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どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

日日是好日、Blu-ray購入

2019年06月10日 21時25分00秒 | DVD・Blu-ray
もちろん豪華版で(*^o^*)

メイキング含めて楽しみにしていました!

三回ほど映画館で鑑賞、それぞれ別のサウンド環境を味わいましたが、茶室の空気感...風や水といった繊細な音を聴き取りたかったので、ヘッドフォンで鑑賞しましたけど、これがもう思った通り全編にわたり瑞々しく耳を擽ってくれます(^_^)

この映画、テーマは「水」なんだなと改めて思いましたね。茶道で使う水もそうなんですけど、人生そのものを水の流れで表現し、それは人生の節目において川や海の情景で見せ、感じさせてくれます。

そこに大きなドラマはありません。誰にでも起こりえる出会いと別れがあるだけです。

ちょっとした喜びと哀しみがスパイスとして織り込まれている...それだけで充分なんだと思います。

武田先生演じる樹木希林さんが一人静かに珈琲を入れるシーン...。

そして典子の父が亡くなり、気持ちが沈む彼女にそっと手を重ね「桜が...哀しい想い出になっちゃったわねぇ...」と静かに囁く...これだけでも深いドラマを感じるし、映画になっているなと。

ラスト、武田先生が「あなたたちも教えてご覧なさい。教えることで教わることが一杯あります」の語りかけは、樹木希林さんご本人の...若い俳優へのメッセージとして心に響きました。

これからも大事な作品の一つとして、観つづけていきたい映画です(^_^)



樹木希林さん、出演作2本鑑賞

2019年02月23日 21時20分00秒 | 映画
ユジク阿佐ヶ谷にて、本日スタートの企画上映「樹木希林さんから教わったこと」にて

「あん」と「日日是好日」を(^_^)

「日日是好日」は3回目、「あん」の鑑賞は初めてとなります。

映画館には上映開始の1時間前に到着、整理番号は「あん」12、「日日是好日」11でした。

両作とも客層はやはり高く、中高年齢層で女性が7割以上、補助席が出るほど満席状態に。

座席は好きな場所を取りやすい順番でしたので、個人的ベスポジの4列目の右端に...やはり以前ここでの「この世界の片隅に」鑑賞で感じた通り、複数スピーカーに囲まれるほぼ中心位置でサラウンド感も良好、そして床からの低音振動効果も相まって音響効果がバッチリでした(*^o^*)

さて内容は...。

樹木希林さん特有の個性...どことなくスッ惚けていてつつ、どこか忙しげな味わいは両作ともに(^_^)

でも作品に合わせた役作りは物凄いものがあるなと...「あん」は3〜4年前で、「日日是好日」は昨年のもの...にも関わらず、老け具合が逆に見えるんです。「日日是好日」の樹木さんはとても若々しく、シャンとしていて、とても亡くなってしまった人には見えない...本当に信じられない感覚での鑑賞となりました。

両作ともに自然の営みを静かに感じ、慈しむような人物像...小豆ひとつにも人生があるかのような...そしてその小豆の美味しそうなこと!

それに引き替え、人間社会のなんとお粗末でつまらないこと!

カゴの鳥と、できそこないのどら焼きが、作品世界を象徴しているかのようで、とても切ないお話しでしたね。

「あん」「日日是好日」併せて観ると、樹木さんから肩肘張らずに生きる...流れに身を任せるような諦念みたいなものを教わっているような気持ちになります。

樹木さんに包まれているような感覚に...とても良い鑑賞となりました(^_^)

「あん」で共演の市原悦子さんも含め、このお二方はすでにこの世にいないのかと...改めてちょっと信じられない気持ちにもなりましたね...。

あ、そうそう!阿佐ヶ谷行ったら、ともえ庵でのたい焼きね!

あんこ繋がりにもなって、美味しゅうございました(*^m^*)



日日是好日、鑑賞2回目

2018年11月25日 19時15分00秒 | 映画
カミサンと買い物がてら、新所沢レッツシネパークにて。

当館名物、C列スーパープレミアムシートでマッタリと(*^o^*)

原作を読んじゃうくらい、森下典子さんの作品世界にドップリとし、再び映像を味わいたいと...そう、原作エッセイに余計な色を付けていないのも判って、2回目も素直に楽しめました。

「聴雨」の描写、あらためて素晴らしいなぁと...梅雨の時期、普段の生活の中ではジトジトジメジメで不快きわまりない季節も、静謐な茶の空間においては自然の営みを、その微細な変化を感じとれる場となる。

