スパニッシュ・オデッセイ

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元日本ハムファイターズのブリトー(Brito)選手

2018-03-22 17:30:38 | 名前
 今回は1995-96年に日本ハムで活躍したブリトー選手。ドミニカ共和国の出身である。
 
 ウィキペディア「バーナード・ブリトー」によると、フルネームは「バーナード・ブリトー・ペレス」(Bernardo Brito Pérez)。しかし、「バーナード」は英語風読みだが、英語そのものなら Bernard とつづらなければならない。Bernardo なら「ベルナルド」と読むべきである。個人名の Bernardo については「元大洋ホエールズのミャーン選手(2)個人名 Bernardo」をご覧いただきたい。
 母の父姓 Pérez はスペインでは第8位の名前で、これまで紹介してきたラテンアメリカ出身のプロ野球選手の誰かの母の父姓にもなっているはずである。世界的な分布を見ると、絶対数でメキシコ、人口比でキューバに多い。
  Brito が父の父姓である。“Historia Apellidos”によると、スペインでは第493位。多くはなくても、珍しくもない。世界的な分布は、絶対数でブラジル、人口比でカボ・ベルデ(Cabo Verde)に多い。
 
 【カボ・ベルデ。ウィキペディア「カーボ・ベルデ」より】
 Cabo Verde (英 Green Cape)は、ポルトガル語圏である。Cabo Verde という国名はそのままスペイン語にもなる。
 ポルトガル語圏に多い Brito 姓のルーツが気になるので、“ORIGEN DE LOS APELLIDOS”というサイトを調べてみた。それには次のように書かれていた。
 
 El origen del apellido Brito, proviene de la Gran Bretaña, donde la familia de la Britania se desplazó al continente para poblar la Bretaña Francesa, al norte de Galicia, para luego asentarse en Portugal donde fundaron poblados como el llamado “Britones”. La familia estaba emparentada con la nobleza tanto castellana como portuguesa.

 要約すると、「Brito 姓はイギリス(la Gran Bretaña:英 Great Britain)由来である。一族がフランスのブルターニュ(Bretaña Francesa)やスペインのガリシア地方に移住し、さらにはポルトガルにも根を下ろした。一族が住む集落は“Britones”『ブリトン人』と呼ばれた。そして、スペインやポルトガルの貴族とも縁戚関係を持つにいたった。」ということである。
 これで、Brito 姓がポルトガル語圏に多いのも納得である。
 ついでながら、ブリテン人はアングロサクソンではなく、ケルト系であることも付け加えておく。
 
 【ブルターニュ地方。スペイン語版ウィキペディア“Bretaña”より】
 
 【ガリシア(Galicia)地方は地図の左上の部分。その下がポルトガルになる】
 Brito 家の紋章は大体以下のデザインのようなものである。
 
 【某 Brito 家の紋章。Yahoo Español “Escudo de Brito”より】  
 というわけで、Brito 選手のご先祖様、または Brito 選手の雇い主のご先祖様はイギリスがルーツだったのである。
 そういえば、イギリスの口語では「イギリス人」のことを Brit というが、Brito はそのスペイン語形のようなものか。

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