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元西武ライオンズのカブレラ選手

2018-02-04 15:29:49 | 名前
 西武ライオンズ、オリックス・バッファローズ、ソフトバンク・ホークスで活躍したのはカブレラ選手。
 
 シルベスター・スタローン顔負けの腕っ節である。ウィキペディア「アレックス・カブレラ」によると、フルネームは「アレキサンダー・アルベルト・カブレラ」(Alexander Alberto "Alex" Cabrera)。個人名が Alexander Alberto で、愛称が Alex、姓が Cabrera ということだろうが、母の父姓が不明である。スペイン語版ウィキペディア“Álex Cabrera”に当たってみたが、やはり母の父姓は載っていない。
 カブレラ選手の出身はベネズエラであるが、母の父姓はあまり使われないのだろうか。
 個人名の Alexander は横浜DeNAベイスターズのラミレス監督と同じなので、ここでは触れない。
Alberto は英語の Albert に相当する名前で、こちらもごく一般的な名前である。姓の Cabrera は“Historia Apellidos”によれば、スペインにおける姓のランキングは60位。全然珍しい姓ではない。世界的な分布を見ると、絶対数ではメキシコ、人口比では北マリアナ諸島に多い。
 個人的には、野球選手に Cabrera 姓がやたらと多いような印象を持っている。
 Cabrera 姓は普通名詞 cabra 「雌ヤギ」に由来するようである。そこから cabrero (ヤギ飼い、ヤギの番人)という名詞が派生している。cabrera はその女性形である。Cabrera に関連する言葉については「雌ヤギ」を参照願いたいが、俳優の Leonardo DiCaprio の姓、DiCaprio も Cabrera と関連があるのである。
 cabra から派生した言葉に cabrón というのがある。本来は「雄ヤギ」の意味だが、「女房寝取られ男」の意味でよく使われている。間違ってもカブレラ選手に“Cabrera Cabrón”と、野次を飛ばしてはいけないことは「コキュ」の項でも触れてある。
 
 Cabrera が cabra に由来することは、某 Cabrera 家の紋章にヤギの絵が描かれていることからも分かるだろう。
 最後に、カブレラ選手についてのトリビアを。ウィキペディア「アレックス・カブレラ」によると、西武ドームの入り口横に「カブレラ地蔵」なるものが置かれていたそうな。
 
 ハマの大魔神にちなむ「大魔神社」が某駅の構内に設置されていたこともあるが、仏教または神道を信仰していなくても、日本では神様、仏様扱いされるのである。
 スペイン語版ウィキペディア“Alex Cabrera”によると、ニックネームは“el Samurái”で、国籍はベネズエラと日本の2つになっているが、日本版ウィキペディア「アレックス・カブレラ」ではベネズエラだけである。カブレラ選手が日本国籍を取得したという話は聞かないが、真相はどうなのだろうか。
 カブレラ選手はヒーローインタビューで英語で答えていたが、スペイン語訛りがひどくて閉口した記憶がある。そのころから、ラテンアメリカ出身の選手が多くなりかけていたが、通訳は英語だけだったのだろうか。 


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