中学の時に悪だった僕。その時の「親友」と何かのきっかけで六本木で会った。
もう10年も前の話だろうか… 何の因果か、とても不思議な再会だった。
彼は、六本木交差点から芋洗い坂を下ったとあるビルの一角で飲み屋の店長を任されていた。
飲み屋といってもちょっと怪しい雰囲気のいわゆる「おかまバー」だった。
派手な化粧と衣装をまとい、すっかり肥っていたが、かすかに残る面影は確かに彼に違いなかった。
「やぁ、久しぶりだな」
「そうだな」
あんな片田舎出の2人が、こんなところで相まみえるなど想像さえしなかった。
ボトルを入れてしばらく話をした。
彼の3つ下の妹も東京に出てきてこのお店で働いていたこと、
田舎で町会議員をしている彼の親父がわざわざここまで話をしに来たこと。
苦労話の数々…
彼は、芸能界にあこがれ高校を中退して東京に出てきた。風邪の噂では「石原プロ」に入ったという。
ドラマにも出たなどと眉唾な話も聞こえたりした。
その辺の事情にはあえて触れなかった。武士の情けもあった。
結局、水商売を転々とし、今に至ったのだろう。
それでも、羽振りはとてもよさそうで、江東区あたりにマンションを所有し住んでいるとのことだった。
彼とは中学の頃の部活で僕が部長、彼がキャプテンだった。彼は背番号4番、僕が5番だった。
バスケットボール部。結構花形で女の子には人気があった。女の子らとも子供じみた遊びをずいぶんした。
それに、悪(ワル)。。。部室でタバコは吸うは、友達の家で酒飲んで麻雀するは、
隣の中学に遠征に出向き、暴力沙汰になるは。。。。
タバコ吸ってる現場を押さえられ、職員室で絞られることもあった。
これじゃあいけないと思い、高校に入る時に、僕は彼らと決別する決心をした。
取り巻きに殴る蹴るをされた。彼は表には出てこず、その周辺の者らに指示を出し、そうさせた。
みな気心知れた連中だったから、殴る蹴るも「ポ~ズ」に過ぎなかった。
それを境に、彼らとはそれっきりとなった。
僕は、この町を去ろうと思い、高校時代は一心不乱に勉強をした。
そこそこ昔から勉強はでき、地方の進学校に入学できたのが幸いした。
男子校であったので、女子に悩まされることもなく、勉強しかしなかった。
高校3年の頃には、模試や成績でベスト3には必ず入るくらいにまでなった。
結果、僕は地方のさる国立大学に現役で合格し、この町を去ることに成功した…。
(その後の顛末は、過去のブログの通り…)
だから、彼とはもうそれっきり。それ以来の再会だった。
当時のことはお互いに水に流した。
というより、長い年月と互いの苦労が、そんなちっちゃなことをどうでもよく感じさせた。
彼は彼で苦労をしたろう。僕だって負けないくらい苦労をしてきたつもりだ。
僕のことも多少は話したが、おもに僕は彼の身の上話を聞くのに専念した。
まだ、あのお店はあるのだろうか。そして彼はそこで働いているだろうか。。。
その後、いろんなことがあり、どうしてもそのお店に足を向けることはなかった。
お店の「性格」が僕になじまなかったこともある。仕事も忙しくなった。
どうせ逞しく生きているんだろう。あいつのことだ。
野良犬のような人生を歩んできた僕ら。すべてが忘却の彼方に行こうとしている。
もう10年も前の話だろうか… 何の因果か、とても不思議な再会だった。
彼は、六本木交差点から芋洗い坂を下ったとあるビルの一角で飲み屋の店長を任されていた。
飲み屋といってもちょっと怪しい雰囲気のいわゆる「おかまバー」だった。
派手な化粧と衣装をまとい、すっかり肥っていたが、かすかに残る面影は確かに彼に違いなかった。
「やぁ、久しぶりだな」
「そうだな」
あんな片田舎出の2人が、こんなところで相まみえるなど想像さえしなかった。
ボトルを入れてしばらく話をした。
彼の3つ下の妹も東京に出てきてこのお店で働いていたこと、
田舎で町会議員をしている彼の親父がわざわざここまで話をしに来たこと。
苦労話の数々…
彼は、芸能界にあこがれ高校を中退して東京に出てきた。風邪の噂では「石原プロ」に入ったという。
ドラマにも出たなどと眉唾な話も聞こえたりした。
その辺の事情にはあえて触れなかった。武士の情けもあった。
結局、水商売を転々とし、今に至ったのだろう。
それでも、羽振りはとてもよさそうで、江東区あたりにマンションを所有し住んでいるとのことだった。
彼とは中学の頃の部活で僕が部長、彼がキャプテンだった。彼は背番号4番、僕が5番だった。
バスケットボール部。結構花形で女の子には人気があった。女の子らとも子供じみた遊びをずいぶんした。
それに、悪(ワル)。。。部室でタバコは吸うは、友達の家で酒飲んで麻雀するは、
隣の中学に遠征に出向き、暴力沙汰になるは。。。。
タバコ吸ってる現場を押さえられ、職員室で絞られることもあった。
これじゃあいけないと思い、高校に入る時に、僕は彼らと決別する決心をした。
取り巻きに殴る蹴るをされた。彼は表には出てこず、その周辺の者らに指示を出し、そうさせた。
みな気心知れた連中だったから、殴る蹴るも「ポ~ズ」に過ぎなかった。
それを境に、彼らとはそれっきりとなった。
僕は、この町を去ろうと思い、高校時代は一心不乱に勉強をした。
そこそこ昔から勉強はでき、地方の進学校に入学できたのが幸いした。
男子校であったので、女子に悩まされることもなく、勉強しかしなかった。
高校3年の頃には、模試や成績でベスト3には必ず入るくらいにまでなった。
結果、僕は地方のさる国立大学に現役で合格し、この町を去ることに成功した…。
(その後の顛末は、過去のブログの通り…)
だから、彼とはもうそれっきり。それ以来の再会だった。
当時のことはお互いに水に流した。
というより、長い年月と互いの苦労が、そんなちっちゃなことをどうでもよく感じさせた。
彼は彼で苦労をしたろう。僕だって負けないくらい苦労をしてきたつもりだ。
僕のことも多少は話したが、おもに僕は彼の身の上話を聞くのに専念した。
まだ、あのお店はあるのだろうか。そして彼はそこで働いているだろうか。。。
その後、いろんなことがあり、どうしてもそのお店に足を向けることはなかった。
お店の「性格」が僕になじまなかったこともある。仕事も忙しくなった。
どうせ逞しく生きているんだろう。あいつのことだ。
野良犬のような人生を歩んできた僕ら。すべてが忘却の彼方に行こうとしている。