水の跳ねる音、流れる音、そして雨の降り具合の強弱が丁寧に描写されて...美しい音色となって耳に響いてくる...この映画は感じて、味わう作品だなと(^_^)

Blu-ray出たら買って、ヘッドフォンでそのSEを味わいたいなとも...特典でバイノーラル音声とか仕込んでくれたらなお嬉しい(*^m^*)

樹木希林さん演じる武田先生の言葉も印象的でした。実はこれ著者まえがきの一節なのですが...
世の中には、「すぐわかるもの」と、「すぐにはわからないもの」の二種類がある。すぐわかるものは、一度通り過ぎればそれでいい。けれど、すぐにわからないものは、フェリーニの『道』のように、何度か行ったり来たりするうちに、後になって少しずつじわじわわかりだし、「別もの」に変わっていく。そして、わかるたびに、自分が見ていたのは、全体の中のほんの断片にすぎなかったことに気づく。
「自分が見ていたのは、全体の中のほんの断片にすぎなかった」のは、この作品全体のテーマにもなっていますね(^_^)

「すぐわかるもの」「すぐにはわからないもの」...これについては映画・音楽・本など、時を経て触れる度に新たな発見と気づき心動かされることも経験してますが、小津作品「宗方姉妹」での田中絹代さん演じる姉の言葉にも通じていると感じます。
あたしは古いくならないことが新しいことだと思うのよ...ほんとに新しいことは、いつまでたっても古くならないことだと思ってんのよ

「すぐにはわからないもの」=「いつまでたっても古くならないこと」なんだなと...。



10月18日(木)のつぶやき

2018年10月19日 05時57分30秒 | 事件・事故・災害

日日是好日、原作を...。

2018年10月18日 20時55分00秒 | 
新潮社の文庫版を購入しました。


映画観て、好きになっちゃって、すっかりミーハー状態ですわ(^_^;

まだ冒頭ですが、子供時代にフェリーニの「道」という映画に出会い、年代を経ることに理解が深まる事を比喩のように「茶道」との25年に及ぶ付き合いを軽妙なタッチで語っていく...。

映画はこの自伝的エッセイにかなり忠実に作られている感じがします。
お茶を習い始めて二十五年。就職につまずき、いつも不安で自分の居場所を探し続けた日々。失恋、父の死をいう悲しみのなかで、気がつけば、そばに「お茶」があった。がんじがらめの決まりごとの向こうに、やがて見えてきた自由。「ここにいるだけでよい」という心の安息。雨が匂う、雨の一粒一粒が聴こえる......季節を五感で味わう歓びとともに、「いま、生きている!」その感動を鮮やかに綴る。

映像を先に観てしまったので、読みながら脳内では、武田先生は樹木希林さん、典子さんは黒木華さん、美智子さんは多部未華子さんが活き活きと声を発し動いてくれています(*^o^*)

ボリュームも250頁ほどで抵抗のない厚み...映画作品を気に入ったのなら、原作に触れて損は無い気がします(^_^)



10月14日(日)のつぶやき

2018年10月15日 05時59分24秒 | 事件・事故・災害

日日是好日、鑑賞

2018年10月14日 19時50分00秒 | 映画
若おかみは小学生!」に続けて、立川シネマシティ・gスタジオにて。

E列の中央ブロック一番右端と全く同じ座席、個人的にベストポジションです(^_^)

客層はやはり中高年層中心で、男女比は半々くらいかな。

どういうワケか?ハコの後ろ半分に密度が高い感じでした(^_^;

9月になくなった樹木希林さん、最晩年作の一つですが、テーマが茶道、主演が黒木瞳さんというキーワードが強烈に響き、これは絶対に映画館で観るべきだと(*^o^*)

監督・脚本は大森立嗣さん、麿赤兒さんの長男にして大森南朋さんのお兄さんなんですな。この方の作品は初めて観ましたが、過去作はハードで男臭いものばかりらしくて、今作はかなり異色作になるっぽいです。

まだ公開されたばかりの作品ですので、ネタバレは避けますが、期待していた通り小津さんの匂いがそこかしこからプンプンしてきて、愉悦の100分を過ごすことができましたよ(*´艸`*)

