ある記憶

遥か遠くにいってしまった記憶たち

セルフポートレート

2008-02-02 22:26:49 | 
「選ばれてあることの恍惚と不安と二つわれにあり」――この一節は、太宰治が引用したヴェルレーヌの詩である。いかにも太宰が好みそうな言い回しにして、太宰の胸のうちをこれほど如実に表す言葉もなかろう。
上の写真は太宰の自画像である。この引用と妙に重なる自画像である。

長らく太宰治を、僕は封印してきた。太宰気取りで「恍惚と不安」などと自惚れるつもりもないが、妙に太宰の精神世界とシンクロする傾向が僕の中にあることを、若い頃から、僕は感じていた。
その行き着く先は、「玉川上水」か。そこまで深刻になるつもりもないけれど、自分の心の中の、人間であるが故の弱くて醜い根底へと、静かに堕ちていく居心地のよさに、溺れてしまいそうになる。
太宰は、大学時代に無産運動に嵌り挫折し作家になった。僕はまた、同じ地方の出自でもある。
太宰とは、遠い昔に訣別したつもりであった。

太宰の自画像が公開されたのは、つい最近のことらしい。太宰に限らず、多くの作家は自画像を残している。画家であれば、必ずといって良いほど。心の目で見た己の姿を絵筆で表現する。
そうした芸術家ではない普通の人々も、ポートレートで自らを写す。
自分を見ることは自分を確認する作業である。
どんな精神の巨人も、自分の存在の儚さや、移ろいやすさに対し、どれだけ対抗する術を持っているだろうか。
自分の顔、自分の手、自分の肉体という事実を、確認すること。みな生きるために生きている己を確認したいのである。

体を鍛えよう。隆々とした足腰、太い腕、逞しい体躯、引き締まった顔筋。身嗜みもさっぱりし、鏡に映った自分の姿に誇りを持とう。絵を描く才能もなく、写真の趣味もない僕にしてみれば、出来ることと言えばそんなこと。鏡に己の姿を確認するのが関の山。ナルシシズムかも知れないが、そんな要素は、生きるための方便として必要なのかも知れない。

しかし、鏡を見ると年年歳歳しわも深くなり頭髪には白髪が増え、肌の色艶も芳しくない。これで自画像描いたらいったい僕の顔はどう表現されるのだろう。


自分さえ支えきれずに右往左往している今の僕に、人の人生にどうこう言う資格はあるのだろうか。
無責任な助言など、ご都合主義もいいところだ。よかれと思い言う言葉も、本当に相手のことを考えての言葉か。
もっと人に責任を持てる顔に、僕はなりたい。
いい年こいて、依然、僕は半人前で青臭い学生みたいなことばかり言ってるね。(自嘲)

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水族館オタク

2008-02-02 09:54:32 | 
くさくさするので久しぶりに水族館にでも行ってみようか。
八景島シーパラダイスはかなり遠い。品川水族館は、行き飽きた。
東京タワーにもしょぼいのがあったはず。
サンシャインの水族館はまだあるのかな。
沖縄の美ら海水族館、最高に凄いが、無理・・・。
あの独特な薄暗い水族館の雰囲気、その中で小さくライトアップされた魚や生き物たちの住空間を、こっそり眺めて歩く。
何が楽しいわけでもないが、そんな時間の過ごし方が好きで、よく水族館に足を運んだ。オタクっぽく一人で行くこともあったが、誰かさんが隣にいることも多かった。
また、八景島や美ら海のように、海中トンネルやどでかい水槽の中を、巨大魚が豪快に泳ぎ回る姿を見るのも、現実離れしていていい。

ネットで検索していたら、品川に「エプソン品川アクアスタジアム」というのが引っかかった。品川プリンスホテルの敷地内にある。

■通常営業 月曜~金曜 土曜 日曜・祝日
水族館 12:00NOON~
10:00P.M. 10:00A.M.~
10:00P.M. 10:00A.M.~
9:00P.M.
■ギャラクシー エクスプレス 999 1:00P.M.~ 10:00P.M. 11:00A.M.~
10:00P.M. 11:00A.M.~
9:00P.M.
■ポート・オブ・パイレーツ 1:00P.M.~ 10:00P.M. 10:00A.M.~
10:00P.M. 10:00A.M.~
9:00P.M.
■バーチャルライドシアター 12:00NOON~ 10:00P.M.
ドルフィンパーティー
※ 休館日はございません。
※ 最終入館は閉館の30分前となります。
※ 1月13日(日)、2月10日(日)は土曜日の営業時間になります。

・水族館(入場料金) おとな/¥1,800
小~中学生/¥1,000
幼児/¥600(4才以上)


パステルカラーのちいちゃな熱帯魚の群れをボーっと眺めるのがいい。ずぼらなので自宅で飼う気にはならないが、部屋に水槽でもあれば毎日でも眺めていたい気がする。
たまには昔のようにそんな時間を過ごすのもいいかもしれない。

問題は、昼間からしんしん冷える本日、コタツから離れられるか否かである。

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ダリの自画像

2008-02-02 01:13:55 | 
サルバドール・ダリの自画像。この絵の自画像は生身の存在の崩壊を示しているのだという。そこにあるのはあらゆる物質は最終的に崩壊するが、かろうじて何かの「支え」(ここでは松葉杖)によって留まっているに過ぎない儚い存在。そういう自分の存在。

かろうじて・・・か。まさに週末の僕はそんな気分だ。午前12時を回って帰宅した。システム障害があり、散々だった。今週は、人事問題で相当めげた。会社という存在の儚さ、人と人との絆の脆さというものを、思い知らされた。

とても疲れた。疲れた1週間だった。

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