぱく質の中のアミノ酸とアミノ酸を分子レベルで強力に結合させることができる。非常に画期的な技術です。極端なことを言えば、ミンチ肉から大きなステーキが作れる。加熱しても、従来の結着肉のように崩れることがないんです」(鈴鹿医療科学大学薬学部客員教授・中村幹雄氏) 言ってみれば、分子同士をくっつける瞬間接着剤のように強力な酵素。一度結着させると離れないため、食品の食感を出すことにも利用されている。

「パン生地にこの酵素を入れると、グルテンとグルテンを結合させるので、もちもちした食感に焼き上がります。また、かまぼこなどの練り物にも使われる。安い原料のサメの身などを使うと、そのままでは水分が多く、食感が悪い。ですがこのトランスグルタミナーゼを入れることでプリッとした歯ごたえを出すことができるんです」(前出・中村氏)


「本物を超える味」を作る

甘味料や酸味料、乳化剤、防腐剤、着色料……日本で使われている数々の食品添加物の中で、もっとも高度な技術を持っているものといえば、香料だろう。

「いま日本で使われている人工香料の成分は3000種類ほどあります。一つの香料に10種類くらいの成分を使い、複雑な香りでも作り出すことが可能になっている。加工食品を美味しく感じさせるために、香料は欠かせない添加物なのです」(前出・郡司氏)

身近なところでは、缶コーヒーから香ばしい豆の香りがするのも、スーパーなどで売られているケーキから美味しそうな甘い香りがするのも、香料が使われているから。果汁が一滴も入っていなくても、甘味料と酸味料、香料を駆使すれば、オレンジジュースでもブドウジュースでも簡単に作ることができる。

人工食品



ちなみに、インスタントのとんこつラーメンには、「隠し香として、靴下の匂いの成分が入っている」(香料メーカー関係者)とか。

「香料は、ファストフードにも大量に使われています。たとえば、フライドポテト。あの香りはほとんど香料でつけられたものです。以前、実験をしたことがあるのですが、フライドポテトの香料をつけたティッシュペーパーを口に入れただけで、美味しく思ってしまったほどです」(ジャーナリスト・椎名玲氏)

香料一つで、食べ物でないものまで美味しいと感じさせることができるのだ。
逆に言えば、人間の味覚なんてそれほどいい加減ということ。本来の自然の味ではもの足りないと思う消費者がいるからこそ、「本物の味」よりハッキリした「本物を超える味」を作り出してきた。

「フランケン・フィッシュ」のように、遺伝子組み換えでできた「本物」とは違う生物の肉を、「本物を超える」調味料で味付けして食べる。こうした技術を人間が求め続けていけば、いずれ、「本物」の食べものが消えていってしまうかもしれない。

「週刊現代」2014年3月15日号より