前回、サンホセ市の語学学校の名前が Conversa ということについて書いた。conversa とは converso (主にイスラム教とユダヤ教からの改宗者)の女性形でもある。
コスタリカはカトリックを国教としていて、大多数がカトリックである。現在、国教を定めている国はあまり多くない。その多くがイスラム教国である。キリスト教国ではカトリック以外の宗派を含めても意外と少ない。イタリアやスペインなどはカトリックが国教であってもよさそうなものだが、今は国教ではない。ラテンアメリカでもカトリックを国教としている国はアルゼンチンとコスタリカぐらいのものである(ウィキペディアによる)。
コスタリカではカトリックが国教とはいっても、信教の自由はある。もちろん、イスラム教やユダヤ教を奉じても問題はない。
ユダヤ人はともかく、コスタリカにはイスラム教徒は皆無ではないにしても、ほとんどお目にかかれない。イラン人がいるらしいが、コスタリカ国民になっているかどうか不明である。ユダヤ人は結構いるらしい。宝石屋はだいたいユダヤ人経営のようだ。英語では「宝石」は jewel で、「ユダヤ人」は Jew なので、語源に関連があると考える人も多いようであるが、実は無関係らしい。スペイン語では「宝石」は joya で、「ユダヤ人」は judío で、英語ほどは形が似ていない。当然、語源も無関係である。手元のスペイン語辞書によると joya はスペイン語の動詞 jugar (遊ぶ)やその名詞形の juego (遊び)と関係があるそうである。金持ちが宝石をじゃらじゃら鳴らして遊んでいたのだろうか。そういえば、かつて、ビートルズのジョン・レノンがあるコンサートで、「金持ちは宝石をじゃらじゃら鳴らしてください」と客席に向かって言ったとのエピソードがある。
ユダヤ人 宝石ジャラジャラ 遊ばない
juego には「(食器などの)一式」という意味もある。ダイヤモンド(diamante)、ルビー(rubí)などの宝石(joya)一式とかんれんづけたらいいのかもしらn
それはともかく、コスタリカのユダヤ人はユダヤ教を守り通しているのだろうか、それとも多くは converso (改宗者)になっているのだろうか。
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はじめてのスペイン語 (講談社現代新書)
コスタリカの歴史 (世界の教科書シリーズ)
人名の世界地図 (文春新書)
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