どっと屋Mの續・鼓腹撃壌

引き続き⋯フリーCG屋のショーモナイ日常(笑)

トキワ荘の青春、鑑賞

2013年04月28日 17時49分06秒 | 映画
これ未だにDVDしか出ていません。恐らくBlu-rayは...無さそう(^_^;

ひさびさに観ました。以前観た時も良い作品だなぁと思いましたが、さらに年を重ねてからだと強く心に染みてきます。

主人公はモックン演ずるところの寺田ヒロオ。

非常にローテンションで感情を抑えた演技をしています。

昔観た時は能みたいだなぁと思ったんですが、そこがまた良い(^_^)

モックン以外も皆ローテンションなんですが、芝居臭くしたくない、ドキュメンタリータッチで描きたかった意思が見えてきます。

アップも控えめで、極力カメラを引いて、狭い部屋に犇めき合う人物をフレームに収めて、落ち着いた絵作りを目指しています。

感情表現の起伏が抑えめなのに加えて、状況や人間関係の裏知識を予めわかってないと取っつきにくく、一般ウケはしそうもない同作ですが、漫画家をテーマにするとイヤにおちゃらけたり、その漫画家が描いた作品のキャラが登場したりという変な演出もないので、マニア向けなのかもしれませんが、この作品が益々好きになりました(^_^)

寺田さん、実際にもマンガ表現に悩み、時代変化の要求にも抗い、漫画家仲間とも距離を置き、晩年は孤独の中で亡くなられたようで?作中の陰影に沈む無表情な寺田さんがとても切ないです。

自分も50を過ぎて、なんだか身につまされるなぁ...という気持ちにも(´Д`;)

まぁ...何はともあれ、現代のマンガの起源、黎明期とも言えるトキワ荘。

一見の価値あり、そしてこの文化を理解し、継承していく意味でも観ておくべき作品だと思います。