この手の特定業界・ジャンルに特化したモノって、下手すると説明臭くなっちゃうんだけど、ある程度ウンチクも入れないと面白みがないというバランスが難しい分野。

主人公の個人的な生活や人生もどれだけ織り込むか監督のサジ加減が試されますが、絶妙な感じでしつこくなくてとても良かったと思います。

20歳の大学生時代から中年女性へと達する四半世紀を描く長大な物語でしたが、淡々と薄味で処理されていて素晴らしい。

度が過ぎない程度に厳しく、どこか惚けている樹木希林さん演じる武田先生が絶品でしたねぇ(^_^)...うまいなぁやっぱりこの人...。

サウンド面でもハッとさせられる表現が多くて楽しめました。激しい雨、シトシト雨、激しい滝の音、川の流れ、杓子から碗に落とす湯と冷水の違い...等々いろんな水の音が耳を擽ってくれました(^_^)

以下、小津映画ファンとして嬉しかったり気になったりしたポイントをいくつか。

まず主人公が典子(のりこ)で、小津作品に多く登場する「紀子」を想起させるところですね。これはまぁ原作者が森下典子さんなので、そこからなのかもしれませんが、あえて「のりこ」としたのはオマージュが含まれていると感じられます。

茶室が主な舞台になるため障子に囲まれた和室がメインになりますが、所々で開いた障子を画面左右に...これって額縁のように見せる絵作りの一つですね。

武田先生の師匠である人物の額装写真が映し出されますが、もしかしたら「晩春」冒頭でお茶を点てるシーンがありますが...。

この先生役は紅澤葉子さんという女優らしいんですが、なんかこの方に似ているなぁと。

そして白眉は海岸で遊ぶ典子と従姉妹の美智子(多部未華子さん)の2ショット。

この映像を観た瞬間ウヒョ〜っと舞い上がりましたよ。

「麦秋」の紀子と兄嫁が海を長めながら静かに語り合うシチュエーションそのものを持ってきたなぁって(*^m^*)

樹木さんの円熟味も旨みタップリで、どこか小津作品に登場する杉村春子さんを思わせてくれて...観終わった後、本当に惜しい俳優をなくしてしまった事実に改めて愕然とする思いです...。

こんなところですが、まだ潜んでいるかもしれません。なんか自然と共生し共鳴する日本人の心...諦念や枯淡があって...また観たいなぁと思わせてくれる良作でした。



若おかみは小学生!、鑑賞

2018年10月13日 19時50分00秒 | アニメ
ネットで高評価だし、なんだか非常に気になっちゃって...でも...どこか心理的な抵抗もあって、これまで何度も行こう...いや止めておこう...を繰り返して、やっと(^_^;

場所は立川シネマシティ・gスタジオ...。

客入りはこんな感じ。

最終的にはもう1〜2割増えていた気もします。

年齢層は小学生くらいの子供連れの親子から、私みたいな中高年まで老若男女まんべんなくという感じでした。

おっこちゃんもロビーでお出迎えです(^_^)


...で、ストーリーに触れずネタバレ無しでの感想になりますが、私の印象としてはまぁまぁって感じでしたね。

アニメーションとしてのクオリティーは一級品、スタジオジブリで作画監督や原画として腕を磨いてきた高坂希太郎さんによる監督作品で、冒頭お神楽舞いのシーンはじめ、「和」のシットリとした情景描写はどこを切り取っても大変美しいものになっています。

観客の反応、笑いも結構おきてましたし、クライマックスではすすり泣く音もアチコチから伝わってきました。

...でも、なぜだか自分には響くモノが薄かったように感じまして...(^_^;

これはもう理屈で云々いえることじゃないんですよね。見るタイミングや環境で印象が変わる作品なのかもしれません。

「君の名は。」の印象に近いのかも...一回目(映画館)二回目(テレビ)で違いましたので。

同様にテレビ画面のサイズで見るとまた違う印象なのかもしれません。

個人的に一番心に響いたのは、オデコにチュッとする場面ですね...どこで誰がと説明するとネタバレに繋がるので、ここまでとしておきます(^_^;

それとキャラデザインですが、大人の女性...特におっこちゃんのお母さんの顔つきが松本零士さんっぽい...メーテルを想起させるような感じで良いなぁと(*^o^*)

パンフは品切れ...残念!


自分的な琴線にはちょっと届きませんでしたが、鑑賞後感は爽やかなものを感じましたので、やはり観に行って良かったと思っています。一見の価値は多いにあり!(^_^)

実は同館で続けてもう一作品「日日是好日」を観ました。これも「和」を感じさせるものでしたが、感想は次回にて...。